ブロッコリーの栽培方法・育て方のポイント!プランター栽培のコツも
煮ても焼いても炒めても美味しいブロッコリーは、日々のレシピでも重宝される便利な野菜です。よく食べられているのは花の蕾の部分ですが、茎や葉も食べることができて栄養素も豊富に含まれています。そんなブロッコリーを丸ごと美味しくいただくために、初心者でも始められるブロッコリーの栽培方法を紹介したいと思います。育て方のポイントから収穫の楽しみや、収穫後の保存方法まで丁寧にまとめています。ここで紹介する栽培方法は、小スペースの庭での栽培やプランターでの育て方を中心に紹介しています。
目次
- 1ブロッコリーを知る!ブロッコリーとはどんな野菜?
- 2ブロッコリーを知る!ブロッコリーの豊富な栄養素!
- 3ブロッコリーを知る!期待できる健康効果は?
- 4ブロッコリー栽培・育て方!栽培に適した時期は?
- 5ブロッコリー栽培・育て方!天敵からブロッコリーを守る注意点と対策!
- 6ブロッコリー栽培・育て方!栽培する場所を決める
- 7ブロッコリー栽培・育て方!地植え栽培で用意するもの
- 8ブロッコリー栽培・育て方!プランター栽培で用意するもの
- 9ブロッコリー栽培・育て方!害虫・鳥害対策のトンネルの作り方
- 10ブロッコリー栽培・育て方!種から始める苗の育て方と注意点
- 11ブロッコリー栽培・育て方!余った種の保存方法
- 12ブロッコリー栽培・育て方!苗から始める場合のいい苗の選び方
- 13ブロッコリー栽培・育て方!栽培のポイント
- 14ブロッコリー栽培・育て方!土作りのポイントと注意点
- 15ブロッコリー栽培・育て方!苗の植え付けのポイントと注意点
- 16ブロッコリー栽培・育て方!水やりのポイントと注意点
- 17ブロッコリー栽培・育て方!追肥のタイミングと注意点
- 18ブロッコリー栽培・育て方!収穫のタイミングと注意点
- 19ブロッコリーを上手に保存!3日以内に使いきるなら冷蔵保存がおすすめ
- 20ブロッコリーを上手に保存!3日以内に使い切れないなら冷凍保存がおすすめ
- 21ブロッコリー栽培・育て方のまとめ
ブロッコリーを知る!ブロッコリーとはどんな野菜?
別名「イタリアン・ブロッコリー」とも呼ばれるブロッコリーは、地中海沿岸の野生のキャベツを改良したアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。主に頭頂部の「花の蕾」と「茎」が食用とされています。イタリアで改良されヨーロッパ中に広がったブロッコリーは、明治時代に日本に伝わっています。当初は観賞用とされていたため、本格的に日本で広まったのは、戦後アメリカから輸入されるようになってからです。
緑黄色野菜は、一般的には「緑・黄・赤など色の濃い野菜」と言われていますが、厚生労働省の基準では「食べられる部分100gに600μg(マイクログラム)以上のカロテン(カロチン)を含む野菜」とされています。カロテンには抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を減らす作用があるといわれています。気になるブロッコリーの栄養素については、次の章で詳しく紹介します。
ブロッコリーを知る!ブロッコリーの豊富な栄養素!
ブロッコリーにはビタミンCと葉酸が豊富に含まれていて、ビタミンCはレモンよりも多く含まれています。ビタミンCの他にもビタミン類は「ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE・ビタミンK」、ミネラル類は「カリウム・カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄」と、バランスよく含まれています。他にも食物繊維や、緑黄色野菜のブロッコリーにはカロテンも含まれています。
ブロッコリーを知る!期待できる健康効果は?
