2022年01月04日公開
2024年11月17日更新
無洗米のデメリットは?メリットや美味しく炊くポイントも解説!
無洗米のデメリットについて解説します。値段が高いことや日持ちしないなど、無洗米のデメリットについて詳しく説明します。デメリットだけでなくメリットや栄養価、お米の特徴などもまとめました。炊飯器でおいしく炊く方法も併せて紹介します。
無洗米のデメリットを紹介!
無洗米は洗わずに炊けることを目的として作られたお米で、現在では愛用者も増えています。しかし、無洗米にはデメリットもあり、そのデメリットから利用するのをためらう人も多いようです。
本記事では、無洗米にどのようなデメリットがあるのか詳しくまとめました。デメリットだけでなく、メリットやおいしく炊くポイントも併せて紹介します。無洗米にしようか迷っている人は、ぜひ一度チェックしてみてください。
無洗米とは?
肌ぬかが取り除かれたお米
無洗米と普通の白米に違いは、肌ぬかがあるかどうかです。お米はまずもみ殻を取り除いて玄米となり、そこから胚芽とぬかを取り除いて精白米となります。
一般的に売られているお米はこの精白米ですが、このお米にはまだ肌ぬかと呼ばれる粘着性の強いぬかが残っています。無洗米は、この肌ぬかを工場であらかじめ取り除いて作られたお米です。
洗わずに食べられる
肌ぬかが残った状態でお米を炊くと、ぬかの臭いが残ったおいしくないご飯になってしまいます。そのため、普通のお米は炊飯前にとぎ洗いするのが一般的です。
しかし、無洗米はあらかじめ肌ぬかが取り除かれているため、とぎ洗いをせずに炊飯することができます。
無洗米の作り方
ひと言で無洗米といっても、その作り方にはそれぞれ違いがあります。ひとつ目は水洗い式と呼ばれるもので、これは家庭でお米をとぎ洗いするのと同じ方法です。工場で精製米を洗い、乾燥させたものが商品として売られます。
他にも肌ぬかの粘着性を利用して取り除くヌカ式と呼ばれるものや、タピオカ澱粉を利用してとぎ汁を吸着させるタピオカ式というものもあります。また、乾式研米機を使ったりブラシや不織布で肌ぬかを取り除くなど、その作り方はさまざまです。
栄養価は白米と変わらない
手洗いした普通米 | 無洗米 | |
---|---|---|
タンパク質 | 4.9g | 5.1g |
炭水化物 | 77.8g | 79.6g |
脂質 | 1g | 1g |
灰分 | 0.2g | 0.2g |
ナイアシン | 0.24g | 0.44g |
ビタミンB1 | 0.03g | 0.05g |
無洗米はあらかじめぬかが取り除かれているため、栄養価が白米より低いといわれることもあります。しかし、どちらのお米も、もともとの栄養価に変わりはありません。
むしろ、ビタミンB1やナイアシンなどの栄養価は、無洗米のほうが高くなる傾向にあります。なぜかというと、普通米はとぎ洗いすることでお米についている栄養が流れてしまうためです。ビタミン類の栄養を多く摂りたいのであれば、普通米よりも無洗米を選ぶと良いでしょう。
無洗米のメリット
無洗米は、いちいち洗う手間が省けるというところが一番のメリットです。米とぎに使う水にお湯は使えないので、冬の米とぎが辛いという人もいるでしょう。しかし、無洗米であれば、冷たい水に我慢してお米を洗う必要がありません。
洗わなくて良いことで節水や時短にもなります。また、普通米はお米のとぎ方などでおいしさも変わってしまいますが、洗わなくてもよい無洗米は誰でもおいしく炊けるというメリットもあります。
無洗米のデメリット
デメリット①値段が高い
無洗米はお米を精製した後にさらに加工が施されるため、普通米に比べて数百円ほど高くなるというデメリットがあります。白米の同じ銘柄のお米に比べて、5%ほど高値になることが多いようです。
ただ、同じ5kgのお米を買ったとしても、肌ぬかが取り除かれている分お米の正味量が多くなります。水道料も節約できるため、トータルで見ればむしろ経済的であるといえるでしょう。
デメリット②日持ちしない
白米の肌ぬかはいちいち洗わないといけないという手間がありますが、臭いを抑えたり乾燥を防いで日持ちさせるという効果もあります。
無洗米は肌ぬかがあらかじめ取り除かれているため、臭いがついたり乾燥したりして日持ちしにくくなるところがデメリットのひとつです。少しでも日持ちさせたい場合は、空気に触れさせないようにするなど上手に保存することが大事です。
デメリット③粒が小さく固くなりやすい
無洗米は肌ぬかが取れている分米粒が小さくなるので、普通米のカップで計ると分量が多くなってしまいます。そのため、普通米と同じ感覚で水を入れると水分不足になりがちです。
