じゃがいもの芽かきのやり方とタイミングとは!芽かきしないとどうなる?

じゃがいも栽培に欠かせない作業に"芽かき"があります。芽かきは大きくて味の良いじゃがいもを育てる為にとても大切な作業です。芽かきのやり方とタイミングと共に、芽かきをする理由とその効果、逆に芽かきしないとどうなるかをまとめました。じゃがいもという野菜の特徴と歴史を知り、家庭でのおススメの栽培方法と合わせて芽かきのやり方を学んでください。芽かきをするか芽かきしないかを判断出来るようになれば好きなサイズのじゃがいもを収穫できるかもしれません!

じゃがいもの芽かきのやり方とタイミングとは!芽かきしないとどうなる?のイメージ

目次

  1. 1じゃがいも栽培には芽かきが欠かせない!
  2. 2じゃがいもという野菜を知る
  3. 3じゃがいもという食品を知る
  4. 4日本でのじゃがいも史
  5. 5じゃがいもという植物植物を知る
  6. 6じゃがいもの品種
  7. 7芽かきとは?
  8. 8芽かきのやり方
  9. 9芽かき以外のじゃがいも栽培ポイント
  10. 10自宅でじゃがいもを栽培する
  11. 11じゃがいもを保存する
  12. 12じゃがいも栽培に必要な芽かきについて
  13. 13まとめ:芽かきを忘れず美味しいじゃがいもを育ててみよう!

じゃがいも栽培には芽かきが欠かせない!

皆様はじゃがいもの栽培をしたことはありますか?農家の方は言わずもがなですが、小学校等で教育の一環として育てるケースもあるようです。そんなじゃがいも栽培の大切な作業の中に”芽かき”というものがあります。そもそも芽かきという言葉を聞いた事も無い方も多いかもしれませんが、この作業を適切な時期に行うことでじゃがいもが良く太り、収穫量が増え、品質も良くなるのです。

じゃがいもという野菜を知る

じゃがいもの特徴

じゃがいもは漢字で馬鈴薯と書きます。これは”ばれいしょ”とも読み、馬に付ける鈴の形状からとったと言われています。当て字とも取れますが、公的な資料等ではじゃがいもではなく、そのまま”ばれいしょ”と呼ばれることが多いようです。ナス科ナス属の多年草の植物で、デンプンが多く蓄えられている地下茎をじゃがいもとして食用にしています。

じゃがいもの原産地

じゃがいもの原産は南米アンデス山脈の高地と言われています。16世紀にその地を訪れたスペイン人がヨーロッパに持ち帰りました。この航海の際、運搬中に船内で芽が出たじゃがいもを食べて中毒になったため「悪魔の植物」と呼ばれました。寒冷地にも強く、年に複数回栽培出来たじゃがいもは庶民の食糧として爆発的に普及し、瞬く間に麦、米、トウモロコシに並ぶ「世界四大作物」としてその地位を確立しました。
 

じゃがいもという食品を知る

じゃがいもの利用形態

じゃがいもの利用形態は、生食・加工・デンプン原料の3つに大別されます。ここで言う生食は家庭や飲食店での料理材料として利用することを指していて、基本的には過熱して食されます。加工用としては、ポテトサラダやスナック菓子、フライドポテトやコロッケ等の冷凍食品が挙げられます。いわゆる片栗粉として流通するものやインスタント麺の材料としての利用がデンプン原料としての利用です。

じゃがいもの料理

じゃがいもは日本のみならず世界各地で様々料理に用いられています。形状や過熱の具合、水分量によって多種多様な食感となり調味料や油脂・乳製品などとも相性抜群です。日本では一般的家庭料理として、肉じゃが・ポテトサラダ・いももち・コロッケなどじゃがいもを主な食材としたものがある他、カレー・おでん・グラタンなどで料理の具としても利用されています。

