黒ムツの値段と食べ方は?料理の味や刺身のさばき方も調査!
高級魚の黒ムツを食べたことがありますか?年間を通して収穫が少ない上、旬の時期には、良質の甘い脂がのり、絶品の高級魚として人気です。やわらかい白身に甘みが口に広がる刺身や、ふわっとした食感がたまらない白身の煮付けは、格別の美味しさと評されている黒ムツですが、焼き物など色々な料理で美味しく食べることができます。刺身のさばき方を覚えれば、黒ムツをまるごと楽しむことができます。
黒ムツという高級魚を知っていますか?
ムツの中でも、黒い色をした魚が黒ムツと呼ばれています。ムツは脂がのっている魚で、脂っぽいことを表現する「むつこい」や「むっちり」などからムツという名前が付けられています。鱗が大きく、大きな目にするどい歯が特徴的な大型の深海魚になります。値段が張る黒ムツですが、味が良く、刺身や煮つけなど色々な食べ方で美味しくいただくことができます。
黒ムツはスズキ目スズキ亜目ムツ科の魚
黒ムツは、海水魚にあたり、日本では、福島県沖、房総半島や伊豆半島の東岸、伊豆大島、相模湾など、北海道の南から本州の中部あたりに、生息しています。水深300m~400mの深海に生息しているため、脂がのっている魚です。一年を通して、黒ムツはあまりお目にかかれず、珍しいことから高級魚として扱われています。また、味も身は白身に脂がのり、旨みがありとても美味しいことから、高級魚として珍重されています。
ムツは高級魚にあたりますが、黒ムツはさらに珍しく、魚の中でもかなり高級な魚になります。小ぶりなものより2kg以上の大ぶりの黒ムツは、とても珍重されています。黒ムツは成魚で全長60cm程になりますが、さらに大きく1mを超える大物もいます。海外では、インド太平洋やアフリカ南部沿岸の大西洋に生息しています。
黒ムツの旬はいつ?
一年を通して珍重される黒ムツですが、産卵時期をひかえて、深海でも浅い区域に生息しだす11月~2月くらいが旬の時期となります。冬のムツは、「寒ムツ」と呼ばれ、白身に脂がのって、美味しくなります。黒ムツは、ムツよりも北に生息し、脂ののった白身がとても美味しい、大きな鱗のある黒光りしているのが特徴の高級魚です。
黒ムツの産卵時期は、ムツに比べて遅く、3月から5月くらいになります。黒ムツの卵巣は、「ムツ子」と呼ばれています。
黒ムツの値段の相場は?
冬の旬の時期も含め年間を通して、収穫量が少ないので、黒ムツは魚の中でも高い値段で取引されています。収穫量の少なさに加え、味が美味しいので、高級魚として珍重されています。
寒くなってきて、脂がのり始めた黒ムツは、味も更に美味しくなり、値段も高級になります。1.5kg前後の大きさの黒ムツで5千円から9千円程の値段が付けられています。また、もう少し大きく、色艶も良く質の良い黒ムツとなれば、1万円を超えた値段を付けて鮮魚売り場に並べられています。黒ムツのさばき方を覚えておくと買いやすいでしょう。
黒ムツはどんな味?
魚の中でも値段が張る、高級魚の黒ムツは、どんな味がするのでしょうか?深海魚にあたる黒ムツは水圧から身を守るために、脂を身につけています。黒ムツは、クセがなく、脂がぎゅっと詰まっている白身がとても美味しい魚です。また、身だけでなく鱗や皮までやわらかい魚です。
黒ムツの甘味のある脂ののった白身は、とろけるようなむっちりとした食感があり、濃厚な旨みがとても美味しく、高級魚と呼ばれるにふさわしい上品な味わいです。脂がたっぷりのっていながら、脂のくどさはありません。刺身や煮つけで食べると、一層に黒ムツ本来の味を堪能できるでしょう。
黒ムツの食べ方と料理の味の紹介
高級魚の黒ムツはどのような食べ方をすると美味しさを味わえるでしょうか?黒ムツは皮も身もやわらかく、熱を通しても身が硬くならない魚なので、色々な料理に向いています。魚料理と言えば、刺身や煮つけ、焼き物などですが、他にも色々な食べ方があります。
黒ムツの刺身
黒ムツの刺身は鮮度が大事なので、提供しているお店は限られてきますが、魚好きなら一度は味わいたい一品なのではないでしょうか?値段が張る高級魚なので、高級料亭で振舞われることが多い黒ムツですが、魚料理を出す居酒屋でも見かけることがあるかもしれません。鮮魚市場や鮮魚店でも売られています。