栄養豊富でバランスのいいブロッコリーはなら、期待できる健康効果もたくさんありそうです。全部は紹介できませんが、その中からほんの一部ですが紹介したいと思います。
ブロッコリーで美肌効果
レモンの2倍ともいわれるビタミンCが豊富に含まれるため、シミやソバカスの色素沈着の防止に期待が持てます。「食物繊維・カリウム・マグネシウム」には便秘解消の効果があり、腸内環境が整うことで肌荒れの解消につながります。
ブロッコリーでアンチエイジング効果
ブロッコリーに含まれるビタミン類やポリフェノールには、老化の原因となる酸化を防ぐ抗酸化作用があり、アンチエイジングの効果が期待できます。カルシウムやビタミンKは骨を丈夫にし、骨粗鬆症の予防にもなります。
ブロッコリーでがん予防
ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」が体内の活性酸素を除去したり、発がん性物質や有害物質を排出する働きがあることから、がん予防の効果が期待されています。また、「マグネシウム・カリウム・カルシウム」は血圧の上昇を防ぐ効果があるとされています。
ブロッコリー栽培・育て方!栽培に適した時期は?
15℃〜20℃の冷涼な気候を好むブロッコリーの栽培時期は、栽培地域や品種でも異なりますが真夏を除いた春と秋が適しています。苗の段階では高音でも生育しますが、蕾になると暑さに弱くなります。家庭菜園でブロッコリー栽培を楽しむのであれば、害虫の活動が少なくなる秋の栽培が初心者にはおすすめです。
ブロッコリー栽培・育て方!天敵からブロッコリーを守る注意点と対策!
害虫からブロッコリーを守る注意点と対策
ブロッコリーは害虫が多く発生するので、無事に収穫するためには害虫対策が重要です。発生しやすい害虫にはアブラナ科の植物を好む、モンシロチョウの幼虫の「アオムシ」・蛾の幼虫の「ヨトウムシやコナガ(小菜蛾)」・「アブラムシ」などで、主にブロッコリーの葉を食害します。葉を食害されると、葉で光合成をしているブロッコリーの成長が大幅に遅れ、収穫にも影響が出てしまいます。
対策方法としては、害虫だけでなく強い日差しからもを守ってくれる寒冷紗でブロッコリーを覆い、害虫がつかないようにします。これで完璧に排除できるわけではないため、定期的に葉の裏側や茎などをチェックし、早めに発見し取り除くことも大切です。野菜にはそれぞれ集まりやすい特定の虫があり、この特性を生かしたコンパニオンプランツを一緒に植える方法もあります。
コンパニオンプランツとは、共生植物や共存植物とも呼ばれていて、近くで育てることで成長にいい影響を与えてくれる植物を指します。ブロッコリーにおすすめのコンパニオンプランツは、センチュウ対策としてマリーゴールド・アブラムシが対策にナスタチウム・植物の成長を助けるカモマイル・匂いで害虫を防ぐパセリやミントなど・アブラナ科に付く虫が嫌うレタスなどがあります。
コンパニオンプランツの中でも、マリーゴールドは「植物のお医者さん」とも呼ばれているとても優秀なコンパニオンプランツです。マリーゴールドの根の分泌液が土中のセンチュウを遠ざけ、葉っぱの匂いには防虫効果が期待できるそうです。
コンパニオンプランツの注意点は、栽培する作物との相性があり、組み合わせを間違えるとお互いの成長に悪い影響が出てしまうことです。ブロッコリーと相性の悪い植物はローズマリーで、成長が悪くなってしまいます。コンパニオンプランツの植え付け方法は、ブロッコリーとコンパニオンプランツを交互に栽培する方法と、野菜の根元を囲むように植える方法があります。簡単なので試してみてはいかがでしょうか?