じゃがいもの加工食品

加工食品として最も一般的なものはスナック菓子、その中でもポテトチップスです。薄く切って油で揚げるだけの簡単スナック菓子ですが、タンパク質の成分としてトリプトファンと言う物が多く、それを焦がしてしまった場合ニトロソアミンという発がん性のある物質に変化することがあるので注意が必要です。なお、ポテトチップス用の品種もあり、そのような品種は揚げても焦げにくいという特徴があります。

日本でのじゃがいも史

日本に持ち込まれた時期は1600年頃、オランダ人によってジャワ島のジャカルタ経由で持ち込まれたとされており、これがじゃがいもという名の由来とされています。江戸時代後半にはロシア人の影響で北海道・東北地方に移入されて、飢饉対策として栽培されました。本格的に導入されたのは明治維新以降で、主に北海道の開拓に利用されました。

農林水産省の統計によると平成28年度の都道府県別じゃがいも収穫量では、全国で約216万トンが収穫されています。その大部分となるおよそ8割を北海道が占め、収穫量は約170万トンに上ります。国内での生産量は北海道が圧倒的で、2位は長崎県の6.8万トン、3位は鹿児島県の6万トンと続きます。

じゃがいもという植物植物を知る

植物概要

一般的な栽培の場合、じゃがいもは「種芋」を植え付け育てます。種芋は半分~数個程度に切り分け、腐敗を防ぐために切り口に灰は度をつけ、植え付けます。草丈は50cm~1m程度まで成長し、葉は奇数羽状複葉、葉の付け根から花茎を延ばし先端に多数の花をつけます。星形で黄色い花芯と5枚の花弁を持っていて、色は品種により様々です。

連作障害

じゃがいもは連作障害を起こしやすく、連作により土壌のバランスが崩れ、単に生長が悪化するだけではなく、病害や寄生虫が発生しやすくなることもあります。なお、これはじゃがいもに限らず、ナス化の植物に共通した特徴となります。同じ場所で栽培する場合には、栽培期間を3年程度あけるように心がけます。ナス科の野菜やキャベツを遠ざけることも必要です。

じゃがいもの品種

日本ではおよそ百種の品種が登録されていますが、その中で最も一般的な品種のが男爵薯(だんしゃくいも)です。英名を「アイリッシュ コブラー(Irish Cobbler,「アイルランドの靴直し職人」 )」といい、明治時代に川田龍吉男爵がイギリスから日本に持ち込んで広まった品種です。デンプンが多くホクホクした食感ですが、煮くずれし易い為、粉吹き芋、コロッケなどじゃがいもを潰して使う料理に適しています。

男爵薯に劣らず有名なじゃがいもがメークインです。英名はMay Queenで、イギリスで民間栽培されていたものが1900年に登録され、日本に持ち込まれた時期は大正時代です。男爵よりもねっとりとしており、煮くずれし難い為、カレーや肉じゃがなど、煮込み料理に適しています。細長い形状で凹凸が少なく皮が剥き易い特徴があります。

芽かきとは?

野菜栽培に大切な芽かき

芽かきという言葉を聞いた事がある方は、野菜の栽培に比較的明るい人でしょう。日常生活ではあまり聴くことのない言葉ですが、一部の野菜の栽培の上で必要となる大切な作業の名前です。その言葉のとおりの意味で、不必要な脇芽を摘み取る作業を言い、栄養の分散や風通しを良くして、病気になり難い環境を作る為の作業です。

じゃがいもの他に芽かきをする野菜ですが、トマトやナス等でも芽かきが行われます。その他の野菜ではカボチャ等が有名です。また、野菜のほかにも果物の栽培で行われる場合もあり、ブドウはその一つです。芽かきの目的などれも良い収穫を得る為のものですが、それと違ったものにバラの芽かきがあり、こちらは良い花を咲かせるのが目的となります。芽かきのやり方は植物により様々です。

芽かきのやり方

芽かきをする理由

じゃがいもの種芋を植えると、20~30日後には芽が出て、地下の茎からはストロンという脇芽が伸びていきます。このストロンの先が肥大したものがじゃがいもです。茎の数が少なければ、脇芽であるストロンの数も少なくなり、それぞれの芋が大きく育ちます。この性質を利用して、茎を一本だけ残すやり方でとても大きなじゃがいもを栽培することも可能です。

