三温糖ときび砂糖の違いとは?特徴と料理別の使い方も紹介!
三温糖ときび砂糖の原材料はサトウキビであり、見た目や色もとても似ています。三温糖ときび砂糖にはどんな違いがあるのか知らない方も多いと思います。カロリーなども気になるところです。そこで、今回は三温糖ときび砂糖の違いをじっくりと掘り下げて解説します。併せて、てんさい糖や上白糖、グラニュー糖についても調査しました。それぞれの砂糖の食べ方や料理での使い方なども紹介しますので、是非参考にして下さい。
三温糖ときび砂糖はどんな砂糖?
三温糖ときび砂糖は同じように茶色っぽく見た目も似ています。いったいこの2つの砂糖は何が違うのでしょうか?三温糖ときび砂糖の違いが分かれば、それぞれの特性に合った料理での使い方や食べ方ができます。三温糖もきび砂糖も身体に良さそうという漠然としたイメージがあります。そこで今回は三温糖ときび砂糖の違いを徹底的に比較して解説していきます。
三温糖ときび砂糖のカロリー
毎日の食生活に欠かせない砂糖。三温糖ときび砂糖のカロリーも気になるところです。三温糖のカロリーは100g中382キロカロリーです。きび砂糖のカロリーは100g中396キロカロリーです。カロリー的にはあまり変わりありませんが、ポイントはそれぞれの砂糖に含まれる成分の違いや特徴の違いです。それでは、三温糖ときび砂糖の原材料や特徴について注目してみましょう!
三温糖の原材料と特徴
三温糖はサトウキビを原材料とする薄茶色のしっとりとした砂糖です。再三加熱するという意味が含まれた名前です。三温糖は上白糖やグラニュー糖を精製した後に残った液体を結晶化させて作られます。三温糖は純度の高い「分蜜糖」(精製糖)で、どの砂糖よりもまったりと甘いのが特徴です。三温糖は仕上げ工程で糖の一部をカラメル化もしくは絡める色素を添加しているため茶色いと言われています。
きび砂糖の原材料と特徴
きび砂糖もサトウキビが原材料の砂糖です。きび砂糖はサトウキビをじっくり煮詰めて作られます。言うならばサトウキビの一番搾りの砂糖で、こだわりがあるほど値段も効果になっていきます。きび砂糖は純度の低めの「含蜜糖」で、サトウキビ本来の風味がある優しい味わいが特徴です。自然由来の薄茶色をしたサラサラした小粒の砂糖です。
三温糖ときび砂糖の違いに迫る!
三温糖ときび砂糖の原材料はどちらもサトウキビであることが分かりました。原材料は一緒なのに、それぞれの特徴が違うのは理由があります。ここではもっと詳しく三温糖ときび砂糖の違いに迫ってみたいと思います。
違い①製法
三温糖ときび砂糖は製法に大きな違いがあります。三温糖は糖液を再度煮詰めて結晶を取り出すという作業を繰り返す製法です。言い方は良くないですが、三温糖は上白糖やグラニュー糖の出がらしのようなものです。また三温糖は「転化糖」という糖類を転化しています。三温糖が適度な水分が保たれしっとりしているのは、この転化糖の働きがあるからです。
きび砂糖は粗糖と呼ばれる場合もあります。きび砂糖は砂糖液を煮詰めていく製法で作られています。上白糖が完全系とすれば、きび砂糖は精製途中の段階でできた砂糖とも言えます。きび砂糖は、完全に精製を行わない分、サトウキビに含まれたミネラルがまだたくさん含まれています。
違い②純度
砂糖の純度とは、糖分の含有率です。原材料のサトウキビに入っている不純物を取り除くため、何回も精製を繰り返すほど純度は高まっていきます。三温糖はきび砂糖に比べて純度が高いです。きび砂糖は精製途中の段階でできた砂糖なので、純度は他の砂糖類に比べて低めです。きび砂糖と三温糖の特徴の違いを活かした使い方ができると料理の腕も上がるかもしれません。
違い③色や風味や甘さ
三温糖は、白砂糖を作る過程でできた残りのカラメル状の砂糖なので純度が高く甘いです。三温糖はきび砂糖ほど茶色くはありませんが、うっすら茶色です。風味はそんなに感じられず独特のクセもありません。三温糖の甘さとコクを活かしてお菓子作りなどにむいています。
きび砂糖は三温糖に比べて甘さが少なくまろやかな味わいです。黒糖のような風味と奥深さがあります。きび砂糖の色は割と濃い茶色で、料理に使う時に茶色っぽく色うつりしてしまいます。料理に使う時は、煮込み料理や味噌や醤油と合わせた調味料として使い方を工夫すると良いでしょう。
違い④栄養価
三温糖は純度が高いためミネラル成分もほとんどなく、栄養面では期待できません。上白糖より少しは栄養素が残っていますが、はっきり言って微々たる差です。三温糖は見た目が茶色っぽいので、なんとなく栄養がありそうなイメージですが誤解です。三温糖の過剰摂取は虫歯や肥満などの健康被害に影響があるので注意してください。
