2022年05月13日公開
2024年05月21日更新
大豆粉に危険性はある?危険といわれる理由や安全な食べ方を解説
大豆粉の危険性について解説します。アレルギーや遺伝子組み換え大豆の問題など、大豆粉が危険だといわれる理由についてまとめています。植物毒によって起こる症状も詳しく説明!安全な食べ方も紹介しているため、食べる前にチェックしておきましょう。
大豆粉が危険といわれる理由とは?
大豆は栄養が豊富で、健康や美容にも役立つ食材です。大豆を粉砕した大豆粉は、ダイエットにも良いと注目を浴びています。しかし、大豆粉は危険だという声もあり、使用をためらうこともあるでしょう。
本記事では、大豆粉の危険性について解説します。危険を減らす安全な食べ方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
大豆粉とは?
大豆粉は大豆をそのまま粉にしたもの
大豆を粉砕して作られた粉が、大豆粉と呼ばれるものです。きな粉に似ていますが、製法が少し異なります。きな粉は炒った大豆を粉砕しますが、大豆粉は生の大豆をそのまま砕いて作る食材です。
大豆粉は粉砕したあとの工程で、さらに生大豆粉と失活大豆粉に分けられます。生大豆粉は、粉砕後に加工されることはありません。一方の失活大豆粉は、粉砕したあとに焙煎して、酵素の働きを抑えています。
生大豆粉は酵素が生きているため、独特のくさみがあります。失活大豆粉はにおいが少なく、そのまま料理に使えることが特徴です。
大豆粉は小麦粉の代わりに使用できる
大豆粉は風味が異なりますが、小麦粉の代わりとして使うこともできます。小麦粉に比べて糖質が少ないため、ダイエット食に利用するのもおすすめです。
また、タンパク質が豊富で、少ない量でも腹持ちが良くなります。ただ、カロリーが低いわけではないため、ダイエット中は食べ過ぎに注意しましょう。
大豆粉ときな粉・おからパウダーの栄養成分を比較
大豆粉ときな粉とおからパウダーの中で、最も高カロリーな食材はきな粉です。しかし、カロリー以外の栄養成分は、大豆粉ときな粉で大きな違いはありません。
おからパウダーは、豆乳の搾りカスを粉にした食材で、食物繊維が豊富です。タンパク質は少ないですが、カロリーが低くヘルシーです。
大豆粉 | きな粉 | おからパウダー | |
---|---|---|---|
カロリー | 372kcal | 451kcal | 333kcal |
タンパク質 | 33.8g | 36.7g | 23.1g |
炭水化物 | 29.5g | 28.5g | 52.3g |
食物繊維 | 21.5g | 18.1g | 43.6g |
糖質 | 8.0g | 10.4g | 8.7g |
脂質 | 19.7g | 25.7g | 13.6g |
大豆粉の効果効能
大豆粉にはミネラルやカルシウム、鉄分などの栄養素が豊富です。他にも、ビタミンEや大豆レシチン、イソフラボンなどが含まれています。ビタミンEは抗酸化作用があり、老化防止に効果的です。
大豆レシチンやイソフラボンには、女性に嬉しい美肌効果があります。レシチンは脳神経を構成する成分のため、認知症の予防も期待できます。また、オリゴ糖も多く含まれており、便秘解消にも役立つ食材です。
大豆粉が危険といわれる理由
理由①植物毒を含んでいるため
大豆などの豆類には、身を守るために植物毒が備わっています。植物毒には、抗栄養素物質と反栄養素物質の2種類があります。大豆に含まれている抗栄養素物質は、レクチンとサポニンです。
レクチンを大量に摂取すると、下痢などの症状が起きやすくなります。サポニンには赤血球の膜を溶かす溶血作用がありますが、大豆サポニンの毒性は弱いといわれています。一方の反栄養素物質は、フィチン酸塩やゴイドロゲンなどです。
これらは亜鉛やカルシウムなどの吸収を阻害するとともに、甲状腺腫を誘発させる恐れがあります。浸水したり加熱することで、植物毒の量は減ります。
