ウッカリカサゴの名前の由来とは?カサゴとの違い/見分け方や料理も!
ウッカリカサゴとカサゴはとてもそっくりな姿なので、見分けるのが難しいそうです。どちらも食用の魚ですが、種類が違います。似ているようで似ていないその生態、特徴の違いの見分け方を覚えると、釣り人は魚の魅力に引き付けられてしまうのだそうです。それでウッカリカサゴというユニークな名前の由来は何か、食べて美味しいその旬はいつなのか、味についてやおすすめの料理も紹介します。
ウッカリカサゴとは?
ウッカリカサゴはカサゴ目>メバル科>カサゴ属の海水魚です。日本では宮城県の南三陸・瀬戸内・山陰沿岸に分布しています。さらに東シナ海・フィリピン・インドネシアに生息しています。ユニークな名前の魚ですが、よく知られてるカサゴとは生態も特徴も味も違います。しかも一般に見分け方が難しいと言われています。
ウッカリカサゴの生態と特徴
あまり知られていないウッカリカサゴの生態と特徴は、以前同じものと考えられていたカサゴと似ているようで実は違うところがあるので見分けがつくそうです。ウッカリカサゴは水深50~150mの岩礁に生息しています。夜行性なので夜になると餌を求めて動きが活発になるようです。甲殻類(エビ・カニ)、イカ、小さな魚類を捕食しています。体長が大きくなると深場に移動しているそうです。
ウッカリカサゴの体形の特徴は、頭と口、ひれも大きいことや鋭いて硬い棘のあるヒレがあることです。棘に刺されると痛いので触るときは特に注意してください。またウッカリカサゴの生態と特徴は、カサゴと同じで卵を産むのではなく、体内で受精して、卵を体内で羽化させて稚魚になったら産みます。これは卵胎生という生態ですがこのようにして子孫を残して種を守っているようです。
ウッカリカサゴの旬の時期
ウッカリカサゴは旬以外の一年中食べれますが、カサゴと同じ秋から冬にかけてが旬のようです。それは産卵前に積極的に捕食をして、大きくなり脂ものって味もよくなる時期が旬ではないかと言われているようです。旬を過ぎた頃、繁殖期の抱卵したメスは栄養が卵に使われていることから少し旨みが落ちるそうです。旬の時期にウッカリカサゴを料理して美味しく食べてみるのはいかがでしょうか?
ウッカリカサゴの味わい
カサゴとウッカリカサゴの見分け方には味わいの違いもあります。ウッカリカサゴは透明感のある白身魚で、適度に脂がのっているので美味しい魚です。残ったアラからも出汁が出てくるので美味しい味なので無駄なく食べられます。また料理の時に鱗が取りやすいので下準備の手間も楽といえます。熱を加えると身は少し縮まります。カサゴとの違いをその味で見分けてみるのはいかがでしょうか?
ウッカリカサゴの名前の由来とカサゴの違い
ウッカリカサゴとは、標準和名です。地方によって呼び名が違いますが、カサゴに比べて沖に生息しているため、「オキガシラ」(土佐)・「オキボッコ」(島根)・「カンコ」(千葉)・「ボウチョウカサゴ」(伊豆)などと呼ばれています。漁業に携わる人たちや釣り人の間では昔からお馴染みのカサゴと違う魚として、深海に生息している赤い大きな魚として見分けられてそれぞれの地域の名前で呼ばれてきたようです。
ウッカリカサゴの名前の由来
魚市場や水族館の水槽の中に色々な珍しい魚を観たり、今まで知らなかった魚の生態や特徴と名前の由来を知るのも楽しいことではないでしょうか?中でもウッカリカサゴはカサゴとそっくりな姿です。名前もカサゴなので違いがよくわからないかもしれません。名前の由来も面白い理由が隠されていました。
おもしろい名前の由来は1979年のこと、日本魚類学会の会長でもあり学者でもあった阿部吉宗氏により和名が付けられました。それまで研究者の間でカサゴと同じと認識されていたのだそうです。「カサゴとうっかり見分けが付かなかった」、「うっかりしていて外国の専門家に先を越されて、登録されてしまった」ことから名前が付けられたようです。
ウッカリカサゴとカサゴの違い・見分け方
ウッカリカサゴの見分け方のポイントはカサゴより体形が大きいことです。ウッカリカサゴの標準の体長は37cmほど、さらに大きいものは50cmを超えます。2つ目の見分け方ポイントは体色です。ウッカリカサゴは橙色、赤、褐色まで生息条件に応じて変化していますが、深いところにいるウッカリカサゴほど明るい橙色に薄い赤色をしています。一方カサゴは深いところに生息しているものほど鮮やかな赤い色をしているようです。