黒ムツの刺身は、とてもやわらかく、脂がよくのっていて、白身が赤みがかっているのが特徴です。血合いが強いですが、クセはなく脂が多いので、さっぱりとした味付けでいただくとより美味しく味わえます。たとえて言うなら、マグロのトロのような感じに近い食感です。醤油にワサビの定番なものから、ショウガやネギなどを加えても美味しくいただけます。味噌やお酢なども合うでしょう。
黒ムツの刺身は炙りにすると、脂の旨みがより濃厚になり、皮目も香ばしく、美味しくいただけます。炙り刺身の場合は、皮目を炙って焼き目をつけるのですが、塩を付けていただくのがお勧めの美味しい食べ方なります。塩を付けることで、より脂の甘みを濃厚に感じることができます。付ける塩によっても味の深まり方が変わるので、岩塩やハーブ塩など好みの塩を付けると良いでしょう。
また、黒ムツの刺身をタタキにした食べ方も、美味です。炙り刺身をタタキにすると味が濃厚になり良いでしょう。アジのタタキなどを作る時と同じように作ります。混ぜるものは、味噌、醤油、お酢、ネギ、ショウガのほかにお好みで、大葉やミョウガなどを入れると美味しい黒ムツの炙り刺しタタキになります。
刺身並みにおすすめの黒ムツの煮付け
黒ムツを味わうのに、刺身とはまた違ったとても美味しい食べ方が、煮付けになります。黒ムツは熱を加えても身がやわらかいままなので、ふわっほろっとした甘みのある白身がとても美味しく、黒ムツを食べるなら煮付けが一番と言われることもあります。
黒ムツを煮付けにするなら、頭も煮付けると、目の周りが特にコラーゲンたっぷりでトロっとふわっといただけるので、魚好きにはたまらない美味しさでしょう。身もやわらかく肉厚で、甘い脂もあふれてくるので、刺身に負けない美味しい食べ方になります。
また、加熱しても硬くならない黒ムツは、火を使う料理に適していて、酒蒸しも美味しくいただける食べ方のひとつです。酒蒸しは昆布を敷いた皿の上に黒ムツを置きお酒と塩を振りかけて蒸していきますが、黒ムツの旨みが出汁に染み出てくるので、野菜やお豆腐などと一緒に蒸すと、その出汁が染み込んで、とても美味しく食べることができます。
黒ムツの焼き物は味も値段も食べやすい?
黒ムツの刺身は鮮度が大事なので、なかなか扱っていないお店も多いですが、黒ムツの焼き魚は、刺身に比べて扱っているお店も多く、食べれる機会の多い料理です。鮨屋や和食処だけでなく、イタリアンやフレンチなどでも扱われています。刺身に比べると値段がリーズナブルなのも魅力的です。
出典: http://30min.jp
黒ムツの焼き物は、和食なら焼き魚として塩焼きが定番になります。塩焼きの黒ムツは、白身に脂がのっていて、身がやわらかく、上品な甘みが美味しい焼き魚になります。食べ方は、塩焼きだけでも充分に美味しくいただけますが、柚子を絞ってかけたりしても、とても美味しい味わいになります。
出典: http://30min.jp
黒ムツの塩焼きは居酒屋で扱っている所も多くあります。居酒屋などでは、切り身で焼いているので、千円せずに食べられるお店もあります。イタリアンやフレンチなどでは、黒ムツをソテーやポワレに料理しているお店もあります。また、塩焼きだけでなく、味噌味の黒ムツの西京漬けの西京焼きも塩焼きに負けない美味しい食べ方です。
黒ムツの西京焼きも、扱っているお店は多くありますが、家でも簡単に味噌漬けを作ることができます。西京味噌を使うことで西京漬けと呼ばれていますが、白味噌でも合わせ味噌でも美味しい漬け焼きができます。味の深い合わせ味噌より甘みのある白味噌を使ったほうが、魚の味を引き立てます。白味噌にお酒を少し混ぜて、黒ムツに塗るように密閉袋などに空気を抜いて入れて、2日程寝かせれば出来上がります。
黒ムツの西京漬けは、多少日持ちがするので、ネットなどでも販売されています。刺身はどうしても鮮度の関係で、外食するにはお目にかかりにくく、市場や鮮魚店で一本売られているの買って、捌いた方が手に入れやすいのですが、黒ムツの塩焼きや西京漬けは、和食処、居酒屋などでも扱っている所が多い上、値段も手頃なので、探してみると良いでしょう。
黒ムツの人気料理は?
黒ムツは刺身だけでなく、熱を通しても身が硬くならないので、いろいろな料理に適しています。定番の刺身や煮つけ、塩焼きなどのほかにどのような料理があるでしょうか?
