カワハギのさばき方は簡単?薄皮・肝の湯引きについても解説!

皮をはぐようにして料理する「カワハギ」は食べたことがありますか?海での釣りを楽しむ人にとっても、ゲーム性が高いと人気で、釣りあげたものでも、自分でさばく人も多くいます。さばき方を知ってしまえば、比較的簡単に料理にすることができて、カワハギならではの皮と薄皮をはぐのも面白味があります。カワハギのさばき方を分かりやすく解説し、薄皮や肝も食べられるような料理法も紹介しています。

カワハギのさばき方は簡単?薄皮・肝の湯引きについても解説!のイメージ

目次

  1. 1カワハギはどんな魚?
  2. 2カワハギのさばき方は簡単でおもしろい
  3. 3カワハギのさばき方をマスターしたらおろしてみよう
  4. 4カワハギは肝も旨い!
  5. 5カワハギは薄皮も旨い!
  6. 6カワハギ料理に挑戦
  7. 7カワハギのさばき方マスターで丸ごと食べよう!

カワハギはどんな魚?

カワハギは、本州全域で水揚げされる海にいる魚で、温暖化の影響で北海道でも釣りあげられることがあります。肉食性の肴で、虫なども食べますが、小さな口の中にある硬く鋭い歯で、甲殻類やウニなどの貝類も食べることがあります。また、浅い砂地のエリアに生息していて、口から砂を飛ばしてエサを探すこともあります。全長は15㎝から20㎝小型で薄く、ザラザラとした表皮で覆われ、頭上に1本の角があります。

漢字で「鮍」と書くように、皮に特徴があり、食べる時にはこの皮を脱がせるようにはがして、身を食べます。夏に産卵期を迎え、旬といわれることもありますが、成長にともない沖にでて群れで行動し、冬には大きくなって肝も成長し、旨味を増します。さばき方さえマスターしていれば、淡白な白身に濃厚な肝もあわせて食べられる魚です。この濃厚なうま味を堪能できる、秋から冬が味わう上では旬となります。

カワハギのさばき方は簡単でおもしろい

丸ごとの魚のさばき方は、難しいものもありますが、カワハギの場合は、サイズも手ごろで慣れれば簡単にさばくことができます。何よりも皮をスルスルと引きはがすことができ、さばくのがおもしろい魚です。さばき方には、最初に皮をはいでしまう方法と、おろしてから薄皮とあわせて皮をはがす方法があります。刺身で食べたい場合は、さばき方をマスターしていないなら、おろした後で、皮とあわせて取り除く方法がおすすめです。

ツノとヒレを切り落とす

さばき方の最初の手順は、頭上にあるツノ、背中とお腹にあるヒレ、口先を包丁で切り落とします。口は小さいですが中に鋭い歯があるので、指先をけがしないように気をつけます。キッチンバサミで口、ツノ、ヒレを落とすこともできます。ここから、一気にカワハギ全体の皮をむくこともできます。その場合は、口先から、皮をはがします。つるつるとむけるので、カワハギ全体を回して、服をぬがせるように皮をはがしてしまいます。

最初に皮をはがしたものは、頭を切り落として、内臓を取り除き、綺麗に水洗いをして料理に使います。ここまでのさばき方だけでも、好みの大きさにぶつ切りにし鍋物の具材にも、頭や身をから揚げにするのにも使うことができます。お造りにする場合は、身よりも白くなっている薄皮は生では食べられないので、さばき方の後で、おろすときに外して湯引きなどで加熱します。

頭を落として引っ張る

さばき方で、気をつけて欲しい部分は頭を落とす時です、頭部全体を胸びれから、スパッと切り落としてしまうと、中の肝がつぶれてしまうので、カワハギ独特のさばき方があります。胸びれの横に包丁の刃先をあて、目の横辺りを通って頭に向かって包丁を入れて背骨を切ります。ツノの横あたりで、包丁が骨にあたるので、力をいれて切り込みをいれるようにします。

切り込みをいれた後は、独特のさばき方ですが、頭側と胴体をそれぞれ手で握り、胴体から頭部引きはがします。力をそれほど入れなくても、完全に頭部と腹部側が離れます。このとき、肝を含む内臓が頭側に残りますが、つぶさないように気をつけます。煮付け、から揚げなど加熱する場合は、ここから胴体の皮をはがします。切り口から尾にむかって表皮をめくるように、はがすことができます。

肝を綺麗に取る

さばき方で慎重にしてほしいのは、肝を外す箇所です。頭側からでている肝を傷つけないように、頭の中骨にそって包丁を入れます。肝部分を優しくつかみ、つながっている部分をひっぱり、綺麗にとりだします。ここで肝をつぶしてしまうと、肝にいる寄生虫が思わぬとこからでてきたり、臭みや苦味のある部分と混ざって肝を食べることができなくなるので、肝をつぶさないように綺麗にとるようにします。さばき方はほぼ完了です。