芽かきのやり方

それぞれの株から、太くて丈夫そうな茎を2~4本残して、ほかの茎をかきとります。その際に種芋が抜けてしまわぬよう注意して、残す茎の株元を手でしっかり押さえます。片方の手でかきとる芽の根元を持ち、ゆっくりと引っ張り根元から抜き取ります。一気に引き抜くやり方では茎が折れたり、株元の抑え方が甘いやり方では種芋ごと抜けてしまうので注意します。

芽かきのタイミング

芽かきのタイミングは、茎の丈が10cmほどの高さまで生長した時期が適切です。芽が出て暫く経ち、10cm程育った時期が、それぞれの茎の成長具合から良い芽を選びやすいのが理由です。芽かきのタイミングが早すぎると茎が小さく芽かきがし難いほか、生長の悪い茎を抜き取ったとしても、後から新たな芽が出てくることも多く、タイミングとして不適です。

芽かきの注意点

じゃがいもの芽かき作業はやり方を知っていれば難しいものではありませんが、いくつか注意点があります。残す茎を選ぶ際には、太くて丈夫そうなものを選べば、その後の成長、収穫にも期待できます。また茎を引き抜く際には、片手でしっかりと株元を抑え、種芋が抜けないようにすることも大切です。

芽かきしないとどうなる?

芽かきしないとどんな問題が起こるかですが、じゃがいもが思うがままに成長することになります。芽かきしないことで、発芽した芽が茎となりそれがすべて生長していきます。通常芽かきによって茎の数を2~4本にしますが、芽かきしないと多い時には10本もの茎が生長することもあります。芋の数は茎の数と関係しているので、数は多くともとても小さいじゃがいもが出来ることになります。

芽かき以外のじゃがいも栽培ポイント

ジャガイモの植え付け時期

じゃがいもの植え付け時期は年2回、春と秋に植え付けが可能です。先に説明したとおり初心者にはより簡単に育てられる春の植え付けがおススメとなります。秋の植え付けは、種芋の販売期間が短い事や、植え付け後の暑さで種芋が腐りやすい事、さらには冬の時期の寒さによってはじゃがいもが大きく育ちに難い事があり、栽培が少し難しくなります。

土作り

畑でじゃがいも栽培をする際には、土づくりがポイントです。じゃがいもは酸性の土壌を好む野菜です。野菜の土づくりで一般的に使われる石灰を入れ過ぎないように注意して、pH5.5~6.0程度になるよう調整します。pH7.0以上になると病気が発生することがあるので注意します。また、種芋や腐ったり根腐れを防ぐ為にも水はけが良くなるよう高畝にします。

自宅でじゃがいもを栽培する

種芋を準備

春に植え付けすることを前提とすると、種芋の購入時期は3月がおススメです。園芸店などで販売されている合格証が付いた種芋を購入するようにします。これが農林水産省の検査に合格し品質が保証されたものとなります。また、初心者が失敗しない為のポイントとして、切らずにそのまま植え付けられるほどの小さな種芋を選ぶことが挙げられます。

芽出し

種芋を購入したら、植え付けの2~3週間前から、種芋の芽出しを行います。芽出しのやり方は日中、弱い日光が当たる場所に種芋を並べて、夜は室内に取り込みます。芋の表面がやや青くなり、硬い芽が出てくれば植え付けのタイミングです。芽出しは必須の作業ではありませんが、芽出しをする事によりそのまま植え付けるよりも発芽時期が揃って、その後の生長が良くなります。

植え付け

種芋のサイズが小さく1個が30~50g程度の芋であればそのまま植え付けます。それ以上のサイズの種芋は芽出し後に大きさに応じて切り分けます。1欠片が40~50g程度になるように、芽を出している部分を残して切ります。切り口から腐るのを防ぐ為に、切り口に草木灰や専用の薬剤を塗布する等して、1日程天日干しして乾かしましょう。

