2018年09月24日公開
2024年08月01日更新
タウリンの効果とは?サプリやドリンクは効果ない?筋トレに必要な量は?
タウリン、体に効果的な栄養素として、なんとなく聞いたことはあるけれど詳しいことは知らない、という人も多いのではありませんか?タウリンとは何なのか?摂取することでどのような効果があるのか、についてご紹介します。サプリやドリンク剤のも「タウリン○○ミリグラム配合」などど書かれていますが、配合されているだけ?本当に効果があるの?筋トレの補助サプリ効果もあるみたいだけど、摂取する量や時間になどによって効果に差があるのか?そんなタウリンについての疑問についてもお答えします。
タウリンの効果について知りたい!
タウリン、なんとなく聞いたことはありますよね。栄養ドリンクなどのうたい文句に「タウリン○○mg配合」と書かれていたり、CMで耳にしたり。栄養ドリンクに含まれているのだから、きっと体に良い成分なんだろうな、ぐらいの認識の方も多いと思います。名前は知っているけれど、改めてタウリンとは何なのか、どんな効果があるのか、と問われると答えられない、ということはありませんか?そんなタウリンについて、紹介します。
タウリンの効果について知ろう
タウリンとは?
タウリンとはアミノ基(ーNH2)とスルホン酸基(ーSOOOH)を持つ上図の構造の物質です。上図のNとSの間にはCHH,CHHが省略されています。一般的にアミノ基とカルボキシル基(-COOH)をもつ物質をアミノ酸といいますが、タウリンはカルボキシル基の部分がスルホン酸基に置き換わっています。カルボキシル基とスルホン酸基はどちらも酸で、似た性質を持っているため、タウリンも広い意味でアミノ酸の仲間といえます。
タウリンは硫黄(化学式:S)を含むアミノ酸の仲間です。一般的なアミノ酸はアミノ酸同士で結合してタンパク質になりますが、タウリンはタウリン単体で体内のあちらこちらに含まれています。多く存在している場所は、筋肉、脳、心臓、肝臓、骨格筋、網膜(目)などです。そして、それぞれの場所で、体のバランスを一定の状態に保つように、また機械の潤滑油のように各臓器の機能が上手く作用するように働きます。
タウリンは食材では、タコ、イカ、貝などの魚介類に含まれています。昔から二日酔いにはシジミ汁が良い、といわれていますが、これはシジミに含まれるタウリンがシジミ汁の中に溶け出し、これを飲むことで、タウリンが体の中のアルコールの代謝を助けてくれることによります。タウリンはアルコールの代謝を助ける効果以外にもいろいろな体によい働きを持っています。どのような効果があるのか、みていきましょう。
タウリンの効果にはどのようなものがある?
タウリンは体のいろいろな臓器に対して働きます。主な効果としては、1.肝臓の解毒機能の強化。2.血圧を下げ、適正な血圧に保つ効果。3.血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果。4.アルコールの代謝を促進する効果。5.目の網膜の働きを助ける効果。6.インスリン分泌を促進する効果です。これらの効果について、もう少し詳しくみていきましょう。
タウリンは肝臓で生成される胆汁酸の分泌を促進する効果があります。胆汁酸は過剰なコレステロールを排泄する作用があります。また、肝細胞の再生を促進したり、細胞膜を安定化させる作用があります。肝臓の仕事の一つに毒の中和があります。過剰な運動を行うと筋肉に乳酸がたまりますが、この乳酸は疲労感の原因物質といわれています。肝臓はこの乳酸やアルコールを分解する解毒作用をもっています。
タウリンには、乳酸やアルコールの解毒作用を助ける働きや、コレステロール排泄作用を助ける働きの他に血圧を適正に保つ作用や、インスリンの分泌を促進する作用、目の網膜の働きを助ける作用もあります。目では、タウリンは酸化防止剤として各細胞を保護し、角膜の修復を助けるたり、網膜の機能の維持に役立ちます。目の疲労回復にも効果があります。また、脳ではイライラやストレスを鎮めるのを助ける働きをします。
タウリン配合のサプリやドリンクは効果がない?
巷には、「タウリン○○mg」などと書かれているサプリやドリンク剤があふれています。わざわざ、大きくかいてあるからには、きっと効果があるはず、そう思って疲れた時などに飲んでいる方もいらっしゃることでしょう。タウリン自体には、体のさまざまな臓器の働きを助ける効果があるわけですが、タウリン配合のサプリやドリンク剤を飲むことで本当に体に役立つ効果は得られているのでしょうか?
