お酢の種類の上手な使い分け方法!味の違い・特徴を生かした使い方!
お酢は私たちの食生活には欠かせない調味料です。お酢の種類は多く、米などを原料とした穀物酢や果物を原料としたワインビネガーなどの果実酢があります。お酢は料理の味を引き立ててくれたり、必要な栄養を補ったりと万能です。さらに穀物酢は料理だけでなくキッチンの掃除などにも利用できます。米酢、穀物酢、黒酢は誰もが知っていますが、他にもいろいろなお酢があります。お酢の種類や自分にあった酢の選び方、使い分けを調査してみました。またそれぞれの酢の特徴や成分の違いも紹介します。
目次
お酢の種類別特徴を知れば上手に使い分けができる!
寿司や酢を使った料理を好む私たちにとって酢は必要不可欠な調味料です。しかし意外と知られていない特徴があります。一口に酢といってもその種類も多く、使い分けや選び方も多種多様です。お酢の魅力はまだまだあります。種類が豊富な穀物酢だけでなくやワインビネガー果実酢の特徴を知って、あらゆるケースで使い分けをしてみましょう。
お酢の種類と特徴【穀物酢】
お酢とは何なのか?おさらいしてみます。酢とは米や麦などの穀類やりんごやぶどうなどの果汁を主原料として酵母やアルコールで発酵させた酒に酢酸菌を混ぜて発酵させているものです。酒と酢の漢字は同じ部首が使われていて双方に深い関係があることがわかります。お酢の種類には穀物酢と果実酢があります。
米酢
米酢は名前のとおり米を主な材料として作られた醸造酢です。米酢は酵母菌を入れてお酒を造るようにアルコール発酵させて、そこへ酢酸菌を加えて4か月の熟成で米酢となります。
米酢といってもその種類が多く、一般的な米酢は1Lあたり40gのお米が入っていますが、本当の米酢は1Lあたり300gの米を使います。このような米酢は純米酢と表示されています。
黒酢
黒酢は古くから国内でも使われていました。黒酢の歴史は江戸時代にまでさかのぼります。黒酢の材料は玄米で、秋に刈り取られた米のもみがらだけ取り除いて作られます。そんな黒酢は種類も多く、調理だけでなく健康や美容にも広がっています。
鹿児島県福山町は黒酢発祥の地として有名です。福山町での黒酢製法には特徴がありまして、壺を使って作ります。原料となる玄米や大麦は地元産にこだわり、一般的な酢は数か月で仕上げますが、福山町の黒酢は1年から3年もかけて発酵させるのです。これにより豊富なアミノ酸を含みさらにクエン酸、コハク酸や多くのミネラルも含みます。
玄米酢
玄米だけを使って製造された酢は純玄米酢と呼ばれています。米酢は何百年という歴史があり、日本の代表的な酢にあげられます。原料が玄米ということですし飯や酢の物にも利用されます。しかも疲労回復やコレステロールを下げる効果も期待できます。玄米酢と米酢は違いがあります。
粕酢
日本には米酢と粕酢の2種類があります。粕酢は愛知県半田市で江戸時代より多く製造されていました。半田は濃尾平野にあり江戸時代から酒造りが盛んでした。さらに海上運搬に便利な場所でしたので製造された酒を江戸まで運搬していました。
ミツカンの創業者は酒粕を使って酢を作りました。当時高価だった米酢より安価な粕酢を売り込んだのです。このことで寿司の普及が急速に広まりました。粕酢は独特な甘みとうま味がありますが、癖は強いのですが、それでも握り寿司には好都合のお酢でした。
麦芽酢
麦芽酢は大麦の種を発芽させたもので造られています。麦芽はビールの原料としても使われています。麦芽酢は麦芽のでんぷんを分解させて麦芽糖などを作り出して糖化させ、それをもとに醸造した酢のことです。これをモルトビネガーとも呼びます。
