2019年04月15日公開
2024年09月12日更新
赤ピーマンと緑・黄ピーマンの違い!パプリカとの違いや食べ方・レシピ5選
赤ピーマンと、緑・黄色ピーマンの違いについて知っていますか?ピーマンの色と言えばグリーンカラーが定番ですが、最近は赤色や黄色をしたカラーピーマンの種類もよくスーパーで見かけます。実は栄養が豊富に含まれている赤ピーマン、今回は赤ピーマンの特徴や旬の時期、栄養成分のほか、パプリカとの違いについて解説しています。また、赤ピーマンを使った簡単レシピについても紹介しています。栄養豊富で美味しい赤ピーマンを食卓に取り入れてみませんか?
目次
赤ピーマンとは?
本項ではつややかな赤色が特徴的なピーマン、赤ピーマンについて解説しています。赤ピーマンが実は普通のピーマンの完熟した姿だったという意外な事実を知っていますか?赤ピーマンの外観の特徴のほか、旬の季節や風味の特徴についても確認してみましょう。
種類や見た目
パプリカと間違われやすい赤ピーマンですが、実はパプリカよりも緑ピーマンに近い種類の野菜です。赤ピーマンは皮と果肉が赤いことが一番の特徴ですが、これは緑ピーマンの成熟した姿です。
通常の緑ピーマンは完全に成熟する前に収穫するため、外観が緑色をしています。赤ピーマンはその緑色の時期に収穫せず成熟を待ってから収穫するため、赤色なのです。
旬の時期や出荷量
赤ピーマンの旬はいつなのでしょうか?実は赤ピーマンの旬の時期は通常の緑ピーマンとあまり変わりがありません。露地物の赤ピーマンであれば、5月から10月の終わりまでが旬の季節で、ピークは6月から9月いっぱいまでです。ハウス物であれば一年中手に入ります。
赤ピーマンの出荷量は緑ピーマンに比べ少ないのが特徴です。これは赤ピーマンが緑ピーマンに比べ収穫までの時間を要することと、収穫後の日持ちが短いことから流通量も少ないためです。
食感や味など
赤ピーマンは皮が薄いため、緑ピーマンとほぼ同じ食感をしています。そのため火の通りがよく、炒め物などにも便利です。
赤ピーマンの味わいは、緑ピーマンに比べると若干の甘みがあり青臭さが少ないのが特徴です。緑色のピーマンの苦みは小さな子供に不人気なことが多いですが、赤ピーマンは苦みも抑えられているため、子供でも食べやすいと言えます。
赤ピーマンと緑・黄ピーマンの違い
赤ピーマンは他の種類のピーマンと比べ、どんな違いがあるのでしょうか?【緑・黄色ピーマン】と比較した場合の違いと、【パプリカ】と比較した場合の違いについてそれぞれ紹介していきましょう。見た目や厚みなど外観的な特徴の違いや、旬の違いについても調べていますので要チェックです。
種類や見た目
赤ピーマンの特徴についてすでに紹介したとおり、通常の緑色のピーマンの成熟した状態が赤ピーマンです。また、黄ピーマンについても、品種の違いがあるだけで緑ピーマンが成熟した状態です。緑ピーマンと赤ピーマン・黄ピーマンの外見上の特徴は、色が異なるだけで、皮の厚さや大きさはほぼ同じです。
旬の時期や出荷量
緑ピーマンの旬はすでに赤ピーマンの旬の時期について解説したとおり、露地物であればピークが6月から9月末までが旬となっています。現在ではハウスものが多いため、旬の時期に関係なく一年中出に入る緑ピーマンですが、主に夏が旬であると言えます。
出荷量は赤ピーマンに比べ格段に多いのが特徴です。日本では全国的に栽培され、中でも宮崎県や高知県などでハウス栽培されたものが年間を通して流通しています。
食感や味など
緑ピーマンの特徴は赤ピーマンに比べ、少し苦みがあるところです。これは成熟する前に収穫するためポリフェノールの一種であるクエルシトリンにピーマン特有の臭いが加わって苦みを感じると言われています。現在では同じ緑ピーマンでも、苦みの少ないジャンボピーマンやベル型ピーマンなど様々な品種が栽培されています。
赤ピーマンとパプリカの違い
続いて本項では赤ピーマンと【パプリカ】との違いについて詳しく見ていきましょう。赤ピーマンはじめカラーピーマンとパプリカは見た目が似ているため、使い分けがよく分からないひとも多いのではないでしょうか?そこで本項ではパプリカの特徴や旬の時期だけでなく、赤ピーマンと使い分けする際のポイントについても紹介しています。
種類や見た目
パプリカと赤ピーマンが混同されやすい理由は、その外見上の特徴にあります。パプリカにも赤色、黄色の種類がありますし、つややかな皮と形もおおむね似ているからです。
パプリカと赤ピーマンが外見上で異なる点は、その厚さと大きさにあります。パプリカの方が皮が厚く、ぼってりした印象があります。また、大きさについても赤ピーマンが通常のピーマンと同様に小さめであるのに対し、パプリカはどっしりと大きいサイズが特徴です。
なお、パプリカは植物学的な分類上は、カラーピーマンと同じナス科トウガラシ属の植物ですが、日本では輸入が解禁された平成5年以降に普及した野菜で、明治期からあるピーマンと比べると比較的日本では新しい存在です。
旬の時期や出荷量
