2019年03月20日公開
2024年09月08日更新
あさつきと万能ねぎ/わけぎの違いを比較!見分け方は?
あさつきと万能ねぎ、わけぎはどう違うのか知っているでしょうか?どれも細長くて緑色のねぎとしてスーパーでも見かけたことがあるかと思いますが、同じねぎでも実は違いがあります。今回はそんなあさつきについて、あさつきの見た目や特徴、豊富な栄養成分から、万能ねぎやわけぎとの違いを比較していき、正しい見分け方や保存方法、旬のあさつきを美味しく楽しめるおすすめレシピやちょっと変わったレシピまで紹介していきます。
目次
あさつきと万能ねぎ/わけぎの違いが知りたい!
あさつきは通常の長ねぎとは違い、細くて濃い緑色をしています。しかし同じような特徴を持ったねぎに、万能ねぎやわけぎといった細ねぎを見かけることがあります。あさつきと万能ねぎ、わけぎは一見区別がつかないほどよく似ていますが、どこに違いがあるのでしょうか?
あさつきとは?
それではまずあさつきとは、どんなねぎなのでしょうか?あさつきの見た目などの特徴や旬の時期と産地、含まれる栄養素などについて詳しく紹介します。
あさつきの特徴
あさつきとは、ヒガンバナ科ネギ属の球根性多年草であり、エゾネギの変種ともいわれます。あさつきは漢字で「浅葱」と書き、その名前はねぎよりも色が浅いからという理由に由来しています。
別名イトネギ、センブキとも呼ばれ、野草で山野で自生していることもありますが、葉や鱗茎を食用とするため栽培されています。
歴史が古く平安時代から食されていた記憶が残っており、そのまま刻んで薬味にしたり、湯がいておひたしや和え物にしたりして食されます。また陰暦の3月3日の節句の日には、あさつきをアサリのむき身と酢みそ和えにする「浅葱なます」を作る習慣もありました。
見た目
あさつきは見た目が万能ねぎやわけぎととても良く似ています。地中に生える長卵状の鱗茎は長さ15~25cmほどで、淡い紫色から灰褐色になる皮に包まれます。
葉は、青緑色で細い円筒形をしていて、幅は3~5mm、長さ15~40cmほどです。花茎は40~60cmほどに伸びて、赤紫色の花を咲かせます。5~6月に花を咲かせた後はごま状の種子を作り、冬にはほとんどの葉が枯れます。
旬の時期と産地
あさつきの生産量はネギ全体で見て1%程度と少ないですが、広島県や福島県、山形県などで主に生産されています。あさつきは通年市場に出回っていますが、旬の時期は春と秋で、夏と冬には休眠状態となります。
産地の多い東北地方では、冬から春にかけての時期が旬になり、冬から春に球根から伸びた新芽を収穫し、春の味覚として楽しみます。山形県ではこれを伝統野菜として栽培し出荷しています。
栄養
あさつきには薬効が高い硫化アリルやビタミンB群、パントテン酸などの栄養素が豊富に含まれています。硫化アリルはネギ類独特の強い香りの栄養成分で、ビタミンB1の吸収を助ける作用や血行を良くして疲労物質である乳酸を分解する作用があり、血栓の予防や高血圧、疲労回復などの効果が期待できます。
あさつきの葉には、βカロテンの栄養素が豊富に含まれています。βカロテンの栄養素は皮膚や粘膜の健康を維持して、目の神経の働きを向上させる作用があります。またあさつきの葉にはビタミンCの栄養素も含まれ、皮膚や血管などを強化する働きがあります。
あさつきと万能ねぎ/わけぎの違いを比較
あさつきの特徴について見てきましたが、それではあさつきは万能ねぎやわけぎとどのような違いがあるのでしょうか?万能ねぎ、わけぎとのそれぞれの違いと見分け方を比較していきます。
あさつきと万能ねぎの違い
あさつきと万能ねぎは、とてもよく似ています。スーパーなどで売られているあさつきは、実は分けねぎの若取りだったりすることが多く、特に関東ではあさつきが入手しにくかったため、分けねぎを代用して使用されることが多かったようです。
万能ねぎとは実は、福岡県朝倉市で栽培されている商標登録されている小ねぎのことをいいます。小ねぎは青ねぎを若取りしたもので、同じ小ねぎでも各地でいろんなブランド名で販売されていることが多いです。
あさつきと万能ねぎを比較したときの大きな違いは、まず球根があり根元がぷっくりしているのに対して、万能ねぎは球根ではなく種であり、根元がまっすぐしています。
また葉の直径の違いを見ると、あさつきが2~3mmなのに対して、万能ねぎは5mm程度です。さらにあさつきは辛味が強いのに対して、万能ねぎは癖がなくどんな調理法にでも合うという違いがあります。
あさつきとわけぎの違い
出典: https://horti.jp
わけぎとは、ネギ属ネギ科に属するわけぎのことで、ねぎと玉ねぎの雑種のことをいいます。わけぎはあさつき同様球根で育ちますが、あさつきとは葉の大きさに違いがあり、あさつきが2~3mmの細身なのに対して、わけぎは7~10mmほどあります。
