2019年03月10日公開
2024年09月07日更新
花椒(ホアジャオ)は四川料理の必須スパイス!花椒と山椒の違いは?
花椒(ホアジャオ)は中華料理、なかでも四川料理で多用されるスパイスです。舌がしびれるような強い辛さと爽やかな風味が特徴で、今日本で人気の四川風麻婆豆腐を作る際に欠かせないスパイスです。今回は辛いもの好きの人たちから注目されているスパイス、花椒(ホアジャオ)について、その特徴や使い方、効能について詳しく調査しました。また、花椒(ホアジャオ)とよく比較される山椒(さんしょう)との違いや、花椒がないときの代用品についても紹介していますのでチェックしてみましょう!
目次
花椒(ホアジャオ)を上手く使いこなしたい!
花椒(ホアジャオ)という中華料理に使われるスパイスを知っていますか?花椒(ホアジャオ)は最近日本で人気の激辛四川風麻婆豆腐には欠かせない、しびれる辛さが特徴のスパイスです。
今回は一度食べたら病みつきになる魅惑のスパイス花椒(ホアジャオ)について、その風味の特徴や使い方、健康面での効能など気になる情報をまとめました。
花椒(ホアジャオ)について
本項では花椒(ホアジャオ)が一体どんなスパイスなのか、原産国やスパイスとしての特徴についてまとめています。日本ではまだまだ知らない人が多い花椒(ホアジャオ)の秘密をチェックしてみましょう!
四川料理の必須スパイス
花椒(ホアジャオ)は中華料理で多用されるスパイスの一種です。炒め物や煮込み料理に使われ、3ミリ程度の赤い粒で、使い方としてはそのままホールで使ったり、粉にひいて使ったりします。
また、中華料理のなかでも特に激辛料理が多いことで有名な四川料理では、花椒(ホアジャオ)は必須のスパイスです。近年日本でも人気がある四川風麻婆豆腐には花椒(ホアジャオ)の存在は欠かせません。
原産国は?
花椒(ホアジャオ)はミカン科サンショウ属の植物の実で、原産国は中国です。中国のなかでも主な産地は四川省、河北省、河南省で栽培されています。
花椒(ホアジャオ)の歴史は古く、中国は漢の時代から薬としての効能を認められ、用いられていたことが当時の医書に記述されています。
味や風味は?
花椒(ホアジャオ)の味や風味の特徴について紹介しましょう。花椒(ホアジャオ)の辛さは中国語で「麻(マー)」と表現されます。これは日本語に訳すと「舌がしびれるような辛さ」という意味です。
まさにしびれるような刺激的な辛さと、独特の華やかでさわやかな香りが特徴のスパイス、それが花椒(ホアジャオ)です。
花椒と山椒の違い【特徴など】
花椒(ホアジャオ)と山椒(さんしょう)の違いについて知っていますか?どちらも粒のような外見であり名前も似ているスパイスであることから、混同されがちです。本項では花椒(ホアジャオ)と山椒(さんしょう)の違いについて解説しています。
山椒の原産国は?
花椒(ホアジャオ)の原産国が中国であるのに対し、山椒(さんしょう)の原産国は日本です。北海道から屋久島まで日本の南北に広く分布しており、国外では朝鮮半島の南部にも分布しています。
山椒の味や香りは?
山椒(さんしょう)は花椒(ホアジャオ)と同じミカン科サンショウ属の植物ですが、味や香りの特徴が大きく異なります。
山椒は花椒(ホアジャオ)ほどの強い辛みはなく、比較的穏やかな辛さが特徴です。このため辛みづけするためのスパイスというよりは、爽やかな風味を楽しむために香りづけするためのスパイスとして使われています。
使い方の違いは?
花椒(ホアジャオ)と山椒(さんしょう)では風味や味の特徴が異なるため、使われる場面も異なります。
中華料理では花椒(ホアジャオ)の刺激的な風味を最大限に生かすため、最後の仕上げ以外にも煮込み料理にも使われますし、油に花椒(ホアジャオ)の香りを移して使ったりもします。
一方、山椒(さんしょう)はその香りを楽しむために料理の最後にひとふり振りかけるような使い方や、最後に山椒の葉を香りある飾りとして添えるような使い方がされます。
使われる部分の違い
花椒(ホアジャオ)と山椒では使われる部分に違いがあります。花椒(ホアジャオ)は熟した実を乾燥させたものだけが使われるのに対し、山椒は熟す前の青い実のほか、山椒の木の芽、若葉、幹の皮などいろいろな部位が使われます。
中華料理か日本料理?使い方の違い
うな重や天ぷらなど日本料理においては山椒(さんしょう)が使われます。山椒のマイルドな辛みと繊細な香りは、同じく繊細な味わいが特徴の日本料理と相性が良いからです。
一方で、花椒(ホアジャオ)は中華料理に使われます。花椒(ホアジャオ)の個性的でパンチのある辛みは、ニンニクや生姜、唐辛子を多用する中華料理に使われても埋もれることなく良いアクセントになります。
花椒と山椒の栄養や効能の違い【山椒】
本項からは花椒と山椒の栄養成分について、またそれぞれの効能の違いについて解説しています。まずは山椒の栄養成分や効能についてチェックしてみましょう!