病害からブロッコリーを守る注意点と対策
冷涼な気候を好むブロッコリーは、気温が高く多湿の環境だと病害の被害に遭いやすくなります。ブロッコリーが遭いやすい病害は「べと病・根こぶ病・軟腐病・黒腐病」などです。排水性の高い弱酸性の土壌で育てることが、病害に合わないポ最大のイントです。
根こぶ病はアブラナ科の野菜のみに発生する、ガビが原因で根にコブができる病気です。日中萎れていても夕方には回復する現象が続き、野菜の生育が極端に悪くなります。雨の多い春や秋に低温で多湿の気候が長く続くと発生しやすくなります。根こぶ病にかかってしまった株は、腐る前に株を抜き取り畑の外で処分します。
べと病は糸状菌というカビの一種が原因で起こる病気で、菌は風などで飛んできて葉裏の気孔から感染します。昼夜の温度差が大きかったり、夜間の湿度が85%以上で気温が15〜20℃で発生しやすい病気です。この時期の水やりが多かったりすると発生しやすくなるので注意しましょう。症状が軽い場合は、症状の出ている葉っぱを除去し様子を見ます。被害が大きくなるようなら薬剤散布が必要です。
軟腐病は最近が原因で傷口から最近が繁殖し、地際が腐って溶けていく病気で悪臭を放ちます。高温多湿で発生しやすく、夏に雨が多く降ったり、秋から冬にかけて温暖で雨が多い年は注意が必要です。薬剤での治療が難しい病気のため、軟腐病の治療薬で治らなかった場合は蔓延を防ぐためにも除去することが大切です。
鳥害からブロッコリーを守る注意点と対策
ブロッコリーの鳥害による注意点は、ヒヨドリによる葉の食害です。アブラナ科の植物を食害するヒヨドリは、特にブロッコリーの葉が好物です。同じアブラナ科の植物が近くにあっても、ブロッコリーが狙われるそうです。害虫被害が収まる頃に、その害虫を餌にしていた鳥が代わりの餌として狙われるため、寒冷紗や不織り布で覆うなどして鳥から守る必要があります。
ブロッコリー栽培・育て方!栽培する場所を決める
庭で地植え栽培!場所選びと注意点
ブロッコリーは多湿に弱いため、日当たりで水はけのいい場所を選ぶようにしましょう。病害に遭わないように風通しを良くする必要があるため、株間を40cm以上取れるよう栽培する株数に合わせて十分なスペースの確保が大切です。
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庭で地植え栽培する際に、特に気をつけたい注意点があります。ブロッコリーは連作障害のあるアブラナ科のため、同じ場所で同じアブラナ科に属する植物を植えないことです。生育が悪くなったり枯れてしまう可能性があるため、場所を選ぶときは前回栽培していた植物がアブラナ科に属していないか確認しましょう。連作障害を避けるためには、違う種類の植物を2から3年輪作することをおすすめします。
プランター栽培!場所選びと注意点
プランターでの栽培も地植えと同じように、風通しがよく日の当たる場所を選びましょう。注意点としては、室外機の風が当たらない場所にすることです。室外機の不自然で強い風はプランターの土を乾燥させ、株の成長に悪い影響を与えるからです。
ブロッコリー栽培・育て方!地植え栽培で用意するもの
地植え栽培の土作りに必要なもの
ブロッコリー栽培用の土に改良するため、水はけや保水性を高める「堆肥」、酸性によりがちな庭の土のphを調整する「苦土石灰」、苗に養分を与える元肥として「有機肥料」を使います。その土を耕したり、畝を立てるための鍬(クワ)は必要です。庭の土が硬い場合は、熊手を大きくしたような備中鍬(ビッチュウグワ)があると便利です。
ブロッコリーの成長を促すために必要なもの
ブロッコリーの成長に欠かせない水やりに必要には「じょうろ」が必要です。容量は栽培する規模や、自分の体力に合わせて選日ましょう。ブロッコリーの成長に必要な養分を与える追肥として「化成肥料」を用意しましょう。
防虫ネットで害虫・病害・鳥害対策!
