紫大根とはどんな特徴の野菜?食卓を色鮮やかにするレシピも紹介!
紫大根はその名の通り、根の部分が紫色をしている大根です。皮の部分は白く、中身が紫色をしたものを主に「紫大根」と呼ぶようで、主に京都で栽培されています。品種改良された赤い種類とは違うようで、生産者にも来歴が分からない大根という、なかなかミステリアスな品種のようです。不思議な魅力がありそうな紫大根には、果たして紫である事以外にどんな特徴があるのでしょうか?旬がいつなのか、値段はどれくらいなのか、更には美味しい食べ方からレシピまで詳しく紹介しましょう。
紫大根の特徴は?
紫大根は、京都を主な原産地とする大根の一種です。いつから京都で売られているのか生産者にも分からないという、何ともミステリアスな雰囲気漂う大根ですが、伏見区で栽培されている事以外よく分かっていないそうです。
紫大根の品種
紫大根は、外側はスーパー等で良く見かける青首大根に似ていますが、中は中央から外皮に向かって紫色の筋が伸びていますが、外側に色が出ないように外皮の内側までしか伸びていません。
大根が全体的にずんぐりとふっくらとしていて、長さは20〜30cmと短く、根の先端部分が僅かに紫色をしています。中身が紫色であるという証を見せているかのようで、何とも魅力的なミステリアスさを持ち合わせている品種です。
産地や旬
直売所以外の京都の地元のにある八百屋や別の店にも置いてあるらしく、京都に縁のある品種である事は確かなようです。今では品種改良され一年中手に入れられるようです。京野菜の大根の特徴を持っているので、京都原産である事は間違いないようです。
北海道にも紫大根という大根はありますが、この紫大根とは別物です。他の京野菜の大根で有名な聖護院大根や丸大根の特徴を持っているので、やはり京野菜の一種と言えるでしょう。
大根の旬といえば、やはり冬の時期に旬のものが多いでしょう。紫大根も例外ではありません。聖護院大根と同じく12月から1月頃に一番美味しい時期を迎えます。甘味の強い、瑞々しい大根は大体この時期に旬を迎え、鍋や煮物、身体を暖める料理の一役を演じる事でしょう。
味や食感
唯一、他の京野菜とは違う紫大根にしか無い特徴が一つあります。水分が他の種類よりも少なめなので、味が染みやすいという特徴があります。味が染みやすいものとしては、煮物にも使えますが、別の食べ方の方がしっくりきそうです。
不思議な雰囲気がある紫大根は、締まりがあって肉厚で、外皮がやや厚め、味は辛味よりも甘味の方が強いそうです。肉厚の実は、歯ざわりの良い食感を引き立ててくれます。甘味が辛味よりも強いので、生で頂いた方が紫大根の良さをより楽しめます。
美味しい食べ方
紫大根の中心から放射症状に伸びる紫色の筋を綺麗に見せるために、最適な調理方法はサラダやピクルスにして頂くのが一番美味しい食べ方です。紫大根の味は甘味が強く、酸味の効いたピクルスにすると大根由来の甘味と酢の酸味の絶妙なバランスの取れた味付けになります。
火の通った料理なら、煮物が最適です。他の京野菜の大根と違って水分が少ないので、煮汁を吸いやすいという特徴があります。その特徴を最大限に活かせる食べ方が煮物です。紫大根の煮物としての食べ方のレシピも数多くあります。
他にも大根下ろしにすると、水分が少ない分少しサラサラした大根下ろしになります。下ろしても、酢に漬けても、ほんのりと紫がかった綺麗な大根の仕上がりになるので、食卓が華やかになる事でしょう。
値段や買える場所
紫大根自体の値段は残念ながら分からなかったのですが、京野菜の大根の値段は大体1本350〜700円程と、一般家庭で良く消費されている青首大根の1本100円前後よりも、大分割高なようです。
紫大根は、京都市伏見区の地の八百屋や直売所で見られるそうです。昔から置いてある品種で、京都市内以外ではあまりお目にかかれないようです。地元に密着している昔からある品種との認識が最も一般的なようです。
ただ、最近はネット通販でも買えるようになってきており、地元まで赴かなくても自宅まで届けてくれるサービスを提供している通販会社もあるようです。気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?