サンショールで血流を良くし冷え性の改善
山椒に含まれているサンショールは唐辛子や胡椒にもある辛み成分です。サンショールには血管を拡張させる作用があり、血液の流れを良くしてくれるため、冷え性改善に役立つと言われています。
シトロネラ―ルで胃腸機能の向上
シトロネラ―ルは山椒の香り成分です。名前から想像できるよういシトロネラールはレモンやユーカリなど柑橘系の香りで、山椒の爽やかさの元になっています。胃もたれ、消化不良など胃腸の機能の不振に効き、不快感を和らげてくれます。
カリウムでデトックス効果
山椒にはカルシウムやカリウムなどミネラルも豊富に含まれています。カリウムは体内の水分量を調整し、余分な水分を排出するデトックス効果があります。このためカリウムはむくみなどの症状にも効きます。
シトロネラールで食欲増進
シトロネラールはすでに述べた通り山椒の爽やかな香りのもとになっている香気成分です。清涼感あふれる香りは食欲を増進させる作用があり、一種のアロマテラピーのような効果があります。
サンショールの辛味で減塩できる
山椒の辛み成分サンショールには、減塩効果があります。舌がしびれるようなサンショールの刺激により、少しの塩分、少しの砂糖でも敏感に感じ取れるようになるからです。サンショールは高血圧患者向けにあらたな減塩方法、塩の代用品として近年注目されています。
ビタミンAで免疫力の向上
山椒にはビタミンAやビタミンB群が豊富に含まれています。なかでもビタミンAは、免疫力の向上に役立つ栄養素です。他にものどや鼻などの粘膜を細菌から守ったり、肌の健康を維持する効果があります。
花椒と山椒の栄養や効能の違い【花椒】
続いて、花椒(ホアジャオ)の栄養成分と効能について紹介します。山椒と同じミカン科サンショウ属の植物花椒にも、さまざまな健康効果があるのでチェックしてみましょう!
胃腸の調子を整える
花椒(ホアジャオ)には健胃効果があることで知られています。消化不良や吐き気、腹痛、下痢などの症状を改善し、胃腸の働きを整えてくれます。
殺菌作用
花椒(ホアジャオ)には健胃効果とともに、殺菌効果があります。中国では古くは漢の時代より花椒の殺菌・殺虫効果が知られ、食中毒の防止などに使われてきました。
鎮痛効果や麻酔効果
花椒(ホアジャオ)の強いしびれ成分を利用し、中国では古くから鎮痛効果や麻酔効果の薬として使われてきました。大量に花椒を使い、一種の局部麻酔に利用することもあったと言います。また、体を温める効果があるため腹痛などの不快感の緩和にも役立ちます。
ホルモンのバランスを整える
花椒(ホアジャオ)にはホルモンバランスを整え、正常化する効果があります。中国では子宮出血やおりものの異常などの治療に使われたり、授乳期を終える際に花椒を煎じて飲むことで乳汁の分泌を抑えたりと、ホルモンバランスに関係する症状に使われています。
母乳の分泌を抑制
前項でも紹介しましたが、花椒(ホアジャオ)にはホルモンバランスの乱れを正常化する効果があります。授乳を続けていた赤ちゃんに断乳、卒乳する際に、お母さんが花椒を煎じて飲むと、母乳の分泌が抑制されスムーズに断乳が完了すると言われています。
花椒の代用品は?
家で麻婆豆腐や中華料理をつくる時など、花椒があったらいいなと思ったことはありませんか?本項では花椒がないときに代用になるものがないか解説しています。
山椒では?
花椒(ホアジャオ)はないけれど、山椒(さんしょう)なら家にあるという日本人家庭は多いのではないでしょうか?麻婆豆腐などしびれるような辛さが美味しい中華料理をつくる時、山椒を代用するのはどうなのでしょうか?
山椒は花椒と同じミカン科サンショウ属の植物で、しびれる辛みがある点も共通しています。山椒で代用することは料理に足すという点では可能ですが、実際には風味が異なるため中華料理というよりは山椒らしい仕上がりになるかもしれません。
粗挽き黒胡椒では?
花椒(ホアジャオ)の代用として、独特のしびれを求めるのなら、粗挽き黒胡椒を代用にするのをおすすめします。香りや風味は花椒とは異なりますが、舌がしびれるような感覚はある程度得られそうです。
花椒の豊かな風味を活かして本格的な中華料理を作ってみよう!
四川風麻婆豆腐など中華料理には欠かせないスパイス、花椒(ホアジャオ)はしびれるような辛さと爽やかな香りが特徴のスパイスです。今回は花椒の特徴や、使い方、健康面への効能についてまとめました。個性的な強い風味は一度食べると病みつきになる花椒、日本でよく使われる山椒との違いを理解して、中華料理や唐揚げなどに使ってみませんか?