2018年06月05日公開
2024年07月15日更新
ヒラマサは出世魚?カンパチ・ブリとの見分け方と呼び名の順番も紹介!
ヒラマサと言う魚を知っていますか?あまり聞きなれない魚の名前かも知れませんが、カンパチやブリととっても似ている魚です。今回『ヒラマサは出世魚?カンパチ・ブリとの見分け方と呼び名の順番も紹介! 』と題しまして紹介していきます。ヒラマサの名前の由来や出世魚のことなど知ることで、カンパチやブリなど見わけも分かるようになり、料理などにもうまく活用していくことができます。
ヒラマサは出世魚じゃない!
ヒラマサはスズキ目アジ科ブリ属になります。ブリやカンパチにも似ていますが、ブリのようにサイズによって名前が変わることはなく出世魚ではありません。ブリやカンパチに比べると漁獲量が少なく、昔はブリと同じ魚の種類として見られていました。地方名はあり、三重県尾鷲市ではマサギと呼ばれていたり、山陰などではヒラソそ呼ばれていたり、ヒラスと呼ぶ地域もあるそうです。
高級魚ヒラマサについて知ろう
ヒラマサとは漢字て書くと「平政」と書きます。ブリの仲間の中では体が薄く平べったいのが特徴です。名前の由来もそこからきているようです。漁獲量が少なく、養殖される量も少ないことからヒラマサはブリ、カンパチ、ヒラマサの中では一番値段が高いといわれています。成魚は1m前後で全長が最大250cm、体重が96.8kgという大きさの記録があります。アジ科の中で最大種でもあります。
ヒラマサの生息地域と旬は?
ブリやカンパチと同じくスズキ目アジ科のヒラマサはアジ科の中で最大種と言われています。ブリよりも温かい海を好んで水温が18度から24度の海域の沖合や沿岸などの浅い海に生息しています。夏場は青森や北海道南部まで北上します。全国各地を単独もしくは小さな群れで回遊しています。産卵の時期は4月から8月でブリよりも遅いですが成長はブリよりも早く寿命が最高で12年ともいわれている。旬は春から夏にかけてです。
ヒラマサは運動神経も良いといわれています。引きがすごく強く大型になるとブリの何倍もの強さがあるほどです。運動神経の良さと体の平さでパワーを発揮しています。ヒラマサの餌はいろいろな小魚です。主にイワシ類、サバ、サンマ、アジ、カマス、イカ類などで30cmから40cm程ある魚でさえも追いかけまわして食べるというすごさです。
ヒラマサとブリとカンパチの見分け方
ヒラマサもブリもカンパチもスズキ目アジ科でブリ属と系統的にもとても近い魚です。その中でも、ブリとカンパチは見た目もとてもよく似ていて、同じ魚では?と間違えてしまうこともあるほどです。一目見ただけでは区別がつきにくい魚ですが、ヒラマサとブリとカンパチの特徴を知って見分け方を見ましょう。
カンパチはどんな魚?
カンパチは群れで回遊しているので1匹釣ると続けて釣れることもあるので釣りをする人にも人気の高い魚です。カンパチの成魚は100cm前後までに成長します。アジ科のなかではヒラマサの次に大きな魚です。幼魚時には口から後頭部にかけて斜めに船のようね模様が入り、その模様を上から見ると漢数字の「八」に見えるのが特徴で、名前の由来もそこからきて「カンパチ」となったそうです。
カンパチは熱帯域に生息している魚で、成長に適した水温が20~30度の所を好みます。日本海のカンパチは春から夏に北上し、冬から春は南下し回遊しています。カンパチという呼び名は主に関東周辺の呼び名で、日本各地に多くの呼び名があります。また、カンパチは出世魚のため成長とともに呼び名が変わる魚です。カンパチの旬は小型の物で秋、大型の物は秋から冬になります。産卵の時期に3~9月は味が落ちるといわれています。
ぶりはどんな魚?
