なまこの種類を紹介!食用と毒のあるものの見分け方や味の違いは?

なまこの種類について解説します。なまこの見分け方や味、値段について徹底調査を行いました。食用である3種類のなまこと、毒のあるものの違いについてもまとめました。また、なまこのさばき方や肝の食べ方も紹介します。

なまこの種類を紹介!食用と毒のあるものの見分け方や味の違いは?のイメージ

目次

  1. 1なまこの種類を徹底解説!
  2. 2なまこの特徴
  3. 3なまこの種類と見分け方
  4. 4なまこの種類別の味の違い
  5. 5なまこの食べ方
  6. 6なまこの種類まとめ

なまこの種類を徹底解説!

皿に乗っているさばいたなまこ

なまこは見た目はグロテスクですが、実はファンの多い海の幸です。酢の物にして食べると、コリコリとした食感が癖になる美味しさです。

世界にはなまこの仲間が1500種ほどいますが、今回はその中でも主に日本で食用とされている3種類のものについて紹介します。この記事では様々な種類のなまこの味や値段、見分け方などについて詳しくまとめました。

なまこの特徴

見た目や値段、意外な栄養効果などの特徴をまとめました。また、なまこの不思議な生態についても詳しく紹介します。

なまこの見た目

なまこは大きな芋虫のような見た目が特徴で、体にはイボがあります。ぶよっとした触り心地も良いとは言えないため、気持ち悪いと感じたことがある人もいるのではないでしょうか?はじめてみた人はこの見た目に驚いてしまう人も多いです。

グロテスクな見た目が特徴的ですが、実は非常に美味しいです。なまこはウニやヒトデなどと同じ棘皮動物の一種です。その90%が水分でできており、体の前後に口と肛門があります。また、表面のヌルヌルとした成分は、コラーゲンからできています。このように、なまこは見た目も生態も非常に不思議な生き物なのです。

なまこの値段

生の状態での値段は100gあたり200円から500円ほどです。ただし、値段は漁獲量や季節、種類などによっても変動します。また、ネット通販では、乾燥させたものも購入することができます。なまこには旬があるため、安価な時期と高騰する時期があるということを覚えておきましょう。

なまこの主な産地

赤なまこは主に西日本の外洋の岩場などで多く獲られています。青なまこと黒なまこは九州から北海道まで日本全国に分布し、各地の内湾で漁獲されています。

中でも北海道産のものは本州のものに比べて突起が大きい傾向にあり、価値が高いと言われています。北海道産のものは干しなまことしても高い値段で取引されており、主に中国へ輸出用として販売されています。

ナマコは北海道から九州まで、生息している為、特別な産地は見当た
りませんが、漁獲量の最も多いのは北海道です。続いて、青森・山口
・兵庫の順となります。

なまこの旬と漁獲時期

旬は、海水の温度が下がり活動が活発になる11月ごろから3月頃までとされています。漁の解禁は地域によって多少の違いはありますが大体11月〜12月頃です。

なまこは冷たい海を好むという特徴があります。したがって、水温が16℃以上になる春から夏にかけては、冬眠ならぬ夏眠をします。海水温が比較的低めの北海道では夏眠をしないものもいますが、ほとんどの種類のものは夏眠をし秋になり水温が下がると目を覚まします。

なまこの栄養効果

体の90%が水分でできているなまこですが、実は栄養効果が高いといわれています。栄養素として神経を正常化させ、貧血を予防するビタミンB12が含まれています。

また、なまこは、歯や骨を強化するマグネシウムや脂肪燃焼や知能の発達に役立つヨウ素、抗酸化作用を持ち細胞の老化やがん細胞の抑制に役立つミネラルなど魅力的な栄養素がぎゅっと詰まった食べ物です。さらに、昔から漢方薬としても利用されてきました。

漢方薬としては滋養強壮に効果があるとされており、漢方薬として有名な朝鮮人参に似たサポニンという成分が含まれています。以上のことから、意外にも栄養満点な食べ物であることがわかりました。食わず嫌いな人もこれを機にぜひ試してみてください。

なまこの生態

次は生態について紹介します。なまこは見た目の通り非常に足が遅いです。決して強いわけではないのに、なぜ生存競争の激しい自然界で生き延びることができたのでしょうか?生態として有名なのが、キュビエ器官と呼ばれるものです。なまこを触ると白いネバネバした糸を出してくる種類のものがあります。

このなかなか取れないネバネバをキュビエ器官といい、何者かに刺激されると肛門からこの器官を吐き出すのです。この糸が魚のエラブタに絡み付くと魚はエラを動かせなくなり、死んでしまいます。

