ホウボウの刺身の味は?さばき方や値段・寄生虫の注意点も解説

ホウボウの刺身の味についてご存知ですか?ホウボウは昔から祝い魚として扱われた高級魚でした。その姿は灰色がかった美しい朱色の胴体に、コバルトブルーの大きなひれと特徴的です。そしてその味はマダイやフグと同等の美味しさと言われています。昔は希少性から高級魚として扱われていましたが、現在は漁獲量が増えスーパーにも並ぶ身近な魚となりました。そんなホウボウについて、刺身の味やさばき方、値段、寄生虫についてなど紹介します。

ホウボウの刺身の味は?さばき方や値段・寄生虫の注意点も解説のイメージ

目次

  1. 1ホウボウはめでたい時にも使われる魚
  2. 2ホウボウはとても美味しい魚
  3. 3ホウボウのさばき方をマスターしよう
  4. 4ホウボウの寄生虫について
  5. 5ホウボウを使ったおすすめ料理
  6. 6ホウボウの味を堪能してみよう

ホウボウはめでたい時にも使われる魚

昔から祝い魚として赤い魚は欠かせません。祝い魚にはマダイや金目鯛、アマダイ、メバルなどなど、赤身を帯びた魚が並びます。ホウボウは薄紫色を帯びた朱色の体色が美しい魚です。ホウボウも祝い魚として、日本の各地域で刺身などに調理し食べられてきました。ホウボウは頭が固く、鳴き声を出すので「頭が固くなるように」とか、「夜泣きをしないように」などの願いを込めて生後100から120日の赤ちゃんを祝うお箸初めなどに使われています。

他にも神奈川県二宮町ではお正月、二月の稲荷講、海の安全を祈る四月の竜宮さん、七五三祝いなどによく登場する魚でした。愛媛県宇和島地方では現在でも嫁迎えに仲人がホウボウ二尾を角樽に乗せて持っていく風習が残っています。そんな目出度い魚のホウボウについて、味や値段、さばき方など気になります。今回はホウボウの刺身の味やさばき方、値段、寄生虫についてなど解説していきます。

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ホウボウはとても美味しい魚

ホウボウの特徴のひとつは、先ほども述べた薄紫色を帯びた朱色の美しい体色です。ホウボウは内湾の水深100メートルから600メートルくらいまでの砂泥質の海底に住んでいます。実は赤い魚は共通して海の深場に住んでおり、この水中深くの赤い光が届かない環境が美しい赤色を生み出すのです。
 

体色だけでなく、ホウボウは見た目もとても特徴的です。頭が大きく硬い骨板におおわれており、とがった鼻先の下に大きな口があります。尾に行くしたがって細くなる円錐形の体型をしており、腹面は白いですが背面は灰褐色と赤のまだら模様です。ザラザラした細かい鱗におおわれています。日本近海に分布するホウボウは最大で全長40センチメートルほどに達します。

特に特徴的なのは胸びれで、形は半円形で大きく翼のように水平方向に広がります。色は鮮やかなコバルトブルーで青の縁取りと斑点に彩られています。全体的に見ると飛行機に似た体型ともいえます。この胸びれを左右交互に動かし、海底を方々歩き回るためホウボウと呼ばれるようになったという一説があります。
 


名前の由来はもう一説あります。ホウボウは浮き袋でグーグーと音を出して鳴くことができ、この音からホウボウという和名がいたというものです。また各地でも様々な名付けをされています。石川県から青森にかけてキミ、キミヨ、キミウオ、秋田県ではドコ、カナガシラなどです。カナガシラという魚がいますが、同じ魚ではありません。

北陸地方では殿様が愛した魚の意味から「君魚」とも呼ばれています。ホウボウはマダイと並び祝い魚として使われてきましたが、見た目の鮮やかさだけでなく殿様が愛したほど美味な魚とも言われているのです。鯛に匹敵する味わいと言われるホウボウ、どんな味わいでしょう?

