アイスクリンとはどんなアイス?味や高知名物になった歴史を紹介

アイスクリンの姿をスーパー等で見かける事も昨今では少なくなりつつあります。今の世代の子供には食べたことがない子も多いのではないでしょうか?そんな中、何と高知では現在もポピュラーなアイスとして街中や屋台販売等で販売されている姿がよく見られるのだそうです。そんな昔懐かしい印象の強いアイスクリンは一体どういった味なのか、アイスクリームとは何が違うのかを調べてみました。また、高知名物として有名になった理由も紹介します。

アイスクリンとはどんなアイス?味や高知名物になった歴史を紹介	のイメージ

目次

  1. 1アイスクリンとは?
  2. 2アイスクリンの歴史
  3. 3アイスクリンの作り方
  4. 4高知名物のアイスクリンを食べてみよう!

アイスクリンとは?

アイスクリームとは違った魅力のあるアイスクリンというお菓子を知っていますか?昔はアイスクリームよりも多く売られていましたが、現在は消費者の需要に合わせたアイスクリームなどの高級志向品の普及が増加し、徐々にその姿が少なくなってきました。

そのため、今では市販のアイスというよりも特産品やレトロ菓子といった印象が強くなっています。そんな昔懐かしいアイスクリンは一体どういったアイスなのでしょうか?アイスクリームとは違う魅力やその歴史などを今回は紹介していきます。

高知名物のスイーツ

アイスクリンとは、アイスクリームよりも乳脂肪分の使用量が少ない氷菓の分類に入るサクッとした食感が特徴のシャーベットのような氷菓子です。砂糖や卵、脱脂粉乳などが原料に使われていて、黄色い色味でアイスクリームにそっくりな見た目となっています。

そんなアイスクリンは現在、主に高知県や沖縄県で販売されていて、特に高知の名物スイーツとして有名です。高知では子供からお年寄りまで幅広い世代に愛されています。県内では高知城や龍河洞などの観光地にはもちろん、国道沿いや道の駅など色々なところでアイスクリンを販売する移動式の販売店を見ることができます。

アイスクリンの味

アイスクリンの味はアイスクリームよりもあっさりとしており、ミルクセーキに似た味わいです。その甘くて優しい風味がやみつきとなります。定番の黄色いものはバナナの香料が使われていて、カスタードとバナナを合わせたような味となっており、何個でも食べれてしまう美味しさだそうです。

それ以外にも抹茶ゆずあずきなどバラエティ豊かなフレーバーが楽しめますが、そんな中でもやはり王道のバナナ味がダントツで1番人気となっているようです。口当たりも味と同様にアイスクリームよりもあっさりとしていて、独特のサクサク感とシャリシャリ感があり、これもまたアイスクリンの魅力の1つとなっています。

口コミ情報

暑い日にはアイスクリームよりもあっさりとして、軽くてくちどけ良いのアイスクリンを食べたくなるという声が見られました。また、コーンの上に乗った丸いアイスが親しみやすくてかわいらしいというのも人気の理由の1つのようです。

初めて食べても何故だか懐かしく感じてしまうという声も多くみられました。いい意味でチープな味がまた食べたくなるようです。また、アイスクリームよりも値段が安くて、カロリーが低いということもアイスクリンをリピートしてしまう魅力となっています。

アイスクリンの歴史

食べると何故だか昭和を感じるような昔懐かしい味のアイスクリンは、一体いつどこで誕生したのか気になりませんか?高知の名物スイーツとして有名ですが、実は発祥地は高知県ではないのです。ではどこで誕生し、なぜ高知名物になったのか、アイスクリームの歴史とともにアイスクリンの歴史を見ていきましょう。

初めてアイスクリームを食べたのは?

初めて日本でアイスクリームを食べたのは、横浜開港の翌年、1860年に日米修好通商条約推奨のために渡米した勝海舟や福沢諭吉などをはじめとする徳川幕府一行というのが定説になっています。米国に上陸した時の迎船の中でアイスクリームのおもてなしを受け、その模様を記した書物が残されているようです。

その書物である「柳川日記」には、「珍しきものあり。(中略)味は至って甘く、口中に入るる忽ち溶けて、まことに美味なり。之をアイスクリンといふ。」と記されています。初めて見て食べたアイスクリームの美味しさに目を丸くしたようです。

アイスクリンの誕生

今から遡ること約140年前の話です。横浜馬車道で町田房蔵という人物により「あいすくりん」は誕生しました。この人物は初めてアイスクリームを食べた徳川一行の1人です。彼が日本に戻った1869年に、その体験を生かして日本で初めてのアイスクリームである「あいすくりん」の製造販売を始めました。

