ブリとヒラマサとカンパチの見分け方と違いは?味や値段も調査!

ブリ・ヒラマサ・カンパチは、「ブリ御三家」と呼ばれている美味しい魚です。しかし、この3種類の魚の味や特徴を、きちんと理解している人は少ないのではないでしょうか?見た目はほとんど同じの、この3種類の魚は、実は味も旬も全く違う魚なのです。違いが説明できるようになると、お刺身を食べるのがもっと楽しくなります。お友達にも自慢できるかも?ブリとヒラマサとカンパチの見分け方とそれぞれの特徴、また味や値段について調査しました。

ブリとヒラマサとカンパチの見分け方と違いは?味や値段も調査!のイメージ

目次

  1. 1ブリとヒラマサとカンパチの違い
  2. 2ブリとヒラマサとカンパチの見分け方
  3. 3ブリとヒラマサとカンパチの値段は?
  4. 4ブリとヒラマサとカンパチの味は違う?
  5. 5ブリやヒラマサ、カンパチの見分け方まとめ

ブリとヒラマサとカンパチの違い

ブリが出世魚だという事は有名ですが、ブリの幼少期がヒラマサやカンパチだっけ?などと思っている人も多いかと思います。しかしそれは間違いで、ブリ・ヒラマサ・カンパチは味も種類も値段も全く違う魚です。分類上はいずれも同じスズキ目アジ科の大型魚で、系統は非常に似ている魚ではあります。

ブリは、スズキ目アジ科の大型肉食魚で、北大西洋に生息する回遊魚です。大きさは最大40kg程ですが、市場に出回っているものは15kg位までで、最も美味しいサイズは7~11kgだと言われています。脂が多く乗っているので独特の味わいがあり、刺身や煮付け、焼き物など、どんな調理法でも美味しい魚です。

ヒラマサは、同じくアジ科の大型肉食魚で、全世界の亜熱帯・温帯海域に生息する回遊魚です。大きさは最大90kg程にもなり、アジ科の魚類の最大種です。市場に出回るのはブリと同じ15kg程度までですが、もっとも美味しいサイズは2~3kg程度のものとされており、ブリに比べて漁獲量も少なく、高級魚となっています。刺身にすると、うま味の強いコリコリとした食感で、とても美味な魚です。

カンパチは、同じくアジ科の大形肉食魚で、全世界の暖かい海域に生息する回遊魚です。見た目は特にブリとカンパチは良く似ていますが、味が全く違います。ブリは脂が多く、時間が経つと身が柔らかくなり、変色して生臭く感じる事がありますが、カンパチは時間が経ってもコリコリとした食感に変化がありません。ブリに比べてさっぱりとして、ヒラマサよりは脂が乗っている、刺身が美味しい魚です。

大きさで呼び名が変わる出世魚

出世魚とは、稚魚から成魚までの成長段階によって呼び名が変わる魚の事を言います。成長に伴って名前が変わることを出世になぞらえて縁起の良い魚として、お正月やお祝いの席などに好んで食べられる魚です。出世魚で代表的なものは、ブリをはじめ、スズキ・ボラなどがあります。

ブリが出世魚だという事は有名です。全国各地で様々な呼び名がありますが、一例として、関東地方では、「ワカシ→ワラサ→イナダ→ブリ」と変化していき、関西地方では「ワカナ→ハマチ→メジロ→ブリ」と変化して呼ばれる事が多いです。また、地方によっては、ブリの幼魚をツバス・ワカナゴなど呼ぶところもあります。

ちなみに、ブリになる前の大きさの、関西地方で使われる「ハマチ」という呼び名は、現在、全国的に養殖ブリの総称のように使われています。もともとブリの養殖の発祥が西日本で、ハマチという名前で流通させたため、養殖はハマチだという名称が全国的に定着しました。関東地方では、天然物を「イナダ」、養殖物は「ハマチ」という習慣があります。

また、カンパチも大きさで名称が変わる出世魚です。地域によって様々な呼び名がありますが、一例として関東では「ショッコ→シオゴ→アカハナ→カンパチ等」と変化して呼ばれます。ブリもカンパチも、幼魚は群れで行動し流れ藻に付くことから「モジャコ(藻雑魚)」と呼ばれます。

ヒラマサについては、地方によっては若魚を「ヒラゴ」呼ぶ地域もありますが、あまり一般的ではありません。ヒラマサが比較的小さいサイズのうちに水揚げされる事が多いからかもしれませんが、そういう意味では出世魚とは認識されていないようです。

ブリとヒラマサとカンパチの見分け方

一見、同じような魚に見える、ブリ・ヒラマサ・カンパチですが、良く見ると解りやすい特徴があります。体の色や大きさなど、それぞれ一瞬で解る見分け方がありますので、覚えておくと便利です。

