2022年01月11日公開
2024年11月17日更新
柿を皮ごと食べると得られる栄養は?洗い方から絶品レシピまで紹介
柿を皮ごと食べることによって得られる栄養価や、体への効果などを解説します。柿を皮ごと食べるときの農薬を落とす洗い方や、美味しい食べ方ができるレシピも紹介!切り方を気にせず作れるスムージーなどのレシピもあるので、ぜひ参考にしてください。
目次
柿を皮ごと食べることで得られる栄養価を徹底調査!
秋になると店頭に並びだす柿ですが、皮ごと食べたことはありますか?実は柿は皮ごと食べることで、皮をむくよりも豊富な栄養を摂ることができるのです。
本記事では柿を皮ごと食べることで得られる栄養価や、体に良い効果などをまとめました。美味しい食べ方ができるレシピも紹介しているので、皮ごと食べるときの参考にしてください。
柿を皮ごと食べると得られる栄養
皮部分に一番栄養価が詰まっている
柿の皮は固さもあるのでむいて食べるのが一般的ですが、皮ごと食べても問題ありません。果肉と皮の間には「皮目」と呼ばれる部分があり、その部分に一番栄養が含まれています。そのため、皮ごと食べることで栄養を無駄なく摂取することができるのです。
皮の固さが気になる場合は、できるだけ熟した果実を選ぶのがおすすめです。果実が熟してくると皮も柔らかくなってくるので、比較的皮ごと食べやすくなります。
柿のカロリーと糖質
柿のカロリーは100g当たり63kcalで、糖質は13.3g含まれています。1個の重さがだいたい200gくらいですので、1個当たりのカロリーは126kcal、糖質は26.6gとなります。
柿を2個食べるだけでご飯1杯分のカロリーと糖質になるので、ダイエット中の人などは注意したほうが良いでしょう。また、干し柿にすると、生の果実に比べてさらにカロリーと糖質が高くなります。
干し柿のカロリーは100g当たり274kcalで、糖質は58.7gです。ただ、干し柿は1個30g程度ですので、1個当たりの量で換算すると生の果実より低い数値になります。
もちろん一度に大量に食べてしまえばカロリーや糖質の摂りすぎになるので、1日に1個を目安に食べると良いでしょう。
柿の栄養価
柿は栄養価が非常に高く、昔から健康に良い果物だといわれてきました。主にビタミンC、タンニン、カリウム、βカロテン、食物繊維、鉄分などが含まれており、さまざまな健康効果をもたらしてくれます。
特にビタミンCは100g当たり70mg含まれており、これはみかんの2倍の数値です。干し柿にするとビタミンCはがくっと減ってしまいますが、βカロテン、カリウム、食物繊維の栄養価は大幅にアップします。
栄養面を気にして食べるときは、どの栄養を多く摂取したいかによって生の果実か干し柿かを選ぶと良いでしょう。
柿は食べすぎに注意する
栄養価が高く健康にも良い柿ですが、食べすぎると逆効果になることもあります。柿に含まれているタンニンとペクチンは、過剰摂取すると下痢や便秘、腹痛などを起こす場合があります。
また、食べすぎることで貧血や頻尿などの不調が起こることもあるので、注意が必要です。頻尿になると体を冷やすことにもつながるので、冷え性の人は特に気をつけましょう。
他にも、柿は食べすぎることで、柿胃石(かきいせき)という石が胃の中にできてしまうこともあります。これはタンニンが胃酸と混ざり、食物繊維を固めてしまうことで起きる現象です。
柿胃石ができると食欲不振になったり、胃痛や嘔吐が起こることもあります。成人であれば1日1〜2個、子供や妊婦であれば1日1個を目安に食べるようにしましょう。
柿を皮ごと食べると期待できる健康効果
健康効果①風邪の予防
皮ごと食べることでβカロテンを多く摂取できますが、このβカロテンは抗酸化力が非常に高いことで知られています。このβカロテンが体の免疫力を高めてくれるため、風邪予防に役立ちます。
また、ビタミンCにも同じように免疫力を高める効果があるので、体が疲れているときなどに柿を皮ごと食べると良いでしょう。
健康効果②アンチエイジング
柿に含まれているビタミンCには、免疫力を上げるだけでなく強い抗酸化作用もあります。
この抗酸化作用のおかげで体内の活性酸素の生成が抑えられ、老化防止やアンチエイジングに効果があります。また、ビタミンCはコラーゲンの生成にも関わってくるので、美肌にも効果的です。
健康効果③便秘の解消
柿にはペクチンという水溶性食物繊維が多く含まれていますが、食物繊維をしっかり摂ることで便秘解消に役立ちます。食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸の働きを活性化させてくれます。
すると腸のぜんどう運動が活発になり、結果的に便通が良くなるのです。ただ、ペクチンを摂りすぎると腹痛の原因にもなるので、一度に食べる量には気をつけましょう。
健康効果④むくみの解消
