すじこといくらの違いとは?すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方!

すじこやいくらの違いや食べ方を知っていますか?魚の卵は数多くの種類が存在します。その代表的なものは、かずのこやたらこ、高級珍味のキャビアなどですが、1番親しみのあるものと言えばすじこといくらです。見た目が似ているのでそれぞれの違いについて気になります。そこで今回はすじこといくらにスポットを当て、すじこといくらの違いとは?すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方について解説します。すじこのほぐし方や食べ方、皮の部分の洗い方や塩漬けのレシピの他に、産地についても詳しく説明しています。

すじこといくらの違いとは?すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方!のイメージ

目次

  1. 1すじこといくらは同じものじゃない?
  2. 2すじこといくらの違い【すじこについて】
  3. 3すじこといくらの違い【いくらについて】
  4. 4すじこのほぐし方
  5. 5すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方
  6. 6すじこを使ったいくらのアレンジレシピ
  7. 7生すじこはアニサキスに注意
  8. 8すじこを使って旬のいくらを味わってみよう!

すじこといくらは同じものじゃない?

魚の卵は数多くの種類がありますが、その中でも一番親しみがあるのはすじこいくらではないでしょうか?すじこといくらはどちらも同じ原科で鮭と鱒の卵になります。見た目はよく似ていますが、それぞれの違いについて気になります。

そこで今回はすじこといくらの違いに着目し、すじこといくらの違いとは?すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方について紹介していきます。
 

すじこといくらの違い【すじこについて】

ここからは、すじこといくらの違いで「すじこについて」解説していきます。すじこといくらは同じ鮭と鱒の卵からなることは分かりましたが、呼び名の違いはまずにあります。どういうことか、詳しくみていきましょう。

すじことは?

すじことは、鮭と鱒の卵巣膜に包まれているので1つの塊になっています。すじこという名前も塊になって卵が筋のようになっていることから呼ばれるようになりました。すじことは卵巣を鮭や鱒の体からそのまま取り出したものと覚えておくと良いでしょう。

すじこといくらの粒を見てみると、いくらの方が粒が大きめですじこの方が小さめなのが確認できます。これらは後に詳しく説明しますが、漁獲する時期や鮭と鱒の成熟度によって違いがみられます。

種類

すじこは魚の種類によって呼び名もさまざまにあります。紅鮭は紅子(ベニコ)と言い、白鮭(秋鮭)は鮭子(サケコ)、またはチャム子ハラ子などと呼ばれます。銀鮭は銀子(ギンコ)、鱒は鱒子(マスコ)、鱒の介(キングサーモン)はキング子(キングコ)と呼ばれます。全て見てみると最後に「子」を付けているのが特徴です。

産地

すじこには、さまざまな呼び名がありましたが産地も同様にさまざまな地域で見られ、特徴もそれぞれにあります。まず国産の鱒(マス子)や白鮭(鮭子)大粒で薄塩が特徴で色はやや黒いです。次にアラスカ産地の紅鮭(紅子)の特徴は赤色で粒は大きめです。時間とともに赤から黒に変色します。味はやや塩辛いです。

北欧産地のトラウトサーモン(トラウト子)の特徴は値段は高めですが、発色がよく甘口です。また、ロシア産地の味付け筋子の特徴は、調味料で甘く仕上げており、しょうゆ味が多くなります。現在においてのすじこの生産・流通ランク別で見てみると、北欧、アラスカ、国産、ロシアの産地順になります。

すじこはどの産地でみても秋が旬でしかも限られた時期しか食べられないので貴重です。この漁獲する時期によってすじこになるのかいくらになるのか決まります。卵を持っている鮭か鱒から取り出すところまではすじこもいくらも一緒ですが、ポイントはすじこは成熟前の未熟な卵巣を使うのに対し、いくらは成熟して孵化直前の卵を使うことです。

すじこがいくらより粒が小さいのは、この卵巣の成熟度の違いからきています。未成熟な卵巣を使うすじこは熟成しきっていないので、いくら程の栄養が卵に行き渡っておらず、全体的に小さな粒になります。よって、卵巣が成熟しているか未成熟かですじこなのかいくらなのかが決まります。


 

味付けや食べ方

すじこといくらは元々は同じ卵なので、味にほとんど違いはありません。すじこはいくらに比べて塩味が強くて深い味わいになります。生のすじこを選ぶ際は、なるべく発色がきれいなオレンジ色で艶があるものを選ぶようにしましょう。

