甘食はどのような食べ物?歴史や名前の由来を紐解く!簡単に作れるレシピも

甘食とはどのような食べ物なのかについて解説します。パンとはまた違った、甘食という食べ物の歴史や名前の由来を詳しく説明します。家で簡単に作れる甘食のレシピも紹介しているので、甘食に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

甘食はどのような食べ物?歴史や名前の由来を紐解く!簡単に作れるレシピものイメージ

目次

  1. 1甘食がどのような食べ物なのか紹介!
  2. 2甘食の名前の由来と歴史
  3. 3甘食の特徴
  4. 4甘食の基本レシピ
  5. 5甘食は親しみやすい昔ながらのパン

甘食がどのような食べ物なのか紹介!

甘食は優しい甘さが特徴的なお菓子で、特に関東近辺では昔からよく食べられてきました。しかし、それ以外の地方ではあまり知名度が高くなく、甘食という名前を聞いたことがない人もいるでしょう。

本記事では、甘食がどのようなお菓子なのか、その歴史や特徴についてまとめました。甘食の基本的なレシピも紹介しているので、食べてみたいけれど近くでは売っていないという人はぜひ一度試してみてください。

甘食の名前の由来と歴史

甘食の読み方と由来

甘食を知らない人は「かんしょく」と読んでしまうこともあるようですが、甘食の正確な読み方は「あましょく」です。その名の通り甘い味をした食べ物で、パンとスイーツの中間のような味と食感が特徴的です

甘食の由来には諸説あり、はっきりとしたことはいまだにわかっていません。ただ、「食事の間に食べる甘い間食」や「甘いビスケットを大きくしたような食事用のパン」から名付けられたといわれることが多いようです。

甘食の発祥店

甘食の発祥にも諸説あるのですが、日本で甘食が誕生したのはパンやビスケットが輸入されはじめた明治時代だといわれています。1894年に東京の「清新堂」というパン屋で「イカリ印のマキ甘食」という商品が発売されたのですが、これが現在の甘食のもとではないかという説が最も有力です。

明治時代はパンを作るのに半日以上もかかっていたため、この長時間かかる工程を短縮するために甘食が編み出されたともいわれています。他にも安土桃山時代の南蛮文化の影響を受けて誕生したという説もありますが、実際のところはまだ誰にもわかっていません。

甘食の味

甘食は触った感じや食感はマドレーヌやマフィンに似ているのですが、洋菓子に比べるともっとあっさりしていて素朴な味がします。バターなどを使っていないシンプルなビスケットに似た味で、食べるとどこか懐かしさを感じられます。

しっとりとした感じは表面だけで内側は少しパサパサしているので、牛乳やコーヒー、紅茶などと一緒に食べるのがおすすめです。

牛乳やコーヒー、紅茶などとも相性が良い、大人も子どもも大好きな素朴なおやつです

西日本で知名度が低い理由

甘食は関東近辺ではとてもメジャーな食べ物なのですが、関西など西日本方面へ行くと格段に認知度が下がります。なぜ西日本で知名度が低いのかという明確な理由はわかっていませんが、まだ食べ物を長い時間保存しておけなかった時代に生まれた食べ物だけあって、あまり遠くまで伝播しなかったのだろうと推察されます。

しかし、西日本ではまったく知られていないというわけではなく、甘食を販売しているお店もあれば食べたことがある人も多くいるようです。また、甘食という名前ではなく別名で呼んでいた人も多いようで、SNSなどでは「食べたことはあるが甘食という名前は知らなかった」という声も上がっていました。

甘食の特徴

甘食の特徴①独特の形は重曹が作り出している

甘食の特徴といえば、やはりなんといってもその独特な形です。真ん中が盛り上がった富士山のような形をしていますが、これはわざとこうした形を作っているわけではありません。甘食の材料には重曹が含まれているため、この重曹によって甘食独特の形が出来上がるのです

重曹は温度が高くなると炭酸ガスを発生させるという特徴を持っており、オーブンなどで焼くとこの作用のおかげで生地が膨らんできます。膨らんだ生地は熱によってそのまま固められるため、結果的に山のような形となるのです。

生地が小さければ小さいほど膨張する力は一点に集中するので、この盛り上がりも大きくなります。そのため、大きめな平べったい甘食の場合は、真ん中の膨らみが少し小さくなります。

甘食の特徴②表面と中の食感を楽しめる

甘食は表面はしっとりしているので、指で触ってもべたつく感じがわかるでしょう。しかし一口食べてみると、今度はホロホロと崩れるような食感に変わります。生地がパサつくため水分補給は必要になりますが、外側のしっとり感と内側の軽い口当たりを同時に楽しむことができます