タウリンの疲労回復効果は科学的根拠はない
疲労回復に効果があると謳われているドリンク剤に含まれているタウリン。しかし、実はタウリン自体には疲労回復効果があるという科学的根拠はないのです。科学的根拠とは、人を対象とした臨床研究を行い、その結果普遍的に効果が認められるという裏付けをとることができた、ということです。つまり、タウリンについて人を対象にした疲労回復効果の有無確認の実験・研究において、有意な効果が見られないのです。
疲労が回復したよう気がするのはなぜ?
しかし、科学的根拠データがないからといって、全く効果がないわけではありません。タウリンは、直接疲労を回復させるのではなく、体のさまざまな機能、臓器の状態を良い方向に導くことで、間接的に疲労回復に貢献します。特に肝臓のサポート機能に優れています。肝臓の働きが悪くなると倦怠感や疲労感を感じます。タウリンを摂取することで、肝機能が改善され、疲労感が軽減されるのです。
つまり、タウリンを摂取することで肝機能を向上させ、体調を整えるのです。そのため、実験データとして顕著に現れることがなくても、間接的に体調を整える効果が期待され、疲労の回復にも効果があるのです。即効性はありませんが、体に状況や摂取のタイミングによっては、タウリンの摂取は効果があるといえます。
しかし、ドリンク剤を飲むとすぐ疲労が回復したような気分になった経験がある方も多いのではないでしょうか?これはドリンク剤に含まれるタウリン以外の成分(カフェインや糖分)による効果です。カフェインには覚醒作用が、糖分には速効性のあるエネルギー源としての効果があります。ドリンク剤には速効性のある成分とタウリンのような間接的に体調を整える成分が含まれているため、飲むとすぐ効果があるような気がするのです。
タウリンは筋トレにどのくらい必要?
また、タウリンは筋トレに効果的に働く、といわれています。これは、筋肉にはタウリンが多く含まれ、筋肉がスムーズに動くことを助けたり、筋肉が作られるのを助けたりするためです。では、タウリンをより効果的に働かせるために、摂取すべき時間などはあるのでしょうか?筋トレをより効果的にするためには、筋トレの前と後の時間及び睡眠前の時間にタウリンを摂取することをおすすめします。
タウリンと筋トレの関係性は?
筋トレ前の時間にタウリンを摂取すると、タウリンは成長ホルモンの分泌を促進します。成長ホルモンには、筋肉の成長促進効果があるので、筋トレがより効果的にできます。また、筋トレの後の時間にタウリンを摂取すると、疲れた体のさまざまな機能を調整回復する効果が期待できます。また、タウリンには睡眠の質を改善する効果もあるので、眠る前の時間にタウリンを摂取することも、より良い筋肉作りに効果的です。
筋トレにはどのくらいのタウリンが必要なのか?
タウリン摂取量については、諸説ありますが、通常は1日あたり最低500ミリグラム、筋トレなどをして、もっとタウリンを必要としている状態では1日あたり3000ミリグラムから6000ミリグラム程度必要といわれています。タウリンは体内でも作られ、食事からも摂取できますが、それでも足りない部分をサプリなどで補います。筋トレなどを行った場合や疲れがたまっている場合に意識的に摂取すれば大丈夫です。
タウリンの効果を知り上手に役立てていこう!
タウリンはいろいろな臓器中に存在し、各臓器が上手く機能するように調整したり助けたりする働きがあることがわかりました。タウリンは、単独で働くのではなく、他の物質や内臓の機能が効率的に働くためのお助けマン的な存在です。特に肝臓の機能をサポートすることで、間接的に時間をかけて、疲労を回復させる効果があります。
一般的には、タウリンは食事や体内合成などから充足できますが、疲労時や体調不良時、筋トレの前後など、タウリンがより必要と思われる場面では、サプリメントやドリンク剤を活用して効率的に摂取しましょう。また、肝機能の低下が気になる方、脂肪肝の方、コレステロール値や血糖値が気になる方、高血圧の方にもタウリンの意識的な摂取は有効です。ご自分の体の状況に合わせて上手にタウリンを活用しましょう。