ピーマンとパプリカの違いは色だけ?味・栄養や見た目まで徹底比較
形が似ている野菜のピーマンとパプリカ。色が違うだけで何が違うのか、味や栄養は変わらないのか不思議に思っている方も多いでしょう。カラフルなパプリカとピーマンは色以外は同じだと思っている方もいらっしゃるでしょう。そこでピーマンとパプリカの色やかたちの違い、また味や栄養にどのような違いがあるのか徹底的に調べてみました。お料理をする際にピーマンとパプリカを使い分ける参考にしてください。
目次
ピーマンとパプリカ品種は同じ?
ピーマンとパプリカは同じナス科のトウガラシ種の植物です。植物の分類では同じ種類となります。これは辛くないトウガラシの種類に分類されています。辛くないトウガラシなので、甘トウガラシとも呼ばれます。
ししとうなどもこの「トウガラシ種」になります。では同じ植物の分類なのに違いがあるの?と逆に疑問に思ってしまいます。一般的には見た目や味で区別されています。それではピーマンとパプリカの見た目や味の違いを紹介していきます。
ピーマンとパプリカの歴史
ピーマンとパプリカは同じトウガラシ種で、これはトウガラシを品種改良した結果ピーマンとパプリカが生まれました。トウガラシは熱帯アメリカが原産でコロンブスが広めたと言われています。パプリカはコロンブスが世界に広めた後パプリカとしての品種はハンガリー作り上げられました。
その後アメリカやオランダ、韓国などに広まっていきました。日本では江戸時代以降甘トウガラシとしてピーマンの原型の栽培が始まりました。パプリカはオランダから1990年頃輸入が始まりスーパーなどに並ぶようになりました。
ピーマンとパプリカの見た目はどう違うの?
ピーマンの見た目
ピーマンの見た目は一般的に中型の大きさになります。未熟な状態で収穫しているので、色は緑色です。形少し細長い形をしているのが特徴です。皮が薄く、果肉は肉薄です。
パプリカの見た目
パプリカの見た目は大ぶりです。ピーマンに比べると丸い形でピーマンと違い完熟した状態で収穫するのでカラーは赤や黄色などカラフルなのが特徴です。パプリカは、ピーマンと違い肉厚です。
ピーマンとパプリカの味の違いは?
では、ピーマンとパプリカの味の違いを比較してみましょう。ピーマンは皆さんご存じのとおり、独特な苦みがあります。この苦みが苦手な方が多いです。肉薄なためシャキシャキしているのが特徴です。
パプリカはピーマンのような苦みはなく、甘みがあるのが特徴です。ピーマンの苦みが苦手な方はパプリカを選ぶと良いでしょう。肉厚なのでシャキシャキ感はありませんが食べごたえがあります。
ピーマンとパプリカの育て方は違う?
ピーマンとパプリカは同じ品種なので、苗の育て方に違いはありません。ピーマンもパプリカも暑さに強く乾燥に弱い野菜です。10℃以下になると成長が止まってしまうので注意が必要です。植える時期は5月上旬から下旬が適しています。
植える時期や育て方に違いはありませんが、収穫時期に違いがあります。ピーマンは1か月頃収穫の時期を迎えます。パプリカはピーマンより収穫時期が遅く2か月頃が収穫時期となります。1株でピーマンは60個ほど収穫できるのに対して、パプリカは1株で20個ほどの収穫量です。
ピーマンとパプリカの栄養の違いは?
ピーマンとパプリカに含まれる栄養素はビタミンA・ビタミンC・ビタミンEです。他にカロテンや食物繊維も含まれています。パプリカはビタミンA・ビタミンCとカロテンがピーマンの2倍以上含まれています。ビタミンEはピーマンの5倍以上含まれています。またピーマン、パプリカに多く含まれているビタミンCですがレモン以上に多く含まれています。
しかも加熱に弱いとされているビタミンCですが、ピーマン、パプリカに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴があります。ピーマンとパプリカの含まれる栄養素は同じですが、含まれる量を考えるとパプリカのほうが栄養価が高く優秀です。
ただピーマンにもパプリカより優れた点があります。ピーマンの香りに含まれているピラジンという成分です。このピラジンは血液をサラサラにする成分であり、血圧を下げる効果があります。パプリカにはあまり含まれない成分です。
ピーマンとパプリカに適した料理方法は?