ホウボウは鯛に匹敵する味わい

いかつい見た目のホウボウですが、無骨な見た目とはうらはらに身は繊細で美味です。その美味しさは鯛やフグと同等だと言われています。ホウボウはさばいて刺身にしてみるとキレイな白身が現れます。白身は淡泊ですが、味は旨味や甘味が強く濃厚で主張してくる味です。そしてフグに似てさっぱりした味わいで、深みのある美味しさを感じさせます。

頭が大きく見ての通り骨太な魚のため、刺身として使える部分は全体の4割くらいと少ないです。しかしアラはどの部位も捨てるにはもったいないくらいの美味しさを秘めています。頭や中骨・皮から良いだし汁が出てきます。

浮き袋はとろりとしていて、ねっとりした食感です。加熱しても食感はあまり変わりません。胃袋はコリコリした食感、肝は濃厚でまったりした味わいです。浮き袋、胃袋、肝は煮物にすると旨味や味わい、食感がよりいっそう楽しめます。
 

ホウボウの栄養価は?

ホウボウは栄養価で見ると、白身の魚にしては脂質が100グラムあたり4.2グラムと多めです。しかし、その中にEPAは19ミリグラム、DHAは420ミリグラムが含まれています。魚の中では多い方ではありませんが、これらは血中のコレステロールを低下させる働きや、血液サラサラ効果、脳細胞を若く保つ効果や認知症の進行を抑制する働きがあるとされています。
 

また脂質が多いとともに、アミノ酸を含む良質なタンパク質も100グラムあたり19.6グラムとかなり豊富に含まれているため、ヘルシーな魚と言えます。他にも、ホウボウにはカリウムやナトリウム、カルシウムなどのミネラル類も多めに含まれています。鯛やフグと同質の美味しさを持ちつつ、ヘルシーで健康的な食材です。
 

ホウボウの刺身の味や食感は?

ホウボウは刺身にしてみると具体的にどのような味や食感がするのでしょう?ホウボウを刺身に引いた味は先ほど述べたように、鯛やフグの刺身にひけをとらない白身で甘味があり、濃厚でありながらもサッパリした美味しさを味わえます。ホウボウの刺身は鮮度が良いと透明感が増し、旬の時期は刺身に脂ものっていっそう濃厚な味わいとなります。


またホウボウの刺身の食感はぷりっとしていてむっちり、そして程良い柔らかさととろりとした食感があり、嫌みのない舌に絡みつく柔らかさです。鮮度が高いホウボウは活きている間に刺身にするとコリコリした食感も楽しめます。全体的にとろりとしていて濃厚な食感のホウボウの刺身は1度にいっきに食べるより、少しずつ時間をかけてその繊細な味わいを楽しむように食べるとより美味しく感じられます。

ホウボウの刺身がとろりとしているのはゼラチン質が多いためです。ホウボウの刺身に火を通すと透明感がさらに出て締まり、違った食感が楽しめます。刺身の状態と比べるとややパサつきが出ますが料理の仕方で十分カバーできる程度です。鯛やフグのように美味でありながらまた違った食感のホウボウの刺身は、食べたことがない人にはぜひおすすめしたい食材です。

ホウボウの旬の時期と値段について

ホウボウの旬の時期はいつでしょう?また高級魚とも言われた魚です。値段も気になります。ホウボウは旬の時期になるとよりいっそう刺身に脂がのり、濃い味わいを楽しめます。ホウボウは1年を通して漁獲できますが、旬の時期は12月から2月の冬の時期だと言われています。この時期ホウボウは産卵のためより多いエネルギーを蓄えているためです。

ホウボウは北海道南部以南から黄海、東シナ海、南シナ海まで分布しており、砂泥底に多く生息しますが、生息域は浅い海から水深600mほどの深海まで幅広いです。日本近海では北海道南部から九州、沖縄にかけての各地の沿岸で主に底引き網で漁獲されています。他にイトヨリダイやヒラメ、カレイなどと共に釣りで漁獲されることもあります。

