ホシガレイは幻の高級魚?その特徴/味やマツカワとの違いは?

カレイの中でも最も高級で美味とされるホシガレイですが、どんな魚か知っているでしょうか?和の美食家である魯山人も愛した、高級料亭などでしかお目にかかれない幻の高級魚・ホシガレイについて、旬の時期や産地、特徴と生態、養殖事情、栄養価、マツカワとの違いと見分け方、味とおすすめの食べ方や調理方法、季節によって異なるホシガレイの釣り方などについて詳しく紹介していきます。

ホシガレイは幻の高級魚?その特徴/味やマツカワとの違いは?のイメージ

目次

  1. 1ホシガレイとはどんな魚?
  2. 2ホシガレイのおすすめの食べ方/料理
  3. 3ホシガレイの釣り方を覚えて釣ってみよう!
  4. 4ホシガレイは一度でいいから味わってみたい!

ホシガレイとはどんな魚?

日本の近海で確認されているカレイは30種類以上にのぼりますが、その中でも最も高価で美味しいといわれているのがホシガレイです。カレイ目カレイ亜目カレイ科マツカワ属に属する海水魚であるホシガレイは、和の美食家である魯山人さえも虜にしたという話もあるほどです。今回はそんなホシガレイについて、旬の時期や産地、特徴と生態、養殖事情、マツカワとの違いと見分け方、栄養価、おすすめの食べ方や釣り方を紹介します。

ホシガレイの旬や産地

ホシガレイの旬には諸説あり、この時期のホシガレイは味が悪いという話もなく一概には言えませんが、産卵時期は12月から2月頃とされているので、卵巣が発達し始める秋頃が旬となり、最も身肉が充実しているといわれています。また3~4月の夏が旬と書かれているものや5~6月の初夏が旬と書かれているもの、冬から春が旬となっているものなど諸説あり、基本的に通年それほど味に差はなさそうです。

ホシガレイは漁獲量がとても少なく、その希少性と美味しさから高級魚として扱われます。近年では種苗放流の研究が進んで、岩手県や福島県、宮城県、長崎県などで放流が行われています。主な産地は岩手県や宮城県、三重県、長崎県ですが、活きたままでないと極端に味が落ちるので、市場ではほとんど出回りません

ホシガレイの特徴や生態

ホシガレイは漢字で「星蝶」と書きます。この名前の由来にもなっている、体とヒレに黒い斑点があるのが大きな特徴となっています。全長は60cmくらいで、カレイの中でも比較的身が厚いという特徴があります。口はやや大きめで、両目の間隔が広く間にもウロコがあるのが特徴です。

目のある側は細かい櫛鱗(しつりん)で覆われていて硬く、不規則な班がついているのが特徴で、背ビレや尾ビレにも黒い斑点があります。目の付いていない側は白くて、ヒレには黒い斑点が並んでいますが体側にも黒く小さい斑点が散らばっている特徴があります。個体によっては白地に黄色が混じるホシガレイもいます。

ホシガレイの生態は、ピュートル大帝湾や北海道南部以南の日本海から黄海、東シナ海などの太平洋沿岸と瀬戸内海に分布しており、日本では主に本州中部より南の海のほうに多く生息しています。ホシガレイは水深200メートルほどの大陸棚に生息しており、砂泥質の底を好む生態で、甲殻類やゴカイ、小魚などを捕食しています。季節によって移動する生態があり、春から夏は浅瀬に、冬は深場に潜ります。

ホシガレイは超高級な魚

ホシガレイは漁獲量も少なく出回ることが少なく、「海のダイヤモンド」とも呼ばれるほどのカレイの中でも最も高級な魚で、高級寿司店や割烹料理店などで扱われています。市場では1kg弱のサイズでもキロ当たりで卸値3000円前後、2kgを超えるとキロ当たり5000円以上の卸値がつき、夏には1万円を超えることもあります。大きなものほどより高級とされ、関東周辺はホシガレイの値段が最も高くなります。

ホシガレイの養殖事情

ホシガレイはヒラメ同様に養殖も可能で、北海道などで養殖や種苗放流に焦点を当てて取り組まれています。養殖技術も開発されていますが、まだ養殖での飼育事例は少なく、今後養殖が軌道に乗ればホシガレイが高級店でしか食べられない、ということも少なくなるかもしれません。
 

ホシガレイとマツカワの違いと見分け方

体とヒレに黒い斑点がある特徴を持つホシガレイですが、よく似ているカレイに「マツカワガレイ」という種類があります。マツカワガレイはホシガレイと同じ種に属していて見た目もよく似ており、ホシガレイと同じく超高級魚として扱われていて、最大70センチまで成長します。ホシガレイとマツカワはよく見比べると斑紋に違いがあり、その違いによる見分け方で見分けることができます

ホシガレイとの見分け方は、ヒレにある模様です。ホシガレイは背ヒレ、に丸い斑紋が胴体に沿って並んでいて外縁には達していません。一方マツカワは黒く帯状になっていてヒレの外縁まで達しています。またホシガレイは目のない側の体側後方に黒い班点状の斑紋が散っていますが、マツカワはないものが多く、あっても2~3点しかないという見分け方もあります。釣った際にはこちらの見分け方でしっかり違いを確認しましょう。