またあさつきとわけぎを比較すると味に違いがあり、あさつきは辛みが強いのに対して、わけぎは甘みが強くて苦みや辛味が少ないのが特徴です。わけぎもあさつきと同じく、関東などでは分けねぎが代用品として売られているのを多く見受けられます。
見分け方
スーパーで並べられているあさつき、万能ねぎ、わけぎの見分け方ですが、まず細かく切られている場合はほとんど見分けがつきません。丸々販売されている場合の見分け方は、まず根元を比較します。万能ねぎは根元がまっすぐですが、あさつきとわけぎはぷっくりしています。
さらに色の違いでは、ねぎより色の薄いものがあさつきであるという見分け方ができます。またあさつきが最も細い葉をしているので、葉の太さによる見分け方もあります。
ただし、あさつき、万能ねぎ、わけぎが並んで売られているとは限らず、特に東日本では分けねぎが代用されていることも多いので、地域によっては全く見分けがつかないということもあるかもしれません。
あさつきの保存方法
ここまであさつきの特徴や、万能ねぎとわけぎとの違いや見分け方について説明してきました。それではあさつきを手に入れた場合、どんな保存方法をすれば長く保存するのに適しているでしょうか?あさつきの保存方法について紹介します。
基本は冷蔵保存
あさつきの基本的な保存方法は、濡らした新聞紙またはキッチンペーパーであさつきを包んで、保存袋に入れたらできるだけ縦になるようにして冷蔵庫で保存します。この保存方法なら冷蔵庫で3~5日ほど保存可能です。
また刻んで保存する場合は、水気を切ってキッチンペーパーを敷いた密封容器かラップでフタをして冷蔵庫で保存します。この保存方法でも3~5日ほど日持ちします。
大量にある場合は冷凍
あさつきが使いきれない場合や長く保存したい場合は、刻んでから冷凍するという保存方法もあります。保存方法は、まず切ったあさつきをキッチンペーパーなどで水分をふき取り、密封容器かラップで包んで保存袋に入れて冷凍保存します。冷凍の保存方法はねぎの風味や鮮度は落ちてしまうので、早めに使い切るのがおすすめです。
あさつきのおすすめレシピ
薬味として使われることが多いあさつきですが、他にもいろいろな食べ方があります。あさつきのおすすめレシピをいくつか紹介します。
あさつきの胡麻味噌和え
- あさつき1束
- 味噌大さじ2
- 酢大さじ2
- 白すりごま大さじ2
- 砂糖大さじ1と1/2
- あさつきは根を切り落とし、泥を洗い流します。
- 鍋に水を沸騰させ、根のほうからさっと茹でて冷水に取ります。
- 味噌・酢・すりごま・砂糖を混ぜて酢味噌を作ります。
- あさつきの水気を絞って切り、食べやすい大きさに切ります。
- あさつきに胡麻味噌を和えたら出来上がりです。
旬のあさつきをさっと茹でて、酢を使ってさっぱりとした胡麻味噌で和えて食べるおすすめレシピです。あさつきがくたくたになると美味しさが半減するので、歯ごたえが残るようにさっと茹でます。
あさつきぶっかけごはん
- あさつき適量
- ごはん丼1杯
- 鰹節1袋
- しょうゆ適量
- あさつきを洗って水気を切ったら、細かく刻みます。
- ご飯の上に刻んだあさつきをのせ、鰹節をかけたらしょうゆを回しかけて出来上がりです。
あさつきをたっぷりとご飯にかけて食べる簡単で美味しいおすすめレシピです。あさつきはネギ臭さが少ないので、新鮮なあさつきをアツアツのご飯にたっぷりかけてると美味しく頂けます。また刻んだあさつきにごま油と胡麻を加えて、ご飯に鰹節と一緒にかけても美味しくなります。
あさつきの白だしゼリー
- あさつき50g
- ゼラチン小さじ3
- 水1カップ
- 白だし100cc
- しょうがの千切り少々
- あさつきは熱湯で30秒ほど茹でて、ザルにあげて冷まします。
- ゼラチンは大さじ3の水でふやかしておきます。
- 鍋に水を入れて沸騰させたら火を止めて、ゼラチンをふやかしものを入れてかき回します。粗熱を取って冷まします。
- 白だしを入れて混ぜたら、平らな容器にあらつきを広げます。ゼラチン液を注いで、冷やし固めます。
- 型から出したら、お好みで生姜の千切りをのせて出来上がりです。
あさつきのちょっと変わったこちらのレシピは、あさつきを白だしで固めて、きれいな見た目だけでなくあさつき本来の味も楽しめるおすすめレシピです。白出しのゼラチンがふんわりあさつきを包んで、優しく上品な味になります。
あさつきと万能ねぎ/わけぎの違いを理解しよう!
いかがでしたか?あさつきと万能ねぎ、わけぎの違いについて、あさつきの詳しい特徴から万能ねぎ、わけぎと比較して違いを調べていき、あさつきの上手な保存方法や美味しく食べられるおすすめレシピまで紹介してきました。
あさつきは細い葉をしていて辛味があり、根元や葉の特徴から万能ねぎやわけぎと見分けることができ、栄養が豊富で薬味としてだけでなく、あさつきの味を生かしたいろいろな食べ方がありました。
今回の記事を参考にして、あさつきと万能ねぎ、わけぎの違いを理解しつつ、それぞれの特性を生かして毎日のご飯に旬の美味しいあさつきを使ったレシピを取り入れてみましょう!