トウガラシ(鷹の爪)の栽培で失敗しない方法!収穫まで徹底解説!

トウガラシ(鷹の爪)の栽培方法について解説します。トウガラシ(鷹の爪)の品種や栽培時期、土づくりから収穫まで失敗しない育て方について詳しく説明!トウガラシを乾燥させるやり方や長期間保存する方法まで紹介します。

トウガラシ(鷹の爪)の栽培で失敗しない方法!収穫まで徹底解説!のイメージ

目次

  1. 1トウガラシ(鷹の爪)の栽培方法が知りたい!
  2. 2トウガラシの栽培の基本情報
  3. 3トウガラシ(鷹の爪)の栽培・育て方
  4. 4トウガラシ(鷹の爪)の乾燥・保存方法
  5. 5トウガラシ(鷹の爪)を自宅で栽培してみよう!

トウガラシ(鷹の爪)の栽培方法が知りたい!

栽培されて枝にいっぱい実を付けているトウガラシ

トウガラシ(鷹の爪)を栽培していると、いつでも料理にスパイスとして加えることができる上に、虫よけとしても使えます。最近では辛味の少ない品種や観賞用のトウガラシまで存在するほどの人気で、家庭でも栽培できるおすすめの野菜です。

一見すると育て方が難しそうなトウガラシですが、実際には非常に簡単で初心者でもプランターで栽培することができます。トウガラシの栽培方法やコツを知って、家庭でもトウガラシを栽培して色々な用途に活用してみましょう。

トウガラシの栽培の基本情報

トウガラシの品種

トウガラシ(鷹の爪)はコロンブスによってヨーロッパに伝来し、日本には16世紀に渡来しました。ナス科トウガラシ属の果実で、広くピーマンやパプリカなども含みます。トウガラシの代表的な品種は鷹の爪で、他にもハラペーニョ、ハバネロ、しし唐、ヤツブサ、伏見辛など数千種類の品種があります。辛くない万願寺唐辛子などもあります。

トウガラシは主に辛味用の野菜として江戸時代から栽培されてきました。特徴的な辛み成分であるカプサイシン酸は、抗酸化作用があることで注目されています。カプサイシンは胃を刺激して食欲増進や発汗などを促す効果を期待できます。

初心者にもおすすめ?

トウガラシ(鷹の爪)の栽培はスペースをさほど必要としないので、プランターや植木鉢でも元気に育ちます。特に手入れも必要なく、病気や害虫にも強いので初心者にも育てやすいでしょう。トウガラシの中でも鷹の爪やヤツブサ、日光トウガラシなどが栽培しやすくおすすめです。

初心者は育て方の簡単なプランターで育てるほうが良さそうです。地植えで発生しやすいナス科の連作障害やトウガラシの病気などが少なくなります。初めてトウガラシを育てる場合はプランターがおすすめです。
 

栽培時期

トウガラシ(鷹の爪)の栽培期間は苗の常植から150日前後かかります。種まきは3~5月、植え付けは5月くらいに行います。生育条件が25~30度くらいなので、発芽や育苗にはできるだけ保温してあげると順調に育つでしょう。発芽適温は15~25度くらいです。

支柱を立て追肥を行いながら、温暖地なら6月、中間地や寒冷地なら7月くらいから秋にかけて長く栽培から収穫まで楽しめます

栽培のコツ

トウガラシ(鷹の爪)は温暖な環境を好むので、植え付けは暖かい時期に行います。トウガラシやじゃがいも、トマトなどのナス科の植物は他の野菜と比べて連作障害がでやすい野菜です。同じナス科の野菜との連作は3年ほど避ける必要があるようです。

トウガラシは酸性の土壌に弱いので、酸性土壌は避けて苔土石灰などのアルカリ成分を栽培の2、3週間前に施しておくとよいです。

トウガラシ(鷹の爪)の栽培・育て方

準備するもの


野菜用培養土
プランター(深さ30cm以上の大型のもの)
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
園芸用の支柱(仮支柱、本支柱)
誘引用の麻ひも
化成肥料(固形)
園芸用ハサミ
じょうろ

トウガラシ(鷹の爪)の栽培は苗を買ってきて植えると育て方が簡単です。種まきから始めると多少手間はかかりますが愛着がわきます。種から苗を作る場合はシートなどで保温するのが良いです。家庭での育て方では温かい室内で育てると成功しやすいでしょう。

家庭菜園で栽培する場合は、1~2株程度なら市販の苗を買ったほうが効率的です。苗は大きくてしっかりしているもの、茎が太く本葉が7~10枚ついているもの、葉に艶のあるものなどを選びます。温暖な気候を好むので温かい時期に苗を購入します。

①土づくり

トウガラシ(鷹の爪)は酸性の土壌を嫌います。苗を植える2週間くらい前に石灰をまいてよく耕しておきましょう。1週間前になったら完熟堆肥と元肥をまいてもう一度耕します。石や木片など根が当たりそうなものは取り除いておくと良いです。

水はけを良くするために畝を立てて黒いマルチを張ります。畝は幅60cm高さ10cmくらいが適しています。黒いシートを張ってマルチにすることで、地温が上昇し雑草を防止する効果があります。

②植え付け

育苗箱に深さ1cmの溝を作り、タネを1~2cm間隔にまきます。5mmほど覆土し、水やり後、保温(25~30℃)します

種から育てる場合はポットなど育苗箱に1cmほど溝を作り、種を1~2cm間隔でまきます。軽く土で覆ったらたっぷり水をやり保温しましょう。本葉が7~9枚ほどの苗になったら、株と株の間を50cmほどあけてマルチに十字に切れ目を入れます。十字であけた部分に穴を開けて苗を植えましょう。