特にホウボウは関東では定番な魚のひとつです。入荷量も多く、値段も安定しています。昔は祝い魚として需要があり、高い値段がつけられていました。ホウボウは群れで生息する魚ではなかったため多くは獲れません。それにホウボウは元来暖かい海域での沿岸魚のため、昔の日本ではよけい漁獲できるものではなかったのです。そのため値段が高く高級魚と言われていました。

昔は需要があるのにホウボウが定置網に混入するのを待ってもいられないため、延縄の一種「ホウボウ縄」を用い、一人か二人乗りの小さな船で日に何度も出漁し、漁獲しては貯めておいて魚市場に出していたといいます。近年は温暖化の影響もあり、生息数が増え、効率的な漁獲方法もできたため入荷量が増えました。それにともない値段も下がっています。

ホウボウは祝い魚で確かに過去は流通量が少なく値段が高くついたため、高級魚と言えた魚です。しかし現在は流通量が増えたため、庶民的な値段の魚になってきました。昔は魚屋さんに置かれているイメージでしたが、値段の低下と共に最近ではスーパーに並んでいることもあります。ただし活け締めや60センチメートルほどの大型のものは希少性もあり、やや値段が高めです。

通販での値段を見てみましょう。国産で天然物の築地直送のホウボウで0.8キログラムから1キログラムの大きさのものが、3800円から5500円ほどの値段で販売されています。1キログラムはおおよそ40センチメートルほどの大きさのホウボウになるので、この値段は大型のホウボウの値段と言えます。やはり食べられる身の部分が少ないこともあり、大型となるとやや高めの値段になります。

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ホウボウのさばき方をマスターしよう

ホウボウは決して大漁で港を騒がせることはありませんでしたが、昔から祝い魚として身近にいた魚です。かつては高い値段がつき高級魚でしたが、現在では庶民でも手が出しやすい値段の魚になりました。その上刺身は鯛やフグに匹敵する美味しさといいます。ぜひ家庭で食べてみたいと思うのではないでしょうか?

ぜひ家庭で食するために、ホウボウのさばき方をマスターしましょう。最も基本的な魚のおろし方、三枚おろしのさばき方について解説します。

ホウボウをさばき方の前にホウボウの臭いが気になる

さばき方の前に臭いについて解説します。さばく前のホウボウは淡泊で他の魚のようにあまり魚臭い生臭さはないのですが、クセのある臭いがします。この臭いは旬の時期のホウボウより夏の時期のホウボウに強くかんじるものです。気になるかもしれませんが、さばく前にホウボウについているぬめりを丁寧に取れば臭いを落とすことができます。切れ味のよい包丁で切るとより美味しい刺身にもなります。
 

ホウボウのさばき方:鱗を落とす

ホウボウのさばき方について解説します。まずさばくための準備です。先ほど述べたように、まず臭いを落とすために水洗いしながらたわしで丁寧に表面のぬめりを取ります。水洗い前に塩をまぶし、たわしで擦ったあと、水洗いをするとよりホウボウの臭いをおとすことができるのでおすすめです。

ぬめりを取ったら尻尾から頭部にむかって鱗を落としていきます。鱗落としがあると便利です。包丁で落としていくのもいいのですが、ホウボウは鱗が小さく、剥がれた鱗が予想以上に飛び散ります。そのため力を入れすぎて魚の身を傷つけてしまうこともあるので、慣れない方は鱗落としを使うことをおすすめします。鱗落としは100円ショップで入手することができます。
 

ホウボウのさばき方:内臓を取り出す

ホウボウのさばき方の次の手順は内臓を取り出します。尻びれの付け根で頭側に肛門があり、そこから前方に切り込みを入れておきます。切り込みをいれることで内臓と肛門を切り離すので、後々頭を落とし引っ張ったときに内臓が取り出しやすくなるためです。特に卵をホウボウが持っている場合、卵を破かずきれいに取り出しやすくなります。

