意外と知らない鮭の特徴や栄養とは?おすすめの食べ方も紹介
鮭の栄養を効率的に摂取する調理法を知りたいという人は多いでしょう。この記事では、意外と知られていない鮭の特徴や栄養素、おすすめの食べ方などを解説します。この記事を参考にして、鮭についての知識を増やし、鮭料理のレパートリーを増やましょう。
「身近な鮭という魚について子供と一緒に学びたい」
「意外に知らない鮭の特徴や栄養素は?」
「鮭の栄養を効率的に摂れるおすすめの食べ方は?」
日本では子どもから大人まで人気が高く、広く食べられている魚が鮭について上記のような疑問を持たれているのではないでしょうか。
鮭は焼いたり揚げたり生で刺身として食べたりと、さまざまな調理法があります。
この記事では、鮭の特徴や栄養素とその効果などを紹介します。また、おすすめの食べ方やレシピを解説するため、この記事を読めば鮭のおいしい食べ方や栄養素を新たに発見することもできるでしょう。
いつも同じ食べ方で鮭を消費している人や鮭に飽きてしまっている人は、この記事を参考にして新しいレシピを見つけたり、鮭に含まれている栄養について考えたりしてみましょう。
意外と知らない鮭の特徴
「鮭」とは一般的にサケ目サケ科サケ属の魚のことですが、もっとも代表的な魚種はシロザケを指します。その他、 ギンザケやベニザケ、キングサーモン、アトランティックサーモン、サーモントラウトなども売られています。
わが国で鮭は消費量が多く人気のある食用魚です。しかし、その生態や特徴は意外と知られていないこともあります。たとえば、鮭の捕獲に関しては厳しく管理され、許可のある者しか河川で鮭を捕獲することはできません。
そんな鮭の特徴について見ていきましょう。
鮭の特徴と旬の時期
鮭の代表であるシロザケは川で孵化し、その後川を下って海に出ます。 オホーツク海や日本海、北太平洋などを回遊し、3~5年後の晩秋に生まれた川に戻り、遡上して産卵します。
海から川に戻ってくる頃にはエサとなる小魚などを食べなくなり、産卵後数日経つと死んでしまうでしょう。そのため、シロザケの旬の時期は産卵のために川へ戻ってくる頃です。
ただし、日本近海を回遊して捕獲される「トキシラズ」は春から夏の時期がもっとも脂がのっていて、栄養素も豊富な時期です。
鮭とサーモンは何が違う?
鮭(さけ)は「シャケ」や「サーモン」、「トキシラズ」などさまざまな別名があり、鮭とサーモンは基本的に同じ魚を指します。
鮭はもともと鱒(ます:トラウト)の一種で、サーモンと呼ばれている魚は一般的には「トラウトサーモン」を指しており、生物学上では鮭もサーモンも同じ鱒と考えます。
また、調理上においては、天然物で加熱して食べられるものを「鮭」、養殖物で寿司や刺身など生で食べられるものを「サーモン」と呼ばれるのが一般的です。
鮭は赤身魚か白身魚か
結論から述べると、鮭は白身魚です。赤い身の色をしていますが、白身魚に分類されます。赤身魚と白身魚の区別の仕方は、筋肉の色と血液濃度の違いを見ます。
赤身魚の代表であるマグロやカツオは、遠海を回遊するため赤い色素タンパク質を多く持っています。また、サバやサンマのような近海回遊魚も敵から身を守るために泳ぎ続けます。
しかし、長年回遊することがない鮭の筋肉は白身であり、オレンジの身の色はエサであるエビやカニから摂取したアスタキサンチンという色素によります。
鮭の栄養と効果
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、100gの生のシロサケにはたんぱく質が22.3g、不飽和脂肪酸であるDHAを13.1g、ビタミンDを32μg、ビタミンB12を6μgなどを含んでいます。
たんぱく質は身体組成や酵素、ホルモンなどの材料となる重要な栄養素です。また、体内では合成できない必須脂肪酸であるDHAを含んでいます。
さらに、ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートし、ビタミンB12は神経や血液の細胞に関与してDNA生成を助ける重要な栄養素です。
