カナガシラとホウボウの違いとは?さばき方と食べ方を解説!

カナガシラとホウボウという魚を知っていますか?これらの魚は、魚屋でよく見かけることがあります。一目見ると、体型も色も似ているので同じ魚だと思われている人も多いのではないでしょうか?実はこれらは別々の魚で、味や値段も全く別物です。今回は、カナガシラとホウボウの違いは?見分け方はあるの?といった気になるポイントから、おすすめの食べ方やさばき方を紹介します。見分けるポイントを身につけて、ぜひカナガシラやホウボウを食べてみてください。

カナガシラとホウボウの違いとは?さばき方と食べ方を解説!のイメージ

目次

  1. 1カナガシラとホウボウは見た目そっくりな別の魚
  2. 2カナガシラとホウボウの違いって何?
  3. 3カナガシラのさばき方
  4. 4ホウボウのさばき方
  5. 5カナガシラの食べ方とレシピ紹介
  6. 6ホウボウの食べ方とレシピ紹介
  7. 7カナガシラとホウボウはあくまで別物

カナガシラとホウボウは見た目そっくりな別の魚

カナガシラとホウボウという魚を知っていますか?どちらも赤色をしており、頭が大きな魚です。一目見ると、その体の形や色から同じ魚だと思ってしまいます。しかしこれらは別々の魚で、味も値段も異なります。よく見ると外見にも少し違いがあるのです。今回は、カナガシラとホウボウの違いや見分け方、美味しい食べ方やさばき方を紹介します。カナガシラとホウボウの違いを理解して、美味しい味を楽しみましょう。

カナガシラとホウボウの違いって何?

カナガシラはこんな魚

カナガシラは、背面は橙色や赤褐色で腹面は白色をしています。成魚の全長は30センチほどです。カナガシラの特徴は何と言っても硬くて大きな頭。頭部が発達した硬い骨板におおわれていることから、カナガシラという名がついたと言われています。赤一色の小さい胸びれを持ち、背びれには紅色の大きな斑点があるのも特徴です。

カナガシラは、旨みと歯ごたえがありとても美味しい魚です。ホウボウと比べると味は劣ると感じる人が多いですが、旬の脂がのっているカナガシラは、ホウボウを超えるほど美味しいとも言われています。カナガシラは頭が大きいため、取れる身の量が少なく、調理や加工に時間がかかるためお値段は安めです。2~3尾入って100~150円ととても手ごろな値段で購入することができます。

旬は11月から2月の寒い時期で、淡泊な白身魚なので刺身やフライ、煮付けなど様々な食べ方で楽しむことができます。くせのない味の魚だからこそ、どんな味付けに調理しても美味しく食べることができるのです。

カナガシラは、縁起物としても用いられています。長崎県ではカナガシラの名が「お金が貯まる」に通じるとされ、節分にカナガシラの煮付けを食べる風習があります。また、地域によってはお食い初めの魚として使われることもあります。カナガシラは頭が硬いので、頭の骨がしっかりするようにとの願いが込められているそう。様々な思いを込めて、食べられている魚ということが分かります。

ホウボウはこんな魚

ホウボウは、背面が青~灰褐色と赤のまだら模様、腹面は白色をしている魚です。頭が大きく、尾にいくにしたがって細くなる円錐形の体型をしています。成魚の全長は、カナガシラより少し大きく40センチほどあります。大きな胸びれは半円型をしており、水平方向に広がります。胸びれの外側はサーモンピンク色をしていますが、内側はきれいな緑色でフチは青色をしています。

ホウボウは高級魚とされており、高いものだと1尾で5000円ほどすることもあります。大きいものは高級料亭に出されることがあるほどです。高級魚とされているだけあり、身には歯ごたえと独特の旨み、鯛やフグのような上品な味を楽しむことができます。

ホウボウは、浮き袋でグーグーと音を出して鳴くことができ、この鳴き声からホウボウという名がつけられたという説があります。旬は12月~2月で、旨みと歯ごたえがあり美味しい魚として知られています。頭部はカナガシラと比べると小さく、身が多いので食用として適しています。刺身や煮付け、唐揚げや塩焼きなど様々な食べ方で楽しむことができる魚です。