家庭菜園の場合は苗から育てたほうが簡単です。苗の根鉢をくずさないよう注意してポットから取り出します。浅く植えて株元を軽く押さえましょう。植えたらたっぷりを水をあげます。

③支柱たて

下部からでた側枝は摘み取り、主枝と側枝2本の3本仕立てにします。
風で折れやすいので、支柱を立てて誘引します。
枝は8の字にしばって固定します。

トウガラシ(鷹の爪)の苗を植えたら、倒れないように支柱を立てます。株元から少し離れたところに120cmくらいの支柱を立てましょう。垂直に30cmほど差し込んだら支柱と茎を紐で8の字に結びます。茎を傷めないようきつすぎない程度に結びましょう。支柱を結ぶ際には根元のほうの側枝とわき芽を摘み取ります。

3本の支柱で固定する場合は、150cmの支柱を使って主枝と脇芽2本にそって立てていきます。3本の支柱をクロスさせるように土に差して、交わった部分をひもで固定して栽培します。

④追肥

最初の花が咲いた後、芯を止めると側枝がよく出て一気に花が咲き房なりとなります。下位の側枝はかきとり、あとは放任します。肥料切れのないよう、月2~3回追肥します。乾燥を嫌うので、夏になったら水やりを多くし、敷きワラをして保湿します。

トウガラシ(鷹の爪)の実が付き始めたら化学肥料または有機固形肥料を追肥します。それ以降は2~3回に1回を目安に追肥をしていきます。鷹の爪はたくさん花を咲かせてたくさん実をつけるので、肥沃な土を好むようです。こまめに追肥して肥料切れにならないよう育てるのがポイントです。

肥料の量は1株当たり片手で一握り程度の化学肥料が目安です。はじめは根元から10cmくらいのところに追肥します。成長していくごとに少しずつ離れた場所に追肥していきましょう。株の周りにスコップで穴をあけて追肥します。

⑤収穫

花が咲いて2~3週間くらい経った頃が収穫時期です。トウガラシ(鷹の爪)の実が赤くなったものから順番に収穫します。大半の実が赤くなったら株元から切り取って収穫します。緑色の部分が残っていると乾燥させる際にカビが生える恐れがあるので注意が必要です。完全に赤くなってから収穫しましょう。

赤く染まる前に収穫すると青トウガラシと呼ばれます。実の長さは4~5cmくらいです。真っ赤に染まった赤トウガラシは青トウガラシよりも辛味が少ないのが特徴です。

害虫対策は?

トウガラシ(鷹の爪)は栽培期間が長いのでさまざまな病害虫が発生します。ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、アブラムシなどの害虫に被害をもたらされますが、特にミナミキイロアザミウマは大きな被害をもたらします。また青枯病、モザイク病などの病気にもかかりやすいです。アブラムシはモザイク病を媒介することがあるので注意が必要です。

害虫は見つけたら個体数が増える前に野菜用の殺虫剤を散布します。マルチにシルバーストライプ入りの黒色ポリマルチを使用したり、植える際に穴に浸透性の殺虫剤を散布しておきます。モザイク病になったら早めに抜き取りましょう。

トウガラシ(鷹の爪)の乾燥・保存方法

収穫したトウガラシ(鷹の爪)は乾燥させてきちんと保存することで長期保存が可能です。では収穫した後のトウガラシ(鷹の爪)はどのような方法で乾燥・保存すれば長持ちするでしょうか?

干し方

栽培して収穫したトウガラシ(鷹の爪)を短期間に食べ切ることは難しいでしょう。そんな時は乾燥させて長期保存するのがおすすめです。赤くなった順に実を摘みながら、すべての実が赤くなったら根元から引き抜いて収穫します。根元をひもで結んで逆さ吊りに干す方法と、摘み取った実を別々に乾燥させる方法があります

乾燥の目安

トウガラシ(鷹の爪)を株ごと収穫した場合は、軒下など風通しが良くて湿気の少ない日陰に逆さ吊りにしましょう。2~3束をひもでしっかり根元を結びます。じっくりと自然乾燥させるのがおすすめの乾燥方法です。

摘み取ったトウガラシはザルなどに広げて同じように風通しの良い日陰の場所に置きます。表面がシワシワになりカラカラと音がなるまで乾燥させるのが良いです。
 

保存方法

収穫したトウガラシ(鷹の爪)は冷蔵庫で1週間ほど保存できます。ラップで1本ずつ包んで保存袋に入れて冷凍すると3か月から半年低度日持ちします。乾燥させて保存すると1年ほど保存可能です。水分が入らないように密封性の高いガラス容器やジップロックなどに入れましょう。最近出回っている珪藻土で作られた調湿容器に入れても良いです。

トウガラシは湿気ると虫がわくこともあります。密封したら乾燥剤を入れて冷蔵庫で保存するのをおすすめします。

トウガラシ(鷹の爪)を自宅で栽培してみよう!

トウガラシ(鷹の爪)は育てやすく病気や害虫にも強いので、初心者が自宅で栽培する育て方でも簡単に育てることができます。温かい気候を好むのでプランターで育てたりシートをかけたりするのが育て方のポイントです。また乾燥を嫌いので特に夏はしっかりと水やりをするようにしましょう。

料理の時にほんの少し使いたいときでも、家で栽培すればいつでも気軽にトウガラシを使用することができます。ぜひこちらの記事を参考にして、自宅でトウガラシを栽培してみましょう!

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