「卵」と「玉子」の違いと使い分けとは?2つの漢字の意味や由来を調査

「卵」と「玉子」は同じものを意味して使う漢字ですが、その使い分けの基準を知っていますか?口コミなどでも、どんな時に「卵」を使い、どんな場合は「玉子」と書くのかといった曖昧だからこその、小さな論争も見られます。この「卵」と「玉子」の漢字の由来と意味を調べていました。自分が口コミするときには、どちらを使ったらよいのか、生物的な意味、食用としての表記などの違いが分かります。

「卵」と「玉子」の違いと使い分けとは?2つの漢字の意味や由来を調査のイメージ

目次

  1. 1卵と玉子で使い分けができるのは本当?
  2. 2卵と玉子の豆知識【卵】
  3. 3卵と玉子の豆知識【玉子】
  4. 4卵と玉子の使い分けの実際のところは?
  5. 5卵と玉子の例文
  6. 6卵と玉子には意外にも違いがあった!

卵と玉子で使い分けができるのは本当?

たまごを漢字で書く場合、「」「玉子」どちらかを使いますが、きちんとした使い分けができずに、違いもなく何となく書いていることがあります。実は、この「卵」と「玉子」はその漢字が示す意味の違いがあり、使い分けができます。それぞれの漢字の由来、意味と合わせて口コミで使われるような例文を紹介します。

卵と玉子の豆知識【卵】

先ず「卵」という感じの意味と由来からみていきます。卵という文字の成り立ちや、実際にどういう場面で使われるかをみていきます。

漢字の成り立ちや意味/由来

」という漢字は、食用とするたまごに限らず、カエルのたまごのような小さな丸いたまごが連なっている様子から発生しました。その象形文字が少し進化すると、たまごの中には白身と黄身があるように中に丸い点を書くようになり、現在の「卵」という漢字になっています。

生物の”たまご”の表記に使われる

「卵」の特徴は生物学的な意味において、子孫を残すためのものに使います。「卵子」「受精卵」といった使い方で、孵化して新しい生命が誕生することを前提したものに対して使います。人間の場合でも、鳥や魚、虫などのたまごは食用という意味はなく、「卵」を使います。この場合は「玉子」を使うことはありません。

鶏の”たまご”としても使われることがある

生物学的な意味で子孫を残すためのものということでは、鶏のたまごも「卵」を使うことは間違いではありません。スーパーで食用として販売されているたまごに「卵」を使うこともあります。鶏のたまごに関しては、使い分けがややこしくなる部分ですが、「鶏卵」「卵白」「卵黄」といったことでも「卵」の漢字を使うことが多々あります

ただ同じ食用になるたまごであっても、タラコやカズノコといったものは魚のたまごであるので「卵」を使い、魚卵という使い方をします。

卵と玉子の豆知識【玉子】

「玉子」と書かれるようになった由来や、その意味をみていきます。「卵」とは違い、どのような時に使うのが正しいのかが分かります。

漢字の成り立ちや意味/由来

玉子」の漢字は、象形文字からできているのではなく、鳥のたまごが丸く、玉のように丸い殻に包まれている様子を表す意味で「玉の子」が由来となり、「玉子」になりました。「玉のような子ども」というと、宝物のように輝き、丸くて健康的な小さな赤ちゃんといった意味もあります。

もう一つ「玉子」と漢字を使うときには、鳥のたまごということがあります。魚などの鳥意外の生物のたまごには「玉子」を使うことはありません。

基本的には鶏の食用の”たまご”

「卵」が生物学的な意味を持つのに対して、「玉子」は食用としての表記に使われることが多いです。鶏のたまごであっても、自然な環境の中で鶏だけでなく、鳥や魚が産んだものは「卵」ですが、食用のたまごを取るために飼われている鶏が産み、スーパーなどに販売用に並んだものは「玉子」となります。

また料理の観点からみると、生のものや生まれたままの形のものを「卵」と書き、調理したものを「玉子」と書いて使い分けをすることもあります。生の状態のままのものは「卵かけご飯」、焼いたものは「目玉焼き」として調理するかしないかという違いでの使い分けをしているレシピや口コミも多くあります。

卵と玉子の使い分けの実際のところは?