カナガシラとホウボウはここで見分けられる

一見すると見分けがつかないカナガシラとホウボウですが、見分けるポイントはあるのでしょうか?決定的な違いは、胸びれの大きさと模様です。その違いは一目瞭然で、ホウボウの方がカナガシラよりも胸びれが大きく、円のようなきれいな模様があります。また、ホウボウは胸びれの内側が緑色、フチが青色をしているためすぐに見分けることができます。

胸びれを広げずとも、体の色の違いでも見分けることができます。一見するとどちらも同じ赤色ですが、よく見てみるとホウボウには細かな青~灰褐色の模様が入っているという違いがあります。一方、カナガシラは橙や赤褐色をしており、色は一色のみです。

それ以外にも、うろこの大きさの違いがあります。ホウボウのうろこはとても小さいですが、カナガシラは硬く大きなうろこを持っています。網目のようなうろこが見れたら、カナガシラだと判断して良いでしょう。

カナガシラのさばき方

頭が硬いカナガシラですが、そのさばき方を知っていますか?カナガシラは口とヒレに小さなトゲのようなものがあるので注意してさばいていきましょう。まず、うろこを取り除いていきます。背びれや胸びれの脇まで落としていきましょう。カナガシラはうろこが硬いので、包丁よりうろこ取りを使うとやりやすいです。

うろこを取り除けたら腹を上に向け、胸びれの下から包丁を入れます。そして、腹のやわらかい部分と頭の硬い部分の境目に包丁を当て、一気に切り落とします。カナガシラは頭が大きく硬いため、勢いよく切り落としましょう。力を入れすぎてケガをしないように気を付けてください。

頭を切り落とせたら、尻からまっすぐ上まで包丁を入れてお腹を開きます。内臓を取り出し、しっかりと水で洗い流しましょう。洗い終わったら3枚おろしに入っていきます。頭があった方から尾びれの方へおろしていきます。刃先を背骨に沿わせるようにして切っていきましょう。このとき、切った身の方を上に引っ張るようにするとやりやすくなります。

片方の身がおろせたら、反対側も同様に行っていきます。刃先に骨が当たるカリカリとした感触を手掛かりにするとやりやすいです。3枚におろせたら、腹骨をそぎ落として完成です。カナガシラは硬い小骨が多いため、おろした後はピンセットなどでよく取り除きましょう。

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ホウボウのさばき方

ホウボウはカナガシラよりも大きい魚なので、3枚におろす時に少し大変かもしれません。しかし、基本的なさばき方は変わらないので、ぜひ参考にしてホウボウをさばいてみましょう。まず、うろこを取り除いていきます。ホウボウは細かなうろこなので、比較的簡単にうろこを落とすことができます。

うろこを取り除けたら、頭を切り落としていきます。魚を横向きに置き、胸びれが頭側につくように斜めに包丁を入れましょう。裏返して反対側にも同様に包丁を入れます。そして、尻から包丁を入れ、頭と内臓を一緒に取り出していきます。取り出せたら、腹の血合いを洗いしっかりと水気を取ります。

次は3枚おろしに入っていきます。尾を左にして腹から中骨に沿って包丁を入れます。そして半回転させ、次は背から中骨に沿って包丁を入れていきましょう。こうすることで片身がはがれやすくなります。大きめのホウボウの場合、一気にはがすのではなく、このように少しずつ包丁をいれていく方がきれいに仕上がります。

腹と背から包丁を入れたら、頭を切り落とした部分から中骨に沿って関節を切り、片身をはがしていきましょう。反対側も同様に行い、3枚おろしにしていきます。最後に腹骨をそぎ落したら完成です。