房全体の色が濃い赤色のものは、鮭の体から取り出すのが遅かったり、取り出してから時間が経過している可能性も高いので、選ぶポイントの参考にしてください。すじこの味付けは大きく2つに分かれます。1つは醤油漬けで最近になって流行ってきた味付け法です。すじこを色のつかない醤油で味付けしたものです。

2つめの味付けは塩漬けで、こちらは古くからの製造方法になります。すじこを塩水で処理後に塩の旨み成分を引き出す方法で、さらにもう1度塩漬けするやり方です。すじこは鮮度が命で、産地獲りたてをすぐに加工したものは塩分も少なくパラパラとしていて旨みも抜群なので、なるべぐ鮮度の良い産地直送のものを購入するようにしましょう。

時間が経過したすじこは塩分がきつくなり、すじこ自体のつぶつぶ感も失われがちになります。塩漬けにすると新鮮でないすじこはさらにしょっぱい塩漬けになってしまうので、すじこは新鮮さがとても重要になります。食べ方はご飯の上にのせたり海鮮丼が美味しいです。好みの食べ方ですじこを堪能しましょう。

すじこといくらの違い【いくらについて】

すじこといくらの違いで、次は「いくら」について解説していきます。いくらという名前はロシア人が鮭の卵をバラバラにしたものを「いくら」と呼んだのがきっかけです。日露戦争時代、高級珍味であるキャビアの代用品としてロシア人が食べていたのは、この「いくら」でした。

そんなロシアではキャビアもひっくるめて「いくら」と呼ぶそうですが、日本では「秋鮭の卵」に限りいくらと呼んでいます。そんな「いくら」についてもう少し詳しくみていきましょう。

いくらとは?

いくらとは、鮭や鱒から取り出した卵巣から小さな卵を1粒1粒取り出してバラバラにしたものを言います。手間と時間をかけて丁寧に作業するので、価格の方もすじこより高くなります。

いくらを選ぶときのポイントは、粒の大きさが揃っていて艶があり、1粒1粒がしっかりとハリがあるものが良いです。粒がいびつだったり崩れているものは買わないようにしましょう。

何の卵?

いくらはすじこ同様に鮭や鱒の卵です。日本のいくらやすじこは主に白鮭(秋鮭)やカラフトマスを使います。いくらはすじことは違い1年を通して美味しく食べられますが、やはり10月中旬から11月中旬までの産地直送のいくらは格別に美味しいです。

1粒1粒にハりと艶があり、程よくプチプチしています。11月中旬を過ぎると卵を守るための殻が硬くなりますので、旬の時期を見極めて購入するようにしましょう。
                       

食べ方は?

いくらの風味は、すじこ程のしょっぱさはなく、塩味が薄めです。さまざまな調味料をつけていることが多く、魚本来の旨みを味わうことができます。その中でも、鮮度が高いものほど塩味が薄く旨みがあって美味しいのは、すじこと同じです。新鮮ないくらは塩漬けにすると美味しいです。

いくらもすじこ同様に加熱加工はせずに醤油漬けや塩漬けにします。大正時代にロシアから伝わった当時は塩漬けしかありませんでしたが、現在では醤油漬けの方が多くなっています。特にいくらは醤油漬けが主流です。粒が崩れにくく弾力のあるいくらは、本来の味を残しつつ調味料を加えたりすることもできます。

食べ方はご飯に醤油漬けしたいくらをたっぷりのせて食べたり、いくら丼や海鮮丼、寿司にしても非常に美味しいです。好みの食べ方で新鮮ないくらを堪能しましょう。

すじこのほぐし方

すじこのほぐし方には、さまざまな方法があります。やり方によっては簡単にほぐすことができますので、好みのやり方で試してみましょう。

手でほぐす場合

すじこのほぐし方で手でほぐすほぐし方があります。キッチンペーパーの上にすじこを置き、皮を手で破きつつほぐしながら皮から外していきます。しかし、手作業はかなりの時間を要するうえに、なるべく潰さないように慎重になることでさらに手間がかかるので、あまりおすすめはできません。