出典:食品栄養成分表【しろさけ/生】|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10134_7
出典:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学振興財団
参照:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
出典:EPA・DHA|オーソモレキュラー栄養医学研究所
参照:https://www.orthomolecular.jp/nutrition/epa-dha/
出典:ビタミンD Vitamin D|厚生労働省
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/17.html
出典:ビタミンB12 Vitamin B12|厚生労働省
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/07.html
鮭の栄養を摂れるおすすめの食べ方
日本では古来、食用魚として親しまれてきた鮭ですが、現在の和食の朝食にも欠かせない存在です。また、朝食以外にも寿司や刺身などの生食だけでなく、ムニエルやホイル焼き、炊き込みご飯やパスタ、鍋の材料などさまざまな調理法で食べられています。
前述したとおり、鮭を食べるとたんぱく質や不飽和脂肪酸、ビタミン類など多くの栄養素が摂取できます。鮭の美味しさだけではなく、それらの栄養素を効率的に摂取できるおすすめの食べ方を紹介します。
油で調理をして食べる
ビタミンAやビタミンD、ビタミンEなどは脂溶性で、油に溶けやすい性質をもっています。そのため、鮭を油で調理するとそれらの栄養素はより吸収率が上がります。
効率よく栄養を摂りたい場合は、フライや竜田揚げ、ムニエルなど油での調理がおすすめです。なお、鮭に含まれる水溶性のビタミンを漏れなく摂取したい場合は、鍋料理やスープ料理にして汁ごと食するのが良いでしょう。
出典:脂溶性ビタミンについて|医療法人春秋会城山病院
参照:https://www.shiroyama-hsp.or.jp/content/files/eiyou/kenkokyositu_Vol8.pdf
皮も食べて栄養を摂取
鮭の皮にはコラーゲンが、皮と身の間にはDHAやEPAが多く含まれているので、なるべく皮も食べると栄養素が効率よく摂取できます。
パリッと焼いた皮は香ばしくおいしくいただけるため、鮭は皮ごと食べられるような工夫をすると良いでしょう。
オメガ3脂肪酸であるEPAやDHAを含む魚介類を食べる人は、ほとんど食べない人に比べて心疾患で死亡する割合が少ないというデータもあるため、それらの魚介類を摂ることが推奨されています。
出典:オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと|厚生労働省
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/05.html
カルシウムを含む食材と組み合わせる
鮭にはビタミンDが含まれていますが、ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、強い骨の維持に役立ちます。そのため、カルシウムを多く含む食材と鮭を組み合わせた料理を食べることで、効率よくカルシウムを体内に吸収することができるでしょう。
たとえば、鮭と牛乳やチーズなどの乳製品と組み合わせたメニューがおすすめです。ちなみに、ビタミンDの摂取が少ない人は骨が軟化するおそれがあり、それが原因で発症する病気は「くる病」や「骨軟化症」と呼ばれています。
出典:ビタミンD Vitamin D|厚生労働省
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
鮭を使ったおすすめレシピ
前述したとおり、鮭は油で調理したり、皮ごと食べたり、カルシウムを含む食材と組み合わせたりすることで鮭の栄養素を効率よく摂ることが可能です。