次に胸びれの付け根から、斜めに胸びれに沿うようにして切り込みます。この時一度に奥まで切り込まず、内臓を切らないように注意しましょう。内臓が見えたら切り込むのを止めます。さらに胸びれの切り口からエラの付け根にむかって切り込んでいきます。エラの付け根ぎりぎりより少しだけ空間を空けて切ると、エラ周りの骨に当たらずに切り込むことができます。

中骨に刃先が当たったら切り込むのをやめ、反対側に移ります。同様に胸びれの切り口からエラの付け根に向かって包丁を入れていきます。同じように、包丁が中骨に当たったら刃先を垂直に立て、頭を切り落とします。この時も内臓まで切らないよう注意して下さい。落とした頭を引っ張るとキレイに内臓が取り出せます。

ホウボウのさばき方:お腹を開いて血合いを流す

さばき方次の手順は血合いを流すことです。まずお腹を開きます。お腹の内側から包丁の刃を外側にし、先ほど切れ目を入れておいた肛門に向かって差し込み手前から引くようにして切っていきます。もし卵が残っている場合は、卵と腹身の間に包丁を入れるようにすると卵を傷つけずお腹を開くことができます。残った卵を剥がすときは背骨と卵の間に腹膜があるので、それを剥がすと卵を破かず取り出せます。

他に取り出しきれなかった内臓を取り除き、流水で水洗いし中骨についている血合いを洗い流します。夏場だと水道水の温度が高いため、水洗いすると臭みがでてくることがあります。その場合は水道水でざっと血合いを落としてから、氷を入れた濃度3パーセント程度の塩水の中で洗うようにするとホウボウの身がふやけず、臭みが抑えられます。

水洗い後はキッチンペーパーなどで丁寧に水気を吸い取っておきましょう。水気が残っていると、三枚に下ろすときに切り口から水分が吸収され、刺身にしたときに身がふやけたり、臭みが発生したりする原因になります。身がふやけてしまうのはあまりよくないので気をつけて下さい。

ホウボウのさばき方:二枚おろしを作る

ホウボウをお腹から二枚におろしていきます。頭を右にして、お腹を開いた切り口から尻びれに沿って尾びれに向かって、軽く皮に切れ目を入れるように切っていきます。ホウボウは円錐形をしているのでコロコロ転がりやすく不安定なので、ふきんやクッキングペーパーを下に敷いて安定させるとおろしやすいです。

今度は中骨の中間あたりまで刃を入れて同じように切っていきます。三回目は背骨に当たるように切りましょう。中骨を包丁のしのぎの部分でなぞるように切ると骨に刃が引っかかりにくくなります。大きいサイズのホウボウをさばくときは切りづらくなるため、背骨と腹骨付け根関節の間に包丁を入れ、腹骨を背骨から外しておくと良いです。

次に背中側をおろしていきます。頭を左にし、尾びれから背びれに沿って頭側に向かっておろしていきます。お腹側をおろしたときと同じように刃を入れるのを三回に分け、徐々に深く切り込んで行きましょう。背中側も中骨を包丁のしのぎの部分でなぞるように切ると骨に刃が引っかかりません。

お腹側、背中側を切り込んだら尾びれの部分に包丁を立て、背骨まで切り込みます。尾びれの切り口から頭側に向かって包丁を寝かせ、平らな部分を軽く背骨に押さえつけるように身を切り落とします。二枚おろしの完成です。残りの三枚目に進みましょう。

ホウボウのさばき方:三枚目をおろす

身おろしを取った方を下にし、背中からおろします。二枚おろしをしたときと同じ要領で包丁をいれます。お腹側からでも背中側からでもどちらでも良いのですが、お腹側からおろすと身を取るときにもう一度頭側とお腹側を入れ替える必要があるのでその手間をなくすために背中側から切り込みます。

背中側が終わったら同じようにお腹側も切り込みます。切り込み終えたら二枚おろしの時と同じように、尾びれの部分に刃を立てて背骨まで切りましょう。背骨と尾びれの付け根ごと切り落とさないよう気をつけて下さい。そしてまた二枚おろしの最後の処理と同じように、尾びれの切り口から頭側に向かって包丁を寝かせ、平らな部分を軽く背骨に抑えつけるようにして身を切り落とします。三枚おろしの完成です。

