2021年12月13日公開
2024年11月17日更新
麦ご飯を食べるデメリットを徹底解説!メリットに変える食べ方も紹介
麦ご飯のデメリットを詳しく解説していきます。麦ご飯のデメリットをメリットに変える食べ方や栄養価について紹介します。便秘解消やダイエット効果などのメリットもまとめているので、麦ご飯を食べる際の参考にしてみてください。
麦ご飯を食べるデメリットを解説!
麦ご飯は白米よりもダイエット効果を期待できるご飯として、食べている方も多いようです。麦ご飯にはダイエットや便秘解消などのメリットもありますが、一方でデメリットもいくつかあります。ダイエット効果などのメリットばかりに目を向けていると、実はデメリットとなる食べ方をしてたということにもなります。
今回は麦ご飯のデメリットについて詳しく解説します。麦ご飯のメリットもまとめているので、デメリットとメリットの両方を正しく知りましょう。デメリットをメリットに変える食べ方も紹介しているので、食べるときにはぜひ参考にしてみてください。
麦ご飯とは?
麦ご飯が白米と何が違うのか、確認してみましょう。昔から食べられていた麦ご飯ですが、白米が浸透している現代では麦ご飯に珍しさを感じるかもしれません。健康的で体によい食事をしたい方は、栄養価についてもしっかりと知っておきましょう。
多くが大麦からできている
お米と大麦を混ぜて炊いたものが、麦ご飯です。麦の風味を感じられ、素朴なイメージのご飯です。粘り気がなく食感がしっかりとしているので、咀嚼が増えることでダイエットに効果的とされています。平安時代から食べられていると言われており、地域によっては麦ご飯の文化もあります。
大麦の加工後の種類一覧
丸麦 | 大麦の皮を取り、まわりを削ったもの。 |
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もち麦 | 丸麦の一種。プリプリでもちもちな食感。 |
米粒麦 | 丸麦を真ん中で半分に割って、米のような形に削ったもの。 |
押麦 | 大麦の皮を取り、加熱して平たく押しつぶしたもの。 |
ビタバァレー | 押麦にビタミンB1やB2を添加した加工食品。 |
はと麦 | ジュズダマという植物の一種。麦ご飯としてはあまり使われない。 |
丸麦は、30分ほど水につけてから炊くのがおすすめです。基本的には洗う必要はないですが、大麦の臭いを低減させたい場合は米と一緒に研ぎましょう。押麦は加熱してあるため柔らかくなるのも早く、手軽に使うことができます。より手軽に栄養を取りたい場合は、ビタバァレーがおすすめです。
麦ご飯のカロリーと糖質
白米と麦ご飯を比較すると、糖質はほとんど変わりません。100gで白米の糖質は76.6g、押麦は68.2gとされています。カロリーをみても、白米は約218kcalで麦ご飯は約217kcalで、違いは見られません。カロリーを制限しようと思って置き換えをするのは、あまり効果がありません。
麦ご飯の栄養価
白米 | 大麦 | |
---|---|---|
たんぱく質 | 2.5g | 2.78g |
炭水化物 | 37.1g | 35.14g |
食物繊維 | 0.5g | 10g |
麦ご飯は、カロリーや糖質の面では白米とほとんど変わりません。大きな違いは、食物繊維の量です。白米と比較して、大麦は約20倍、もち麦は約26倍の食物繊維が含まれます。水溶性と不溶性のどちらも含むので、腸内環境を整えます。さらに、麦ご飯にはビタミンとミネラル、たんぱく質などの栄養素も多いです。
大麦に含まれるβ-グルカンは特に注目です。β-グルカンは、善玉菌を増やしたり血糖値の上昇を抑制する効果、血中コレステロール値低下の効果などを期待できます。糖代謝や満腹感に関するホルモンを増加させる作用もあります。また、アメリカやEUなどでは、心疾患リスクの低減効果も認められているようです。
麦ご飯を食べるメリット
麦ご飯は栄養価の高さに伴って、体によい効果がたくさんあります。まずは麦ご飯に含まれる栄養の効果を知って、麦ご飯を食べるメリットを確認しましょう。
メリット①便秘解消
食物繊維が豊富なので、腸内環境を整えて便秘解消の効果があります。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がともに含まれているので、不溶性食物繊維で便のカサを増やして、水溶性食物繊維で排便を促します。