寒冷紗は害虫被害から苗を守るだけでなく、遮光性と保湿性があるので気温が高くなる7月〜9月の強い日差しを和らげ、地温の上昇を防ぐ効果があります。ポリエステルの網目状になっているため、気温が低い12月〜3月の防寒対策にもなります。害虫被害に遭いやすいブロッコリーを、無事収穫できるまで育てるためには用意しておきたいアイテムです。
害虫対策として作るトンネル用の寒冷紗の他に、トンネル用支柱と寒冷紗を固定するU字ピンが必要です。寒冷紗の色は、保温目的の冬場の利用は白、遮光目的の夏場の利用は黒とり応用目的で使い分けます。
ブロッコリー栽培・育て方!プランター栽培で用意するもの
プランターの選び方
プランター栽培で少しでも多くブロッコリーを収穫するためには、プランター選びは重要です。プランター選びのポイントは、根を大きく張れるようにするために、土の量が多く入る容量の大きいプランターを選びましょう。
排水性と通気性を高める鉢底ネットと鉢底石
鉢底ネットとは、鉢底石を入れる前にプランターの底に敷く目の細かいネットのことです。鉢底ネットを敷くことで、水やりしたときに土が流出するのを防いだり、鉢底から侵入する害虫を防ぐことができます。プランターに付属していることもあるので、付属していない場合は用意しましょう。
鉢底石はプランターの底に入れる、軽石や黒曜石で作られた石のことです。鉢底石を敷くことで、土に含まれた余分な水分を排出し、排水性を高めてくれます。また、プランターの底から空気を取り込み、通気性をよくします。水はけの悪さが原因といわれている、根腐れの予防にもなります。最初からネットに入った鉢底石もあり、鉢底ネットが不要でプランターの底に敷くだけなので簡単です。
プランター栽培用の土
プランターの場合は野菜に適した市販の培養土でも構いません。自分で土を作る場合は、透水性・保水性・肥料もち」の優れた「赤玉土」、通気性・保水性・肥料もちにに優れたクヌギやケヤキなど広葉樹の葉や枝を発酵させた「腐葉土」、軽くて保水性・通気性のいい「バーミキュライト」、土の酸性度を調整する苦土石灰が必要です。
プランター用の防虫ネットで害虫・病害・鳥害対策!
プランターのトンネル作りで簡単なのは、プランターと支柱とネットがセットになっているものを購入することです。プランターの穴に支柱を立てて、ネットを被せて麻ひもで固定するだけととても簡単でおすすめです。
ブロッコリー栽培・育て方!害虫・鳥害対策のトンネルの作り方
苗の植え付けが終わったら、畝をまたぐようにトンネル用支柱を地中に深く差しこみアーチを作ります。トンネルの高さは、成長する野菜の高さに合わせて決めます。ブロッコリーの高さは約60cmです。このアーチを50cm間隔で必要な範囲に作ります。
作った支柱の上に寒冷紗を広げて全体を多います。両端は寒冷紗を長めに残し、隙間ができないように結んでからU字ピンで地中に固定します。トンネルの周りは、鍬で土を載せてしっかりと固定し害虫が侵入されないようにします。支柱と支柱の間のトンネルの上に、アーチ状の支柱を立て寒冷紗を固定します。
ブロッコリー栽培・育て方!種から始める苗の育て方と注意点
まずはポットに培養土を入れます。種を2〜3粒まいて、土を軽くかぶせてからたっぷり水やりをします。屋内の涼しい場所で発芽させ、発芽したら元気な苗を2本残して間引き、高温になりすぎないよう直射日光を避けて屋外で育てます。本葉が2枚になったら1本立ちにし、本葉が4〜6枚になったら植え付け準備が完了です。
苗を育てる時の注意点は、茎が細く長く間伸びする徒長の原因となる夜の水やりです。朝にたっぷり水やりをして、夕方に土の表面が乾く程度にするようにしましましょう。また、直射日光を遮ったり、アオムシなどの害虫から苗を守るために、寒冷紗や不織り布でポットを覆うことをおすすめします。
ブロッコリー栽培・育て方!余った種の保存方法
家庭菜園だと植え付ける広さに限りがあり、購入した種をシーズン中に使い切れないこともあると思います。種には発芽する力を維持する寿命があり、ブロッコリーの種の寿命は2〜4年です。発芽率は落ちてしまいますが、余った種を正しく保存すると来シーズンの栽培でも使用可能です。ここでは種が劣化する原因の「光・酸素・水分(湿気)」対策をしっかり行い、長期保存する方法を紹介します。
種を保存する際の一番のポイントは、種の呼吸を抑えることです。温度が高いと種の呼吸も活発になるため、理想の保存場所は光と湿気が避けられる5℃程度の場所です。一般家庭で該当するのは、湿気対策をしっかり行えば冷蔵庫の野菜室が理想の保存場所です。