原料は麦芽やコーンなどです。これらを糖化して発酵させて醸造した酢です。麦芽酢の特徴はツンとくる強い酸味です。ビールの原料にもなっている麦芽を使っているためビールのような香りも感じられます。
香酢
香酢は中国で作られています。黒酢と同様長い時間をかけて熟成させたので黒い色をしています。また黒酢以上に酸味が強くアミノ酸の成分も豊富です。これは米などの穀物を日本の黒酢より多く使用しているからです。特有の香りが強いため香酢とよばれるようになりました。
穀物酢
穀物酢は誰もが知っているお酢です。値段も手ごろで料理だけでなくシンクなどの掃除にも使えますし、冷蔵庫内をお酢で拭くと殺菌効果も得られます。市販されている穀物酢は米だけでなく他の雑穀などを加えた物もあります。
お酢の種類と特徴【果実酢】
果実酢といっても果物の種類が沢山あります。どのような果実酢でも、1L中300g以上果汁が入っているものです。また果実を漬け込み香りなどをつけることもあります。原料の果実を名前にしています。
ワインビネガー
ワインビネガーは原料であるぶどうを熟成発酵させます。これに酢酸を加えて発酵させてワインビネガーになります。ワインに赤と白があるようにワインビネガーにも赤と白の2種類があります。穀物酢と違いアミノ酸は少ないのですが酒石酸という成分を多く含みます。酒石酸の働きによってコレステロールを下げたり整腸にも効果があります。
バルサミコ酢
バルサミコ酢はイタリア料理などの仕上げのアクセントとして用いられています。バルサミコ酢は甘みの強いブドウを樽に入れて何年もかけて熟成させます。バルサミコとはイタリア語で「誇り高い」の意味ですがまさに高級イタリアン料理には欠かせない調味料といえます。
りんご酢
りんご酢とはりんごの果汁とアルコールを混ぜ合わせることにより作られた酢です。りんご酢の種類の中にはアルコールを加えずりんご果汁のみで醸造されたりんご酢もあります。りんごに含まれるカリウムなどの働きにより高血圧予防などにも効果があります。りんごのさっぱりとした味を楽しめ料理の種類が増やせます。
柿酢
柿酢は熟した柿が原料で、酢に漬けるのではなくさ熟した柿をそのまま発酵せて作ります。柿の栄養や効果は昔から知られていて、柿の実だけでなく葉にも多くの栄養を含んでいます。柿酢の種類によっては渋柿をじっくり発酵させた物もあります。純正な柿酢は100%柿の成分だけを使ってアルコールや酢酸などは一切使わず製造されています。
もろみ酢
沖縄の地酒泡盛を作る時蒸留の過程でできるもろみ粕”かしじぇー”を圧搾して造る天然発酵のクエン酸飲料です。もろみ粕を圧搾したあと黒糖や三温糖など甘みを加えまろやかにしているクエン酸やアミノ酸が摂取できる健康によいお酢飲料です。
健康維持のために飲んだりドレッシングなどに加えて食事としても使いやすい酢です。穀物酢と同様にアミノ酸を多く含むため疲労回復にも効果があります。
香酢
長い年月熟成された香酢にレモンと炭酸水を混ぜ合わせると爽快なお酢ドリンクになります。また香酢とレモン汁をよく混ぜてそこにオリーブオイルを加え塩コショウで味を調えれば野菜サラダのドレッシングにぴったりです。
お酢の味の違いと選び方/使い分け
お酢の選び方は大きく分けて3つあります。加熱して使う場合は穀物酢があいます。加熱せずあえ物にするには米酢がおすすめです。さらに飲料として用いる場合は果実酢や黒酢が適しています。色々な酢を用途によって使い分けてみてください。
米酢
米酢は穀物酢と違いまろやかでこくがあります。米酢の選び方は伝統的な製造方法で作られたものがよいです。酢のボトルのラベルに”純”と記載されているものは材料に混じりけがありません。米酢は寿司飯やドレッシングに最適です。どちらかというと酢そのものの味を楽しみたい時におすすめです。
穀物酢
