2019年02月22日公開
2024年09月22日更新
高菜の栄養素を解説|効果的な食べ方やおすすめレシピ・保存方法も
高菜からどのような栄養素を摂取できるか知っていますか。この記事では、高菜の主な栄養素とその働き、栄養素を効率よく摂る方法や簡単にできる高菜料理を紹介しています。おいしく食べながら高菜の栄養素をしっかり摂りたい方は、ぜひ役立ててください。
「高菜にはどんな栄養素が含まれている?」
「高菜の栄養素を逃さず食べる方法はある?」
「残った高菜はどうやって保存するの?」
このように、高菜の栄養素や食べ方、保存の仕方がよく分からず、上手に使いこなせていない方はいらっしゃいませんか。
本記事では、含まれている栄養素と各栄養素による効果や効能に注目し、高菜という野菜の知識や効果的な調理法、おすすめのレシピを紹介するとともに、長持ちさせる保存の仕方を解説しています。
この記事を読んでおくと、食材として高菜を使うメリットや、効率よく栄養摂取できる料理法を知ることができるほか、購入後すぐに使わない場合や余った高菜の保存法も覚えられるでしょう。
高菜に含まれる栄養素が気になる方、様々な料理に使ってみたい方は、参考にしてみてください。
高菜とはどういう野菜?
高菜は中央アジア原産のカラシナの変種で、中国や東南アジアから日本へ伝わったとされる野菜です。日本での主な産地は九州で、寒さに強く、冬場に収穫時期を迎えます。
葉や茎の部分は食べると少し辛みがあり、漬物として食べられることが多いです。九州の高菜は、広島県で栽培されている広島菜、長野県で栽培されている野沢菜とともに、日本の三大漬菜と呼ばれています。
高菜の種類
高菜は種類が豊富で、品種によって見た目が大きく違います。全国で栽培されていますが、前述の通り、九州地方で多く生産されています。
漬物でよく食べられているのは、アクが強めの三池高菜です。葉茎の付け根のあたりにこぶのある雲仙こぶ高菜は生でも食べられます。このほか、形状が異なる阿蘇高菜やギザギザした葉が特徴的な久住高菜、東北の芭蕉菜や山形青菜など、地域で親しまれている高菜もあります。
高菜の栄養素と効果
高菜はβカロテンなど注目すべき栄養素が多く含まれている、栄養面に期待できる葉物です。生で食べたとき、主にどのような栄養素を摂取できるのか下記にまとめています。
摂取できる栄養素とともに、各栄養素の効果や効能についてもチェックしておきましょう。
出典:食品成分データベース|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06147_7
高菜に含まれている主な栄養素 | 可食部100gあたりに含まれる量 |
---|---|
ビタミンC | 69㎎ |
カリウム | 300㎎ |
ビタミンK | 120㎍ |
βカロテン | 2300㎍ |
葉酸 | 180㎍ |
ビタミンC
ビタミンCは植物性食品から摂取した鉄分の吸収を促進し、病原体や異常な細胞から体を守る免疫系が正しく働くように手助けしてくれます。傷を治すのに必要なたんぱく質であるコラーゲンを作るときにも、ビタミンCは欠かせません。
酸化防止作用があることから、細胞を有害な物質によるダメージから守る際にも役立ちます。成人男性では1日当たり90mg、女性は75mg必要です。
出典:ビタミンC|厚生労働省eJIM
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html
カリウム
カリウムはほかの物質と結合し、細胞内、体液、骨に存在しています。体の中で体液の酸とアルカリのバランスや、細胞内液の浸透圧を調節する働きをしているミネラルです。
体内のナトリウムを排出しやすくする役割もあり、食塩(塩化ナトリウム)を取り過ぎた場合に調整する役目を果たします。不足すると筋力の低下や脱力感など、様々な症状が現れる可能性があります。
出典:カリウム |e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
ビタミンK
ビタミンKは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEと同じ、水に溶けない脂溶性ビタミンです。
ビタミンK依存性たんぱく質を活性化し、丈夫な骨を形成する手伝いや、石灰化により血管が硬くなるのを防ぐとされています。また、肝臓で血液の凝固に関係する因子を活性化する働きもするため、不足すると出血時に血が固まりにくくなります。
出典:ビタミン|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
出典:5. 1. 4.ビタミン K|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4l.pdf
出典:ビタミン K|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042635.pdf
βカロテン
プロビタミンAとも言われるβカロテンはカロテノイドの1種で、強い抗酸化作用があります。油に溶けますが、水に溶けにくいのが特徴です。摂取すると体の中で必要な分だけがビタミンAに変わります。
可食部100gに対しカロテンが600㎍以上含んでいることから、高菜は緑黄色野菜の仲間になります。油を使った調理法にすると、カロテンを効率よく摂れるでしょう。
出典:カロテノイド|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
出典:緑黄色野菜|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-037.html
葉酸
高菜に含まれる葉酸はサプリメントなどの葉酸とは種類が異なり、自然界に存在するビタミンBです。細胞の再生や生成を助ける役割を持つ葉酸は、発育にも大きく関わっています。