人気の黒ムツ料理は、味の旨みを堪能できる、刺身と煮つけが断トツであげられることが多いです。ほかには、塩焼きや、西京漬け、炙り、お鍋の汁もの料理、蒸し料理、唐揚げなども美味しくいただけます。
黒ムツの刺身のさばき方
高級魚の黒ムツは、値段が張りますが、味も絶品です。鮮魚市場などで見かけた際には、一本購入して、さばいて食べるのもおすすめです。黒ムツは、目が大きく、歯も鋭く、あまり良い見た目ではない魚ですが、鱗も皮もやわらかいので、さばきやすい魚です。さばき方も難しくないので、是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
黒ムツは他の魚のさばき方とほとんど変わりません。注意する点としては、黒ムツ特有の鋭い歯に気を付けることです。また、皮も身もやわらかいので優しくさばいていきます。始めに、鱗を取ります。鱗は大きめですが、やわらかいので、力を入れすぎないように取りましょう。鱗を取ったら、頭を落とします。頭を落とすときに、黒ムツの歯に触らないように気を付けましょう。
黒ムツの頭をエラビレの部分から切り落とします。次に腹を開いて、内蔵を取り出し、流水できれいに洗います。頭を落とす前に、先に頭を押さえながら内臓を取り出して、その後に、頭を切り落としても良いでしょう。次に3枚に下ろします。水分をふき取ります。中骨に沿って包丁をあて切っていきます。裏返して、同じように切ります。
3枚に下ろしたら、腹骨を削るように落とします。太い中骨が入っているので、ピンセットで取り除きます。皮目を下にして、包丁を皮と身の間にあてて、皮を引っ張るように剥がしていきます。皮もやわらかいので、丁寧に剥がしましょう。さばき方は以上です。皮を剥がして、三枚に下ろした黒ムツは、アジに見た目が似ています。
簡単にさばき方の順を説明すると、鱗を落とし、頭を落とし、内臓を取り除き、三枚下ろしにします。あとは、刺身にしたり、煮つけや焼き物にしたり、料理に使いましょう。頭とカマの部分は、煮つけにしても美味しいです。三枚に下ろしたアラの部分は出汁取りに使うこともできます。さばき方を覚えておくと、黒ムツだけでなく、新鮮な魚を調理しやすくなりますので、是非覚えてみてはいかがでしょうか?
寝かせるときは?
三枚下ろしにしたあとに、すぐに調理しない場合は、冷蔵庫で保存すると良いでしょう。乾燥しないようにキッチンペーパーなどをぬらして、切り身を包み、密閉袋に入れます。キッチンペーパーは毎日取り替え、乾燥や雑菌などを防ぎましょう。早めに調理するようにしましょう。また、下味をつけたり、味噌漬けなどにしても良いでしょう。
黒ムツの栄養素
黒ムツは脂質が多い魚ですが、脂質にはオレイン酸やイコセン酸が多く含まれているため、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。カロリーは100gあたり189kcalになります。カロリーは低くはありませんが、良質の脂質や、疲労回復させる良質のたんぱく質によるものならば、過度に気にする必要はないでしょう。
栄養素の中でも不足しがちなビタミンB12が豊富に含まれ、続いてビタミンDが多く含まれています。DHAやEPAなど血液をきれいにする成分が含まれています。また、カリウムも含まれており、血圧の安定に効果的です。
洋風料理にも使える黒ムツ
黒ムツというと和食料理ばかりに目が行きがちですが、洋風料理としても美味しく料理されています。黒ムツのカルパッチョやムニエル、アクアパッツァ、ポワレなどの料理があります。洋風料理では、味付けにビネガーやバルサミコ酢を使われることが多くあります。
黒ムツのさばき方を覚えておくと、一本余すところなく使えるので、和食料理だけでなく、洋風料理にチャレンジするのも良いのではないでしょうか?いつもの醤油やワサビなどとは、また違った新しい黒ムツの美味しさを味わえるでしょう。塩とコショウ、オリーブオイル、ビネガーを使ってカルパッチョは簡単に作れますし、少量だけ洋風にアレンジしても楽しいでしょう。
黒ムツのムツ子とは?
限られた時期にしかとれないので、狙わないと味わえない黒ムツのムツ子ですが、味は、真鱈の卵巣、タラコに似た美味しい味わいです。黒ムツの産卵時期が3月から5月なので、その前の春先が収穫時期となります。春先に鮮魚市場でふっくらとした雌の黒ムツを購入するとムツ子が入っている可能性が高いです。
春先の産卵前の黒ムツの雌から取れるムツ子は、甘みがあり、味に深みがあります。煮付けが格別に美味しいと評されています。また、南蛮漬けにしても美味と言われています。黒ムツの雄の白子は、鍋や煮付けにすると美味しい味わいになります。
黒ムツに似てる赤ムツ?
赤ムツは、スズキ目スズキ亜目までは同じですが、ホタルジャコ科アカムツ属になります。同じスズキ目ですが、ムツではありません。アカムツもとても美味しい高級魚です。見た目が赤みを帯びており、黒ムツよりも小ぶりの40㎝程の大きさになります。
赤ムツは別名「のどぐろ」と呼ばれている高級魚です。日本海側で、のどぐろと呼ばれていましたが、一般的にも、のどぐろの方が広まっているようです。旬は冬から春にかけてで、日本海側や九州などが産地となっています。鱗がやわらかく皮がしっかりしており、脂の混ざった白身が格別な美味しさで、黒ムツよりも高値で取引されています。
高級魚クロムツを一度は食べてみよう!
旬の時期の黒ムツを是非食べてみたいと思う人も多いのではないでしょうか?さばき方を覚えて、黒ムツ一本を余すところなく使って、刺身や煮付けなど味わってみましょう。
さばき方に自信のない人は、さばいてもらえる鮮魚店で一本買っても良いでしょう。また、特に美味しいと言われている刺身や煮付けを出している料理屋で、堪能するのも良いでしょう。収穫量が少なく、味は絶品と言われている高級魚の黒ムツを一度は食べてみましょう。