網を使う場合

すじこのほぐし方では、を使ってすじこが皮から破けていくらをボウルに落とすほぐし方も可能です。ただし、すじこの粒の大きさと網を比べてみて、網の方が小さい場合はすじこを押し付けたときにつぶれてしまう恐れがあるので、すじこの粒よりも大きい網かを確認してから行いましょう。

ラケットを使う場合

すじこのほぐし方でユニークな方法がラケットを使うほぐし方です。こちらも網の場合と同様で、すじこが皮から破けていくらがボウルの中へ落ちるほぐし方になります。ラケットはバドミントン用がおすすめです。

衛生上新品のものを購入し、2回目以降もすじこのほぐし用に使うものとします。網目はすじこよりも大きいか確認してから使いましょう。バドミントンラケットは100均でも購入できます。

泡だて器を使う場合

すじこのほぐし方では泡だて器を使ったほぐし方もあります。やり方はすじこの房が開いている方を上にしてまな板にのせます。軽く皮を手で開くようにすると簡単に破れます。

房の皮といくらの粒の間に泡立て器を当てて1粒1粒泡だて器を移動させながら丁寧に外していきます。ほぐしたいくらを軽く水洗いしてペーパーでしっかりと水気を切ります。こうすることで生臭さも取れます。

お湯でほぐす場合

すじこのほぐし方でお湯でほぐす場合を紹介します。ボウルに40度のお湯を用意します。水の場合すじこの皮が破けやすくなるので、お湯にした方がすじこがよくほぐれるので望ましいです。そこに塩小さじ1杯入れます。塩を入れることにさらに皮が破けにくくなるので、塩はしっかり入れましょう。

40度の湯が入ったボウルの中にすじこをそっと入れたら、すじこの皮を指で破いておきます。菜箸を使ってすじこを挟んでかき混ぜることでいくらが皮から外れてきます。時々持ち上げて様子を見ながら何度も混ぜているとほとんどのいくらが皮から外れますので、手でほぐしていきます。

水が赤く濁る場合は皮に残っていた血筋が原因ですが綺麗に洗うので大丈夫です。皮といくらに分かれたら水を何度か取り替えて綺麗にします。白っぽいものは皮の取り残しなので指で取り除き、最後はざるにあげて水気をキッチンペーパーなどでやさしく拭き取りましょう。

 

すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方

次はいよいよ、すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方を紹介します。すじこは生のすじこを使い、ほぐさないでそのまま1腹分を醤油漬けにする作り方になります。作る前に目視でアニサキスが潜んでいないか確認することも大切です。

材料と作り方

  • すじこ1腹分
  • 醤油120ml
  • 酒40ml
  • みりん40ml

  1. 鍋に醤油、酒、みりんを入れてひと煮立ちさせます。ひと煮立ちさせたら火を止めて冷まします。
  2. 冷ました1を容器に移し替えて、その中に水気を切ったすじこを入れて冷蔵庫で一晩寝かせておきます。
  3. 一晩寝かせた後は、すじこをキッチンペーパーに包んでタッパーなどに入れます。キッチンペーパーに包んだすじこに軽く重しをして、さらに1日冷蔵庫に入れ余分な水分を取り除いたら出来上がりです。

ポイント

すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方は簡単でしたが、鍋で調味料を煮る前に生すじこはボウルでぬるま湯に入れて少しほぐし、筋の血抜きもしてください。表面と中側を綺麗に洗ったらざるにあげて水気を切っておきます。また、醤油漬けは一度冷凍をしておいてから自然解凍して食べるとアニサキスは死滅するので安全です。

保存方法と保存期間

すじこといくらの冷蔵庫での保存期間がすじこは1週間、いくらは3日間です。それ以上保存する場合は冷凍保存して下さい。すじこの保存方法は、ひと腹ずつラップにくるんで保存します。食べるときは冷蔵庫で自然解凍しましょう。冷凍保期間は約3ヵ月になります。

いくらの保存方法は、粒がつぶれないように容器に入れて冷凍庫で保存して下さい。容器は熱湯消毒して冷めてからいくらを入れて冷凍しましょう。食べる時のことを考えて小分けにしておくと便利です。いくらの冷凍保存期間は1ヵ月になります。

すじこを使ったいくらのアレンジレシピ

ここからはすじこを使ったいくらのアレンジレシピを紹介します。味わい深い味噌漬けは、ご飯やおつまみによく合い、作り方も簡単です。続いて大正時代からあると言われている塩漬けの簡単な食べ方も合わせて紹介します。