特徴で違いがわかる

ブリの体の特徴は、全体的に厚みがあり、ラグビーボールのようなコロンとした形をしています。顔の見分け方は、口の横の三角のアゴの部分がブリは鋭角で、ヒラマサは丸みを帯びています。一番解りやすい見分け方は、3種類の魚の特徴である、体の横に走る黄色い線が、ブリは胸ビレの上に走っています。

ヒラマサの体の特徴は、ヒラマサという名前にあるように、ブリに比べて体が平らで厚みが少なく、同じ大きさに見えてもヒラマサの方が軽い傾向があります。頭はブリよりも小さく、若干スリムな印象があります。一番の見分け方として、3種の魚の特徴である、体の横に走る黄色い線は、ヒラマサは胸ビレにかかって伸びています。

カンパチの体の特徴は、ほとんどブリと変わらないのですが、並べてみるとブリより少し黄色みがかっています。一番の特徴は、カンパチには頭頂部にまゆ毛のような漢字の「八」の字の黒い模様があり、そのまゆ毛模様が他との違いの見分け方となります。

サイズで見分けられる

ブリ・ヒラマサ・カンパチは、市場に出回る大きさが大体15kg程度までの物が多く、普段目にしている状態では、大きさでの違いは判断しづらいかもしれませんが、本来、成魚になると、大きさは全く異なります。

ブリは成魚になると、大きいもので体長1.5m、体重40kg程になりますが、市場で出回っている標準的なサイズは体長1m、体重8kg程度です。出世魚のブリと呼ぶには、体調80cm以上必要だとされています。

一方ヒラマサは、成魚になると体調2.5m程、体重90kg以上と、ブリに比べてもかなり大型です。しかし、市場で出回っている標準的なサイズは体長が1m程、体重も3kg程度と、小ぶりです。ヒラマサは、かなり小さいうちに市場に出ているという事になります。

ちなみにカンパチは、成魚になると大きいもので体重80kg程にもなり、ブリに比べてもかなり大型です。しかし、食べて一番美味しいサイズは3~5kg程だとされており、市場で見るカンパチは、ブリよりも小型の物が多い傾向があります。

ブリとヒラマサとカンパチの値段は?

ブリ・ヒラマサ・カンパチは、値段にはどのくらいの差があるのでしょうか。ブリはスーパーなどでも手に入りやすい魚で、食卓にも良く登場しますが、カンパチはお寿司屋さんや和食店で食べる機会が多いのではないでしょうか。ヒラマサに至っては、料亭などで扱われる程の高級魚で、あまり一般的なお店では見かけません。一見同じような3種類の魚の値段を比べてみました。

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ブリは冬にかけて高くなる

ブリは旬に比例して高値で取引されます。ブリの旬は産卵前の冬から春にかけてで「寒ブリ」と言われ、甘みがあり脂が最高に乗った状態で一番美味しい時期になります。旬を迎えたブリは、夏場より高額で取引され、漁獲量にもよりますが天然だと通常1kg2000円位になります。旬でブランドのブリになると、さらに高額で取引され、1匹数万円する物もあります。

ブリの旬は冬

一年を通して水揚げされており、食卓に登場する機会が多いブリですが、冬場のブリの味は特別です。産卵前のブリの身は脂がたっぷり乗り柔らかく、うま味や甘みが濃厚で舌に絡みつくような格別な美味しさがあります。有名な富山のブランド「氷見の寒ブリ」は、一本10kg前後の物で10万円以上の値を付けています。

カンパチは夏にかけて高い

一方、カンパチの旬は夏とされていて、若干値段が高騰します。天然物のカンパチであれば、採れる場所や漁獲量にもよりますが、通常1kg1600円前後です。産卵前の夏にかけて美味しいとされるカンパチですが、ほぼ一年を通して脂が乗っており、ブリよりも身が締まっていて味も良い高級魚とされています。夏場はブリよりも値段が高く、冬場はブリの方が値段の方では優勢です。

カンパチの旬は夏だけではない?

カンパチの旬は夏から秋にかけてだという説が一般的です。漁獲量が一番多いのは夏場ですが、一年中水揚げされており、天然のカンパチにおいては産卵の時期も場所によって夏の物もあれば冬の物もあるとの事で、夏も冬も脂の乗りが良く美味しい時期と言えます。ちなみに、食べる機会の多い養殖のカンパチの産卵時期は春なので、養殖物が一番美味しい時期は春だと言えます。

高級魚ヒラマサの値段は?