すでに日本人に馴染みのあった氷を細かく砕いて砂糖や蜜をかけた氷水とともに、アイスクリームを「あいすくりん」と名付けて販売しました。ですが、牛乳・卵・砂糖を使用した「あいすくりん」は当時、技術上の問題から大変価格が高くなってしまい、庶民は手が出せるはずもなくほとんどの人が物珍し気に眺めるものだったようです。

高知名物になった理由

約20年前までは高知県や沖縄県だけでなく、全国各地で販売されていたアイスクリン。ただ当時のアイスクリンは非常に高価で、一部の富裕層と外国人位しか購入する事が出来なかったそうです。満足な利益を上げる事が出来ないアイスクリンは、こうして衰退の一途を辿って行くことに成りました。

また、当時は自転車で行商しなければならなく、行商人の負担が大きかったというも衰退した原因の1つだそうです。のちに自動車の普及が進み、そのドライバー目当てに道路脇で販売するアイスクリン屋が急増しました。高知名物として有名になったのは、高知に行商人が多かったことがマスコミで多く取り上げられたからだそうです。

 

アイスクリンの作り方

高知県や沖縄県などでは多く販売されていますが、それ以外の地域ではなかなかアイスクリンが食べられるお店はありません。ですが、実はアイスクリンはアイスクリームよりも材料も作り方もシンプルで単純なので、ご家庭でも簡単に作ることができます。

大手アイスメーカーのものもスーパーでは販売されていますが、手作りのアイスクリンはより昔懐かしい優しい味わいになります。そんな懐かしい味を自分の力で作ってみてはいかがでしょうか?

アイスクリームとの違い

アイスクリームとは乳固形分15%のうち乳脂肪分が8%以上含まれているもののことを指します。それに対してアイスクリンが分類される氷菓は、アイスクリーム類に分類されるアイスクリームやアイスミルク、ラクトアイス以外の一般食品という括りに入ります。乳固形分がほとんどなく、アイスキャンディーやかき氷などがあります。

原料の違いもありますが、作り方も異なります。アイスクリームは材料の混合・乳化・殺菌・冷却・エージング・凍結・硬化からなります。それに対してアイスクリンは、材料の混合・殺菌・攪拌凍結からなり、アイスクリームと比べると単純なので、ご家庭でも簡単に作ることができます。

材料

基本の材料は脱脂粉乳(牛乳)・砂糖・卵黄と大変シンプルで、たったこれだけの材料で作ることができます。アイスクリームと違って生クリームを使用しないのが特徴です。当時は物資の関係で生クリームや牛乳が手に入らなかったため、脱脂粉乳や卵をそれらの代用として使っていたそうです。

ですが、現在は牛乳よりも脱脂粉乳のほうが手に入りにくいので、代わりとして牛乳や練乳を使っても美味しく作ることができます。また、よりアイスクリンの食感や味に近づけたいときには低脂肪乳を使うのがおすすめです。

作り方

  1. 卵1つ・牛乳200cc・砂糖30g・練乳大さじ1をすべてミキサーに入れて、1~2分よく攪拌します。ミキサーがない場合は泡だて器でも代用できます。
  2. 殺菌する場合は火にかけて、1度冷まします。
  3. 容器に入れて冷凍し、途中で何度か混ぜたら完成です。

材料と同じように作り方も大変シンプルなので、ご家庭でも簡単に作ることが可能です。いつでもご家庭にあるような材料をしっかりと混ぜてから殺菌し、冷凍しつつ途中で何度か混ぜればいいので、時間があるときに作くれるようなものとなっています。

また、砂糖を黒糖で代用したり、蜂蜜やラム酒、レモンなどを加えてアレンジしているレシピも多くあるので、自分の好きな味にアレンジして作ってみるのもおすすめです。

高知名物のアイスクリンを食べてみよう!

高知名物のスイーツであるアイスクリンについて紹介しました。そのさっぱりとして優しい甘い味は子供からお年寄りまで幅広い世代に愛される、高知の人にとって親しみ深いスイーツのようです。ですが、その発祥は高知県ではなかったという驚きの事実もありました。

アイスクリンの誕生から高知名物になるまでの歴史もなかなか興味深いものであったのではないでしょうか?そんなアイスクリンは自宅でも簡単に作れるので、自家製アイスクリンを作ってみるのもおすすめです。また、高知県に観光に行く機会があったらぜひ1度食べてみてください!その懐かしい味わいに病みつきになると思います。

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