穀物酢はさっぱりとした酸味もさわやかな口当たりです。穀物酢の選び方は商品の表示を見て米の割合が多い物を選びましょう。アレルギーを気にする場合は表示で確認をしましょう。自分の用途にあうか確認をすることが大切です。
黒酢
黒酢の選び方として注目する点は黒酢の種類からタイプを知って自分の好みを選ぶことです。黒酢は生活習慣病予防、毎日の健康維持、酸味が苦手な人、ダイエット中に試したいという場合におすすめです。自分が必要としているケースに応じて商品を選びましょう。黒酢は中華料理などにもとてもよく合います。
果実酢
果実酢といってもたくさんの種類があります。どんな果実を好むかで選び方も変わります。容器のラベル表示に無添加と記載されたものを選びましょう。果実酢の中には醸造酢に果汁を加えただけの商品もあるので注意が必要です。果実酢は水やはちみつなどで割って飲むことに向いています。
バルサミコ酢
バルサミコ酢は熟成期間が長いため香りや味が際立ちます。バルサミコ酢の本場であるイタリアでは種類が多い肉料理のソースによく使われます。
バルサミコ酢には肉の臭みや脂っぽさを緩和してくれる特徴があります。またマリネやサラダのドレッシングとしても利用されます。にんにくやたまねぎなど香味野菜をくわえることにより野菜をおいしくいただけます。
お酢の料理以外の使い方
お酢は万能調味料で、かけたり混ぜたりするだけで健康効果が得られます。それだけでなくシンクまわりのお手入れや調理をスムーズにしてくれる役割も果たしてくれます。
健康の為に飲む
酢には疲労回復などの効果があるクエン酸やアミノ酸を多く含んでいます。また血糖値上昇を抑えたり腸内環境を整えて生活習慣病を予防するために良い成分があります。
酢の特徴を知って毎日の食生活に取り入れたいものです。効率よく酢の健康効果を得るためには飲み物として摂取がおすすめです。ただしお酢をそのまま飲むのではなく水で割ったりはちみつや果汁と混ぜ合わせて飲みましょう。
焼き網に塗る
酢はお料理だけでなく他にも利用できる得技があります。”さんまなどの焼き魚”で焼き網に魚の皮がはりついて魚の身が崩れてしまうことがあります。そこでキッチンペーパーにお酢を含ませて魚を焼く前に網に塗ります。このひと手間で焼きあがった魚がきれいにはがれるのです。試してみてはいかがでしょう。
キッチンでお酢スプレー
毎日キッチンを使うと油汚れ、水垢そして排水口のぬめりなどが発生しがちです。汚れに応じて洗剤やクリーナーを使い分けている方も多いとおもいます。酢は安心・安全にキッチン周りの汚れを落としてくれます。
シンク周りの汚れはほとんどがアルカリ性なので酸性である酢によりアルカリ性の汚れを落としてくれるのです。スプレーボトルを利用して、水2に対して酢1の割合でお酢液を作り、汚れ落としや除菌に役立ちます。
料理にお酢をかけて減塩
出典: https://fytte.jp
生活習慣病の一つである高血圧、予防のためには減塩は欠かせません。そこで活用したいのが酢です。焼き魚は醤油をかけて食べたくなりますが、醤油を酢に置き換えてみましょう。酸味で少な目の塩味をカバーしてくれるので減塩に繋がります。塩を避けるのではなく酢をちょい足しすることで健康的に食事をとることができます。
お酢の使い分けができると料理も愉しくランクアップできる!
"酢"この一文字にはすごいパワーが込められていました。私たちが何気なく調味料として使っていた酢。健康のために毎日摂取したい調味料です。
酢は穀物酢やワインビネガーなどの果実酢がありますが、特徴の違いを知って自分に合った選び方を見つけましょう。飲むだけでなく酢はグリルのお掃除や冷蔵庫内の除菌にも役立ちます。いろいろな酢を使い分け健康な毎日を過ごしたいと思います。