また、不思議な生態として自切というものもあります。なまこは危険を感じると自らの体を切り離して、命からがら逃げることがあります。皮などを自切した場合は1週間ほどで元に戻るとされています。また、魚などにつつかれて身の危険を感じた際には、体のつつかれた部分にあえて穴をあけさせ、その穴から自分の腸を吐き出す事もあります。

それを魚が喜んで腸をつついている間に、安全なところまで逃げだすのです。腸を吐き出してしまっても、2ヶ月程度で再生して、元通りになるそうです。このように、なまこは不思議な生態を持つ生物なのです。

なまこの種類と見分け方

ここではなまこの種類と見分け方について紹介します。日本で食用として売られる3種類の見分け方や、毒のある種類のものの特徴などについてまとめました。食べる際の参考にしてみてください。

食用なまこの種類と見分け方

なまこは世界中に1500種類もの仲間がいます。その中でも日本で主に食用とされている種類は赤なまこ、青なまこ、黒なまこの3種類です。この3種類の学名はどれもまなまこといいます。この画像では、上が赤なまこ、下が青なまこです。

しかし、厳密に見るとそれぞれ生息している場所や地域が異なり見た目も明確な違いがあるので、別の種類として扱うべきではないかという声も聞かれます。近年それぞれの種類のDNA解析が行われ、青なまこと黒なまこはほぼ同じ環境で変化したものということがわかりました。この中で、赤なまこだけが別の種類だという解析結果がでました。

種類①赤なまこ

赤なまこは体表に赤褐色穂部分がある種類をいいます。色の違いは生息場所の違いで、岩礁地帯に住んでいます。味は赤の方が良いとされ、青なまこよりも高い値段で取引されていることが多いです。

種類②青なまこ

青なまこはよく観察すると小さいデコボコしたような突起があり、体表はツブツブとして青みがかかっている種類です。赤なまことは生息場所が異なっており、砂地の海底に生息しています。赤いものと比べて値段が安く、手頃です。

種類③黒なまこ

はっきりとした黒色が目立つ種類を黒なまこといいます。黒なまこは青なまこの一種で、ほぼ同じ環境で変化したものとされています。

砂地の海底に住んでおり、体表は黒くツブツブとした突起があるので、素人でも見分けやすいなまこです。ただし、沖縄以南には標準和名でクロナマコという別種がいるので、間違えないように注意しましょう。

楯手目 Aspidochirotida 食用種として重要なマナマコをはじめ、温帯・熱帯域の海岸付近に住むナマコの多くがこの目に含まれる。 

毒のあるなまこの種類と見分け方

なまこは全ての種類が食べられるというわけではありません。中には毒がある種類もあるので、注意が必要です。その中でも、日本でもよく見られるニセクロナマコという種類は強い毒性を持つものとして知られています。ニセクロナマコは紀伊半島から南の海に生息しており、比較的暖かいところに住む種類です。

ニセクロナマコは体長20〜30cmほどで比較的小さく、背中には細かい突起が無数に連なっているという特徴があります。また、この種類は沿岸部にできる「潮だまり」と呼ばれる場所に多く生息しています。この潮溜まりは、海の潮の満ち引きでできる水溜まりの様になっている場所で、この潮だまりの中の岩陰に隠れていることが多いです。

黒なまことニセクロナマコを見分ける簡単な方法があります。白く砂を被った様に見える場合は黒なまこで、水の外から見てもはっきりと見えるのがニセクロナマコというものです。また、体の特徴として黒なまこは身体の表面がツルツルしているのに対し、ニセクロナマコは身体の表面がイボイボしているのですぐに判別する事ができます

ニセクロナマコにはホロチュリンと呼ばれる毒があるため、たとえ加熱したとしても絶対に食べてはいけません。食用とされているものの中にもホロチュリンを持つ種類のものはいますが、毒の量が少ないため生でも食べることができます。

しかし、ニセクロナマコはホロチュリンの量が多く毒性も高濃度で含まれている種類なので、誤って食べないように注意してください。ニセクロナマコを切るとじわっと毒がでてくるため、毒を触らないようにしましょう。

もし、触ってしまってもニセクロナマコの毒は体内にあるためまず問題ありません。自身でどの種類か判断できない場合は中毒になる可能性があるので、食べるのはやめておきましょう。