種芋を準備した畑か専用の培養土を入れたプランターに植え付けます。深さ5~10cm程度、30cm程の間隔が適当です。種芋が腐るのを防ぐ為に植え付け後の水やりは不要です。同じ理由で、雨上がりなどで畑の土が湿りすぎている場合には、土が乾いてから増えるようにします。

芽かき

じゃがいもの草丈が10cm程度に育ったタイミングで大事な芽かきを行います。芽かきのやり方やポイントは既に説明していますが、成長の良い茎を2~4本程度残し、成長の悪い茎を引き抜きます。芽かきの際には土をしっかりと抑えて、種芋ごと引き抜いてしまわないよう注意しましょう。逆に多めに茎を残せば小さな芋を沢山収穫することができます。

栽培管理

芽かきが終わったらタイミングで軽く土寄せします。追肥を混ぜればより効果的です。追肥はカリ肥料を中心に、草木灰やぼかし肥料等を与えるのも良いです。2度目の土寄せは草丈が30cm程度に育ったタイミングで行います。病害虫対策も必要となります。株をよく観察し、幼虫や卵などを見つければすぐに捕殺、もしくは市販の殺虫剤などを利用してください。

収穫

春植えの場合は6月中旬~7月頃がじゃがいもの収穫時期となります。品種や地域、その年の天候等で収穫時期は変わってきますが、地上部の葉や茎が枯れ始めて、全体が黄色くなった頃が収穫に最適なタイミングとなります。じゃがいもは雨天や雨上がりで収穫すると腐り易い為、晴天が続き土が乾いてるタイミングで収穫します。

じゃがいもを保存する

じゃがいもの保存のポイントは洗わないことです。表面が乾き土がサラッとしてから取り込んだ芋はそのまま段ボールに入れるなどして冷暗所で保存します。その際に腐った芋を見つけた場合には取り除いておきます。また、長期的な保存を行うと芽が出てくる場合があります。その時には都度、芽を取り除くようにします。放置しておくと養分が吸われて、芋がシワシワになってしまいます。

じゃがいも栽培に必要な芽かきについて

芽かきのやり方

じゃがいもの芽かきは、茎丈が10cmになる時期に生長の良い茎を2~4本残して、それ以外の茎を抜き取るものです。その際には片手で根元をしっかりと抑えて、種芋が抜けない様に注意します。またじゃがいもが大きくなる時期には花芽を取り除くことも重要です。じゃがいもの芽かきは茎を抜くことを指しますが、花芽をかきとることも美味しいじゃがいもを作るための重要な作業となります。

芽かきしないとどうなる?

芽かきしないと、じゃがいもの茎の数と出来上がる芋の数が関係しているので沢山のじゃがいもが作られることになります。一株当たり収穫重量はそれほど変わらない為に、とても小さなじゃがいもが沢山作られることになるのです。全く芽かきしない場合は小指の先ほどになることもあります。芽かきしないと味が落ちやすくもなるので、小さなじゃがいもを収穫したい場合でもある程度は芽かきを行ったほうが良いでしょう。

まとめ:芽かきを忘れず美味しいじゃがいもを育ててみよう!

じゃがいも栽培に欠かせない芽かき、芽かきのやり方を知り、適切なタイミングで芽かきをすれば大きくて味の良いじゃがいもを作れます。もともと手軽に育てられる野菜のじゃがいもですが、芽かきをすることでより美味しいじゃがいもを収穫できるでしょう。芽かきしないととても小さなじゃがいもになってしまい、じゃがいもの味が落ちることもあります。

小さなじゃがいもを沢山収穫したい場合でも、全く芽かきしないのではなく、ある程度の茎を選別するようにすれば、小さくても美味しいじゃがいも収穫できます。そうして収穫したじゃがいもは煮っ転がしなどにぴったりでしょう。じゃがいもという野菜を知り、その栽培方法のポイントを知り家庭で簡単に世界四大穀物の1つ、じゃがいもを美味しく味わいましょう!

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