甘食の特徴③平均的な大きさ

甘食はだいたい5~8cmほどの大きさが主流で、おやつなどに食べるのにちょうど良い大きさになっています。たまに10cmくらいの大きな商品もありますが、極端に大きいわけではないので一人で十分食べきれます。小さすぎず大きすぎずの平均的な大きさですので、朝食や軽食などさまざまな場面で活用できて便利です。

甘食の基本レシピ

材料

甘食を作るための材料はそれほど多くなく、薄力粉と砂糖、卵とマーガリンとベーキングパウダーがあれば作ることができます。ベーキングパウダーの代わりに重曹でも作れますが、独特の香りや苦味が出る場合もあるので初心者の場合はベーキングパウダーの方がおすすめです。

作りやすい分量は、薄力粉100g、砂糖大さじ4杯、卵1個、マーガリン大さじ2杯、ベーキングパウダー小さじ1杯です。この分量でだいたい甘食が4個くらい出来上がります。もっと風味を良くしたい場合は、マーガリンをバターに代えても良いでしょう。

砂糖の量も好みによって増減したり、砂糖の代わりにはちみつを加えたりといろいろとアレンジすることができます。卵が小さかったり生地が固すぎると感じる場合は、牛乳や豆乳を少し加えてみましょう。

作り方

まずはマーガリンと砂糖を合わせて、泡だて器などで白っぽくなるまでよく混ぜます。そこへ溶き卵を加えて混ぜ、最後に合わせた薄力粉とベーキングパウダーを入れて混ぜ合わせます。出来上がった生地をポリ袋などに入れたら、角を切り落として絞り袋を作りましょう。

天板にクッキングシートを敷いたら、生地を袋から絞りだして並べます。200℃に予熱しておいたオーブンで4分ほど焼けば完成です。180℃の場合は8~10分ほど焼いてみてください。オーブンの機種によっても時間は変わってくるので、焼き加減を見ながら時間の調整をしましょう

焼いている間にてっぺんが焦げてしまう場合は、途中でアルミホイルをかぶせておくと焦げ防止になります。焼けてからすぐに食べると外側がサクっとしますが、しっとりさせたい場合はポリ袋などに入れてしばらく置いておくと良いでしょう。

甘食の平均的なカロリーと栄養

甘食の大きさや材料の分量によってもカロリーが変わってきますが、5cmくらいの基本的な甘食でだいたい100kcalほどになります。甘食ひとつでもカロリーはしっかりとあるため、ダイエット中の人やカロリー制限している人にはあまりおすすめしません。逆に食べ盛りの子供のおやつなどにはぴったりでしょう。

甘食は小麦粉と砂糖がメイン素材となっているので、栄養価はそれほど高くありません。甘食で摂取できる栄養素はほぼ炭水化物で、あとはタンパク質と脂質が2~3g摂れる程度です。食事の代わりとして甘食を食べる場合は栄養が偏ってしまうので、野菜スープなどと合わせて食べたほうが良いでしょう

市販品はどこで購入できる

甘食は現在ヤマザキパンが商品として作っていて、1袋8個入りで販売されています。地域によっては売っていないところもありますが、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどで買うことができます。ヤマザキの甘食はamazonでも取り扱っているので、近くの店で手に入らない場合は通信販売を利用しましょう

ヤマザキパン以外のメーカーからも発売されている商品もありますが、全国展開していないことが多いので目にする機会は少なくなります。また、個人で経営している町の小さなパン屋さんにも置かれていることが多いので、近所のパン屋さんをのぞいてみるのも良いでしょう。

セブンイレブンやローソンでは、昔ながらの甘食にアレンジを加えた独自の商品を販売しています。バターの量などを増やして洋菓子に近づけた商品で、本来の甘食にはないしっとり食感を味わえます。昔ながらの甘食が好きな人には別物に感じるかもしれませんが、甘食のパサつく食感が苦手な人にはおすすめです。

甘食は親しみやすい昔ながらのパン

甘食とはどのような食べ物なのか、その歴史や特徴についてまとめました。甘食は日本で生まれたお菓子ですので一応和菓子として分類されますが、現在ではパンの一種として扱われることが多くなっています。一般的な菓子パンよりも添加物が少なく、優しくて親しみやすい味が昔から人気を集めています。

甘食は家でも簡単に作ることができるため、近くに売っている店がない時は手作りにチャレンジしてみるのも良いでしょう。本記事で紹介したレシピを参考に、自分なりの甘食を作って楽しんでみてください。

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