桜えびの旬の時期はいつ?静岡の駿河湾名物「桜えび」がおすすめの店は?

桜えびは静岡県の駿河湾で水揚げされる、小さな桜色のエビです。この桜えびは、日本の中でも駿河湾でのみ漁がおこなわれていて、旬の時期も限定されています。桜えびの美味しい旬の時期と、なぜ駿河湾だけでとられるのか、その漁の特徴や独特な食べ方を紹介します。駿河湾沿岸の桜えびの美味しいお店や料理方法もあります。ぜひ駿河湾の宝石とも言われる桜えびの特徴を知って、より美味しさを味わってください。

桜えびの旬の時期はいつ?静岡の駿河湾名物「桜えび」がおすすめの店は?のイメージ

目次

  1. 1旬の美味しい桜えびが食べたい!
  2. 2桜えびの旬は?
  3. 3桜えびの特徴
  4. 4旬の桜えびのおすすめの食べ方
  5. 5旬の桜えびが食べられるお店
  6. 6桜えびは駿河湾の貴重な海洋資源
  7. 7美味しい旬の桜えびを食べに行こう!

旬の美味しい桜えびが食べたい!

桜えびは駿河湾だけで水揚げされる、季節限定で獲れる貴重な海の幸です。この桜えびの旬の時期と特徴、生息域から、おすすめの美味しい食べ方、桜えび料理がおすすめのお店をまとめてみていきます。

桜えびの旬は?

桜えびは、冷凍のものもあり一年中かき揚げなどで食べられるお店もありますが、旬は駿河湾で漁がおこなわれる年2回の時期が旬になります。この時期と、なぜ駿河湾の限られた港だけで漁がされるのかをみていきます。

春と秋の年2回

桜えびの漁の時期は決められています。毎年3月中旬から6月初旬の春漁、10月下旬から12月下旬の秋漁の年2回です。一年の内に2回の時期に限定した漁にすることで、桜えびを取り過ぎてしまわないよう保護しています。桜えびの産卵期は、6月下旬から9月下旬の夏場で、水深150mほどの海中に卵を産みます。

秋の漁では産卵後の数が多い時期の桜えびを、春の漁では冬に成長したものを取ることで、桜えびが絶えることのないように漁獲していることが特徴で、したがって旬の時期が2回になります

漁獲できるのは日本では駿河湾だけ

桜えびは、静岡県から関東にかけての太平洋沿いの湾岸、駿河湾、東京湾、相模湾に生息しています。ただ漁獲できるのは、駿河湾に限定されています。これは駿河湾の特徴でもあり、湾の中央域に深海があることと、富士川、安倍川、大井川といった大きな河川から流れる栄養分が混じる海域ということにあります。

桜えびは昼間は水深200mほどの駿河湾ならではの深い海域にいて、夜になると水深20~50mぐらいまで浮上してきます。桜えびにとっては、大きな海流が流れ込まず、湾内で安定して生息できるという特徴が駿河湾にはあって、漁獲は駿河湾に限定されています

水揚げされる漁港

駿河湾をぐるっと囲むように、港町がいくつかあります。マグロやアジで有名な沼津港、カツオの水揚げ量が日本一の焼津港もありますが、ここでは桜えびは水揚げされません。

桜えびが水揚げされるのは、駿河湾の中でも伊豆半島と向かい合うようにある西側の、静岡市清水区の由比漁港と蒲原港、焼津市の大井川港の許可証を持つ120隻程度に限定されています。

旬の時期の桜えびは絶品!

桜えびは春漁と秋漁があることで、旬が年に2回あります。春にとれる桜えびは、夏に卵からかえり成長しているので、ヒゲも長く殻が少しかたくなってきますが、旨みがたっぷりとのっています。秋漁のものは、まだ卵からかえったばかりで殻が柔らかく、生食での食べ方がおすすめです。

旬の桜えびは生食はもちろん、晴天の日に2日ほど天日干しすることで、旨みが凝縮するので、素干しのものも美味しく食べられます。生食は港周辺や漁港から直送される範囲になりますが、素干しや旬のものを専用冷凍したものであれば、全国で美味しく食べることができます

桜えびの特徴

桜えびは小さなエビですが、特徴的な色や生態があります。その桜えびの名前の由来や、珍しい特徴と似た種類のものを紹介します。

名前の由来

桜えびが海で生息している間は、体には透明感があり、少しの赤い色素が見えます。そのためうっすらとした桜色に見えることから「桜えび」と名付けられました。加熱したり干したりすることで、桜色は一層濃くなり、食べる時にはピンクから朱色のような鮮やかな色になっています。

桜えび漁は偶然から始まった

駿河湾に小さく美しい桜えびがいることは、江戸時代から漁をする人たちの間では知られていました。明治時代になり、駿河湾でアジの漁にでた漁師が、網を浮かせるための樽を船に乗せるのを忘れてしまい、その日はしかたなく網だけをおろして漁をしたところ網は深くまで潜ってしまい、引き上げたところ、たくさんの桜えびが入ったのです

このことがきっかけとなり、駿河湾での桜えび漁が盛んになり、全国的にも桜えびといえば駿河湾の名産として知られるようになりました。

桜えびは青く光る?