ブリは成長とともに名前が変わる出世魚です。関東と関西とでも呼び名が変わってきます。成魚は全長100cm、体重8kgぐらいの大きさで、北西の太平洋に生息していて、回遊性の魚です。ブリは養殖もおこなっているので、天然もので冬、養殖物で夏が旬と言われています。定置網や1本釣りで漁獲されます。捨てるところなく食べられる魚なので、刺身、塩焼き、照り焼き、頭はあら汁、ブリ大根、かぶと焼きなど活用できます。
前後に細長い体になっていて、背は暗青色、腹は銀白色、その境に体側に黄色の縦帯があります。栄養も豊富に含まれていて、その中でもEPAやDHCは生活習慣予防に効果があるといわれている栄養成分で、次にビタミンA、B、Eも多く含みこちらは美肌効果があるといわれています。栄養摂取するのに適した食材です。
ヒラマサとぶりとカンパチを見分けよう
ブリとヒラマサには見分け方がいくつかあり、1つ目の見分け方として、上あごの骨の形の所です。ブリは角ばっているのに対して、ヒラマサは丸みがあります。2つ目の見分け方として、体側にある黄色い縦帯と胸びれの位置です。ブリには黄色い縦帯と胸びれとの間に隙間がありますが、ヒラマサにはそれがありません。
ブリは目からエラまでが長いのに対してヒラマサは短いことや、ブリは胸びれと背びれの長さが同じのに対して、ヒラマサは胸びれより背びれの方が長いです。
ブリとカンパチの見分け方は、カンパチの方が丸い顔をしていて、体の表面が黄色ぽい色をしています。また、カンパチにはヒラマサやブリにはない、縦帯模様が目の上にあります。次に刺身にしたときの見わけ方についてですが、ブリは4~5時間ほどで血合いが黒く変色するのに対し、ヒラマサやカンパチは24時間たっても変色しません。ブリは新鮮でないと生臭く感じてしまうこともあります。食べ比べてみるのも良いと思います。
見間違えやすのが、やせているブリです。平たくやせたブリはヒラマサによく似ています。そこで注意してみて欲しいのが頭です。ブリはもともと頭が大きいので、痩せても骨までは痩せないので体は平たくても頭だけ大きく見えます。逆に太ったヒラマサもブリとよく似ているので見間違えてしまいます。頭が小さいのに体だけが太いので、その点に気を付けてよく見分け方に注意しましょう。
ヒラマサの漁獲方法とは?
釣りをする人に人気があるヒラマサはどんな漁獲方法があるのでしょうか?ヒラマサは東北から九州までいろいろな所で水揚げされています。天然ものの漁獲方をしては、釣りのほかに定置網、刺し網などいろいろな方法があります。釣りの人は一本釣りなどで釣ります。九州地方は養殖が盛んなので竹を束ねて作った漬けに魚が集まる魚を獲るしいら漬け漁業もおこなわれている。
出世魚とはどんな魚のこと?
出世魚とはどんな魚のことをいうのでしょうか?全ての魚類が出世魚と言うわけではありません。成長と主に名前が変わる魚と言うことは呼び名からもわかると思いますが、出世魚にはどんな種類があるのか?どういう順番で名前がどう変わっていくのかを紹介します。また出世魚の代表的な魚のブリやカンパチについても紹介します。
出世魚とは?
出世魚とは成長とともに呼び名が変わる魚のことを言います。呼び名が変わるのには成長とともに風味が変わるために用いられたものでもあります。昔では縁起担ぎの魚ともされています。稚魚から成魚までの間に生活や生態なども変わりそれによって、漁獲の方法や販売価格なども変わってきます。出世魚の魚の種類として、代表的なのはブリ、スズキ、ボラなどです。
ブリの成長と共に呼ばれる呼び名について
ブリが成長と共に名前が変わる順番は関東と関西、北陸、九州、東北とでは呼び名が変わってきます。順番に紹介します。関東では15cmぐらいまでのもとのワカシ、40cm前後の物をイナダ、60cm前後の物をワラサ、80cm以上の成魚をブリと順番に呼んでいきます。関西では15cmぐらいまでの物をワカナ、40cm前後の物をツバス、60cm前後の物をハマチ、それより大きい物をメジロそして、成魚をブリと順番に呼びます。
北陸では稚魚をコズクラ、40cm前後の物をハマチ、60cm前後の物をフクラギ、それより大きい物をガンドブリ、成魚をブリと順番に呼び、九州地方では稚魚をワカナゴ、40cm前後の物をヤズ、60cm前後の物をハマチ、それより大きい物をメジロ、成魚をブリと順番に呼び、東北地方では、稚魚をツバエリ、40cm前後の物をコズクラ、60cm前後の物をフクラギ、それより大きい物をガンドブリ、成魚をブリと順番に呼びます。
カンパチの成長と共に呼ばれる呼び名について
カンパチとはと東京の呼び名で正面から似た時に斜めの帯が漢数字の八に見えることが由来です。地方によっても呼び名は変わり、神奈川県ではヒヨ、北陸ではアカイオ、関西での若魚はシオ、和歌山県ではチギリキ、高知県ではアカナハナ、香川県ではアカバネ、関西九州地方はアカバナ、宮崎県ではニリなどと呼ばれています。
カンパチはブリの出世魚の過程と思われることも多いですが、実は違います。関東では稚魚をシオッコ、次に大きいのをシオゴ、次にアカハナ、成魚をカンパチの順番で呼びます。また関西では、稚魚をシオ、次にカンパチと順番に呼びます。関東に比べると関西の呼び名は2つと少ないです。
ブリやカンパチ以外にも出世魚がいる?