また、鮭の橙色は鮮やかで料理を華やかに見せます。緑色や黄色などの食材を加えることで、彩りのきれいな料理ができるでしょう。また、野菜やきのこなどと一緒に調理することで、さまざまな栄養素をバランスよく摂取できます。
ここでは鮭の栄養素を上手に摂り入れられるおすすめレシピを紹介します。
皮パリっと♡ほぐれる美味しさ♪鮭のムニエルタルタルソース添え
鮭に塩・コショウと小麦粉をまぶして、バターやマーガリンでカリッと焼きます。その上に、ゆで卵とマヨネーズ、ケチャップ、玉ねぎで作ったタルタルソースをかけます。
鮭の皮もパリッと焼かれ、塩気のある鮭とコクのあるタルタルソースの相性は抜群です。また、茹でブロッコリーやフライドポテトを添えれば橙色・緑色・黄色と彩りが増し、ビタミン類や食物繊維などの栄養素も同時に摂れます。
鮭と卵という組み合わせで、子どもも喜ぶごちそうになるでしょう。
手抜きに見えない!鮭と夏野菜のカラフルアクアパッツァ
白ワイン、にんにく、塩のシンプルな味付けですが、魚介の旨味たっぷりで、簡単なのに美味しいです。
鮭とアサリの魚介類に加えて、ズッキーニやパプリカ、ミニトマトなどを加えて、オリーブオイルやにんにく、白ワイン、塩・コショウなどで味をつけます。
シンプルな味付けですが魚介の旨味をたっぷりと感じられるうえ、豪華でカラフルな見た目とにんにくの風味が食欲をそそります。スープまで飲み干せば、夏野菜の豊富な栄養素を摂れるでしょう。
材料の野菜は決まっておらず、アスパラやナスなど別の野菜を加えても良く、アサリを加えなくてもおいしく仕上がります。
フライパンで簡単鮭のクリーム煮✽ごはんもパンもパスタも合う!
鮭と玉ねぎ、しめじ、ほうれん草などの食材に小麦粉やバター、牛乳、とけるチーズ、コンソメ、塩・コショウなどで作ったホワイトソースを絡めます。子どもも大人も好きな鮭とほうれん草のクリーム煮は、彩りも美しく豪華に見えます。
鮭のたんぱく質やビタミンDに加えて、牛乳やチーズのカルシウム、ほうれん草の鉄分や食物繊維も摂取できるため、バランスよく栄養素を摂ることができるでしょう。ホワイトソースを作る際はダマにならないよう、牛乳を3回に分けて加えます。
鮭フレークにも栄養はある?
鮭フレークは熱を加えた鮭の身をほぐし、わずかな調味料を加えて炒ったものです。鮭フレークはおにぎりだけでなく、チャーハンやパスタなどにも広く活用されています。
鮭フレークの代表的な栄養素は、100g中たんぱく質が15.23g、ビタミンDが19.72μg、ビタミンB12が5.61μgなど、生の白鮭と比べると少ないものの大切なビタミンが十分に含まれているでしょう。
また脂質が6.07gと生の白鮭(4.1g)と比べて多いという特徴もあります。
出典:鮭フレーク|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/200633/#foodDataDetail
出典:食品栄養成分表【しろさけ/生】|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10134_7
美味しい鮭の選び方は?
美味しい鮭を選ぶには、まず鮮度に注目しましょう。魚の表面が乾燥している、パックに汁がたまっている場合は、鮮度が落ちている可能性が高いと考えられます。
新鮮な鮭は身の表面が瑞々しく潤い、鮮やかな橙色をしています。より新鮮さを重視するのなら国産のものを選ぶと良いでしょう。
切り身は塩水処理の仕方で「甘塩」「中辛」「辛塩口」に分けられています。また、鮭の種類によって脂質の量も異なります。自分や家族の好みの塩加減や脂質量で選んでも良いでしょう。
鮭は美味しくて栄養満点!
鮭は多くの栄養素を含んでいながら、カロリーや脂質は低めの食材としては優秀な魚です。そして、何よりクセが少なく食べやすいうえに、さまざまな調理法があるため、子どもから大人まで飽きずに美味しく食べることができます。
鮭に含まれる栄養素やレシピを知って、鮭の栄養素を効率よく摂取しましょう。また、鮭の種類なども学び、その種類に合ったレシピを見つけることで料理の幅も広がります。
美味しくて栄養満点の鮭をさまざまな調理法で食べましょう。