カナガシラの食べ方とレシピ紹介

カナガシラは頭が大きいため身が少なく、調理や加工に手間がかかることから、そこまで多くの人に食べられている魚ではありません。しかし、旬のカナガシラの美味しさといったら、高級料亭に出されるホウボウと味がそっくりだと言われています。上品な味を楽しむ食べ方やレシピを紹介します。

カナガシラの刺身

まずは、カナガシラの美味しさをそのまま味わうことができる刺身を紹介します。旬のカナガシラは、ホウボウを超えるほど美味しいと言われています。旨みが濃い絶品を味わってみてはどうですか?作り方は、3枚おろしにした後に皮を引き、食べやすい大きさに切れば出来上がりです。

切り落とした頭も一緒に盛り付ければ、カナガシラの頭の大きさのインパクトで見栄えも良いでしょう。頭を盛り付けるときは、胸びれが広がるように爪楊枝などで固定するとより良い見栄えになります。

カナガシラの煮付け

カナガシラの煮付けはとても人気のある食べ方です。カナガシラの身は淡泊なので、煮付けによく合うわけです。先ほどさばき方を紹介しましたが、煮付けにするときは頭をつけたままで大丈夫です。和風の煮付け以外にも、他の魚介と一緒にアクアパッツァやブイヤベースにしても、カナガシラの美味しさが堪能できます。

和風の煮付けを作るには、まずカナガシラのうろこを取り、腹を開けてエラや内臓をしっかりと洗い流します。頭はつけたままにしておきましょう。そしてカナガシラを数分水で茹で、水200ml、醤油大さじ2、酒50ml、砂糖小さじ2、薄切りのショウガ20gを入れた鍋でじっくり煮ます。カナガシラの上品な味を楽しみたいなら少し薄味、ご飯のお供にしたいのなら少し濃いめの味付けにするなど、お好みの味付けを試してみてください。

カナガシラのフライ

次に紹介するのはフライです。白身魚のフライはご飯のおかずやお弁当にとても人気な料理です。カナガシラは白身魚なのでフライにすると美味しく、とてもおすすめな食べ方です。その美味しさは、普段食べている白身魚が食べれなくなってしまうほど美味とされ、淡泊な身が上品な旨みを引き出すので、何枚でもぺろりと食べれてしまいます。

カナガシラのフライを作るには、まず先ほど紹介したさばき方で3枚おろしにします。おろしたカナガシラを適度な大きさにカットし、塩コショウで味を付けます。その後、小麦粉をまぶして溶かした卵をくぐらせます。そして、パン粉をつけて衣を作りましょう。180度の油で、きつね色になるまで揚げれば完成です。上品な味をそのまま味わっても良いですし、定番のタルタルソースと合わせても美味しく食べることができます。

カナガシラの味噌汁

和食の定番、味噌汁にして食べるのはどうですか?カナガシラは、頭の部分から美味しいダシが取れるので、味噌汁にすると旨みがスープに出てとても美味しく食べることができます。身の部分を使った料理を作るとき、余った頭の部分を使って味噌汁にしてみましょう。カナガシラの旬は冬の寒い時期なので、体が温まる味噌汁はとても嬉しい一品です。

味噌汁を作るときは、切り落とした頭と、適度な大きさに切った身を用意します。身を他の料理に使ってしまったときは、頭の部分だけでも十分に美味しい味噌汁を作ることができますよ。頭と身を、水と一緒に鍋に入れ、火にかけます。その後、お好みの具材と一緒に煮込んでアクを取っていきます。火が通ったら、味噌を入れて完成です。魚から美味しい出汁が出るので、味噌は普段より少なめにすると丁度よくなります。

ホウボウの食べ方とレシピ紹介

ホウボウの白身は、鯛やフグのような上品で高貴な味です。大きなものは高級料亭にも出されることがあるほど。カナガシラに比べると頭が小さく、うろこも薄く小さいので調理がしやすいです。旨みや甘みが強く、濃厚な味を自宅で楽しんでみませんか?そんなホウボウの食べ方とレシピを紹介します。