ブロッコリーの種を保存する方法は、しっかり密封できる保存用の袋に食品用の乾燥剤を入れ、種は入っていた袋のまま入れます。保存用の袋はできる限り空気を抜くようにして口を閉じます。保存期間が長期になる場合は、乾燥剤を定期的に交換しましょう。
ブロッコリー栽培・育て方!苗から始める場合のいい苗の選び方
ブロッコリーの苗は、ホームセンターなどで購入することができます。庭などの狭い場所やプランターで育てるのであれば、必要な株数を購入することで簡単に始められます。元気なブロッコリーに育てるための苗選びの注意点としては、葉の色が濃く茎が太いもの、本場が4〜6枚付いているものを選ぶようにします。その際、葉の裏側もチェックし、害虫被害を受けていないことを確認しましょう。
ブロッコリー栽培・育て方!栽培のポイント
スーパーなどで売られているブロッコリーは、頭頂部にできる蕾の部分で「頂花蕾(ちょうからい)」と呼ばれている部分です。ブロッコリー栽培のポイントは、この頂花蕾を大きく育てることです。ブロッコリーは湿度に弱いため水はけをと風通しをよくし、葉っぱが大きくなるよう育てると頂花蕾も大きく育ちます。
ブロッコリーは春と秋の年に2回栽培が可能ですが、初心者は比較的害虫被害の少ない秋の栽培がおすすめです。また、秋の栽培は頂花蕾を収穫した後も、葉の付け根から生えてくる側花蕾の収穫を翌年の2月位まで楽しむことができます。
春の栽培だと収穫時期の気温が高くなり、ブロッコリーの生育適温を超えてしまうため、家庭栽培の楽しみでもある側花蕾の収穫が期待できないこともあり、初心者には楽しみの多い秋の栽培がおすすめです。
ブロッコリー栽培・育て方!土作りのポイントと注意点
多湿に弱いブロッコリーは、排水性と保水性のいい土壌を好むため、土作りが大切です。土作りの注意点は、土が酸性だと根こぶ病が発生しやすくなるので、土のphを6.0〜6.5に調整することです。庭に地植えする場合と、プランターでは土作りも異なりますので、それぞれの土作りのポイントを紹介します。
庭で栽培する場合の土の作り方
庭に苗を植え付ける場合は、植え付けの2週間前から土作りをします。まず植え付けの2週間前に苦土石灰と堆肥をよく混ぜ耕しておきます。植え付けの1週間前になったら元肥となる有機肥料を混ぜ込んで、幅70cmで高さ20cm位の畝を立てます。これで植え付け準備は完了です。
プランターで栽培する場合の土の作り方
排水性と通気性を高めるため、プランターの底に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を敷きつめます。栽培用の土は市販の野菜用培養土でも十分ですが、自分で土を作る場合は排水性・保水性・通気性などに優れた「赤玉土6・腐葉土3・バーミキュライト1」に、弱酸性に調整するための苦土石灰を混ぜて使います。
土の量はウォータースペースを残すよう、プランターの8分目位を目安に入れます。プランターで栽培する場合の土作りも、苗を植え付ける2週間くらい前には終わらせておきましょう。
ブロッコリー栽培・育て方!苗の植え付けのポイントと注意点
出典: https://horti.jp
ブロッコリーの苗の植え付け時期は、春まきで3月中旬〜4月中旬、夏まきで8月中旬から9月中旬が目安です。苗を植え付ける前に変色している葉は取り除き、ジョウロでしっかりと水を与えるか、水を張ったバケツに苗を静かに入れ十分に水を吸わせるなどして、苗にしっかり水分を与えておきます。
苗の育て方!庭で地植え栽培する場合
庭に地植えする場合は、根が大きく張るため葉も大きく成長する可能性があります。通気性をよくするためには、株と株の間を40cm以上開けて植え付けるようにします。まず苗を植え付ける場所に、ポリポットより少し大きめに穴を掘り、ポリポットから取り出した苗の根鉢を崩さないようにして植え付けます。軽く根の上に土をかぶせて軽く手で抑えます。
地植えする際のポイントは、根鉢の表面が見えるくらい浅く植え付けます。また、ブロッコリーはアオムシやヨトウガ、アブラムシなど害虫被害に遭いやすいため、防虫対策として寒冷紗に収まるうちは寒冷紗の中で育てるようにしましょう。
苗の育て方!プランターで栽培する場合
プランターの場合は、通気性をよくするために株と株の間を20cm以上開け、地植えと同じように苗を植え付けます。苗の周りを少し凹ませて、しっかり水が浸透するようにしましょう。
害虫や鳥から苗を守るためにも、プランターを寒冷紗で覆うようにします。寒冷紗は他にも強い日差しを遮光したり、急激な水分の蒸発も防いでくれるので、ブロッコリー栽培には欠かせないアイテムの一つです。
ブロッコリー栽培・育て方!水やりのポイントと注意点
