フェンネルとは?効果・効能や選び方を解説!保存方法も!
フェンネルというハーブを知っているでしょうか?古来より世界中でハーブやスパイスとして使用されており、特に魚の臭みを消すために魚料理に使われることが多く、またさまざまな効果・効能を持ったとても優れたハーブです。そこで今回は、フェンネルの特徴や由来、使い方や選び方、さまざまな効果・効能、保存方法、フェンネルを使用した絶品アレンジレシピまで詳しく紹介していきます。
フェンネルはハーブの一種!
「フェンネル」というハーブを知っているでしょうか?あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、和名では「ウイキョウ」と言われ、地中海が原産地で古くから世界中でハーブやスパイスとして使われてきました。フェンネルは、葉、茎、種と上から下まですべて利用でき、特に魚料理に使われることが多く、またたくさんの効果や効能を持った非常に優れた魅力あふれるハーブです。
今回はそんなフェンネルについて、フェンネルとはどういうハーブかという特徴や由来、さまざまな効果・効能、使い方や選び方、保存方法、フェンネルを使用したアレンジレシピまで、詳しく紹介していきます。
フェンネルの香りや味は?
「フェンネル」は、セリ科のウイキョウ属の多年草のハーブです。別名「スイートフェンネル」「アマウイキョウ」とも呼ばれ、高さ1mから2mほども生長するものもあるほど背が高く、黄緑色の茎から枝分かれしたような細い葉がふさふさと伸びて、夏には茎の頂上に黄色い小さな花をたくさんつけ、秋には7mmくらいの楕円形で茶褐色の実をつけます。フレッシュハーブとして使う葉は、花が開く前に収穫します。
フェンネルはスパイスにもハーブとしても使用されています。若い葉や種子(フェンネルシード)は、甘い香りと苦みが特徴です。夏に収穫されるフェンネルの葉は、強めの甘い香りがあります。またフェンネルの茎は刻んでスープやサラダなどいろんな形で使われており、フェンネルは香辛料やハーブとして、食用や薬用、化粧品などに古くから広く使用されています。精油はリキュールやマッサージオイルに利用されます。
フェンネルシード(種子)はスパイスとしてスーパーでも売られています。ホールやパウダーにされており、魚などの生臭さを消し食欲をそそる甘い香りが漂います。フェンネルをカラフルな砂糖でコーティングしたものを、インド料理では「ソーンフ」と呼んで、お口直しに使われています。また「大正漢方胃腸薬」の主成分「安中散」はフェンネルやケイヒなどの混合粉末のことで、フェンネルもたっぷり使用されています。
フェンネルの由来は?
フェンネルは地中海沿岸の原産で、古代エジプトやギリシャ、ローマで栽培されていたことに由来し、食用や薬用に使用されていました。フェンネルは最古の作物の一つで、アングロサクソンの9つの神聖なハーブの一つにも数えられています。中世ヨーロッパでは、呪術にも用いられていたようです。主産地はインド、中国、エジプトなどで、日本には平安時代に中国から渡来し、長野県や岩手県などで主に栽培されています。
フェンネルの由来はラテン語で、「干し草」や「牧場」を意味する「foenum」に由来し、さらに小さいことを表す語尾がついて、「小さな干し草」という意味の「Foeniculum」に由来します。これが変化して「fennel(フェンネル)」になりました。フランス語では「fenouil(フヌイユ)」、ドイツ語では「Fenchel」と呼ばれます。
また古代ギリシャでは「marathon(マラトン)」に由来し、マラソン発祥の地に郡生していた説と、「細くなる」という意味の「maraino」に由来し、マラソンの戦いにちなんで「marathon」になった、という説があります。
中国では「カイコウ(茴香)」と呼ばれ、魚の香りを回復することから名づけられました。日本では、中国から渡来した際に「茴香」を音読みし「ウイキョウ」と呼んだことに由来し、または「ショウウイキョウ」とも呼ばれます。花言葉は「賞賛、精神の強さ」です。
フェンネルの効果効能は?