紫大根以外の赤い大根の種類
一口に赤い大根といっても様々な種類があります。紫大根は、外が白くて中に紫色の放射線が入っているのですが、赤い大根それぞれに見た目に特徴があります。その見た目の違いはなんと12種類にも分かれ、似た者同士で大まかに4種類位に分けられます。
外は赤く中は白いもの、外は赤く中が薄っすらと線が入っているもの、中も外も赤いもの、そして外は白く中は赤く色づいているものの4種類です。
赤い大根は品種改良が施されたものが多く、段々と増えていく消費者の要望や色んな食べ方のレシピに使ってもらえるように今も改良を続けています。京野菜は歴史が古く栽培方法や旬、値段が昔から変わっていないものもあるそうです。中には紫大根のように詳細がよく分かっていないものもあります。
紫大根には新しい種類の品種もある
品種改良が進み、消費者に好まれる赤い大根が次から次へと生まれています。2008年にシンジェンタジャパンで生まれた「味いちばん紫」も新種の一つで、元々あった白い「味いちばん」から改良されました。
新種の「味いちばん紫」
味いちばん紫は、白い味いちばんの特徴を受け継いだ品種です。シンジェンタジャパンは東京にある日本法人ですが、所属しているシンジェンタグループは種苗業界で世界第3位に入る程の大手のスイスにある多国籍企業です。
2008年には種が日本国内で売られるようになっていたようですが、それよりも前に韓国で先行販売されていたようです。
新種の紫大根が作られた理由
シンジェンタジャパンは特に理由を明らかにしていませんが、味いちばん紫は見た目を重視した結果ではないかと言われています。何故なら、味いちばん紫の最大の特長はその見た目の美しさにあるからです。
「味いちばん紫」の味や食感
中の中央部分と葉の根元も紫がかっており、酢に漬けておくと化学反応を起こして鮮やかな桜色になります。元々の中の紫色の入り方は線状のものなのですが、漬物等酢に長時間酢に浸しておくと、鮮やかな桜色が大根全体に広がります。
食感もパリッと歯ざわりの心地よいものになります。サラダや漬物の食べ方が最適な赤い大根で、酢の入ったドレッシングを掛けても反応して濃い桜色の美しい大根を目で味わえます。一度購入してみてはいかがでしょう。
「味いちばん紫」の美味しい食べ方
辛味が少なく甘さは強めで、生食向けの大根なので、サラダや漬物や和え物に最適です。水分が他の大根に比べて少ないので、ソテーにしてみても良いかもしれません。味付けをよく馴染ませる事で、美味しく仕上がるはずです。
「味いちばん紫」の旬や特徴/値段は?
約20cmの長さに700g〜1kgの重さ、根首が特に色が濃く、他の根の部分はもう少し薄い紫色ですがとても鮮やかな色をしています。しかし、一変して中は全体的に白いのですが、不思議な事に表皮から5mmまでは紫色です。
味いちばん紫の旬は冬になります。11月〜2月頃に出回るそうですが、実はあまりスーパーではお目にかかれません。珍しい品種なのでスーパーには置いていないそうです。
鎌倉市にある農協連即売所、または奈良県高市郡にある農事組合法人ふるさと明日香が運営している、あすか夢販売所にて購入する事が出来ます。
残念ながら、必ず冬に購入できるわけではないようです。その年の冬に購入出来るのか、値段はいくらなのか、直接問い合わせてみると良いでしょう。それ位貴重なものなので、値段は安くないはずです。
紫大根の色鮮やかなおすすめレシピ
紫大根の色鮮やかな紫色を活かしたレシピを紹介しましょう。やはりサラダや漬物等のさっぱりした食べ方が多いのですが、その中でも特におすすめのレシピを選出しました。
簡単なのに美しい桜色「紫大根の酢の物」
- 紫大根 1本
- 寿司酢 適量
- 紫大根をよく水洗いして、ピーラーで皮を剥きます。
- 紫大根の本体を縦に半分に切って、また更に半分に切って銀杏切りにします。
- 深めの容器に寿司酢を入れて、その中に紫大根を浸していきます。
- 冷蔵庫で3~4時間程寝かせば、簡単酢の物の出来上がりです。
ちなみに、ピーラーで剥いた皮も酢に漬けて使えます。くるくると綺麗に巻く事が出来れば、美しい桜色の大根の薔薇の完成です。食卓の雰囲気を華やかにする一役を担ってくれる事でしょう。
付け合わせにも最適「紫大根のみぞれ酢」
- 大根下ろし 大さじ3杯
- 酢(お好みの酢を使用) 小さじ1杯〜
- おろし器で紫大根をすりおろします。軽く水気を切りましょう。
- 大さじ3杯の大根下ろしに対して、小さじ1杯程の酢を加えて下さい。後はお好みの味になるまで酢を足していって下さい。
上で紹介した酢の物のレシピに大変似ていますが、このレシピは様々なものに付け合わせて使う事が出来ます。秋刀魚や鯖の焼き物に対しても、さっぱりとした味と何と言っても美しい色合いが食卓を楽しませてくれる事でしょう。
紫大根で食卓を華やかにしよう!
今まで客層のニーズに応え続けることで、様々な大根を品種改良によって作り上げ、赤く色づく大根も12種類までなり、これからも食べやすさ・使いやすさを追い求めて数々の大根が作り出される事でしょう。その中でも紫大根は、その正体が掴めていないながらも京都に根付いている古い品種のものなので、大切に受け継いでいってほしいものです。
さて、紫大根の魅力が分かったので、明日から早速紫大根を使って調理をしてみましょう!食卓が華やかになりますし、味もさっぱりと新鮮な美味しい大根そのものですから、是非使ってみて下さい!