植え付け後にたっぷり水やりをした後は、土の表面が乾いていたら水をたっぷり与えるようにします。植え付けたばかりの苗は、土に活着するまで時間がかかります。根が乾燥しないよう1週間位はしっかり水を与えるようにします。ただし、ブロッコリーは湿度に弱いため、水のやりしすぎにはくれぐれも注意ましょう。
プランター栽培での水やりのポイントと注意点
水のやりすぎは、生育不良や根腐れの原因にもなってしまうため、毎日の水やりは必要ありません。土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをするようにします。プランターの底から勢いよく水が流れ出るまで、たっぷり与えるようにしましょう。
ブロッコリー栽培・育て方!追肥のタイミングと注意点
品質のいい株に育てるために、追肥で外葉をしっかり育てることがポイントです。追肥には即効性のある化成肥料か液肥を与えます。液肥を与える場合は、1週間に1回水やりを兼ねて与えます。
株の育て方!地植え栽培
本葉が10枚位ななった頃が1回目の追肥の目安です。この時土寄せも行い株を安定させます。さらに本葉が15枚位になったら2回目の追肥を行います。超花蕾が付いてからの追肥は、茎の中心部に空洞ができる花茎空洞症や、蕾の質が悪くなるので行いません。
株の育て方!プランター栽培
植え付けから2〜3週間後に1回目の追肥、その後は花蕾ができるまで2〜3週間に1回の間隔で追肥を行います。追肥は10g程度の化成肥料を、周辺の土に混ぜて株もとに寄せて与えるようにします。
ブロッコリー栽培・育て方!収穫のタイミングと注意点
頂花蕾の大きさが10〜15cm位に成長していたら、ブロッコリー収穫の目安です。頂花蕾だけしか収穫しないのであればもう少し大きくしても問題はありませんが、収穫が遅れて蕾が膨らんでしまうと弾力がなくなり、味や食感も悪くなってしまうので注意しましょう。
頂花蕾収穫の後も、葉の付け根から伸びる側花蕾の収穫を楽しむのであれば、頂花蕾のすぐ下を切り茎を長めに残すようにします。側花蕾を収穫しないのであれば、食物繊維が豊富な茎を長めに切ることをおすすめします。スープや炒め物の具として利用してみてはいかがでしょうか?
側花蕾のサイズや収穫量は、頂花蕾を収穫した時に残した茎の長さで変わってきます。茎を長めに残した場合は、わき芽が多く残り小さめの側花蕾が多く収穫できます。残った茎が短い場合は、わき芽の数が少なくなるので収穫する数は減りますが、大きめの側花蕾が収穫できます。
頂花蕾の収穫後から、ブロッコリー栽培の楽しみのひとつでもある側花蕾の収穫が始まります。収穫後も水やりと、2週間に1回の追肥を行うことで、長期間収穫を楽しむことができます。
頂花蕾が紫色にななることがありますが、収穫しても大丈夫です。ブロッコリーは寒さに当たると、ポリフェノールの1種「アントシアニン」を作り寒さから身を守ります。茹でると本来の緑色に戻るので、食べてもなんの問題もありません。逆に糖度が増し、甘くて美味しくなるそうです。
ブロッコリーを上手に保存!3日以内に使いきるなら冷蔵保存がおすすめ
ブロッコリーは収穫後も呼吸をし、甘味や栄養成分を消費しながら成長しています。そのため鮮度が落ちやすく、3日でビタミン類の栄養価やうま味が半分くらいまで減ってしまうそうです。ブロッコリーの栄養素を少しでも多く摂取するためには、収穫後3日以内に使い切ることが理想ですが、使い切れないこともあるのでブロッコリーを上手に保存する方法を紹介します。
3日以内に使い切れるなら冷蔵保存
ブロッコリーを保存する場合の適温は0℃〜5℃と言われているため、常温での保存は向いていません。鮮度が落ちやすいブロッコリーは、3日以内に使い切れるのであれば冷蔵庫で保存しましょう。ここでは、少しでも鮮度が保てるよう、ブロッコリーの冷蔵保存の方法を紹介します。
上手に冷蔵保存する方法
野菜はほぼ水分で構成されているため、水分の蒸発を防ぐ必要があります。カットした切り口から水分が蒸発しないよう、湿らせたキッチンペーパーで切り口を包んでから、ラップで包むかポリ袋に入れます。保存するときは、冷蔵庫の野菜室に立てて保存し、3日以内に使い切りましょう。
ブロッコリーを上手に保存!3日以内に使い切れないなら冷凍保存がおすすめ
3日以内に使い切れないのであれば冷凍保存がおすすめで、1か月位の保存が可能です。冷凍保存の方法には「生のまま」冷凍する方法と、「下処理」してから冷凍する方法があります。生のまま冷凍する場合は、水溶性の栄養価を損なうことなく長期保存が可能です。下処理してから冷凍する方法には、塩茹でする方法と電子レンジで加熱する方法があります。
冷凍保存するときのポイント!