ホウボウのさばき方:腹骨をとる

三枚おろしは完成しましたが、さばき方の仕上げの作業がまだ2つ残っています。1つめは腹骨とりです。腹骨を削いでいきます。ホウボウは骨太の魚なので腹骨も太く硬い骨ですので削ぎやすいです。最初に頭を落とした切り口の方の腹骨の付け根に包丁の切っ先を上に向け、切れ目を入れます。

そこから腹骨に沿って包丁の切っ先を押すようにして少し入れ、腹骨に沿うように削ぎ落とします。残った腹骨は骨抜きやとげ抜き、ピンセットなどで抜きます。小さいホウボウで刺身にしない場合は血合い骨も抜いておくと良いです。

ホウボウのさばき方:皮を剥ぐ

ホウボウのさばき方最後の行程は皮を剥くことです。もし可能であれば、ここからは刺身用の柳刃包丁を使用するとやりやすく、きれいに仕上がります。刺身用の柳刃包丁がない場合はできるだけ幅の狭い包丁を使うと、刃を押し引きするときに身と包丁の抵抗が減り、身が崩れにくくなります。
 

皮を下にして尾の方から包丁を立てるようにして切れ目を入れます。皮に刃先が当たったら、包丁を寝かせて下さい。包丁の腹で皮を押さえつつ包丁を押し引きしながら皮を剥きます。剥いた皮は捨てずに水洗いし、潮汁などに使うととても美味しいです。

以上がホウボウのさばき方になります。ホウボウは形が特徴的であり、また骨がごついため切りがたいときがあります。しかしその代わり腹骨は取りやすいなど、難しいばかりではないので自分自身の包丁扱いのレベルと相談しながらこのさばき方をこなしていくと良いです。

ホウボウの寄生虫について

調理する前によく確認しよう

どんな魚でも基本的に寄生虫がいる可能性があります。ホウボウも例外ではありません。寄生虫については事業者側も十分注意していますが、スーパーに並ぶまで気づかれない、もしくは事業者の目が離れた後に寄生する場合もあります。お店に並んでいたからといって安心せず、きちんと警戒するべきです。寄生虫に対しては以下の3点を調理擦る前に確認・注意しましょう。

1点目はホウボウを購入する際には新鮮な魚を選ぶことです。また刺身などではなく、さばかれていない丸ごと1匹の状態で購入したときは速やかに内臓を取り除いて下さい。なぜなら、特に有名な寄生虫アニサキスの幼虫は鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動するためです。そのため、注意すべき2点目は内臓を決して生で食べてはいけないということです。

最後に3点目、調理する際に必ず目視で確認して寄生虫を除去しましょう。寄生虫は案外目視で確認できる物です。また生の刺身を食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびにつければ大丈夫と言う人もいますが基本的に寄生虫はそれでは死滅しません。1番の自衛手段は目視での確認、そして加熱です。それでは具体的にホウボウに寄生している可能性の高い寄生虫について具体的に解説します。
 

刺身で食べるときはアニサキスに注意

ホウボウに寄生する寄生虫は2匹います。1匹目はよく耳にするアニサキスです。アニサキスの幼虫は長さ2から3センチメートル、幅は0.5から1ミリメートルくらいで白色の少し太い糸のように見えます。十分目視できるサイズです。

アニサキスはどの魚介類にも寄生している可能性があります。魚種によっては寄生虫の寄生率の高い魚、低い魚と在りますが寄生率が低いからと行って安心はできません。ちなみにアニサキスは70度以上の加熱、もしくは48時間以上の冷凍をすることで死滅しますがそれでは刺身としては使えません。また切ったり、噛んだりしたらアニサキスは死にます。

刺身のような生魚を食べるときは目視で確認することが一番の対策です。刺身に引くときは切り口を全体的に確認するようにしましょう。見落とさないように気をつけて下さい。アニサキスが体内に入るととてもつらい食中毒の症状が出ます。