また、腸内環境が改善されると、便秘解消の他に免疫力向上や美肌効果などにもつながります。腸内環境の乱れが体や心の不調にもつながるので、ぜひ積極的に麦ご飯を取り入れましょう。
メリット②ダイエット効果
麦ご飯に含まれるβ-グルカンは食べ物をゆっくり消化させるため、腹持ちがよくなり、間食を減らすことができます。麦ご飯は咀嚼の回数も増えるので、満腹感も得られやすくなります。間食にお菓子を食べたりしなくてもお腹が満たされるということで、ダイエットに効果的です。
メリット③コレステロールの生成を抑制
β-グルカンは、コレステロールの生成の抑制にも効果的です。β-グルカンが腸内まで届くと、短鎖脂肪酸というものの生成を促進させます。これにより体内のコレステロールの生成を抑えることができます。コレステロール値に問題がない方もコレステロール値が下がりすぎることはないので、健康上の問題はありません。
血中コレステロール値が高いと血液の流れが悪くなり、動脈硬化の恐れがあります。コレステロールが増えると、高血圧や脳卒中にもつながります。麦ご飯のような食物繊維が豊富な食事を摂ることで、善玉コレステロールを増やすことが可能です。
メリット④血圧と血糖値の抑制
β-グルカンには、糖質の吸収を抑える効果もあります。糖質を摂取すると血糖値が上昇しますが、麦ご飯のようにβ-グルカンが含まれていると血糖値の上昇を抑えます。白米は高GI食品ですが、大麦は低GI食品です。
高GI食品のように血糖値が急上昇するとインスリンが分泌されますが、分泌が追いつかなくなると高血糖が続き、これが慢性的に続くと糖尿病となります。眠気にも襲われる原因も、インスリンが分泌されて血糖値を下げようとすると、脳のエネルギーが不足するからです。さらに、インスリンは脂肪を作るはたらきがあるため、肥満の原因です。
また、β-グルカンの塩分の吸収を抑えるはたらきで、高血圧予防にもなります。麦ご飯を食べることで、糖尿病や肥満の防止、高血圧予防といった効果が期待できます。白米を食べ続けるよりも麦ご飯を取り入れた方が、病気の予防に効果的です。
メリット⑤食べる量を減らせる
白米に比べると麦ご飯の方が食べ応えや腹持ちがよいことから、摂取量を減らせます。β-グルカンや咀嚼回数による効果で無理なく量を減らせるので、つらさもありません。さらに、麦ご飯の食べ応えにより、薄味料理でも食事に満足できるので、塩分の摂取量も抑えられます。
間食をしないためにも、毎食麦ご飯を食べたくなる方もいるかもしれません。ただし、夜に食べる食事は朝食や昼食に比べて消化が遅くなります。お腹が張って苦しくなることもあり、胃腸への負担が考えられるので、夜に食べるのはおすすめできません。
メリット⑥効果は次の食事まで継続
麦ご飯は、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を抑える効果があることを解説しましたが、これは次の食事にも効果が持続します。朝に麦ご飯を食べると昼食にも効果があるということで、セカンドミール効果と言われています。ただし、食べ過ぎはよくありません。正しい量を守って摂取をするようにしましょう。
麦ご飯を食べるデメリット
麦ご飯はメリットだけでなくデメリットもあるので、食べる前によく確認が必要です。食べる量や食べ方によってメリットがデメリットに変わってしまうこともあります。まずはデメリットがどのような体の不調を起こすのか知っていきましょう。
デメリット①アレルギーを発症するケースも
小麦には、グルテンというアレルギーの原因となる物質があります。麦ご飯の麦にはグルテンはありませんが、似ている構造の物質があります。そのため、アレルギーを発症する可能性を否定できません。心配な方は、検査をするなどの対策を行なってから麦ご飯を食べるようにしましょう。
デメリット②おならが出やすくなる
麦ご飯には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれています。麦ご飯を食べることで食物繊維が増加し、腸内では腸内細菌の数や構成の変化が起こり、お腹の張りやガスが出やすくなります。胃腸の弱い方は、特にこのデメリットに気をつけながら摂取しなければなりません。
腸内環境に影響を与えているという証拠というようにポジティブに捉えることもできますが、デメリットだと感じる方は休みの日に食べ始めるのがよいでしょう。
デメリット③便秘や下痢になる