フェンネルは消化を助け便秘にも効果的
フェンネルには食事の際の消化を助ける効能があり、胃腸にたまったガスを除いてくれる効果があります。消化不良や便秘、お腹が張っているときなどに効果的です。食べ過ぎ等の胃もたれの解消や、過食などの食欲を抑えて胃を強くする効果・効能もあります。またスパイスとして使用した場合程よい刺激とさわやかな風味が胃腸に作用し、脂肪の吸収を抑制したり、体脂肪の蓄積を防ぐこともできます。
ダイエットに効果のあるハーブとも言われる
フェンネルにはカリウムをはじめとしてミネラルがたくさん含まれているので利尿・発汗作用があり、昔から身体の新陳代謝を活発にさせ、ダイエットに効果のあるハーブとしても利用されてきました。利尿作用は体のむくみを和らげて、余分な水分や毒素を体外に排出して、手足のむくみを取り除く効果・効能があります。
発汗と同時に老廃物も排出されるので、美肌やアンチエイジングにも効果的で、ビタミンAやB、Cなど美容に良い栄養素も豊富に含まれています。発汗作用には体脂肪を燃やす効果もあり、引き締まった体になります。また中世の頃には食欲を抑える効果・効能があると用いられていて、空腹感を紛らわせてくれるため断食日によく食されたようです。
目の疲れや視力回復にも効果が
フェンネルには眼精疲労に効果・効能があるとされており、古来から視力回復を目的とした目薬に使用されています。フェンネルを使用する地域には目の悪い人の割合が少ないという報告もあり、スマホやゲームなど目を酷使することが多い現代では、布をフェンネルの入ったハーブティーでぬらして、まぶたの上にのせると痛みや炎症を和らげてくれる効果があるのでおすすめです。
その他のフェンネルの効果効能
その他に、フェンネルには痙攣を和らげる物質を多く含んでいることから消化器系を沈静して痙攣を防いでくれる効果・効能や、強壮作用により緊張からくるストレスなどをほぐして、イライラした気持ちを沈める効果・効能も期待できます。また抗炎症作用も含んでおり、ハーブティーとして飲むと口内炎や喉など辛い炎症部分に効果・効能があり、殺菌効果からうがい薬としても使えます。入浴剤は冷え性に高い効果があります。
化粧を落とす効果や鎮静作用もあり、フェンネルを使用したスキンケア商品も多く販売されています。肌を綺麗に保って炎症を沈静してくれるので、シミやシワ、たるみ、くすみなどのトラブルを予防して、美肌に近づく助けにもなる優れたハーブです。
女性ホルモンのバランスを整える働きも
フェンネルには、女性ホルモンと似た働きをする「トランスアネトール」という成分が含まれていて、女性ホルモンの活発作用により母乳の出を良くしてくれたり、生理不順、月経前のイライラ、月経痛、更年期障害などさまざまな女性特有の体の不調にも効果・効能があります。女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が少ない場合はエストロゲンを補充してくれるので、女性らしい体を作ったり、老化防止にも効果・効能があります。
フェンネルの使い方や保存方法
フェンネルの選び方
フェンネルの選び方は、針のような葉先までみずみずしくしなびていないものを選ぶ選び方が基本です。また鮮度が落ちてくると、緑色が薄くなって黄色っぽくなるので避けて選びましょう。茎部分は白玉ねぎのように白く、1株500gぐらいの大きさが多く、鱗茎1枚1枚に厚みがあります。茎を見る選び方では、茎がふっくらと丸く十分に膨らみ白いものを選びます。
国産品はごくわずかですが販売されており、入手が可能なら国産品を選ぶ選び方がおすすめです。また6~8月にかけて鱗茎部分が十分にふくらんで花期になるので、その直前辺りが旬となり、選び方としてはこの時期に手に入れるのがおすすめです。
フェンネルの保存方法
フェンネルの保存方法は、フェンネルは葉が付いている状態で売られていることが多いので、持ち帰ったらすぐに枝を株近くから切り落とします。茎と葉の部分を分けて保存する方法のほうが長持ちします。鱗茎部分の保存方法は、乾燥しないよう保存袋などに入れて冷蔵庫に入れ、葉の部分は湿らせた新聞紙に包んで保存袋にいれて冷蔵庫の野菜室に入れて置く保存方法がおすすめです。
フェンネルを長期保存する場合の保存方法は、葉の部分を冷凍します。そのまま保存袋などに入れてもいいですが、刻んでやわらかくしたバターに練り込んで冷凍する保存方法だと香りが抜けず、料理にもすぐ使えて便利です。刻んでオリーブオイルを絡めて、ペーストにして冷凍する保存方法もあります。
フェンネルは魚料理に使われることが多い
フェンネルの葉はハーブとして利用されており、サラダやあえ物、スープなどに加えるほかにもハーブティーとしても飲用されています。フェンネルの種・フェンネルシードは強い香りがあり、香辛料としていろいろな料理に用いられています。中でも魚臭さを消す効果から魚料理との相性がよく、魚のハーブといわれるほど魚料理に使われることが多いハーブです。スパイシーで甘みのある風味がカレーのスパイスにも使用されます。