水揚げされる桜えびは、体調が3.5~4.5cmくらいで、体長の3倍近くになる長いヒゲが特徴です。夜になり浅いところに上がってくると、表面にある発光体が光り、頭から尾に向かって黄緑色に光ります。これが月のあかりなどによって、青く光るようにも見え、このことから「駿河湾の宝石」ともいわれます。

アキアミと間違いやすい

桜えびは小さなえびなので、釣りをするときの撒き餌になるアキアミやオキアミに似ています。アキアミは、サクラエビ科の小型のえびで体調は2~4cmで色は薄いピンク、瀬戸内海、有明海、富山湾、中国やフィリピン沖などでも漁獲されています。釣りにも使われますが、キムチなどに加えて味に深みをだしたり、塩辛にして食べられています

オキアミは釣りの餌として流通していますが、エビとは異なる種類です。大きなサイズのプランクトンといえます。

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旬の桜えびのおすすめの食べ方

旬の桜えびは、生でも美味しく味わうことができます。生のものは手に入りにくいので、冷凍したものや干したものでも美味しく食べられるおすすめの食べ方を紹介します。

新鮮ならお刺身

旬の新鮮な生桜えびが手に入ったら、生で食べるのがおすすめです。新鮮なものでしか味わえない食べ方が生桜えびで、桜えびのお刺身ともいわれます。旬には寿司店などでは軍艦などで提供される食べ方です。

食べ方のポイントは、特徴的なヒゲは取り除くことです。長いヒゲは口に入れてしまうと、歯に絡みつくようにもなり、旨みを堪能できないのでヒゲをあらかじめ取り除きます。1本1本とらなくても、ボウルに冷たい水を入れ、そこに桜えびをいれて割りばしでグルグルとかき回すようにすると、箸にヒゲが絡みます

ヒゲが絡み取られたら、ザルに桜えびをあげて水気を切って、しょうが醤油、ワサビ醤油などでいただきます。レモン汁を少しかけて醤油をかけて味わうのもおすすめです。プチっとした食感と甘味の後から、旨みがじんわりと口に広がります。

人気のかき揚げ

生の桜えびでもお刺身で食べられる旬の時期や、食べられる場所は限定されてしまいます。そこで水揚げされた翌日から2日ほどしたものであれば、かき揚げにした食べ方がおすすめです。冷凍の桜えびでも、かき揚げにすると桜えびの旨みに香ばしさも加わり、サクサクの食感が美味しい一品料理になります。

かき揚げでの食べ方では、ヒゲを取り除く下処理をして水気を切って、小麦粉をまぶします。そして天ぷらの衣をつけて、170~180度の油で揚げれば出来上がりです。ニンジンや玉ねぎなどカット野菜と混ぜても美味しいですが、旬な時期の桜えびなら桜えびだけでも十分に旨みのあるかき揚げが作れます

パスタやピザなど洋風に

乾燥させた桜えびがあれば、かき揚げや炊き込みご飯といった和食だけでなく、パスタやピザの具材として洋風料理に合わせた食べ方もおすすめです。干した桜えびの特徴は、旨みと香りが凝縮されているところにあり、それだけでも海の幸としての味わいが十分に楽しめます。旬の時期に干したものは、特に旨みがのっています。

茹でたてのパスタにオリーブオイル、塩、こしょうと桜えびだけでも美味しく、ピザであれば、トマトソースやチーズもよく合います。炒め物のトッピングにも使うことができます。

旬の桜えびが食べられるお店

駿河湾沿岸の沼津港、清水港などでも旬になると桜えびを添えた料理を味わえるお店が多くあります。特に由比漁港周辺では、桜えびの漁獲量が一番ということもあり、桜えびをメインにした料理を一年を通じて味わえるお店が多数あります。個性的な料理を提供するお店もあり、おすすめの人気店を紹介します。

はまのかき揚げや

由比漁港にある「浜のかきあげや」は、サクサクのかき揚げを中心に、丼、そば、うどんなどに桜えびを合わせた料理が食べられるお店です。炊き込みご飯にかき揚げをのせた麺のセットや、数量限定の特性ダレに漬け込む由比でも珍しい食べ方の漁師の沖漬丼セットが人気です。旬となる漁の時期は、金曜から日曜の週末のみ営業です。

くらさわや

由比にある「くらさわや」は、天気が良い日には駿河湾はもちろん、富士山も望めるロケーションの良いお店です。桜えびづくしのコース料理があり、かき揚げ、酢のもの、桜えび釜飯に、えびしんじょうに桜えびを合わせた桜えびまんじゅうまでも味わえます。旬以外の時期は厳選された冷凍したものを使って一年を通じて、桜えび料理を味わえます。

