2022年07月20日公開
2024年11月25日更新
ヒラマサにいる寄生虫の種類は?捌き方と安全に食べるポイントも解説
ヒラマサを刺身で食べるとき、寄生虫や食中毒について気になる方は多いのではないでしょうか。本記事では、アニサキスなど、ヒラマサにつく寄生虫の種類や食中毒の危険性、安全に食べるための知識を紹介しています。ヒラマサを安全に食べたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「ヒラマサを捌きたいけど、寄生虫っているのかな?」
「お刺身になったあとも寄生虫っているの?」
生魚を食べるとき、寄生虫について気になる方は多いのではないでしょうか。
本記事ではヒラマサにスポットをあてて、ヒラマサにつく寄生虫と種類、そして捌き方と安全に食べる方法を紹介しています。最後まで読むことで、ヒラマサの寄生虫について知識を身につけて、安心して食べられるようになるでしょう。
ヒラマサの寄生虫と種類、捌き方について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ヒラマサにいる寄生虫の種類と安全に食べるポイントを解説
ヒラマサはアジ科の魚で、ブリによく似た見た目をしています。お刺身として人気のヒラマサですが、「ブリ糸状虫」「粘液胞子虫」「テンタクラリア」「アニサキス」という4種類の寄生虫もしくは食中毒の危険性をもっています。寄生虫の大きさも様々で、米粒大から体長50㎝を超す種類までいます。
ヒラマサを安全に食べるためには、新鮮なものを選ぶこと、すぐに内臓を取り出すこと、流水で洗うこと、目視で寄生虫を見つけることが重要です。ヒラマサの寄生虫と安全な食べ方について詳しく解説していきます。
ヒラマサにいる寄生虫の種類
寄生虫と聞くと不安になりますが、ヒラマサについている寄生虫の危険性はどのくらいなのでしょうか。ヒラマサには、大きさも種類も様々な寄生虫がついている可能性があり、なかには嘔吐や腹痛を引き起こす種類もいます。それぞれの特徴をみていきましょう。
種類①ブリ糸状虫
#ブリシジョウチュウ#ブリ糸状虫#Philometroides_seriolae
— DIAMOND☆ラクラクダ🐫🏝 (@rakurakuda118) November 19, 2021
ブリの身にブリ糸状虫が入ると、周囲に紅斑を伴うため、発見しやすいです🍣
アニサキスとの違いは、ブリの血液の🩸色を反映して赤褐色となり、渦巻状にならず、伸ばすと全長10センチを超える長さに。腹腔内にとどまらない活動範囲の広さ。 pic.twitter.com/hbanhS6E7R
ブリ糸状虫は、ハマチ、ヒラマサなどに寄生する細長い寄生虫で、体長50㎝を超すものもいる大型の種類です。捌いたときに、中でとぐろを巻いていることがあり驚く人も多いでしょう。しかし、意外にも人間に寄生することはありません。なお、ブリ糸状虫は天然物の魚では見られますが、養殖では見ることが少ない寄生虫です。
種類②粘液胞子虫
タチウオから粘液胞子虫こんばんは🥺 pic.twitter.com/dSOK9dG3hP
— 鯵彩|ハンドメイド×ブログ (@mokuzaiEbing) January 13, 2022
粘液胞子虫は、ヒラマサのほかブリやカジキ、カレイなどにも見られる米粒ほどの小さな白い寄生虫です。小さいもので米粒くらい、大きいものではあずき大と大きさも様々です。魚の筋肉や血合い(魚の背と腹のあいだにある赤黒い部分)で見られることが多く、もし見つけたなら取り除くほうが無難ですが、ヒトへの影響はありません。
種類③テンタクラリア
お早う御座います!
— 自作の薪窯で焼く!独学我流のPIZZA店「WOODEN SHIP」 (@pizzawoodenship) June 22, 2022
昨夜鰹のサク買って来て刺身にしようと切ったら白い虫?が居たので調べたらテンタクラリアって寄生虫だった。無害らしいが結局焼いて食べた弱虫デス。😅
今週もどうぞ宜しくお願い致します!🙇♂️🙇♂️🙇♂️
焚火船11時出航デス!^^ pic.twitter.com/u3HhoOlChw
テンタクラリアは、白い米粒ほどの大きさの寄生虫で、ヒラマサ、カツオ、サバなどで多く見られます。内臓に寄生していることが多く、目視で確認できる寄生虫です。ヒトには寄生しませんが、米粒大の寄生虫が点々とついている様子から、しばしば苦情の原因にもなっています。
種類④アニサキス
アニサキスって皮下にもおるんか、、 pic.twitter.com/e9tWy6BAZC
— 追川 雨鱒 (@Terciopelo55555) June 24, 2022
アニサキスは、体長2~3㎝前後で、白く細長い糸のように見える寄生虫です。内臓表面や筋肉に寄生しており、ヒラマサのほかサケやイカでよく見られます。
アニサキスはヒトの体内に入ったとしても多くは排泄されますが、まれに胃や腸に侵入し、激しい腹痛・吐き気・嘔吐などを引き起こします。もし症状が出てしまった場合、すぐに病院でみてもらいましょう。
ヒラマサにいる寄生虫は危険?