柿に含まれているカリウムには、体内の水分量を調節する働きがあります。体内の水分が増えると顔や足がむくんでしまいますが、カリウムを摂ることでその余分な水分が体外へ排出されるようになります。
その結果、体内の水分バランスが保たれ、むくみを解消することができるのです。むくみの予防や解消だけでなく、高血圧の予防にも効果的です。
健康効果⑤二日酔いの防止
柿が二日酔いに効果的だという話を聞いたことがある人もいるでしょうが、これはタンニンやビタミンCの働きによるものです。タンニンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ちます。
この働きのおかげで、二日酔いの原因であるアセトアルデヒドが体外へ素早く排出されるようになります。また、ビタミンCにはアルコールの分解を助ける働きがあり、タンニンとの相乗効果で二日酔いを防ぐことができるのです。
柿を皮ごと食べるときの洗い方
洗い方①重曹を使う
皮の農薬を落としたいときは、食用の重曹を使って洗いましょう。まずは大きめのボウルに水を張って、小さじ1〜2杯ほど重曹を入れて溶かします。
そこに柿を入れて30秒ほど浸け、表面を洗い流せばOKです。あまり長く浸けすぎるとビタミンCが流れてしまうので、1分以上は浸けないようにしましょう。
洗い方②洗剤を使う
どうしても農薬が心配だという人は、野菜洗い用の洗剤を使うのがおすすめです。野菜洗い用の洗剤は農薬だけでなく、土やワックスなどの残留物も一緒に落としてくれます。
皮に洗剤を吹きかけたら、30秒ほど待ってすすぎ洗いしましょう。このとき、皮の表面を優しく撫でるようにして洗うと効果的です。
洗い方③お湯で洗う
わざわざ重曹や洗剤を使うのが面倒な人は、お湯で洗うだけでも農薬を落とすことができます。農薬は熱に弱いので、50℃前後に沸かしたお湯に柿を浸けて皮を洗いましょう。
浸けておく時間は、1分ほどで大丈夫です。お湯の温度が43℃以下になってしまうと雑菌が繁殖しやすくなるので、お湯の温度には注意しましょう。
洗い方④その他
皮ごと食べるときの洗い方には、他にも酢水を使ったりアルカリイオン水を使う方法があります。酢水を使う場合は、大きめのボウルに酢と水を1:2か1:3の割合で入れましょう。その中に柿を1分ほど浸けておき、流水で洗い流せば完了です。
水で洗い流すことで酢の臭いも減りますが、どうしても臭いが気になる人はアルカリイオン水を使ってみましょう。アルカリイオン水は除菌や掃除などに使うことが多いですが、食品に使うこともできます。
アルカリイオン水を使う場合はスプレータイプのものを用意し、皮に吹きかけてキッチンペーパーなどでこすりましょう。
このときキッチンペーパーに色がつきますが、これは農薬が落ちた証拠です。農薬が落ちたことを目で確認できるので、安心して皮ごと食べることができます。
柿を皮ごとおいしく食べられるレシピ
焼き柿のバター添え
焼き柿のバター添えは、手間なく簡単に食べられる便利な食べ方です。丸ごとトースターで焼くだけで、柿がまるでスイーツのような一品に変身します。ヘタ部分を切りすぎると実が無駄になってしまうので、切り方には注意するようにしましょう。
スプーンですくって食べても良いですし、ケーキのような切り方をして家族みんなで楽しむのも良いでしょう。バターをかけずにそのまま食べても美味しいので、食べ方は自由にアレンジしてみてください。
柿クリームチーズのパウンドケーキ
皮がカリっと焼き上がるパウンドケーキは、皮ごとでも美味しく食べられるおすすめの食べ方です。柿の甘さを活かして作るので、砂糖は少なめで大丈夫です。柿はトッピング用と具材用で切り方を変えることで、いろいろな食感を楽しめます。
レシピでは角切りと薄切りの切り方を採用していますが、自分なりに切り方を工夫してみても良いでしょう。皮ごと食べるのが嫌いな人でも、この食べ方であれば苦手意識を持つことなく食べることができます。
小松菜と柿とみかんのグリーンスムージー
どのような食べ方でも皮が気になるという人は、ミキサーで砕いてスムージーにしてしまいましょう。切り方を気にする必要はありませんが、ヘタと種だけは取り除いてください。みかんも皮ごと使うため、栄養を余すところなく摂取することができます。
ただ、みかんの皮は苦味があるため、気になる場合は果実だけ使ってもOKです。生姜を入れたスパイシーな大人味のレシピで、みかんの酸味ですっきりと飲むことができます。
柿は皮ごと食べて健康効果を得よう!
柿を皮ごと食べたときの栄養や効果、農薬を落とす上手な洗い方などをまとめました。柿の皮は固いのでそのまま食べることに抵抗がある人も多いでしょうが、栄養面で考えたら皮ごと食べるのが一番です。
生のまま食べると皮が口に残りやすいので、皮の食感が気になる場合は加熱調理をするのがおすすめです。紹介したレシピを参考に、食べ方を工夫して皮ごと美味しく食べましょう。