「卵」と「玉子」の漢字の成り立ちや由来が分かったところで、実際の使い分けではどうなるかということを調べてみます。

生物のものは全て一律で卵

人間の卵子、魚のたまごの魚卵といったように、生物が子孫を残すために由来しているものは、一律で「卵」を使います。カエルのたまごは「卵」を使い、「玉子」を使うことはありません。例として、動物園などで大きなダチョウのたまごを展示していた場合、「ダチョウの玉子」は間違いで「ダチョウの卵」が正しい使い方になります。

鶏の”たまご”はどちらも使われる

ニワトリのたまごの場合は、生物学的に孵化させてヒヨコを誕生される「卵」もあれば、販売用に「玉子」を産卵させていることもあります。

結果として、鶏のたまごの場合は、「卵」も「玉子」も両方の漢字を使われる状態にあります。身近な卵である鶏のたまごが両方を使うという状況にあるために、「卵」と「玉子」の使い分けが曖昧になっているともいえます。

鶏のたまごは調理される場合でも、お店によっては「玉子焼き」と使うところもあれば、「卵焼き」と表記しているところもあります。それに比べると同じ食用でありながら、魚の場合は「卵」と使うことはあっても「玉子」は使いません。

放送用語では「卵」で統一

公共的な放送用語としてはたまごを漢字で表すときには、「卵」を使うよう統一されています。「玉子」でも実際に広く使われていることで間違いではないのですが、「卵」と「玉子」の明確な使い分けの基準がないので「卵」に統一されています。

トリの場合は、「鶏」を書くこともありますが、鳥類全般は「鳥」、ニワトリ限定での場合は「鶏」という明確な意味の違いでの使い分けができます。たまごの場合は、話し言葉では同じ「たまご」であっても漢字表記の時の基準があいまいな部分もあるので「卵」で統一しているということです。

今後は「卵」と「玉子」の使い分けが進んで、「生卵」「厚焼き玉子」というように、生のものは「卵」で加熱したものは「玉子」というような区別が一般的になると放送用語でも変化がでてくる可能性はあります。それでも半熟たまご、卵酒の場合など、どの程度の加熱なのかといった問題があるので、「卵」に統一されている状態が続いています。

平仮名で「たまご」でも良し

「卵」と「玉子」の使い分けは口コミサイトでも話題になることがありますが、どちらでもなく平仮名を使った「たまご」もよく見かけます。この「たまご」は、卵と玉子の使い分けが曖昧であるために、明確に示さないために使われたり、漢字で書くよりも印象を優しく、可愛らしさを表現するときに使われます

例えば、しっかりと過熱をしていず、生食に近いような半熟状態のタマゴは、「半熟卵」も「半熟玉子」も間違いではなく、「半熟たまご」と書いても問題はありません。料理店の口コミなどでの書き込みに迷うようであれば、平仮名での「たまご」を使うほうが無難ともいえます。

卵と玉子の例文

「卵」と「玉子」の意味の違いなどをみてきましたが、実際に書き記す時の使い分けができるように、例文を使って紹介していきます。

オムレツ

オムレツの作り方を記すときには、材料の部分では「卵3個」といった書き方をします。「材料は卵3個、牛乳、塩とこしょうです」となります。またレシピ中でも、「ボウルに卵を割り入れ、よく溶きほぐします」といった時には「卵」を使うのが正しいです。

オムレツは料理名ですが、加熱した後の料理の場合、「厚焼き玉子」や「たまご丼」といった使い方をします。

明太子

明太子の説明をする場合には、明太子はスケトウダラのたまごです。これを漢字を使って書くときには「スケトウダラの卵を辛子漬けにしたものです」となります。この場合は、生物上、スケトウダラは魚類なので「玉子」を使うことはありません。

口コミなどで「ニシンの玉子が数の子」とあればそれは間違いになります。正しくは「ニシンの卵が数の子」と表記するのが正しいです。

新人の医者

「たまご」の意味には、鳥や魚のたまごで食用になるもののほかに、「未熟な状態」「まだ一人前にならない人」というものがあります。新人の医者、あるいは医者を目指して学んでいる研修医のことを「医者の卵」と書きます。この場合は、やがて成熟し一人前になるという気持ちも込めて、孵化する「卵」を使います。

同じような使い方で、手にはいりにくような貴重な人材を指す言葉に「金の卵」があります。戦後の高度成長期に働き手が欲しい企業が、中学や高校を卒業したばかりの生徒も採用したがり、「金の卵」として表現されました。

卵と玉子には意外にも違いがあった!

「卵」と「玉子」は生物学的な意味でのたまごは「卵」、料理などの調理されたものを指すときには「玉子」という使い分けができます。大きくみると「卵」のなかの一部の意味に「玉子」があります。日ごろから口コミに書くときや、レシピなどを記すときにも「卵」と「玉子」を使い分けを意識してみてください。

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