ピーナッツの栄養素を解説|効果的な食べ方や食べるときの注意点も
高カロリーなイメージのあるピーナッツですが、実際のところどのような栄養があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。この記事ではピーナッツの栄養や効果的な食べ方を紹介しています。ピーナッツの栄養について興味のある方は、参考にしてみてください。
目次
ピーナッツと言うと、カロリーが高い、ダイエットには不向き、食べ過ぎると太りそうというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実はピーナッツは栄養豊富で、きちんとした食べ方をすれば、健康や美容に良い効果を得られる食材です。
この記事では、ピーナッツに含まれる栄養素や効果的な食べ方、また食べるときの注意点なども詳しく解説しています。
この記事を読みピーナッツの持つ栄養効果や食べ方を知ることで、おつまみやおやつとして食べるだけでなく、健康や美容に効果的な栄養素を有効活用する食べ方を知ることができるでしょう。
ピーナッツの栄養を知って、食生活に取り入れたいと考えている方は、この記事をチェックしてみてください。
ピーナッツってどんな食材?
ピーナッツはアーモンドやクルミなどと同じナッツ類だと思っている方も多いのではないでしょうか。また、脂質が多くカロリーが高いとイメージしている方もいるでしょう。
実は、ピーナッツはナッツの仲間ではありません。また、脂質は多いものの、とても栄養価が高くヘルシーな食材なのです。ここからは、ピーナッツの特徴や種類について詳しく見ていきましょう。
ピーナッツの特徴
ナッツと思われがちなピーナッツはマメ科ラッカセイ属の一年草の種子です。原産は南米で、日本には江戸時代に東アジアを経由して持ち込まれたと言われています。
ピーナッツは、太りやすい、食べ過ぎると鼻血が出るなどのイメージがありますが、そんなことはありません。ピーナッツには確かに脂質が多く含まれていますが、そのほとんどが悪玉コレステロールを減らす効果が期待できるオレイン酸やリノール酸といった良質な脂肪酸です。
また、ピーナッツは、血糖値の上昇のスピードが緩やかな低GI食品のため、上手く取り入れればダイエットにも役立つ食材と言えるでしょう。
実は種類豊富なピーナッツ
ピーナッツは種類が豊富で、輸入物ではヴァージニア、スパニッシュ、バレンシアの3種類が主流です。国内産では、千葉県の農業総合研究センター育種研究所で品種登録されているピーナッツのみが栽培されていて、価格は輸入物より少し高くなります。
現在国内で作られている品種は、代表的な「千葉半立」をはじめ、焙煎に向いている「中手豊(なかてゆたか)」「Qなっつ(きゅーなっつ)」、茹でると美味しい「郷の香(さとのか)」「おおまさり」の5種類です。
ピーナッツの栄養素
ピーナッツは、5大栄養素と言われるたんぱく質、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンをバランス良く含む栄養価の優れた食材です。
ここからは、ピーナッツに含まれている栄養成分とその効果・効能を詳しく見ていきましょう。
ピーナッツ栄養成分 | 10粒(10g)当たり | 25~30粒(一食分当たり) |
---|---|---|
エネルギー | 28kcal | 536~751kcal |
たんぱく質 | 1・27ℊ | 15~34ℊ |
炭水化物 | 0.94 | 75~105 |
脂質 | 2.38 | 13~20 |
リン(レシチン) | 19mg | 381mg |
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.32mg |
ナイアシン | 0.85mg | 3.48mgNE |
不飽和脂肪酸 | 0.9ℊ | 3ℊ~ |
食物繊維 | 0.37g | 5.7g~ |
たんぱく質
ピーナッツには、糖質・脂質と並んで3大栄養素と言われるたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は、筋肉や臓器・髪・皮膚・爪などを構成したり、ホルモンや免疫物質・代謝機能の調整を担うなど、人体には欠かせない栄養素です。
健康な体作りのためにも、たんぱく源となる肉や魚・大豆などと同様に、ピーナッツもぜひ食事に取り入れましょう。
出典:たんぱく質|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
ミネラル
ピーナッツは、カリウムやマグネシウム、レシチンといったミネラルも豊富です。カリウムには体内の余分な塩分を尿とともに体外に排出してくれる作用があるため、むくみの改善や高血圧予防に効果が期待できます。
ピーナッツに含まれるリン脂質の一種であるレシチンは、記憶力を高める効果や学習能力を高める効果、認知症を予防する効果、さらには美肌効果も期待できるため、ピーナッツはお子さんや学生からお年寄り、美容を気にかける女性まで幅広く取り入れたい食材と言えるでしょう。