3つ目の見分けるポイントはウッカリカサゴの体に黒く縁どりされた白い斑点が多くハッキリ見えます。その反対にカサゴには黒い縁取りのない白くぼやけた斑点がありますがハッキリしていません。さらに4つ目の見分け方は、胸ヒレのスジの数(鰭条数)を数えてみることです。ウッカリカサゴは19本、カサゴは18本です。このようにウッカリカサゴとカサゴの外見で見分けることができます。
また5つ目の見分けるポイントは、釣ったときの引き方が違うことです。カサゴの場合はハリに掛かると引きますがすぐにあきらめて抵抗しなくなります。ウッカリカサゴは何度も引いてきて抵抗を続けてきます。6つ目の見分けるポイントは味に違いがあることです。カサゴはどちらかと言えば身がしっとりしていて、旨みがあるようです。それに対してウッカリカサゴは身がしまっているようです。
ウッカリカサゴの選び方
選び方でもっとも大事なのは鮮度が良いことです。ポイントの1つ目は、目が澄んでいてきれいなもの、くすんで透明感のないものは避けることです。2つ目はえらの色が鮮やかな紅色であること、茶色やクリーム色になっているものは避けることです。3つ目は、斑紋がくっきりしていることです。4つ目は、ウッカリカサゴを触ったときに全体に張りがあってお腹のところが硬く、逆にわらかくてダラッとしたようなものは避けることです。
ウッカリカサゴのおすすめの料理
アクアパッツァやブイヤベースで旨味染み出す
アクアパッツァはイタリア風の水炊きです。ウッカリカサゴのスープの美味しさと見た目にもとても豪華な料理となります。トマト煮にすればブイヤベースにもなります。おもてなし料理としてもおすすめです。
- ウッカリカサゴ2尾
- アサリ150g
- 剥きエビ8個
- ベビーホタテ8個
- ニンニク1カケ
- 鷹の爪1本
- ミニトマト5個
- パセリ少々
- オリーブオイル大さじ2
- 水大さじ1
- 白ワイン大さじ2
- 塩コショウ少々
- ウッカリカサゴのウロコ、内蔵を取り除き水で洗いキッチンペーパーで拭きます。
- 鍋にオリーブオイル、ニンニクのスライス、鷹の爪を炒める、香りが出たらニンニクと鷹の爪を取り出します。それからウッカリカサゴを中火で両面に焼き目を付けます。
- 取り出しておいたニンニクと鷹の爪をもどしてから、剥きエビ、ベビーホタテ、ミニトマト、水とワインを入れてから蓋をして煮ます。
- 塩コショウ、パセリをかけて出来上がりです。
煮付けで優しい味わい
- ウッカリカサゴ2尾
- 水150cc
- 砂糖大さじ2と2/1
- 酒150cc
- みりん大さじ2
- しょうが千切り適量
- しょうゆ大さじ2
- ウロコ、内蔵、エラを取るなどの下処理をします。
- 鍋に水、酒、みりん、砂糖、しょうゆ、しょうがを入れて沸騰させ、それからウッカリカサゴを入れてアクを丁寧に取り除くき、落し蓋をして中火で煮ます。
- 冷まして味を含ませて出来上がりです。
お刺身やマリネでご馳走気分
くせのない白身魚ですが、皮をサッと炙ってから、お刺身で食べるのがおすすめです。香ばしい香りと食感が旨みをプラスしてくれます。また皮を引いて、昆布締めにしていただくのも美味しいと評判です。採れたて新鮮なウッカリカサゴは身が固いので少し寝かしてあげると身が柔らかくなり旨みもまして美味しいそうです。マリネにアレンジすると彩りもきれいでご馳走になります。
- ウッカリカサゴ刺身
- 玉ねぎ適量
- トマト適量
- ピーマン適量
- 塩コショウ、酢、オリーブオイル適量
- 刺身を保存容器に入れて、塩コショウ、酢、オリーブオイルでからめます。
- タマネキ、ピーマン、トマトの薄切りを入れて混ぜ合わせます。
- 容器の蓋をしてから冷蔵庫に入れます。
焼いたり唐揚げにするとサクサクで美味しい
小ぶりのものでしたら丸ごと唐揚げ料理ががおすすめです。カラッと仕上がるのでサクサクとしていていくらでもパクパクと食べられます。また、新鮮なウッカリカサゴの塩焼きは、皮目もとっても香ばしく美味しいです。
- ウッカリカサゴ(小ぶり)
- 片栗粉適量(小麦粉)
- サラダ油適量
- 大根おろし適量
- レモン汁適量
- ウッカリカサゴのウロコ、エラ、内蔵を取ってから水洗いします。背ビレの両側に中骨にそって背骨まで包丁を入れて開きます。
- 水気を拭き取り、片栗粉をまぶします。
- 160℃の油で揚げてから一度取り出します。
- 170℃の油で二度揚げします。
ウッカリカサゴはカサゴとの違いを見分けて美味しく堪能
カサゴとそっくりなウッカリカサゴは名前の由来、生態、特徴もユニークな魚です。機会があれば釣りや魚市場でウッカリカサゴとカサゴとの特徴の違いを見分け、旬の時期には食べ比べて違いを味わってみてください。また紹介した料理以外にもアレンジを楽しんでみるのはいかがでしょうか?