見た目も栄養素も似ているピーマンとパプリカ。それぞれに適したお料理方法を紹介します。
ピーマンに適した調理方法
ピーマンはビタミンCが豊富ですが、このビタミンCは加熱に強いので炒め物や焼き物に適しています。また皮を剥く手間がありませんので手軽に使用できる野菜です。
パプリカに適した調理方法
パプリカは生でもおいしく食べられるので、サラダに適しています。パプリカは長く加熱すると栄養価が損なわれてしますので、炒めたり揚げたるする場合はあまり長く加熱しないようにしましょう。また栄養素が溶け出した際に飲めるスープなどもおすすめです。
パプリカの色の種類は?栄養に違いはある?
とてもきれいな色のパプリカ。料理の色合いなど使うのに便利です。パプリカはスーパーなどで赤色・黄色・オレンジ色をよく見かけます。あまり見かけませんが他にパプリカには白色・黒色・茶色・緑色・紫色の8種類があります。そこで皆さんがよく見かける赤色・黄色・オレンジ色のパプリカの栄養素に違いがあるのか調べてみました。
赤色パプリカ
赤色のパプリカにはカプサイシンが含まれています。カプサイシンはトウガラシに含まれていることで有名ですが、パプリカは辛さはほとんど感じません。体内に蓄積されたコレステロールの排出作用があるため生活習慣病の予防に最適です。また抗酸化作用にも優れており、β-カロテン以上の効果が期待できます。カプサイシンの作用により代謝が上がるので、冷え症の改善やダイエットにも効果があります。
黄色パプリカ
黄色のパプリカはビタミンCがすごく豊富です。ルテインの含まれる量も多く美肌に効果的です。ビタミンCを多く含むので、シミやそばかすを防ぐ効果があり、ルテインでアンチエイジング効果が望まれるので、お肌の調子の気になる方には黄色パプリカがおすすめです。黄色パプリカは他のパプリカに比べ少し苦みがあるのが特徴です。
オレンジ色パプリカ
オレンジ色のパプリカは、なんと赤色パプリカと黄色パプリカの両方の栄養素を含んでいるパプリカです。βーカロテン、ビタミンCを多く含むことはもちろん、オレンジ色のパプリカはビタミンEも多く含みます。抗酸化作用のあるβーカロテン、美白効果のあるビタミンC、若返り効果のビタミンE。これだけみても魅力的な栄養素をたくさん含んでいます。オレンジ色のパプリカは一番甘さの強いパプリカです。
ピーマンにも緑以外に色がつく?
スーパーなどで時折見かける赤いピーマン。これはパプリカとはまた違ったもので、緑のピーマンは未熟な時に収穫したもので、ピーマンが完熟すると黄色や赤色に色が変わります。そこで、赤いピーマンは緑のピーマンに比べて栄養価など変わるのか調べてみました。
まず、緑のピーマンはカロテンが400㎍、ビタミンCが76mg、ビタミンEが0.8mgになっています。赤ピーマンの方は、カロテンが1100㎍、ビタミンCが170mg、ビタミンEは4.3mgと、緑のピーマンに比べ赤のピーマンのほうが栄養価が高いことがわかります。
カロテンは緑のピーマンの約3倍。ビタミンCは約2倍近く、ビタミンEに関しては約6倍近い栄養価となっています。しかも緑のピーマンは未熟なため独特な苦みがありますが、赤いピーマンは完熟しているため緑のピーマンに比べ甘みがあります。緑のピーマンが苦手な方でも赤いピーマンは食べやすいでしょう。栄養価も高い赤ピーマンを、ぜひ試してみてください。
ピーマンとパプリカに値段の差はあるの?
パプリカは緑ピーマンより栄養価が高く、苦みも少ないためお料理に取り入れたい食材ですが緑ピーマンとパプリカの値段の違いを調べました。スーパーなどに買い物に行くと、緑ピーマンは3~4個入りで88円ほどで売られています。それに比べパプリカは1個単位で売られていることが多く1個98円ほどで売られています。
このようにパプリカは緑ピーマンに比べ割高です。パプリカはピーマンに比べ1株から収穫できる数が少なく、収穫時期もピーマンより遅いため、手間がかかる分割高になっています。
ピーマンとパプリカの違いについてのまとめ
ピーマンとパプリカについて今回調べてみました。品種が同じなためこれといった決定的な違いはなく、「カラフルで大きく肉厚で甘いのがパプリカ」「小さく肉薄で独特の苦みがある緑色のピーマン」と言った曖昧な分け方でした。栽培方法も同じですが、収穫時期や収穫数に違いが見られその分値段の違いもありました。
全体的な栄養素や味の好みなどを考えると、パプリカのほうが優れているように感じますが、ピーマンのピラジンと言う成分はパプリカにはない成分ですし、値段を考えるとピーマンにも良いところがたくさんあります。それぞれの良いところを知ることでお料理など工夫して栄養価の高いパプリカや血液サラサラ効果の高いピーマンを献立に取り入れていきたいですね。