しっかり水洗い

さばき方の仕上げとして、腹部分の血合いを包丁の先でこそげとるようにして取り除き、流水でていねいに水洗いします。キッチンペーパーで、表面も血合いのあった部分もしっかりと水気をふきとります。この作業をさばき方の締めくくりで丁寧にしておくと、生臭さも減り、美味しい料理になります。頭部の方も、肝部分を取り出し、エラと心臓を外してきれいに洗って水気を拭き取っておきます。

カワハギのさばき方をマスターしたらおろしてみよう

カワハギのさばき方で、頭と身、肝と分けられたら、お造りで食べられるようにおろします。鍋の具材やから揚げなら、ぶつ切りでもよいですが、カワハギの肝といっしょに食べるお造りは絶品の味わいなので、おろし方もマスターしてください。

大名おろしの方法

「大名おろし」というのは、小さな魚や身がくずれやすいような魚をおろす時のおろし方です。中骨に身を残すようにおろすことから、贅沢な魚のおろし方として「大名」の名前が付いています。カワハギの場合も、三枚おろしと同様で、頭を落とし、腹部分から包丁を入れて、反対の手で身を持ち上げるようにしながら、包丁を中骨にそって尾にむかって進めます。この方法は、他の魚でも使える簡単なおろし方になります。

反対の身は、尾の方から包丁をいれても、腹側からでもよいので、中骨に沿って包丁を進めます。オスのカワハギには、身に赤い血合いが残っているので、取り除きます。メスにはこの血合いはありません。中央の小骨をとって薄造りにします。

薄皮の剥き方のコツを掴もう

カワハギのザラザラとした表皮の下に薄い皮もあります。これを刺身にするときには、大名おろしにして、背中側、小骨、腹と三つのパーツにわけて柵を作ります。そこから、背中と腹の身の部分の、皮と身の間に包丁をいれて、尾の方から皮をはぎます。包丁の刃先の長い部分を使って、皮に包丁の刃を貼り付けるように進めるのがコツです。身の半分くらいまで包丁が進んだら、薄皮を反対の手で引っ張るようにはがしてしまいます。

皮と一緒に薄皮を剥くと簡単

三枚に卸したら、腹骨を取り除き、皮をひきはがします。この状態だと、薄皮も簡単で一気に取り除けます。小さなカワハギは、薄皮を外そうとすると身もくずれてしまいやすいので、表皮を残したまま、おろしてから皮と一緒に薄皮をはぐのがおすすめです。また、薄皮だけをはぐときにも、皮と一緒にはぐときにも、研いだ包丁で作業を進めると、仕上がりが綺麗で、簡単におろすことができます。

カワハギは肝も旨い!

カワハギをさばいて、おろすまでできたら、白身の美味しいお造りを食べられます。その時に、身だけでなく、うまみたっぷりで脂がのって、海のフォアグラともいわれる肝も味わってください。

湯引きをおこなう

新鮮なカワハギの肝は、赤い血管や他の臓器など手で外せる余分な部分をはずして、日本酒に10分ほど浸しておきます。小さな鍋で水を沸騰させて、そこに酒からとりだした肝をいれて1分弱、湯がきます。加熱時間が長くなると、肝のもっている美味しい脂分が流れ出てしまうので、短時間で茹でます。茹でたら氷水にとります。水けをキッチンペーパーでふきとります。

湯引きしたものは、小さくスライスしてお造りとあわせてもよいですし、つぶしてしょうゆと和えたりしていただきます。鍋料理なら、最後に湯引きした肝を具材として加えたり、取り皿のなかに、少し加えて濃厚なうま味を味わうことができます。

美味しい食べ方:肝醤油

新鮮で手慣れた人がおろした肝であれば、寄生虫の心配もすくないので、短時間湯通しした肝をたたくだけでも、肝醤油としていただけます。身のお造りを食べる時に、しょうゆ皿にしょうゆをいれて、そこにたたいた醤油をときあわせて、刺身とあわせて食べてください。淡白な白身と濃厚な肝がからみ、カワハギの旨味を堪能できます。

美味しい食べ方:肝の醤油漬け

カワハギの肝をしょうゆで溶いた肝醤油で、肝の美味しさを知ったら、肝をそのまましょうゆに漬け込んだ「肝の醤油漬け」も試してみてください。新鮮なカワハギの、生の肝から苦いすい臓を取り外し、筋なども外してボウルに水をはったなかで軽くすすぐようにしてから、水気をキッチンペーパーで拭き取ります。それを保存容器に入れて、しょうゆを浸るくらいにいれて、蓋をして冷蔵庫で一晩ねかせます。

しょうゆとあわせて寝かせるだけという簡単な保存で、肝がひきしまって濃厚な珍味ができあがります。小さな一口サイズに薄くきって、紅葉おろし、細ネギの小口切り、しょうが醤油などをあわせていただきます。カワハギのお造りで、細ネギやカイワレ大根などとあわせて巻いて食べるのもおすすめです。

寄生虫アニサキスに注意

肝には寄生虫のアニサキスを見かけることもあるので、気をつけます。新鮮なものは、肝の中でアニサキスはとどまっているので、肝を料理する時には、目視をしっかりして、白い糸のような寄生虫をとりのぞく、小さく切ってしまう、よく噛んで食べる、ことで体内に入ることを防げます。ただ、心配な場合は、60度以上で1分以上、加熱するとよいので、湯引きした肝を食べるようにしてください。

釣りあげてから時間がたつと、アニサキスは肝から身の方に移動することもあります。お造りを作る時には、よく目でみて確かめて、心配な場合は、加熱料理にするか、マイナス20度で24時間以上冷凍させてから調理するとよいです。

カワハギは薄皮も旨い!