なまこの種類別の味の違い

種類によって味に違いはあるのでしょうか?食用として人気の3種類の味についてまとめました。

赤なまこの味

赤なまこは他の種類に比べて値段が高く取引されています。コリコリとした歯ごたえのある食感が特徴で、磯の香りが口の中に広がり美味しいと評判です。見た目も綺麗なので、需要が高いです。

青なまこの味

青なまこは赤なまこよりも3〜4割ほど安い値段で取引されていることが多いです。柔らかく弾力のある食感が特徴です。この種類の方が食べやすいと好んで食べる人も多いです。

黒なまこの味

色が黒っぽい種類のことを黒なまこといいます。生で食べる際は、青なまことほぼ同じ味わいと言われています。

黒なまこは干すことで中華料理の高級食材になり、アワビやフカヒレと並んで四大海味と言われています。中国では日本産の干し黒なまこのことを黒いダイヤと呼び、非常に高額な値段がついています。干したものはつるりとした歯ざわりで、プリプリとした食感が美味しいと非常に人気です。中華料理では、煮物やスープに使います。

なまこの食べ方

なまこはどのように食べると美味しいのかを紹介します。また、さばき方についても詳しくまとめました。新鮮なものが手に入った人はぜひ見てください。

食用なまこの食べる部分

なまこは必ず生きたものを使用してください。イボがしっかりしており、艶があるものが美味しいです。まず、両はしの硬い部分を切り落としましょう。そして、ひっくり返し腹側を上にし、縦に包丁を入れ切り開きます。その後、身を開いて両はしに硬い部分が残っていないかを確認し、残っているようなら取り除きましょう。

内側に白い粘膜状の筋があるので、ピンセットなどを使って掃除します。そこに塩をたっぷりと振り、なまこに裏返したザルをかぶせ、ぐるぐると回しながら動かします。流水で汚れを流せば下準備は完了です。

食用なまこのさばき方

次は、さばき方について説明します。下準備したなまこを縦に2等分にします。大きいサイズのものなら3等分にするのが食べやすいです。端から2〜3mmの厚さに切っていくと完成です。また、小さい種類のものの場合は、開かずに切った方が良いです。

まず、両はしを切り落とし、内臓は割り箸などで押し出すようにしてとりましょう。筒状のまま輪切りにスライスするとちょうど良い大きさに切ることができます。厚さはお好みでいいですが、赤なまこの場合は歯ごたえがあるので、薄めにスライスするのがおすすめです。

食用なまこを酢の物にする

なまこの食べ方といえば酢の物が人気です。作り方としては、薄くスライスしたものを酢、醤油、みりんで作った二杯酢で和えます。お好みで大根おろしやネギを添えたら完成です。二杯酢にはレモンやゆずなどの柑橘類を加えると、フルーティな酸味が加わり美味しいです。

簡単に、ポン酢で和えるだけでももちろん美味しく出来上がります。新鮮なものが手に入ったら、酢の物をぜひ試してみてください。

酢の物以外の食べ方

酢の物以外の食べ方を紹介します。なまこといえば酢の物が有名ですが、もちろん他の食べ方も楽しむことができます。酸味が苦手な人には、乾燥した種類のものを使った中華風スープがおすすめです。なまこのプリプリとした食感を楽しむことができます。また、なまこの唐揚げや煮物などもいつもとは違った味が発見できて、おすすめです。

食用なまこの内臓は塩辛にする

なまこの下準備の際に残しておいたワタを使って、絶品おつまみを作ることができます。なまこのこのわたはお酒との相性が抜群なので、非常に人気が高い食べ物です。このわたは、なまこの内臓を塩に浸け塩辛にしたものです。日本三大珍味の一つに数えられており、おつまみだけでなくご飯のお供としても人気が高いです。

このわたはそのまま食べても良いですが、大根おろしと和えて三杯酢にしたり、熱燗の中に加えたりと様々な楽しみ方があります。ただし、このわたは内臓から作られるので、砂などの不純物が多く入っています。このわたを作る際は、丁寧に砂やゴミを取り除くのが重要です。しっかりと取ることで美味しく仕上がります。

ナマコを食用とする場合、食べ方として最も知名度が高いのは「このわた」でしょう。知る人ぞ知るこの食べ物はナマコから取れる内臓を塩に漬け、塩辛にした食べ物です。

なまこの種類まとめ

なまこの酢の物

日本には食用のなまこが3種類生息していることがわかりました。それぞれの種類で値段や味が違うので、この記事を参考にぜひ違いを楽しんでみてください。

また、なまこには毒のある種類のものもいるので、食用のものと判別が難しい時は食べないように注意しましょう。ぜひ様々な種類のなまこを食べ比べてみてください。

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