茎の部分は生で食べることができて、ハーブとしてソースや他の食材に風味を加える薬味として使われることが多いです。鱗茎部分も生のままでも食べることができ、セロリのような特有の香りが強くクセがあります。加熱することで香りが穏やかになり、調理するときは繊維と直角に包丁を入れて、繊維を切るようにスライスすると食べやすくなります。
妊娠中は過剰摂取に注意しよう
フェンネルは女性ホルモンを活性化させ母乳の出を良くしてくれる効果があると挙げましたが、この働きのためホルモンのバランスを崩してしまう危険性があります。そのため、妊婦さんやてんかんの持病がある人、体が未発達の子供や思春期の子供が摂取する場合は注意が必要です。
妊娠中の場合、子宮を刺激する作用があるので、少量で体調を崩さなければ問題ありませんが、妊娠中や授乳中の影響や安全性が確証されていないため、使用はなるべく控えた方が安全です。妊娠中でなくても、子宮筋腫や子宮内膜症、乳がんなどの婦人科系の病気を持っている人は、過剰な摂取は影響があるとされているので、適度な量で無理なく摂取するよう心がけましょう。
フェンネルを使ったおすすめレシピ
フェンネルは、サラダなどの生で使うレシピから煮物や焼き物までいろいろなレシピがあります。葉や種はスパイスとしても活躍し、どの分も余すところなく料理に使えます。
爽やかな香りでおもてなしに「フェンネルとオレンジのサラダ」
「フェンネルとオレンジのサラダ」のレシピは、フェンネルとオレンジは相性の良い組み合わせで、爽やかな香りにルッコラがアクセントになるレシピです。彩りもきれいでおもてなしにもおすすめのレシピです。
- フェンネル茎2片
- ルッコラ1袋
- オレンジ1個
- 白ワインビネガー小さじ2
- オリーブオイル大さじ2
- 塩小さじ1/3
- ブラックペッパー少々
- フェンネルは、4~5cmくらいの千切りにし、ルッコラは食べやすい長さに切って水に漬けてシャキッとさせてから、水気を切ります。
- オレンジは表面のワックスを洗剤で洗って取り除いてからよく水洗いをして、皮の半量をすりおろしてから横半分に切ります。半分は果汁を絞って、もう半分は皮をむいて果肉を一口大に切り分けます。
- 白ワインビネガー・オリーブオイル・塩・ブラックペッパーとオレンジの搾り汁、すりおろした皮を加えて混ぜ、すりおろしたオレンジの皮を加えて混ぜます。
- フェンネルを加えて軽く和えたら、ボウルにルッコラとオレンジの果肉を入れて、フェンネルを加えて軽く混ぜてから器に盛り付けます。
- 残ったドレッシングを上からかけます。フェンネルを先にドレッシングと和えることで、味がしみて美味しくなります。
風味が抜群の本格派「エビとサーモンのフェンネル風味パスタ」
「エビとサーモンのフェンネル風味パスタ」のレシピは、ぷりぷりのエビにフェンネルの上品な味がほんのり効いた絶品レシピです。こちらのレシピは、フェンネルを加えることで、レストランのパスタのようなおしゃれなパスタに仕上がります。
- パスタ麺100g
- 小エビ(むきエビ)7~8匹
- サーモン(刺身用)4~5切れ
- ブロッコリー50g
- フェンネル小さじ2
- にんにく小さじ1
- 白ワイン大さじ2
- 粉末コンソメの素小さじ1/3
- 粗挽き白コショウ少々
- オリーブオイル大さじ3
- ピンクペッパーお好みで
- 小エビは背を切ってワタがあれば取り出しておきます。ブロッコリーは一口大に切ります。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かしたら多めの塩を加え、パスタを茹でます。
- パスタがやわらかくなってきたら、ブロッコリーを入れて茹でます。
- フライパンにオリーブオイルを加えて熱し、フェンネルの茎の部分とブロッコリーを加えたらコンソメの素を入れ、白ワインを加えます。
- パスタとゆで汁大さじ3~4、フェンネルの葉の部分を加えて手早く和えます。
- 粗挽きコショウをかけて味を調えたら出来上がりです。皿に盛ってお好みでピンクペッパーを彩りよく振ります。
フェンネルの効果や使い方を学んで自宅で試してみよう!
いかがでしたか?フェンネルの特徴や由来、効果効能、使い方や選び方、保存方法、フェンネルを使ったアレンジレシピまで、詳しく紹介してきました。古来に由来するファンネルは優れたハーブとして世界中で使用されていて、さまざまな優秀な効果効能があり、選び方や保存方法をきちんと知っていれば長持ちし、体にも心にもおいしいアレンジレシピまで楽しめる魅力あふれるハーブでした。
フェンネルの由来や効果効能を学び、選び方や使用方法、保存方法を参考にして、ぜひ自宅でフェンネルを手に取って、基本のスパイスやハーブとしてはもちろん、アレンジレシピなどでフェンネルを積極的に体に取り入れてみましょう!