麦ご飯には食物繊維が含まれていることで、便秘解消効果があります。しかし、食物繊維を摂取しすぎると腸内の水分を吸収して便が硬くなり、反対に便秘になる恐れがあります。下痢になってしまう方もいるので、食物繊維の摂取量には注意が必要です。
便秘になると、お腹の張りや肌荒れに関するデメリットも出てきます。さらに腸は脳とも密接に関係しており、イライラの原因にもなります。便秘になることで、体と心に不調を感じる方は多いです。自分に適した量の麦ご飯で、デメリットにならないように注意しながら食べましょう。
デメリット④胸焼けを起こす
麦ご飯は腹持ちがよくなるというメリットがありますが、消化に時間がかかることで、胃腸の弱い方には負担になる場合があります。もともと胃腸が弱い方が麦ご飯を食べると、胸焼けを起こすというデメリットがあります。麦ご飯の食べる量を少量にして、慣れさせる期間を設けてみるとよいかもしれません。
麦ご飯のデメリットをメリットに変える食べ方
デメリットは、食べ方によってメリットに変えることができます。難しい食べ方ではなく、実践しやすいものが多いので、挑戦してみましょう。特にお腹が弱い方は、量の調節が重要となります。
食べ方①継続して食べる
麦ご飯の食べ始めは、腸内環境の変化でお腹の不調などのデメリットを感じることも多いかもしれません。麦ご飯の食べる量や回数を調整して継続していくことで、だんだんと腸内環境も安定してメリットの効果を得られやすくなります。少量でも継続をして、お腹を慣らして行きましょう。
食べ方②水分を一緒に摂る
食物繊維を摂取するときに、水分の摂取量が少ないと便秘になりやすくなります。麦ご飯を食べるときは、水やお茶、味噌汁などのスープを一緒に摂取するようにしましょう。雑炊やリゾットにしても、麦ご飯をおいしく食べられます。水分を積極的に摂取することで、デメリットを解消していきましょう。
他にも、納豆などの発酵食品とともに食べることで、善玉菌を増やして腸内環境をより整えることができます。発酵食品には乳酸菌を含み、この乳酸菌は毎日継続的に摂取するとよいとされています。麦ご飯とともに、セットで毎日取り入れましょう。
食べ方③麦の量を減らす
麦ご飯の麦の量を減らすことで、デメリットを軽減させられます。急に麦を摂取しすぎると、腸内の変化が活発になり、お腹の不調を感じやすくなります。腸内を慣らすためにも、少量の麦で始めるのがおすすめです。
麦ご飯を食べる人によって便秘になったり下痢になったりと、デメリットの症状は異なります。1割ほどの量から始めて、徐々に麦の量を増やします。少量の麦で、様子を見ながら始めていきましょう。
麦のみ食べるのは大丈夫?
麦のみを食べることは、決して間違いではありません。白米やもち麦、押麦などをそれぞれ同じ量で炊いた場合、もち麦や押麦の方がカサが増します。少量でも満腹感を得ることができるので、カロリーを抑えることも可能です。満腹感を得られやすい分、白米より多く食べるのは大変なので食べ過ぎにもなりにくいです。
食べ方④冷まして食べる
デンプンには、消化しにくいβデンプンと糊状のαデンプンがあります。αデンプンは粘り気があって消化しやすいですが、冷めると消化しにくいβデンプンに変化します。このβデンプンが小腸で吸収されずに大腸に到達すると、食物繊維と似たはたらきが期待できます。
デンプンは摂取しすぎると、エネルギーが過剰となり脂肪として体に蓄えられやすくなります。βデンプンとして食物繊維のようなはたらきをしてくれるようになれば、便秘解消やダイエット効果を期待できるかもしれません。
食べ方⑤よく噛む
麦ご飯に限らず、食事をするときはよく噛むことが大切です。咀嚼回数を増やすことで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎ防止につながります。また、唾液によってデンプンの消化酵素が出たり、口の中で細かくしておくことで消化不良も防止できます。
麦ご飯は、お腹の中で膨張して腹持ちが良くなります。消化するまでに時間がかかるので、胃腸への負担を軽減させるためにも、よく噛んで麦ご飯を細かくしておきましょう。
麦ご飯のデメリットはメリットに変えて食べよう!
麦ご飯にはメリットがある一方で、デメリットもあります。麦ご飯は自分に合った量や食べ方で取り入れると、デメリットもメリットに変えられます。毎日麦ご飯を食べ続けることも重要です。
お米と大麦を混ぜて炊くだけで、食事に栄養をプラスできます。便秘解消やダイエット効果などの体によい効果を得られるので、自分に合った食べ方を見つけて、上手に取り入れていきましょう。