出典:ミネラル|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html
ビタミンB1
ピーナッツにはビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1は疲労回復のビタミンとも言われ、糖質をエネルギーに変換する作用や神経機能を正常に保つ働きをする栄養素です。
ただし、ビタミンB1は水溶性ビタミンで尿や汗から排出されるため、毎日意識的に摂る必要があります。
また、ビタミンB1には疲労回復効果が期待できるため、疲れが取れない方やスポーツなどで激しく体を動かす方におすすめの栄養素です。
出典:(2)水溶性ビタミン|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
ナイアシン
ピーナッツにはナイアシンが非常に多く含まれています。ナイアシンは、アルコールの代謝を促進する働き、また二日酔いを起こす成分の分解を助ける働きもあるため、悪酔いを防いだり二日酔いの予防にも効果が期待できる栄養素です。そのため、ピーナッツをおつまみに食べるのは、理にかなっていると言えるでしょう。
さらに、ナイアシンは皮膚や粘膜の生まれ変わりを促進する作用もあるため、皮膚炎や湿疹になりやすいという方は積極的に摂りたい栄養素でもあります。
出典:5. 2. 3.ナイアシン|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4r.pdf
不飽和脂肪酸
ピーナッツは脂肪分の多い食品ですが、そのほとんどがオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを抑制する作用があるとされているため、肥満や動脈硬化など生活習慣病の予防に効果が期待できます。
また、オレイン酸やリノール酸は、肌にうるおいを与える効果もあるとされるため、ピーナッツは美容にも嬉しい食材と言えるでしょう。
出典:不飽和脂肪酸|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、ピーナッツにはその両方ともが含まれています。水溶性食物繊維には糖質の吸収を穏やかにして、血糖値が急激に上がるのを抑える働きやコレステロールを体外へ排出する働きがあり、不溶性食物繊維には、水分を吸収して便の量を増し便通を促す働きがあります。
そのため、ピーナッツは血糖値・コレステロール値が気になる方や便秘気味の方におすすめです。
出典:食物繊維|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
ピーナッツの効果的な食べ方
栄養価の高いピーナッツですが、食べ方を工夫することで、よりその栄養を効果的に取り入れることができます。
ここでは、ピーナッツの効果的な食べ方を紹介します。健康や美容・ダイエットのためにピーナッツを活用したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
薄皮も一緒に食べる
ピーナッツについている薄皮は、食べるときに剥いてしまう方も多いでしょう。実は薄皮にも健康や美容に良い効果が期待できる栄養素が豊富にまれているのです。
薄皮には、ポリフェノールの一種「レスベラトロール」が多く含まれています。レスベラトロールは強い抗酸化作用を持ち細胞の酸化を防ぐ効果が期待できます。
他にも、レスベラトロールには、血流改善効果や生活習慣病の予防効果など、美容や健康に嬉しい多くの効果が期待できるため、ピーナッツを食べるときは薄皮も一緒に食べるのがおすすめです。
ビタミンCを含む食材と組み合わせる
ピーナッツに含まれる鉄や亜鉛といった栄養素は、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まると言われています。そのため、サラダのトッピングにしたり野菜と一緒に炒め物にしたりなど、ビタミンCを含む食材と組み合わせて摂るのがおすすめです。
朝に食べる
ピーナッツは、朝に食べるのがおすすめです。朝は1日のうちでも比較的血糖値が上がりやすい時間でもあります。そこで、低GI食品であるピーナッツを朝食べることで、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できるでしょう。
また、ピーナッツは腹持ちの良い食品のため、朝食べれば昼まで空腹感を感じることなく、余計な間食をしなくて済むでしょう。
味付けしていない素焼きピーナッツを選ぶ
ピーナッツ自体がいくら健康や美容に良いと言っても、塩や砂糖で味付けされたピーナッツを食べれば、余計な塩分や糖分を取ってしまうことになります。また、バターピーナッツやフライドピーナッツの加工に使われている油は、太りやすい飽和脂肪酸が多く含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。