ホシガレイの栄養価

ホシガレイの栄養価を見ると、脂肪分が少なくタンパク質を豊富に含んでいる、低脂肪高タンパク質でヘルシーな魚です。淡白な白身のホシガレイは消化にも良く、低カロリーなので病院食や離乳食にも最適です。特にタウリンの栄養成分が多く含まれており、動脈硬化の予防やコレステロール値の低下、血糖値の上昇を抑制するなどの効果があります。

またコラーゲンやビタミンB群のビオチンの栄養成分が豊富に含まれていて、美肌効果や皮膚を健康に保つ効果、脱毛予防などといった効果が期待できます。

ホシガレイのおすすめの食べ方/料理

ホシガレイは身がしまっていて肉厚で、クセや臭みもなく繊細で上品な旨みがあり、さまざまな食べ方や調理方法で美味しく食べることができます。ホシガレイのおすすめの食べ方や料理方法をいくつか紹介していきます。

魯山人を虜にした「洗い」

活魚をそのまま造り、水で洗い流した後氷水にさらして急速に冷やして身を引き締めた「洗い」は、魯山人の著書に「天下一品」と記されるほど虜にしたといわれる調理法です。冷水で洗い氷水で引き締めた透明感のある身とその味は絶品で、大きなサイズほど味が良くなります。釣りで釣ったときは調理直前まで活魚にして置くと、よりおいしく頂けます。

白身の旨みを贅沢に味わえる「刺身」

洗いとはまた違った旨みを楽しめる「刺身」は、透明感があって美しく食感も良いです。身をおろしてからの日持ちも良く数日食べることができるため、調理してから2~3日寝かせたほうが美味しいという人もいます。寿司ネタとしても昔から人気があります。寿司職人の中には、白身の中でホシガレイが一番良いネタとして用いる人も多いです。

ふっくらした身が旨い「塩焼き」

ホシガレイは塩焼きにすると、ふっくらとした身と皮目の旨みを味わうことができ、塩やこしょうを軽く振ってから焼きます。上品な味わいでワインとの相性も良いです。

身がほろほろ舌触りも極上の「煮付け」

ホシガレイの煮付けは、身がほぐれやすいので頭を煮付けにするのがおすすめで、真子(卵)が入っていた時に煮付けにすると美味しく頂けます。上品な味と極上の舌触りを楽しめる調理方法です。

ホシガレイの釣り方を覚えて釣ってみよう!

ホシガレイは季節によって釣り方を変えれば年中釣ることができます。春から夏は浅場にくるので堤防から、冬は沖に出るので船釣りで狙うのが基本です。ホシガレイを狙う時の季節によるそれぞれの釣り方を紹介します。

船釣りのやり方

船での釣り方は、まずホシガレイを狙う際の船釣り用のタックルを30~50号の錘負荷に耐えることができる1.5~2メートルほどのロッドに中型の両軸リール、道色はPE1~2号でハリスは4号程度のものを使うのが良いでしょう。針は11~13号のもので、アピールを増すためのビーズやエッグボール付きのがおすすめです。

釣り方は餌が常にボトム付近を漂うようにしつつ、時々仕掛けを上下させて誘いをかけます。その時オモリで砂煙を起こしてアピールします。3本鈎か2本鈎の仕掛けを使って、小型のスネーク天秤などを使用しながら上鈎で誘い、下鈎で食わすようにします。

投げ釣りのやり方

春から夏にかけて浅場で行う投げ釣りの釣り方は、数本の竿を置き竿にしてアタリを待つのが一般的な釣り方です。砂泥質の海底や、船道やカケアガリなど地形が変化する場所を好む生態があるので、キャストしたらカケアガリなどで仕掛けに誘導するようにします。ホシガレイは少数の群れで行動するので、1尾釣れたらまた同じポイントを狙うのがおすすめの釣り方です。ポイントを絞って根気よく待ちます。

タックルは広範囲を探れる投げ釣り用のタックルを使用します。ロッドは4メートルほどで25~30号の錘負荷のものに投げ釣り用のスピニングリール、道糸はナイロンラインなら30号程度、PEなら1~2号くらいがおすすめです。

ホシガレイのエサは?

ホシガレイのエサは、一番使いやすく手に入りやすいエサはイソメですが、ホシガレイはカニを好んで捕食する生態があるので、小型のカニもおすすめのエサです。カニはフグやベラなどのエサ取りにも強く、またホシガレイ狙いの釣り方なら複数のエサを準備しておくと良いです。

ホシガレイは一度でいいから味わってみたい!

いかがでしたか?幻の高級魚と呼ばれとても美味なことで知られるホシガレイは、市場にはめったに出回らない高級料理店で扱われている魚で、その旬や産地、特徴と生態、養殖事情、栄養価、マツカワとの違いや見分け方、おすすめの食べ方や料理方法、ホシガレイの季節別の釣り方について詳しく紹介してきました。

絶品で栄養価の高いホシガレイは市場で手に入ることはまずないので、ぜひ一度は高級料理店もしくは釣りで手に入れて、魯山人も絶賛したその味を堪能してみましょう!

関連するまとめ

関連するキーワード

新着一覧

最近公開されたまとめ