きび砂糖はサトウキビのミネラルが一番残っているので砂糖の中では栄養価が高いです。栄養成分に関しては上白糖とほとんど変わりありません。きび砂糖は血糖値の上昇も三温糖より緩やかなのが特徴です。
三温糖ときび砂糖以外の砂糖の特徴
三温糖ときび砂糖について詳しく解説してきましたが、その他にもまだまだ砂糖の種類はあります。代表的なおすすめの砂糖をいくつか紹介します。
てんさい糖
ほとんどの砂糖の原材料がサトウキビなのに対し、てんさい糖の原材料はてんさいという植物になります。てんさいは「サトウダイコン」とも呼ばれ、見た目も大根にそっくりです。てんさいの白い根の部分に糖分があり、煮だしててんさい糖を作ります。てんさい糖はきび糖と同じく純度の低い砂糖の部類になります。
一般の砂糖は身体を冷やしてしまいますがてんさい糖は身体を温めてくれる作用があります。てんさい糖は味にクセがないので使い方も幅が広く料理にも重宝します。栄養成分はミネラルを多く含み、同時にカリウム、リン、カルシウムも摂取することができる優れた砂糖です。また少しの差ですが、砂糖類の中では一番カロリーが高い砂糖です。
上白糖
上白糖は日本で使われている砂糖の大半を占めている定番の砂糖です。上白糖はサトウキビを煮だして出た汁を絞り、幾度もろ過して精製されます。その過程で転化糖という種類の糖を混ぜてできる細かい結晶が上白糖です。
上白糖は触った感じがしっとりしていて、甘みも砂糖の中ではねっとり甘い方です。臭いもクセもありません。水にも溶けやすく料理やお菓子作りなど使い方も幅広いのが魅力です。上白糖の成分は98%がショ糖なので、残念ながら栄養的な期待はできません。
グラニュー糖
グラニュー糖といえば、お菓子作りの時によく利用される砂糖です。大きめの粒でザラッとした感触が特徴です。グラニュー糖は、ショ糖の結晶なので純度が高いです。甘さ的には、グラニュー糖より上白糖の方が甘みが強いです。グラニュー糖はすっきりした甘さなので、コーヒーや紅茶に入れる砂糖としても適しています。
例えばケーキやクッキーなどにグラニュー糖を使うと生地がさっくりと仕上がります。上白糖を使うと生地がしっとりなります。砂糖の使い方によって仕上がりが変わってきます。グラニュー糖がない場合は、自宅にある砂糖でも代用可能です。
三温糖やきび砂糖の料理別の使い方・食べ方
三温糖やきび砂糖の特徴を活かした料理別の使い方や食べ方を紹介します。せっかくなら料理に合う種類の砂糖を使って、より美味しく作りたいものです。是非参考にして下さい。
三温糖に合う料理
三温糖は強めの甘みとコクがあり、その特徴を活かした食べ方がおすすめです。よって魚の煮つけやつくだ煮などが良く合います。濃厚な深みのある煮つけ料理に仕上がります。お菓子作りに使用する場合は香り豊かなお菓子に仕上がります。ただ三温糖の茶色が料理に付くので、差しつかえのない茶系や濃い色の料理が良いでしょう。
きび砂糖に合う料理
きび砂糖は風味とコクがある特徴から和食料理によく合います。例えば魚の煮つけ料理の場合、きび砂糖の風味が魚臭さを抑えてふっくら仕上げてくれます。きび砂糖と醤油や味噌と和える食べ方もご飯がすすんでおすすめです。きび砂糖も色が付いてほしくない料理には、むいていませんのでご注意ください。
てんさい糖に合う料理
てんさい糖はまろやかな甘さが特徴で、全般的にどんな料理でも食べ方でも合います。コーヒーや紅茶、ヨーグルトと一緒に食べても美味しいし、料理やお菓子作りにも良く合います。てんさい糖はコクやテリも出してくれるのでテリヤキなどにも積極的に使ってほしいです。
上白糖に合う料理
上白糖は味にクセがないため、どんな料理や食べ方にも合います。クセがないということを活かして、素材の味が引き出せるジャムや果実酒などを作る時にもおすすめです。また、色を付けたくない料理に使用するのも良いでしょう。万能甘味料として、ご家庭に上白糖を常備しておくと大変便利です。
グラニュー糖に合う料理
グラニュー糖は粒子が細かく溶けやすい性質があります。またダマにもなりにくくお菓子作りには最適です。生クリームや卵白を作る時に使う砂糖も是非グラニュー糖で試してみてください。また、コーヒーや紅茶に入れてもスーッと溶けていきます。もちろん他の料理にもバッチリ使えて食べ方も幅広いのが嬉しいです。
三温糖ときび砂糖を使い分けて料理の腕を上げよう!
いかがでしたでしょうか?三温糖ときび糖は似ているようで違った特徴や性質をもつ砂糖でした。それぞれの特徴を活かした使い方や食べ方ができると、いつもの料理が一味もふた味も違ってくるでしょう。是非、三温糖ときび砂糖を上手に使い分けて、料理の腕を上げて下さい。