葉酸の効果は医療に関係する様々な分野で研究されており、妊娠中の摂取と赤ちゃんに異常が発生するリスクとの関係についても、解明が進められています。
出典:葉酸塩|厚生労働省eJIM
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/02.html
アリルイソチオシアネート
高菜を食べた時にピリッと辛味を感じるのは、揮発性のアリルイソチオシアネートという成分が含まれているためです。アリルイソチオシアネートはわさびの辛味成分で、抗菌作用や抗虫作用があります。
食中毒の予防にも役立つアリルイソチオシアネートは、お弁当などに入れて鮮度を保持する抗菌シートにも利用されています。
出典:わさび ‐ 達人レシピ|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2012/producer01.html
高菜の効果的な食べ方
高菜は食べ方次第で、中に含まれている栄養素をしっかり摂取できます。種類によって異なりますが、高菜は生でも調理してもおいしく食べることが可能です。
摂りたい栄養素を効果的に摂取するには、どのような食べ方をすると良いのか知っておきましょう。ここでは、高菜の栄養素を上手に摂るための食べ方を紹介します。
生食や汁物で食べる
一般的な高菜はアクが強く、成長すると生食にあまり向きません。生のまま利用する場合は若い柔らかな葉を利用するか、アクの少ない種類を選びましょう。
高菜に含まれる水溶性のビタミンは茹でると溶け出しますが、加熱時間を短くすると多く残ります。汁物に使うとアクが抜け、葉物野菜の独特なにおいも感じにくくなるため、野菜が苦手な方も食べやすくなるでしょう。
油を使って調理する
高菜に含まれるβカロテンやビタミンKなどの脂溶性ビタミンは、油を使って調理すると効率よく吸収できます。
軽く茹でてから油で炒めて調味料で味付けしておくと、栄養たっぷりの常備菜として活躍してくれます。ほかの具材と併せて炒める、春まきの具として利用するなど、油を使って調理してみましょう。
高菜漬けで栄養価アップ
同じ量を食べたとき、漬ける段階で塩を使う高菜漬けは生の高菜よりも栄養価が高くなります。高菜漬けにすると高菜の中の水分が抜けた状態になるため、生のものと同量で比較すると、含まれる脂溶性のビタミンなどの量が増えるのです。
ただし、水に溶けやすい水溶性ビタミンは水分とともに外へ出てしまいます。漬物にしても全部の栄養素が多くなる訳ではありません。
高菜を使ったおすすめレシピ
漬物で食べるイメージの強い高菜は、様々な料理に使える便利な野菜です。生の高菜は高菜漬け以外の調理法でもおいしくいただけます。手作りの高菜漬けや市販の高菜漬けも料理に活かすと、そのまま漬物として食べたときとは違った味わいを楽しめます。
短い時間でサッと作れる、生の高菜や高菜漬けを使ったおすすめレシピをチェックしておきしょう。
生高菜のピリ辛油炒め
生高菜を入手したときに作っておきたい、便利な常備菜です。唐辛子とアク抜きした高菜を、ごま油をひいたフライパンで炒めて、醤油、みりん、砂糖で味付けし、ごまを全体にからめればでき上がります。
パンチがほしいときは豆板醤を使って辛さを増すことも可能です。常備しておくとおかずのほか、おにぎりの具材としても使えます。
高菜とベーコンのパスタ
難しい工程一切なしなのに、お店のようなクオリティのパスタが楽しめますよ。
辛いのがお好きな方はぜひ、辛子高菜を使ってみてください。
休日のお手軽ランチに、在宅ワークのパパッとごはんにおすすめです。
高菜漬けとベーコンを使った、プロのような味を楽しめるパスタです。オリーブオイルを熱してニンニクで香りづけしてからベーコンを炒め、茹でたパスタと高菜漬けを入れて醤油で味を調えるだけで簡単にできます。
最後にあらびきの黒コショウを使うとより本格的です。高菜漬けを辛子高菜に変えると、大人向けのピリ辛パスタになります。
高菜の保存方法
高菜は保存方法を間違えると早く傷んでしまいます。生の高菜を入手したときは、生のままか漬物にするかを決め、それぞれに合う方法で保存しましょう。
ここでは、手作りした高菜漬けや市販の高菜漬けと、生の高菜の保存方法をそれぞれ紹介します。
高菜漬けの保存方法
お!調べたら、高菜漬けも冷凍保存できるらしい✨
— Marie (@Marie_da_yo) December 4, 2021
大好きな小分け作業(ラップで包む)しよう。
ちなみに宮崎県から送られてきた物で、こんな大きいのが3袋もあるのだ笑 pic.twitter.com/q7F9X2EZKc
自宅で高菜を塩漬けにしたときや、開封した市販の高菜漬けの残りを保存するときは、密封容器に入れて冷蔵庫で保存します。
また、細かく刻んで水気を切り、小分けにしてラップで包み保存袋へ入れると、冷凍保存も可能です。
市販の高菜漬けに記載された賞味期限は、開封後の品質を保証するものではありません。開けた市販品や手作りの高菜漬けは早めに食べ切りましょう。
生の高菜の保存方法
生の高菜は冷蔵庫での保存が向いています。葉物野菜は乾燥が苦手なため、最初に程よく湿らせてから新聞紙などで包みましょう。包んだ状態のままビニール袋に入れ、口は軽めに閉じます。
入れる場所は冷蔵室よりも野菜室がおすすめです。長く保存したい場合は、硬めに茹でてから冷凍しましょう。冷凍したものは炒め物などに活用できます。
高菜の栄養成分を逃さず食べよう
高菜は高菜漬けで出回ることの多い野菜ですが、生のままやほかの調理法で食べることも可能です。おいしいだけでなく栄養も豊富で、健康や美容面への効能も期待できます。
ピリッとした刺激を味わえる高菜は、工夫次第でいろいろな料理に活かせます。高菜に含まれる栄養素を余すことなく摂取できるよう、高菜の調理方法を覚え、アレンジを加えながら料理のレパートリーを増やしていきましょう。