野菜を冷凍してから解凍したときに、水っぽかったり中身がスカスカになったという経験ありますよね?冷凍することで長期保存は可能になりますが、野菜の水分が凍り結晶になります。氷の結晶は周りの水分を抱え込んで大きくなっていき、野菜の組織や細胞を破壊してしまいます。解凍すると凍った水分が溶け出し空洞ができるため、食感が損なわれてしまうからです。
組織や細胞を破壊する原因の「氷の結晶」は、冷凍温度をできるだけ低くし短時間で食品全体を凍らせることで大きくなるのを防ぐことができます。家庭用の冷凍庫は業務用に比べて温度が高いので、急速冷凍するためには工夫が必要です。
家庭用の冷凍庫で急速冷凍する方法は、冷凍する食品の「水分をよく拭き取る・冷却効率をあげるため平らに並べる・下処理後の粗熱をとる」です。さらにアルミトレーに乗せることで、家庭用の冷凍庫でも急速冷凍ができます。アルミトレーがない場合は、ラップの上からアルミホイルで包み冷凍しても、同じような効果があります。
冷凍保存方法!生のまま冷凍する
生のままブロッコリーを冷凍保存する方法はとても簡単です。小房に分けてからさっと水で洗い、ザルにあげてしっかり水分を切ります。キッチンペーパーなどで水分をよく拭き取り、一つずつラップで包んでから保存用の袋に入れて冷凍庫で保存します。生のまま保存すると水溶性の栄養価を損なうことなく、シャキッとした歯ごたえも保ったまま保存できます。
冷凍保存方法!下処理として塩茹でしてから冷凍する
ブロッコリーを塩茹でしてから冷凍する方法は、小房に切り分けたブロッコリーを塩ひとつまみ入れた熱湯に入れます。茹で時間は30秒以内で固めに茹で、ザルにあげてしっかり水分を切ってからキッチンペーパーで水分を拭き取ります。粗熱が取れたら密封できる保存用の袋に入れ、なるべく空気を抜いて冷凍庫で保存します。
冷凍保存方法!下処理として電子レンジで加熱してから冷凍する
ブロッコリーを電子レンジで加熱する場合は、水溶性の栄養価の流出は防げますが、水分が蒸発するのでパサつきます。冷凍方法は小房に切り分けたブロッコリーをさっと水洗いし、水分を拭き取らずに耐熱皿にのせてラップをし、100gあたり600Wで1分を目安に加熱します。キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、粗熱が取れたら密封できる保存用の袋に入れ、空気を抜いてから冷凍庫で保存します。
ブロッコリー栽培・育て方のまとめ
ブロッコリーの育て方のポイントは「排水性をよくすること・通気性をよくすること・水を与え過ぎないこと・肥料を与え過ぎないこと」と、ポイントを押さえていれば決して難しいことではありません。問題なのは天候不良も含み、ブロッコリーの成長に悪影響を与える害虫被害や鳥害です。
害虫対策のトンネルを作ったり、害虫被害や病気になっていないかチェックしたりと大変なこともありますが、手をかけた分収穫の喜びも大きくなります。使い切れないくらいの収穫があっても、長期保存が可能だということがわかったので、安心してブロッコリー栽培を楽しんでください。