味噌漬け

  • ほぐしておいたすじこ400g
  • Aみそ大さじ3
  • A酒大さじ1
  • Aみりん大さじ1
  • Aしょうゆ大さじ1/2
 
  1. ほぐしておいたすじこを清潔な容器に入れて、Aの材料を入れて軽く混ぜ合わせます。
  2. 冷蔵庫で一晩漬けたら完成です。

料理長直伝のすじこの味噌漬けの作り方を紹介しました。自家製いくら漬けは冷蔵庫で4日間保存が可能です。冷凍庫の場合は約1ヵ月保存できます。その際は、保存容器に小分けにし、使う時は冷蔵庫で自然解凍しましょう。味噌漬けは作り方がとても簡単なので、ぜひチャレンジして下さい。食べ方としてはご飯のお供に最高です。

塩漬け

  • ほぐしておいたすじこ250g
  • 酒150ml
  • だし汁50ml
  • 塩10g
 
  1. 鍋に酒とだし汁、塩を入れます。
  2. 1を火にかけ、沸騰させてアルコール分を飛ばし、アルコールが飛んだら火を止めて冷ましておきます。
  3. 2にほぐしておいたすじこが隠れるくらいの漬け汁に入れたら、保存容器に移し替えて一晩冷蔵庫に寝かせたら完成です。

すじこを使ったいくらの塩漬けの作り方を紹介しました。塩味がしっかり漬かって美味しいです。また「アニサキス対策」として、一度いくらを冷凍してからその後に自然解凍して食べる方法などもありますので、後に紹介します。

生すじこはアニサキスに注意

最近、ニュースでも「アニサキス」が話題になっていますが、アニサキスとは海産魚介類の生食を原因とする白くて細長い寄生虫のことで、魚の内臓薄皮に付着していることが多いそうです。

スーパーで売られているいくらの醤油漬けには、工場の品質管理の段階でアニサキスが混入することはまずありませんが、生すじこの場合はどうでしょうか?この後詳しく説明します。

冷凍すると死滅する

現在、人への感染源となる魚介類は日本の近海で獲れるものでも160種を超えると言われています。その中でもサバが最大の感染源と考えられていて、他にもアジやイカ、イワシに最近ではサンマも注意が必要です。そんな感染源になる寄生虫「アニサキス」は内臓の薄皮などに付着しています。

これが知らずに人の体内に入ると危険です。生すじこにもアニサキスが付着する危険性があります。しかしアニサキスにも弱点があり、-20℃以下で24時間冷凍すればアニサキスは死滅するので、冷凍庫の温度設定を「強」にして2~3日以上冷凍してみましょう。

熱湯で死滅させる

生すじこ購入して醤油漬けにする際、ほぐす段階で注意したいのが、目視で入念に確認し、塩水にさらして洗った後に熱湯をかけてしばらくそのまま加熱消毒をすると良いでしょう。

アニサキスは70℃の熱で一瞬、また60℃の熱で1分さらされると死滅します。その後醤油や酒につけて冷凍保存すれば醤油漬けにもなり、アニサキスへの心配もなくなるでしょう。

目で確認

アニサキスは目視で見えますので、生のすじこやいくらを購入した際にはしっかり目視しましょう。アニサキスがニュース沙汰になってから、食品スーパーでも加工の際には入念にチェックをしているのでアニサキス被害はあれから報告されていませんが、念のため生の刺身など目視できるものは確認してみましょう。

アニサキスがいくらの中に侵入するのか、心配に思っている方もいると思いますが、いくらの中にアニサキスが侵入することはありませんので安心して下さい。アニサキスがいくらの中に侵入しようとすると粒がつぶれてしまうはずなので、粒の中にアニサキスがいるという状態はないでしょう。

すじこを使って旬のいくらを味わってみよう!

今回は、すじこといくらの違いとは?すじこを使ったいくらの醤油漬けの作り方を紹介しました。すじこといくらは元々同じ卵からのもので、漁業時期の違いや成熟度合いの違いで呼び名が変わることが分かりました。

産地もさまざまにあり、醤油漬けや塩漬けの美味しい食べ方レシピも紹介してきましたが、すじこといくらの魅力が伝わったでしょうか?ぜひ皆さんもすじこやいくらをさまざまな食べ方のアイデアで見出しながら堪能して下さい。

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