パプリカの旬の時期と出荷量について紹介しましょう。パプリカの旬の季節はピーマンと同じく夏がピークです。日本国内で流通しているパプリカの8割が外国産のパプリカですが、ハウス栽培のものが多く一年中流通しているのが特徴です。
出荷量については韓国やオランダ、ニュージーランドから輸入されたパプリカが多くを占めますが、国内で栽培されているものについても宮城県や茨城県などでパプリカが年間約4千トンが生産されています。
食感や味など
パプリカは赤ピーマンや緑ピーマンに比べ、肉厚な果肉が特徴です。その分食感についても食べ応えがあります。また、風味としてはピーマンに比べ甘みがあるのが特徴的です。このためマリネなどの生食にも向いているほか、グリルするとジューシーな甘みを味わうことができます。
赤ピーマンの栄養素と効果効能
本項では赤ピーマンや緑・黄ピーマンの栄養素と効果効能について解説しています。各種ビタミンやβカロテンなど、ピーマンには体の調子を整えるのに必要な栄養成分が多く含まれています。また、ピーマンの種類により栄養成分にも若干の違いがあります。それぞれの栄養成分の健康効果について詳しく見ていきましょう。
ビタミンA
ビタミンAはピーマンに多く含まれている栄養成分の一つです。ピーマンの種類のなかでも赤ピーマンのビタミンAが断トツに多く、赤ピーマン100gあたり88ugのビタミンAが含まれています。
ビタミンAの主な健康効果・効能としては、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあると言われています。また、感染症予防や、免疫力を高める効果もあります。
ビタミンB6
ビタミンB6という栄養成分もまた、ピーマン各種類のなかで赤ピーマンにもっとも多く含まれている栄養素です。ビタミンB6はアミノ酸の合成に必要不可欠な栄養素で、タンパク質の代謝には重要な栄養成分です。
ビタミンC
美肌作りに欠かせない栄養素ビタミンCは、赤ピーマンには100gあたり170mg含まれています。ピーマンの中では赤ピーマンの次に黄ピーマンのビタミンCが多く150mg含まれています。
ビタミンCが多いと言われるレモンでは100gあたりビタミンCの量が50mgですから、ピーマンに含まれるビタミンCの量がいかに多いか分かります。
ビタミンK
ピーマンのなかでビタミンKが一番多く含まれているのは緑ピーマンです。緑ピーマン100gあたりビタミンKは20ugの含有量で、赤ピーマンでは7ug、黄ピーマンでは3ugの含有量です。
ビタミンKは血液凝固や丈夫な骨づくりに欠かせないビタミンの種類です。ビタミンKが不足すると出血傾向になると言われています。また、ビタミンKは骨粗しょう症や動脈硬化の予防にも効果がある栄養素です。
赤はβカロテンやビタミンEが増える
赤ピーマンは緑ピーマンが完熟したものであるということはすでに述べた通りですが、赤ピーマンになるとピーマンに含まれるβカロテンやビタミンEなどの栄養素が増えることが分かっています。
カロテンとビタミンE共に抗酸化力が高いことで知られており、アンチエイジングや動脈硬化、心臓疾患の予防に注目されている栄養素です。
緑はピラジンで血液サラサラ
緑ピーマンに含まれているピラジンという栄養素の名前を聞いたことはありますか?あまり聞きなれない名前ですが、ピラジンはピーマンの種やワタの部分に多く含まれる成分です。
ピラジンは血行を促進する作用のほか、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞の予防、また冷え性の改善などに効果があると言われています。栄養素を余すことなく摂取するにはピーマンの種やワタもいっしょに食べると良いかもしれません。
赤ピーマンの選び方と美味しい食べ方
本項では美味しい赤ピーマンの選び方と、食べ方について紹介しています。おいしい赤ピーマンの選び方は基本的に普通のピーマンの選び方と基本的な部分で変わりません。チェックになるポイントをおさえ、新鮮な赤ピーマンを選びましょう。
選び方
美味しい赤ピーマンは、色が濃く鮮やかでつやがあるのが特徴です。赤ピーマンの表皮にしわが寄っておらず、ハリがあるものを選びましょう。
また、赤ピーマンは鮮度が落ちると苦みが出たり、中から腐敗が始まります。ヘタの切り口が瑞々しく、黒色に変色していないものが良いでしょう。
美味しい食べ方
赤ピーマンは普通のピーマンのように薄く、パプリカほど厚みがないという特徴があります。また、普通のピーマンほど青臭さがなく子供にも食べさせやすい野菜です。
これらの特徴を生かして、サラダやグリルなど素材そのものの味が生かしやすい食べ方がおすすめです。より赤ピーマンの食感を滑らかにしたい場合は、薄皮をはいで調理するのも良いでしょう。
赤ピーマンのおすすめレシピ
本項では赤ピーマンのおすすめレシピを紹介しています。赤ピーマンの特徴である鮮やかさを生かしたレシピは普段の食事だけでなく、おもてなしレシピとしてもピッタリです。栄養満点の赤ピーマンを使っておいしいレシピを試してみませんか?