いつもの水加減で炊いてしまうと水が足りずに固くなりやすいので、炊飯器の目盛りよりも多めに水を入れたほうが良いでしょう。
水が足りないと冷えたときにさらに固くなるので、水加減には注意が必要です。普通米の炊飯用のカップで計るときは、カップ1杯につき大さじ1〜2杯を目安に水を増やすのがおすすめです。
デメリット④水の吸収が遅い
普通米の場合は一度研ぎ洗いするため、洗い終わる頃にはすでにある程度の水分量を吸収しています。
しかし、無洗米は洗わずにそのまま水を加えるため、吸水の時間が普通米よりも遅くなってしまうのです。洗わないで炊飯器に直接入れるので、炊飯器の底に空気が溜まりやすく吸水しにくくなるというデメリットもあります。
デメリット⑤米の種類が少ない
無洗米は、白米に比べて販売さえれている商品の種類が少ないというデメリットがあります。買いたい銘柄のお米があっても、そのお米には無洗米の商品がないということもあるでしょう。
ただ、昔に比べてその種類も増えてきたので、普段食べている銘柄の無洗米がないかどうか探してみてください。
デメリット⑥香りが弱い
無洗米は普通米に比べて香りが弱いというデメリットがあるため、あまり好きではないという人も多くいます。
無洗米は誕生してからすでに10年以上経ちましが、いまだに国による品質基準がありません。そのため、お米の種類によっては、味や香りにバラつきが出てしまうことがあります。
無洗米のメリット
メリット①調理時間の短縮
普通米はお米をとぐ時間がどうしてもかかってしまいますが、無洗米はとがなくて良い分時間がかかりません。
忙しいときはお米を洗う手間も惜しいものですが、そのひと手間がないだけで家事がぐっと楽になります。特にお米を1日に何回も炊くような人は、お米を洗う手間がないだけで調理時間がだいぶ短縮されるでしょう。
メリット②とぎ汁が出ないため環境にやさしい
お米のとぎ汁には有機物や窒素、リンなどが含まれており、特に窒素やリンは現在の下水処理方法では処理しきれない物質です。
また、下水道が整備されていないところではそのまま川や海にとぎ汁が流れるため、水質汚濁の原因となってしまいます。しかし、無洗米を使えばとぎ汁が出ることがないので、結果的に環境への悪影響が少なくなります。
メリット③アウトドアに活用できる
洗わないで炊けてとぎ汁も出ない無洗米は、キャンプなどのアウトドアなどに活用できるお米です。
アウトドアでは水道が使えない場所もありますが、そういったところでも手軽にお米を炊くことができます。アウトドアだけでなく、水が自由に使えなくなる災害時にも便利です。
無洗米をおいしく炊くための方法
密閉容器で保存する
無洗米は乾燥しやすいため、普通米と同じ感覚で保存してしまうと日持ちしなくなります。また、臭いがついておいしさも半減してしまうので、密閉容器に入れて保存することがおいしく炊くためのポイントです。
さらに長く日持ちさせるためにも、密閉容器に入れたあとは冷蔵庫で保存するようにしましょう。ただ、冷蔵庫に保存している間、近くに臭いが強いものを置くと臭い移りする可能性もあります。
冷蔵庫に保存するときは、周りに臭いの強いものを置かないように気をつけましょう。
軽く冷水で洗う
無洗米は洗わなくても炊飯器で炊くことができますが、さらにおいしく炊くためには軽く冷水で洗うのがおすすめです。軽く冷水で洗うことで、わずかに残っている肌ぬかやゴミなどを流すことができます。
炊飯器に入れる前に無洗米を水に入れて軽く混ぜ、白く濁った水を一度捨てましょう。水の温度が高いとお米が割れる可能性があるので、できるだけ冷たい水を使うのがポイントです。
普通米のようにしっかりととぐ必要はないので、一度水で洗ったらそのまま炊飯器に入れて炊けばOKです。
浸水させる
これは無洗米だけに限ったことではありませんが、お米はしっかりと浸水させてから炊くのがポイントです。浸水させる時間は夏は30分、冬は1時間を目安にすると良いでしょう。浸水させることでお米が中までふっくらとして、粘りのある仕上がりになります。
また、炊飯器には無洗米モードが搭載されている機種もあり、そのモードを利用することで予熱時間が長くなりしっかりと吸水できるようになります。使っている炊飯器に無洗米モードがあるときは、一度試してみると良いでしょう。
無洗米はデメリットも知っておいしく食べよう
無洗米のデメリットについてまとめました。無洗米にはデメリットだけでなくメリットも多く、ポイントをおさえれば普通米と同じようにおいしく炊くことができます。
特にご飯を炊く手間を減らしたい人には、無洗米はとても役に立つ商品です。まだ使ったことがない人は、メリットとデメリットを踏まえて上手に利用してみましょう。