ヒラマサは、夏の高級魚として知られています。摂れる量が非常に少なく、市場に出る量はブリの1割未満だと言われています。ヒラマサの産卵期は夏から秋にかけてなので、その時期が一番脂が乗って美味しい時期だとされており、値段も旬のブリの2~3倍にもなり、1kg4000~5000円程の高値で取引されています。しかしヒラマサもカンパチ同様、年中脂の乗りも良く、味の良い魚です。

ヒラマサの旬は様々な説がある

ヒラマサの旬は、初夏~夏だという事が一般的に言われています。確かに漁獲量も夏場が一番多いですし、産卵時期も5~7月ですので、脂が乗って味も良いことから高値で取引されています。しかし、ヒラマサは産卵後の回復が早く、9月ごろにはかなり脂の乗りが良くなり美味しくなります。また、産卵前の数か月前から脂の乗りが最高になるので、寒ブリと同様に12月位にはとても美味しい時期という事になります。

因みに、夏の高級魚の代表各的なヒラマサですが、なぜこんなに高級なのでしょうか?それは漁獲量の少なさも関係しています。群れで行動しているブリとは対照的に、ヒラマサは小さい群れ若しくは単独での行動をしているため、捕れる量が少なくどうしても希少な上に、大変美味な魚です。その味わいは「青背の貴公子」という呼び名があるほどで、夏場の寿司ネタとしてとても重宝されます。

ブリとヒラマサとカンパチの味は違う?

ブリ・ヒラマサ・カンパチの値段の違いは解りました。では、味はどの位の違いがあるのでしょうか?お値段以上の違いは果たしてあるのでしょうか?一番美味しい食べ方である刺身で、それぞれの味の特徴を検証してみます。

脂がたっぷりの美味しいブリ

ブリの味の特徴は、やはりたっぷりと乗った脂にあります。ブリの脂には独特の味わいがあり、口に入れた瞬間に広がる甘みとねっとりした濃厚なうま味が特徴です。特に脂が乗っている腹の身の味は格別で、とろけるような食感がたまりません。良く太っていて身が厚いので、刺身にすると厚切りで食べごたえがあり、寒い時期のブリは特に美味です。

ブリは一晩冷蔵庫で寝かせてから刺身にすると、身が柔らかくなり、更にとろけるような食感になります。ブリの刺身は生臭いというイメージもありますが、新鮮なブリの刺身には生臭さは感じられずとても美味です。しかし脂が多く乗っている為、切って4~5時間で血合いの部分が黒っぽく変色してしまい、生臭さが出やすくなります。また、ブリは冬場が一番美味しい時期ですので、それ以外の季節は残念ながら味が落ちてしまいます。

さっぱりなのに旨みのあるヒラマサ

ブリとヒラマサは、同じように見えても、刺身にすると身の色がはっきり違います。ヒラマサの身は、ブリに比べて明るく淡い肌色で、血合いの部分もブリに比べて明るいオレンジに近い色をしています。ヒラマサの味は、ブリとは違い、脂が乗りつつもあっさりとしていて、高級魚にふさわしい上品な味わいがあります。ブリやカンパチに比べてうま味が強く、淡泊ながらもとても美味です。

ブリに比べて脂肪が少ないヒラマサは、刺身にすると弾力がありコリコリとした歯ごたえがあります。ブリは時間の経過とともに食感が柔らかくなり臭みも出やすくなりますが、ヒラマサは時間が経ってもコリコリとした食感は変わらず、臭みも出ません。味の落ちやすい夏場の刺身に重宝されるのは、そういった理由もあります。ヒラマサも、冷蔵庫で一晩熟成させると、ねっとりとしたうま味が増して美味しくなります。

コリコリ食感のカンパチ

カンパチもあまり家庭の食卓に並ぶことが少なく知名度も低いですが、驚くほど強いうま味を持っています。特に刺身の味は絶品で、王道のマグロを超す旨さだと言われます。程よく乗った脂の味は、さらりとしていて食べやすい味わいですが、しっとりとして濃厚なうま味があります。ワサビ醤油でももちろん美味しいのですが、クセが無いのでカルパッチョなどドレッシングとの相性も抜群です。

天然物のカンパチは特に味が良いとされていますが、近年は養殖の技術が発達して、養殖ものも天然物に引けを取らない味わいです。天然物は漁獲量が少なく、養殖の技術がどんどん進化している為、カンパチは養殖向けの魚と言えるでしょう。因みに、カンパチも冷蔵庫で一晩寝かせると、熟成されたうま味が強くなり、さらに美味しくなります。

ブリやヒラマサ、カンパチの見分け方まとめ

ブリとヒラマサとカンパチの見分け方と違いについて、また味や値段も調査してみました。ブリ・ヒラマサ・カンパチは、「ブリ御三家」と言われ、とても美味しい魚です。同じように見えて全く違うこの3種類の魚の、見分け方と、旬や味わいを理解して、改めて食すると格段に美味しく感じます。為になる情報ですので、食事に行った時など家族やお友達に説明してあげると気分も良いものです!

冬が特に美味しいブリ、夏が旬とされているけれど通年美味しいヒラマサとカンパチ。正しい見分け方を学んだら、次は店頭や料理屋さんで3種類の違いに想いを馳せながら、美味しく楽しんでください。

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