赤ピーマンと人参のポタージュ
- 赤ピーマン(2個)
- 人参(1/2個)
- 玉ねぎ(1/4個)
- オリーブオイル(大さじ1)
- 水(150㏄)
- コンソメキューブ(1個)
- ローリエ(1枚)
- 牛乳(200㏄)
- 塩コショウ(適量)
- 材料の野菜をすべて薄切りにする
- 鍋でオリーブオイルで玉ねぎを炒め、パプリカと人参も炒める
- 水とコンソメ、ローリエを加えふたをして中火で煮込む
- 野菜が柔らかくなったら火を止め、ローリエを取り除きブレンダーにかける
- 牛乳を加えて弱火で再度火にかけ、沸騰する直前で止め、塩コショウで整えたら完成
赤ピーマンのおすすめレシピ、「赤ピーマンと人参のポタージュ」を紹介します。カロテンなど野菜の栄養がそのまま食べられるポタージュスープで、優しい甘みがポイントです。レシピの分量は2~3人前です。
赤ピーマンのマリネ
- 赤ピーマン(2~3個)
- オリーブオイル(大さじ3)
- シェリービネガー(大さじ1)
- 飾り用ハーブ(適量)
- オーブンを200度に予熱する。ピーマンに薄く油を塗る
- 予熱が完了したら耐熱皿にピーマンを並べ25分焼き、表面に焦げをつける
- 焼けたらオーブンから取り出し、粗熱が取れたら、ヘタと種、薄皮を取り除く
- ボウルにオリーブオイル、シェリービネガーを合わせピーマンをちぎりながら加えて完成
赤ピーマンのおすすめレシピ、「赤ピーマンのマリネ」を紹介します。完成した直後でも美味しいですが1日から2日冷蔵庫で寝かせるとより一層美味しく食べられます。レシピの分量は4人前です。
カラーピーマンのグリルサラダ
- カラーピーマン(150g)
- ズッキーニ(1/3本)
- レモン(1/8個)
- 塩コショウ(適量)
- オリーブオイル(大さじ2)
- カラーピーマンを3、4等分に切り、ズッキーニは厚さ5mm程度に切る
- フライパンにオリーブオイルを熱し、野菜を入れ塩コショウして焼く
- 両面を良く焼いたら器に盛りレモンを添えて完成
「カラーピーマンのグリルサラダ」は野菜をカットしてフライパンで焼きつけるだけのシンプルなレシピです。シンプルだからこそ、オリーブオイルや塩コショウはぜひ良いものを使って作ってみましょう。仕上がりの違いが分かります。レシピの分量は2人前です。
豚ヒレ肉の竜田揚げ風
- 豚ヒレひと口カツ肉(210g)
- 赤ピーマン(1個)
- 片栗粉(大さじ1)
- 醤油(大さじ2)
- 酒(大さじ1)
- しょうがのしぼり汁(小さじ1)
- 油(大さじ3)
- 調味料を合わせ豚肉を10分ほど漬け、カラーピーマンは種をとって1.5cm幅に切る
- 豚肉の汁気をふき取って片栗粉をつける
- フライパンに油を熱し、カラーピーマンと豚肉を揚げ焼きにして完成
新ごぼうとカラーピーマンの塩きんぴら
- 新ごぼう(1本)
- カラーピーマン(1個)
- みりん(大さじ1)
- 砂糖(大さじ1/2)
- 鶏ガラスープの素(小さじ2/3)
- 塩(少々)
- ごま油(大さじ1)
- ごぼうを斜め薄切りにしてから千切りにし、カラーピーマンも千切りにする
- フライパンにごま油を熱してゴボウを炒め、火が通ってきたらピーマンを加えて炒め、砂糖とみりんを加え1分炒める
- 鶏ガラスープの素と塩少々で味を調えて完成
赤ピーマンの豊富な栄養を美味しく食べよう!
つややかな赤色が印象的な赤ピーマンは、緑色のピーマンが完全に熟した状態のピーマンです。黄色や緑色のピーマンと比べ、ビタミンCやビタミンAなどの成分の量が多く、栄養豊富な野菜です。
今回は赤ピーマンの特徴や他のピーマン、パプリカとの違い、美味しい赤ピーマンの選び方などについて特集しました。栄養満点で食べやすい赤ピーマンを普段の食事に取り入れてみましょう!