ヒラマサには4種類の寄生虫がいることがわかりました。それでは、ヒラマサの寄生虫はどの程度危険なのでしょうか。また、ヒラマサを安全に食べるために寄生虫以外にも気をつけるべきポイントを解説します。
アニサキスは危険
ヒラマサにいる寄生虫で一番注意したい種類はアニサキスです。ヒラマサ以外の魚でも、毎年アニサキスによる食中毒が起こっています。症状が出る場合は、食後数時間~10数時間程度で、激しい腹痛・吐き気・嘔吐を起こします。死亡例こそありませんが、かなり強い痛みをともなうため、症状が出た場合は早めに受診しましょう。
なお、養殖魚はアニサキスの被害が低いと言われています。冷凍・乾燥餌をつかっているほか、陸上養殖ではろ過した海水をつかっているためです。
シガテラ毒に注意
ヒラマサが持つといわれるシガテラ毒は、海のなかの食物連鎖が原因で引きこされる食中毒です。中毒の原因となる物質を藻類の一種が作り出し、その藻類を魚が食べることで体内に毒がたまっていきます。寄生虫ではありませんが、重症化すると回復まで時間がかかるため注意しなければいけません。
シガテラ毒になってしまった場合、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢のほか、手足のしびれや血圧低下といった症状がでます。特徴的な症状としてドライアイスセンセーションがあり、冷たいものに触れるとビリビリとした痛みを感じる温度感覚異常があらわれます。
食中毒にも気をつけよう
ヒラマサは刺身として生食する機会が多いため、寄生虫以外に食中毒にも注意しなければいけません。特に常温で放置してしまうと、腸炎ビブリオ菌といった細菌が繁殖してしまい、食中毒の原因になります。
腸炎ビブリオ菌は海産物についている細菌で、症状としては下痢・腹痛・嘔吐・発熱があります。腸炎ビブリオ菌は真水に弱いため、捌く前のヒラマサはしっかり洗い、調理で使ったまな板や包丁もきれいに洗い流しましょう。また、刺身になったものを購入した場合は、必ず保冷剤などで冷やして持ち帰ります。
ヒラマサの捌き方と刺身を安全に食べるポイント
ヒラマサを自分で捌くときの注意点について紹介します。生魚を安全に食べるためには、注意すべきポイントがあります。寄生虫や食中毒を予防するために、安全に食べるポイントをしっかりおさえましょう。
ヒラマサの捌き方
ヒラマサを捌く手順は、下記の通りです。
1.表面を流水で洗いウロコを落とす
2.エラを切り離し、お腹を横に切って内臓を取り出す
3.体内にのこった血合いを取り除き、流水で洗い流す
4.頭を落としカマ(エラ近くの部分)を外す
上記の手順後は、中骨をはずして3枚におろします。重要なポイントは、内臓を取り出し流水で洗うことです。寄生虫や食中毒を防ぐために、ヒラマサの捌き方を覚えておきましょう。
つづいて、ヒラマサを購入するときのポイントや、安全に食べるためのポイントを紹介します。
ポイント①新鮮なヒラマサを選ぶ
ヒラマサを購入するときには新鮮なものを選びましょう。特にスーパーや鮮魚店で購入するなら鮮度が重要です。
一般的に、新鮮な魚を選ぶポイントとして「体にツヤがある」「目に強いハリがある」「腹部にハリがある」「エラが鮮やかな赤い色」という点があげられます。安全に食べるために、新鮮なヒラマサを選びましょう。
ポイント②内蔵はしっかり洗う
ヒラマサを捌いて内臓を取り出したあとは、必ず真水で洗いましょう。真水で洗い流すことで、内臓に付着していることが多いアニサキスなどの寄生虫を洗い流す効果があります。捌いたあとは、つかった包丁やまな板、手もしっかりと洗い流しておきましょう。
ポイント③よく噛んで食べる
アニサキスの予防として、よく噛んで食べることが重要といわれています。アニサキスは2~3㎝前後の大きさがあること、刺激に弱く傷がつくとすぐに死んでしまうことが理由ですが、よく噛んで食べるだけでは完全な予防はできません。ほかの予防ポイントと組み合わせて、あくまで補助的な方法として考えておきましょう。
ポイント④加熱冷凍すると安心
より安心してヒラマサを食べたいなら十分な加熱・冷凍がいいでしょう。とくにアニサキスは、「-20℃で24時間以上の冷凍」もしくは「中心温度60℃で1分以上の加熱」をすると死滅します。しかし、家庭用の冷凍庫は-20℃に設定されていないため、あらかじめ冷凍庫の設定温度を確認しましょう。
ヒラマサにいる寄生虫に注意しよう
本記事で紹介してきたように、ヒラマサには寄生虫や食中毒の危険性があります。しかし、寄生虫の種類を知り、安全に食べる方法を知っていれば、ヒラマサはおいしく食べられる魚です。
また、近年は魚の養殖が進んでいるため、より安心して食べられる環境が整っています。安心安全な食事のために、必要な知識を身につけて、ヒラマサをおいしくいただきましょう。