カワハギのザラザラとした表皮の下には、薄い皮もついています。この薄皮も、食べることができます。淡白な味ですが、コリコリとした食感になるので、カワハギの肝とあわせて、薄皮もお造りに添えるとプロの料理に近づきます。

湯引きをおこなう

カワハギの薄皮を硬い表皮から外していたら、薄皮を沸騰しているお湯にくぐらせて、冷水にとって細切りにします。簡単な調理方ですが、クルっと巻くようになりますが、食感がよく、お造りにそえていただきます。フグのお造りをお店で食べるときに、皮が少し添えてあるように、カワハギの薄皮も食べることができます。

ポン酢和えが美味しい

湯引きしたカワハギの薄皮を、細くきって、細ネギの小口切りや芽ネギといっしょに、ポン酢で和えると、肴にもなる一品ができます。もみじおろし、しょうがのすりおろしなどと一緒にあえても美味しいです。カワハギの身をお造りにして、肝、薄皮とあわせて刺身で巻いて、ポン酢で食べる、贅沢な食べ方もできます。

カワハギ料理に挑戦

さばき方、おろし方をマスターしたら、カワハギを丸ごと味わえるように、お造り以外の料理も作ってみてください。ふっくらとした身と、上品なうま味の出汁で、上質な料理が簡単に作れます。

フグより美味しいカワハギから揚げ

カワハギはから揚げにすると、ふぐのから揚げよりも美味しいと評判です。三枚におろしてたものか、小さなカワハギなら内臓をきれいにとってそのまま、日本酒としょうゆを同量あわせたタレに30分ほどつけておきます。小麦粉と片栗粉を大さじ1ずついれたビニール袋に、味をつけたカワハギの切り身をいれて、170度の脂で揚げます。身は大きくないので、表面がからりとしたら引き上げてできあがりです。

カワハギはスーパーでも三枚におろしたものや、皮をむいて頭をおろして内臓をとった状態で売っていることもありますので、から揚げも試してください。小さなカワハギを丸ごと揚げたものは、骨がきになることもありますが、二度揚げすると食べられるくらいに、カリッとするので、骨せんべいのような楽しみ方もできます。

あっさり上品カワハギのスープ

カワハギをさばいて、おろす過程ででた、頭部、中骨などアラといわれる部分だけで、出汁をとります。昆布や鰹出汁とは異なる、魚ならではの旨味のスープができます。アラは、熱湯をかけて臭みをとります。鍋に水と酒を大さじ2ほどいれて、沸騰させます。そこにアラを入れて、弱火でゆっくりと加熱します。アクがでてきたら丁寧にとりのぞきます。豆腐をいれて、少し塩、しょうゆで調味するだけでもカワハギのスープができます。

カワハギのアラからとった出汁に、味噌をとけば、みそ汁にもなります。スープになったあらは、身がほぐれて食べることもできますが、小骨がきになるようなら、一度ザルなどでこしてしまうと、骨を気にせず安心して上品なスープとしても味わえます。

簡単手順で上品なカワハギ煮付け

カワハギをさばいて、おろさずにそのまま煮付けにすることもできます。カワハギは一度熱湯をかけて臭みをとりのぞきます。浅いお鍋やフライパンに、しょうゆ・砂糖・みりんを各大さじ2、日本酒と水を各1/2ずついれて、沸騰させます。そこに、カワハギをいれて、中火にします。長ネギを一緒にいれて、沸騰してきたら、落し蓋をして、時々落し蓋を外して、煮汁をスプーンでとって魚にかけながら5分煮ます。

しょうがのスライスを加えてさらに2分ほど煮てできあがりです。カワハギの肝も一緒に煮てもよいですし、赤唐辛子などを加えて、ほんのりとした辛みをつけるのもおすすめです。味付けが心配な場合は、めんつゆを水と日本酒とあわせて味をつける、より簡単な方法もあります。

カワハギのさばき方マスターで丸ごと食べよう!

カワハギはスーパーでも手に入りやすい魚です。簡単にさばき方もマスターでき、自分でおろして薄皮や肝も美味しく食べることもできます。さばき方次第で綺麗なお造りにもなり、骨、頭もから揚げにしたり、出汁をとって上品なスープにもなって、捨てるところははいだ表皮ぐらいです。上品な味のカワハギを、丸ごと味わってください。

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