ブリやカンパチ以外の出世魚では代表的魚を紹介します。スズキは幼魚の頃はせいごと呼ばれ、中年魚でふっこ、成魚でスズキよ呼びます。また、マグロでは幼魚の頃はかきのたね、中年魚はめじ、成魚はまぐろと呼びます。この他にもイシダイ、クロダイ、コノシロ、サヨリ、どじょう、ボラ、マイワシ、マダイ、シマアジ、マハタなどがいます。
ヒラマサと味と値段
ヒラマサの味とはどんな味なのでしょうか?食べた時の食感や風味を紹介します。また。高級魚と呼ばれるヒラマサの値段も気になります。そんな、ヒラマサの値段についても紹介します。
ヒラマサの味とは?
刺身で言うと、ヒラマサはブリに比べると生臭さがなく食べやすいともいわれます。そして、ブリは寒の時期や養殖の旬の夏が美味しいといわれますが、ヒラマサは一年を通して美味しいといわれます。5月から6月のことは脂が少なくあっさりした味となります。噛んだ時の食感はヒラマサの方がブリよりもコリコリしている感じです。一晩寝かせてから刺身にするとブリは柔らかくなりますが、ヒラマサは一晩たってもコリコリします。
生臭さが出ないヒラマサは、味の落ちやすい夏に刺身をして重宝される魚でもあります。身がブリよりも脂肪が少なく歯ごたえもあります。冷蔵庫で一晩寝かせることで熟成し、ねっとりとした旨味が出て美味しくなります。コリコリした食感に、うまみが増して高級魚と言われるのにふさわしい味です。
出典: http://831net.jp
あまり大きすぎずのある程度の大きさがおすすめで、小型魚ではブリよりも美味しいヒラマサです。鱗が小さく取りにくいところもありますが、透明感のある白身の魚で、熱を通すと締まります。おすすめの料理として、生のお刺身や焼いたり、ソテーにしたり、汁物、煮つけなどが美味しいです。鮮度が良ければ汁物は味噌汁も良いですが、塩味の汁も美味しいです。
高級魚と言われるヒラマサの値段は?
釣りをする人に大人気のヒラマサは大きくなればなるほど脂ののりが良くなる魚で、簡単には釣れないこともあり、大きさによって値段も変わってきます。では、実際の値段の相場はいくらぐらいなのでしょうか?ヒラマサはブリよりの値段が2倍以上高いといわれるほどの高級魚です。3kg前後で1万円前後、5kg前後で2万円前後、5kgから10kgで2万5千円から5万円前後と言われています。
ブリ類の中では養殖される量も少なく、漁獲量も少ないので値段は一年を通して高値となっています。
ヒラマサの気になるカロリーは?
ヒラマサには多くの良質なたんぱく質とビタミン類が含まれています。脂が少なくあっさりしている白身ですが、カロリーは切り身200gで284kcalあります。だいたい刺身にすると5切れぐらいの物になります。運動量で換算すると、ジョギングを64分するのに相当します。運動量でみると分かる通り、カロリーは高めな食材となっています。
ヒラマサの刺身を食べるときの寄生虫の注意点
ヒラマサを三枚におろすと、身の中に白い米粒のような固い物があることがあり、これを粘液胞子虫と言います。食べると腹痛や下痢になることもあります。その他にブリ糸状虫はブリだけではなくヒラマサにもいます。ミミズのように長くて細い寄生虫です。その他に、寄生虫とは違いますが、時々含まれているシガテラ毒素です。食物連鎖の過程で毒素が蓄積され、腹痛や感覚の異変をおこし、重症になることもあるそうです。
ヒラマサは出世魚ではないが味は絶品!
『ヒラマサは出世魚?カンパチ・ブリとの見分け方ち呼び名の順番も紹介』について紹介しましたが役に立てたでしょうか?出世魚ではないヒラマサですが、高級魚と呼ばれるほどの味と価格がとても魅力的な魚です。あまり聞き覚えのない魚だったかもしれませんが、これを機にヒラマサを知ることで、1度は釣ってみたい魚ですね。
カンパチやブリにもよく似ているヒラマサの見分け方を知ることで、市場でも見つけやすく、また高級魚ということでなかなか見かけることは少ないかもしれませんが、さっぱりなのに旨味があるヒラマサをブリやカンパチと一緒に食べ比べてみるのもよいかもしれません。