生大豆粉は生の大豆をそのまま利用しているため、含まれている植物毒の量も多いです。必ず加熱してから、使うようにしましょう。
理由②遺伝子組み換え大豆の問題
遺伝子組み換え大豆を食べると、体に悪い影響を及ぼす可能性があります。どのような影響があるかは、定かでありません。ただ、安全性が確立されていないことも事実です。そのため、遺伝子組み換え大豆が使われているかどうか、チェックすることが大事です。
しかし、遺伝子組み換え大豆の混入率が5%以下の商品には、表記義務はありません。そのため、商品に遺伝子組み換え大豆が使われているかどうかは、厳密にわからないのが現状です。
遺伝子組み換えというのは、簡単に言うとほうれん草の遺伝子を豚に組み込んだり、サソリの遺伝子をキャベツに組み込むこともできるということ。組み込む遺伝子自体に危険性がなくても、遺伝子組換え技術自体が不安定なものなのです。危険なものが偶発的に生まれてしまう可能性があるため、避ける人が多いのです。
理由③ホルモンバランスを崩す可能性がある
大豆粉には、イソフラボンが多く含まれています。イソフラボンは美容にも役立ちますが、大量に摂取するとホルモンバランスが崩れます。これは、女性ホルモンであるエストロゲンと、イソフラボンの働きが似ているためです。
イソフラボンを摂取しすぎると、月経異常や子宮内膜症などを起こす可能性があります。これらの症状を起こさないためにも、イソフラボンの摂取量は、1日70〜75mgを目安にしましょう。
理由④太りやすい
大豆はヘルシーなイメージがありますが、大豆粉は意外と高カロリーな食材です。危険というほどではありませんが、食べすぎると太ってしまうこともあります。
特に、パンや焼き菓子などの、小麦粉代わりに使うときは要注意です。一度に食べる量を減らすなどして、カロリーを計算しながら食べましょう。
理由⑤アレルギー発症の恐れがある
大豆をそのまま使った大豆粉には、アレルギー症状を起こす危険性があります。アレルギー症状には発疹など軽いものから、呼吸困難のような重いものまであります。また、アレルギー症状は、食べてからすぐに発症するとは限りません。
2〜3日してから、体調不良が起こることもあります。大豆粉を食べ続けることで体調が悪くなる場合は、大豆によるアレルギーを疑ってみましょう。
大豆粉の危険性がない安全な食べ方
食べ方①加熱して食べる
植物毒が多い大豆は、生のまま食べると危険です。しかし、加熱処理をすることで、植物毒に当たる危険が少なくなります。また、加熱することで、えぐみや青くささもなくなります。しっかりと加熱調理をしてから、食べるようにしましょう。
食べ方②適量を食べる
大豆粉を食べすぎると、ホルモンバランスが崩れる危険性があります。大豆粉100g当たりのイソフラボンは、約200mgです。イソフラボンの1日の摂取目安量を70gとすると、大豆粉の使用量は1日に35gが限度です。
ただ、他にも大豆製品を食べる場合は、量を減らす必要があります。ホルモンバランスを崩さないためにも、食べ過ぎには注意しましょう。
また、食べ過ぎることでカロリー過多になり、太る原因になることもあります。ダイエット中はカロリー計算をしながら、適量を食べるようにしましょう。
食べ方③国産大豆か確かめる
遺伝子組み換え大豆は海外産の大豆に多く、日本では商業的に生産していません。そのため、国産大豆を使用した商品を選ぶことで、遺伝子組み換え大豆を摂取する危険性を減らせます。
商品を選ぶときは、原料に「国産大豆」と書かれているか、チェックしてから購入しましょう。
大豆粉は摂り過ぎなければ危険性は少ない
大豆粉にはいくつかの危険性がありますが、食べ方に気をつければ安全に食べられます。加熱をしたり適量を食べるなどの、いくつかのポイントをおさえることが大事です。
食べ過ぎなければ健康やダイエットにも役立つため、上手に普段の食事に取り入れてみましょう。