アニサキスが原因の食中毒の症状

アニサキスに感染するとだいたい4時間から8時間ほどで急性胃アニサキス症か急性腸アニサキス症が発生します。急性胃アニサキス症は食後数時間後から、場合によっては十数時間後にみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。急性腸アニサキス症は食後数十時間から数日後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。発症する多くが急性胃アニサキス症です。
 

アニサキスは体内では4日ほどしか生き延びませんが、この4日間の間のたうち回るほどの腹痛、下痢、嘔吐に耐えることは普通できません。激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる場合はすみやかに医療機関を受診しましょう。
 


ちなみになぜこのような症状が起きるかというと、アニサキスが寄生している生鮮魚介類を生で食べると体内に入ったアニサキスが私たちの体に寄生しようと、胃壁や腸壁に刺入するためです。字面から痛さが伝わってきます。

卵巣に寄生することもあるフィロメトラ

ホウボウに寄生する寄生虫2匹目はフィロメトラです。フィロメトラは主にイサキ・スズキ・カサゴ・マゴチの卵巣に寄生している寄生虫です。稀にですがホウボウの卵巣にも寄生しています。フィロメトラ科の寄生虫はすべて魚類寄生性なので人体には寄生しません。無害です。

とはいえ見た目があまりよくありませんし、人体には無害ですが魚に対する病害性は不明だと言われています。ウイルスがすぐ進化するように寄生虫もいつ何が変化するかわからないので食べない方が無難です。フィロメトラの体長は10ミリメートルから20ミリメートルとわりと大き目で主に卵巣部分と限られています。また数百匹が密集していることもあるので目視での発見も容易です。

寄生虫を発見したときの注意点

寄生虫を発見したときはまず必ず取り除きましょう。その際に寄生虫の卵などが手指について口に入ることがあります。寄生虫を発見し、取り除いた後は必ずよく手を洗いましょう。包丁やまな板も注意が必要です。基本的に先に加熱をしない野菜などを切り、生魚は後で切りましょう。寄生虫が野菜にもくっつく可能性が在ります。

生の魚を扱った包丁やまな板はすぐに荒い、調理済みの食品がふれないようにしましょう。熱湯消毒をすることも推奨します。これまで食中毒の原因として知られていなかった寄生虫が、実は食中毒の原因だったとわかることは今でもあります。寄生虫を発見したときはやはり無視せずきちんと取り除く、加熱するこがとても大事です。
 

ホウボウを使ったおすすめ料理

ホウボウはその上品な味わいから、刺身などの和食以外にもガーリックやオリーブオイルで洋風にしても美味しい食材です。しかしやはり上品で濃厚なホウボウには和風の味付けが1番合います。特に醤油やポン酢などをベースにあっさりした味付けがホウボウの美味しさを引き出しやすいです。様々な料理に合うホウボウのおすすめ料理を紹介します。

ホウボウの刺身

定番中の定番ですがホウボウの刺身はなんといっても絶品です。ホウボウはとろりとしていて柔らかい感触ですが、フグと同じようにかみ切るには難しいので刺身にするときは薄造りにしましょう。特に旬の時期の脂がのった活魚の刺身は美味しいです。
 

ホウボウの刺身はとろりとしてほどよい軟らかさで甘味・旨味が強く食感が楽しめ美味と言われています。さらに刺身に鳴き袋や肝などをゆでて添えると、ただの刺身ではなくよりホウボウを楽しめる料理となるのでおすすめです。また刺身をカルパッチョやマリネにしても美味しくいただけます。

和風と洋風両方の味わいが楽しめる味付けのカルパッチョがあります。薬味に粗目の大根おろし、長ネギのみじん切り、塩麴、すし酢を混ぜ合わせます。柵取りしたホウボウを軽く炙り、刺身にし、皿に盛り、ケーパー・胡椒・トライトマト粒・オリーブオイルを散らして、先に混ぜ合わせた薬味を上に盛り付ければ完成です。美味しいので是非試してみて下さい。