桜えび茶屋

「ゆい桜えび館」というドライブスポットにある観光施設内にある「桜えび茶屋」は、手打ちそばと桜えびの料理が味わえます。名物は桜えび茶屋定食で、大きな桜えびのかき揚げにそば、桜えびの炊き込みご飯と、旬の時期には生の桜えびも添えられます。単品でもかき揚げを注文することもでき、お土産としても冷凍や干し桜えびの購入ができます

ごはん屋さくら

国道1号線の富士由比バイパス沿いにある「ごはん屋さくら」では、桜えびはもちろん、しらすとあわせた駿河湾の恵みをたっぷりと味わうことができます。静岡てんこ盛り丼は、桜えびに、シラス、マグロをのせた駿河湾の特産品を盛り合わせています。伊豆の鹿肉をつかったメンチもあるので、海の幸だけでなく山の幸も味わうことができます。

開花亭

由比にある割烹旅館の「開花亭」では、グループでのランチにもおすすめのお店です。桜えびの御膳は沖あがりという桜えびの小鍋もセットになっています。予算に応じて品数が変わりますが、三点盛りでは釜揚げしらす、茹でた桜えび、つくだ煮が味わうこともできます。茶そばとかき揚げのセットや、かき揚げ丼の御膳もあります。

料理茶屋 玉鉾

和食全般から旬の時期になると、生の桜えび、生シラスも味わえるお店が「玉鉾」です。桜えびをたっぷりと味わえるのがおすすめ定食で、かき揚げ、茹で桜えび、桜えびのみそ汁に生のシラスか桜えびがセットになっています。旬の時期であれば丼飯の上に、生シラス、生サクラエビとマグロをのせられた駿河湾の幸を堪能できるメニューも登場します。

鐘庵

静岡を中心にして40店舗ほどあるそばとうどんの「鐘庵(しょうあん)」では、冷凍した桜えびを使ったかき揚げそばが一年を通じて味わえます。期間限定の桜えび祭りは、そばと桜えびをサクサクに上げたものを甘ダレで天ぷら重にしたものとお得な価格で両方味わえます。カレーうどんのトッピングにも揚げた桜えびが盛り付けられています

桜えびは駿河湾の貴重な海洋資源

桜えびは日本の中でも、駿河湾だけで水揚げされる希少性の高い水産資源の一つです。ただここ数年は、以前のような大漁の時期が少なくなり、漁獲量を調整したり保護のために休漁していることもあります。桜えびを確保したり、ブランド力を高めるための対策を紹介します。

漁ができる日が制限されている

桜えびの旬が年2回あるように、春漁と秋漁の年2回です。それぞれ2~3か月程度なので、年内に漁にでるのは半年未満となります。

その期間の中で、桜えび漁の方法は2艘の船で1つの網を引き揚げています。そのために船同士の距離が近くなり、波が荒くなる天候の悪い日には、船がぶつかる危険も増えます。そのために、決められた年2回の漁の時期であっても、天候に左右されやすく出航できる日が限られます

二つの桜えびブランド

駿河湾で水揚げされてる桜えびは、「由比桜えび」「駿河湾桜えび」の二つのブランドで全国に販売されています。どちらも、台湾産などの輸入される桜えびとは区別するために名付けられました。由比桜えびは、由比漁港で水揚げされるもので、桜えび漁が盛んな港町の知名度アップのためにブランド力を高めています。

どちらも同じように駿河湾で漁獲される桜えびですが、大井川港で揚がるものや蒲原港で揚がるものは駿河湾桜えびとされます。どちらも、料理に使える桜えびもありますが、桜えびのせんべいやふりかけといったお土産向きのものもあります。

2019年は深刻な不漁

由比漁港では、桜えび漁の春漁に合わせて、桜えびまつりを5月に実施していますが、2019年の春はこのお祭りが中止となりました。2018年の秋の時期に、漁が始まる前の調査で、桜えびがまだ35mm以下の稚エビの状態のものであったために、そのシーズンは漁獲をやめ、小さな桜えびが成長するまで待つため、秋漁は見合わせました。

そこから半年経ちましたが、桜えびが思うように増えていず、春漁も限定的になる見込みです。人気の桜えびまつりは、大量に準備し格安で食べられるようにしていましたが、その祭りは中止が決定されました。原因は天候なのか別の要因がありのか確定していませんが、今後桜えびが定量以上に増え、再び活気がある漁が再開されるのが期待されます

美味しい旬の桜えびを食べに行こう!

桜えびは静岡県の駿河湾の特産品です。年に2回の漁がありますが、2019年春の由比の桜えび祭りは中止が決定となりました。ますます貴重なものになりますが、春と秋の時期には、由比漁港、大井川港など駿河湾沿岸の港町へ旬の旨みを味わいに足を運んでみてください。

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