ホウボウの刺身

まずは、ホウボウの美味しさをそのまま味わえる刺身を紹介します。ホウボウは刺身にすると絶品と言われていて、加熱調理したときと比べて柔らかい歯ごたえがあるのが特徴です。カナガシラより大きい魚なので、多くの身が取れるのも嬉しいポイントです。

作り方は、3枚おろしにしたホウボウを皮を引き、包丁の刃を寝かせて手前に引くようにして薄く切ります。先ほど紹介したさばき方を参考にしてみてください。薬味にはポン酢やネギ、大根おろしに一味唐辛子を混ぜて作った「紅葉おろし」を用意しましょう。ホウボウの旨みと爽やかな薬味が口の中で良く合います。

ホウボウの塩焼き

シンプルな塩焼きは、小さな子どもから大人まで楽しめる食べ方です。ホウボウは、塩焼きにすると身がしっかりとしていて食べ応えのある味になります。かといって身が硬くなるわけではなく、ふわっとした食感も兼ね備えています。ホウボウの塩焼きは、くせのない上品な味がするので、魚の生臭いのが苦手…という方でも食べやすい魚です。

作り方は、ホウボウのうろこを取った後、腹を開いて内臓を取り出します。血合いをしっかりと洗い流したら、水気をふき取り、軽く塩をふって20分ほど置きます。水が浮き出てきたら軽くふき取り、再度塩をふりましょう。両面に火を通して焼きあがったら、塩焼きの完成です。浮き袋や卵も、同じ塩焼きにすると美味しく食べることができるので、ぜひ試してみて下さい。

ホウボウの煮付け

ホウボウのは淡泊な白身魚なので、煮付けにするとその美味しさをさらに引き出すことができます。煮付けにするときは、しっかりと味付けをするのがポイントです。甘辛い煮汁と生姜のほのかな香り、そしてふわっとしたホウボウの柔らかい身が、ご飯やお酒によく合います。旬の寒い時期に心も体も温まる一品です。

ホウボウの煮付けを作るには、うろこを取り、腹を開いて内臓を取り出したホウボウを用意します。頭はついたままで大丈夫です。そして、酒100ml、みりん50ml、醤油大さじ2、砂糖大さじ1/2、スライスしょうが適量を入れた鍋でホウボウを煮ます。しっかりめに味をつけたいなら、水は必要に応じて入れるようにしましょう。お好みによって水の量を調整してください。

ホウボウの唐揚げ甘酢あんかけ

ホウボウを唐揚げにし、甘酢あんかけにすると美味です。ホウボウの身はやわらかすぎずしっかりとしているので、唐揚げにするとお肉のような食感となりボリュームのある料理になるのです。そして、ホウボウの淡泊で上品な味が甘酢だれによく合います。お肉よりカロリーは低いのに、しっかりとした食感が楽しめるので、お肉は食べたいけどカロリーが気になる…という方にもおすすめの一品です。

作り方は、まずホウボウを3枚おろしにして皮を引きます。そして、骨抜きをした後に身をボウルに入れ、軽く塩をふります。その後小麦粉を適量ふり、180度の油で色がつくまで揚げます。次に甘酢あんかけを作ります。片栗粉大さじ1、水大さじ1を混ぜ、水溶き片栗粉にしておきましょう。そして、米酢100cc、醤油100cc、砂糖100g、みりん50cc、塩ひとつまみを加熱しながら加えていきます。

ある程度火が通ってきたら、水溶き片栗粉を流し込んでいきます。片栗粉を入れたら強火でムラなく混ぜていきましょう。とろりとしてきたら唐揚げにかけて完成です。あまじょっぱい甘酢あんかけで、ご飯が進みます。

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カナガシラとホウボウはあくまで別物

カナガシラとホウボウの違いとさばき方、おすすめの食べ方やレシピを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?さばき方が難しいと言われるこの魚ですが、さばいた後に味わえる上品な味は絶品です。魚屋で見かけた際には、是非とも買っていただきたい美味しい魚です。さばき方や食べ方を参考にして、皆さんも食べてみてください。カナガシラとホウボウの魅力が伝われば幸いです。

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