ホウボウの炙り焼き

薄造りにした刺身で食べるのも美味しいですが、ホウボウは皮も美味しいので皮と一緒に刺身をあぶり焼きにするのもおすすめします。鱗をきれいに落とし、三枚おろしの皮の方をあぶり、冷たい塩水につけてしめてから刺身にします。薬味にはワサビやスダチがおすすめです。また先ほどの刺身のようにゆでた鳴き袋や肝をそえると良いです。

ホウボウの塩焼き

あぶり焼きが美味しいように、刺身にして生でいただく意外にも塩焼きにしても美味しいです。ホウボウは脂質が多いため、焼いてもパサつきがあまりでません。三枚におろすと食べられる部分が少なくなってしまうので、塩焼きにするときは30センチメートルほどのホウボウを半身にすると良いです。シンプルな調理法ですがホウボウは旨味が濃厚なためそれを活かした味わいになります。

ホウボウの煮こごり

小さなホウボウなら刺身にひくより煮こごりにすると良いです。鱗とぬめりを落とし、内臓を除いて、皮に飾り包丁を入れてからじっくり煮込みます。翌朝、煮汁がゼリー状に固まったところをいただきましょう。コラーゲンがたっぷりですので、美容にもとても良いです。

ホウボウの鍋

ホウボウは身が少ない魚ですが、アラから旨味のある美味しいダシが取れます。ダシを活かすには鍋が一番です。アラと一緒にぶつ切りにした身、泣き袋、肝などを煮ながら食べると美味しく無駄なくホウボウを楽しめます。新鮮なホウボウでしたら身は刺身にして他を鍋にしても良いです。ホウボウの旨味を味わうには鍋の味付けは酒と塩のみのシンプルなものが良いでしょう。

ホウボウの煮付け

ホウボウの煮付けもアラの旨味を活かせます。漁師の間でも刺身の他に定番の料理でおすすめです。濃厚なホウボウの白身を美味しく堪能することができます。アラの煮付けも美味しいですが、やはり食べられる部分が少ないため、和風の煮付けよりも丸ごと煮付けて旨味がでたスープと一緒に食べられる洋風のブイヤベースにするのがおすすめです。

ホウボウの小鉢

薬味をたっぷりつかって、ホウボウをちょっとした小鉢にするのもおすすめです。ホウボウの皮を引いて、ちょっと厚めの削ぎきりにします。薬味に千切りの大葉とみょうがをたっぷりのせ、醤油をかけたら出来上がりです。やはりあっさりした味付けのポン酢や和風ドレッシングとも良くあいます。
 

ホウボウのフライ・唐揚げ

ホウボウは揚げても美味しいです。フライは小ぶりのものを三枚におろして皮を引き、パン粉をつけて揚げます。淡泊な中に甘味が感じられてとても美味しいです。唐揚げにするのもおすすめです。同じく小ぶりのものを背から開いて中骨を取り丸ごとじっくり揚げます。さくっとしていて身が甘くとても美味です。大きなものであれば適宜切り唐揚げにすると良いでしょう。
 

ホウボウはその淡泊で濃厚な味わいから生の刺身だけでなく、焼いても煮ても揚げても何をしても料理に使えます。今回は基本的でおすすめのレシピを紹介しましたが、ホウボウはもっと活用できる魚です。ぜひ家庭で色々な調理法を試してみて下さい。
 

ホウボウの味を堪能してみよう

ホウボウの美味しさ、値段、さばき方や料理について知ることはできましたか?ホウボウは昔から日本の風習に寄り添ってきた祝い魚です。その味は鯛やフグに匹敵するほど美味しく、刺身は濃厚な味わいを堪能できます。かつては高い値段がつけられ高級魚と言われましたが、昨今では値段が下がり手に入りやすくなりました。ホウボウをぜひ家庭で調理して、ホウボウの絶品な味わいを楽しんで下さい。
 

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