健康やダイエットに効果を期待してピーナッツを食べるのであれば、味付けしていない素焼きピーナッツを選びましょう。また、殻付きピーナッツならば、殻をむくのに時間がかかるため、早食いを防止する効果も期待できるでしょう。
ピーナッツのおすすめレシピ
ピーナッツを食べるときは、そのまま食べることが多いでしょう。しかし、味付け加工のしていないピーナッツは、さまざまな料理に活用できるため、そのままで食べるだけではもったいないです。
ここでは、ピーナッツを使った簡単でおいしいおすすめレシピ3選を紹介します。紹介するレシピを参考に、体い嬉しい栄養を豊富に含むピーナッツを、もっと毎日の食卓に活用してみましょう。
1:添加物ナシで懐かしの味。子供大喜び『みそピー』
ピーナッツのカリっとした食感、ハチミツの甘み、ゴマの香ばしさでついつい手が止まらなくなる美味しさです。
口寂しいときのおやつ代わりやお酒のおつまみなど、活用範囲も広いので、冷蔵庫にストックしておくと便利でしょう。
2:食べるサプリ〝ケールと茹で落花生のサラダ〟
栄養価が高くスーパーフードと言われるケールとピーナッツを組み合わせたサラダです。ビタミンCを豊富に含むケールと併せることで、ピーナッツの鉄分や亜鉛の吸収率も高まるでしょう。
貧血気味の方や妊娠中の方、育ち盛りのお子さんにもおすすめのサラダです。
3:【炊飯器でほったらかし】ヘルシー!サラダポーク
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ピーナッツには不飽和脂肪酸やビタミンE等、パクチーやトマトにはビタミンCが豊富に含まれ、健康だけでなく美容・美肌にも◎。
たっぷり食べて、体の内側からキレイに♪
ピーナッツをトッピングに、ピーナッツバターをソースの材料に使った、ピーナッツの香ばしさと濃厚な旨味が楽しめる1品です。
豚肉は炊飯器に入れて放っておくだけ、ソースも材料を混ぜるだけの簡単レシピながら、本格アジア料理のような美味しさに仕上がります。ピーナッツと相性の良い豚肉と野菜でヘルシーかつ栄養面もばっちりです。
ピーナッツの保存方法は?
ピーナッツの保存方法や保存期間はタイプによって多少異なります。生のピーナッツは殻付きでも日持ちがしないため、できれば購入した日に使いきりましょう。長期保存したい場合には、茹でて殻を外し、水気を良く拭き取ってから保存袋に入れて冷凍保存します。冷凍保存なら1カ月程度保存可能です。
乾燥タイプの生ピーナッツは、冷蔵庫で保存可能です。空気に触れると酸化して臭いを発してしまうので、必ず保存袋に密閉して保存しましょう。冷蔵室で半年~1年ほど保存できます。ただし、湿気の多い野菜室はかびやすいので避けましょう。
ローストピーナッツは、すぐに食べるならば常温保存で大丈夫です。空気に触れないよう袋の口はしっかり閉めて直射日光の当たらない涼しい場所で保存しましょう。冷蔵保存の場合は冷蔵室で2週間ほど保存可能です。ただし1度開封すると風味や食感が落ちてくるため、できるだけ早めに食べきりましょう。
ピーナッツを食べるときの注意点
栄養価が高く体に良い効果をもたらすピーナッツですが、注意すべき点もあります。気を付けないと健康に害を及ぼす可能性もあるため、注意点もきちんと頭に入れておくといいでしょう。
1:カビが生えたピーナッツは食べない
日本は食品の品質管理には厳しいため、国内で販売されているピーナッツにカビが生えていることはめったにありません。しかし、保存方法や保存期間などによっては、品質が良い物でもカビが生えてしまう場合もあるでしょう。
カビが生えているピーナッツを食べるとお腹を壊す可能性があるばかりか、カビの中には発がん性物質を含むものもあるため、カビの生えているピーナッツは口にしないよう気を付けましょう。
2:適量を食べる
ピーナッツは栄養価の高い低GI食品とは言え、食べ過ぎはやはり良くありません。特に、味付けがしてある物は塩分や糖分過多になる可能性があるので注意が必要です。
また、ピーナッツに含まれる脂質や食物繊維は消化に時間がかかるため、食べ過ぎると消化不良や腹痛を招く可能性もあります。ピーナッツ1日の摂取量は30粒ほどを目安として、食べ過ぎには注意しましょう。
3:アレルギーに注意する
ピーナッツを食べる場合特に気を付けたいのがアレルギーです。ピーナッツアレルギーは、アナフィラキシーショックなどの危険な症状を起こしやすいため、十分注意が必要です。ピーナッツアレルギーの可能性のある方は、摂取を避けるようにしてください。
栄養豊富なピーナッツを食生活に取り入れてみよう
脂質が多く健康やダイエットからはかけ離れているように思えるピーナッツですが、実は体に良い栄養素を豊富に含む食材だということが分かったのではないでしょうか。
トッピングやペーストなど、いろいろな食べ方を楽しみながら、栄養豊富なピーナッツを日々の食生活に取り入れてみましょう。