青のりとあおさの違いを解説!青のりのおいしい食べ方や栄養も解説

青のりというとお好み焼きや焼きそばなどさまざまな料理の香り付けとしても大切な食材ですが、それが本物なのかどうか考えたことはありますか?一般に出回っている青のりにはあおさという別物でありながらそっくりで同じ使い方をされる食材もあるのです。そんな見た目がそっくりな青のりとあおさの違いをはじめ、おすすめのおいしい食べ方や豊富に含まれる栄養にどんなものがあるのかまで紹介していきます。

青のりとあおさの違いを解説!青のりのおいしい食べ方や栄養も解説のイメージ

目次

  1. 1青のりは香り豊かで美味しい食材
  2. 2青のりとあおさの違い
  3. 3青のりの美味しい食べ方
  4. 4青のりの栄養成分と効果効能
  5. 5青のりを料理にプラスしてみよう

青のりは香り豊かで美味しい食材

青のりは川からの豊かな栄養と海からの豊かな栄養の両方を受けて育つ風味豊かな美味しい食材です。一般的な黒のりと違い鼻を抜ける香りはまさに磯の香りでありより強いのが特徴です。そんな青のりにも種類があるのを知っていますか?またあおさとも種類が違うものであるということも案外知られていないことでもあります。

青のりとあおさの違いからおすすめの美味しい食べ方や豊富に含まれている栄養まで、どんな食材なのかをたっぷりと紹介します。

青のりとあおさの違い

青のりと良く似たあおさとの違いにはどんな点があるのでしょうか?一般的にあおさは見た目ままに青のりとして売られています。ですが実際にそれぞれに大きな違いが数多くあるのです。見た目がそっくりな両者の違いをまとめてみました。

見た目は似ている

先にも紹介したように一般的に青のりとあおさを分けて扱うことは少なく、見た目そのままに統一して呼んでいることが多いです。実際パッと見ただけではどちらも同じきれいな緑色をしたのりにしか見えず違いはわかりません。せいぜいが地方で呼び名が違うだけにしか見えないくらい両者はそっくりなのです。

実は全くの別物

青のりとあおさはそっくりですが実際のところでは全くの別物なのです。見た目がそっくりなためどうしても混同しがちですが、その生息域からのりとしての種類に至るまでさまざまな違いがあるのです。そんな両者にはそれぞれはっきりとした特徴があります。青のりとあおさのそれぞれの特徴をまとめて比較してみました。

青のりの特徴

通常粉末状で売られている手ごろな価格のものの全てが青のりではありません。なぜなら本物は高級品のため値段が全く違うのです。ではその本物にはどんな特徴があるのでしょうか?どんな種類の海藻なのかから旬の時期などさまざまな特徴をまとめてみました。

アオノリ属

青のりはアオサ科アオノリ属に分類される海藻の総称です。その分布地域は寒帯から熱帯までとかなり広いですが、海水と淡水が混ざり合ういわゆる汽水域で育つ海藻でもあります。

養殖も広く行われていて多くの場合は天日干しして乾燥品にしてから粉状にされて出荷されます。色は緑の濃いものから薄めのものまでさまざまでもともとの形状は糸状なのも特徴のひとつです。

旬の時期

旬の時期は地方によっても若干違いがありますが一般的には12月~3月ごろの冬季が旬とされています。高知県の四万十青のりのように11月~2月ごろまでのものは寒のり、4月~5月のものを春のりと呼んで漁期や名前を分けている地域もあります。

また高知県では水温が約15度と安定した海洋深層水を使った通年栽培も盛んで、安定した水温のおかげで常に旬の青のりの栽培に成功しています。

香り

高級品になるほど濃厚で強い磯の香りがするのが特徴で、特に天日干しをすることでその香りがより深まるといいます。青のりにはジメチルサルファイドなどの特有の香り成分が含まれていて、浅草のりなどの紅藻類やワカメなどの褐藻類の数十倍もの量を含んでいるといいます。この香り成分により青のりは豊かな香りがするのです。

種類が豊富

青のりはその品種の多さも特徴のひとつです。太さはわずか1mmながら長さは30cm~80cmほどにもなり主枝から無数の枝を出すスジアオノリを始め、円筒形の根元から扁平になって上部に30cm~1mまで伸びることもあるヒラアオノリといった種類もあります。

この他にも外界から湾内の岩礁の多い地域に自生して、枝はほとんど出さないものの太さ2mm~8mmの円筒形で長さは通常10cm~20cm、中には1mを越すこともあるボウアオノリといった特徴的な種類もあります。さらにウスバアオノリなどさまざまな種類があるのです。

あおさの特徴

通常私たちが手にしている青のりのほとんどはこのあおさです。同じ仲間の海藻でありながらなぜここまで値段に差があるのでしょうか?今度はこちらがどんな海藻でありどんな特徴があるのか、旬を始めさまざまな面からまとめてみました。

アオサ属もしくはヒトエグサ属

通常はアオサ科アオサ属の海藻の総称として使われますが、地域によってはヒトエグサ属のヒトエグサもあおさのりとして扱われます。ヒトエグサは主に佃煮の材料として使われますが乾燥させて粉末にして青のりとしても使われます。特に西日本ではヒトエグサがあおさとして乾燥のりとしても利用されているのが目立ちます。

実際九州周辺から西日本の太平洋沿岸が主な産地になっていて、浅い海で浮遊していたものが岩などにくっついてある程度水温が高い場所で育ちます。こちらもオオアオサやアナアオサなどの種類があり、20cm~30cmの所々切れ込みが入ったような円形をしています。時には大繁殖することもあり養殖もされています。

旬の時期

旬は地域によって若干の差はあるものの、こちらも1月~5月の冬の寒い時期から春ごろにかけてが旬です。普段は代用品として使われることが多いですがヒトエグサも含め質の高い高級品は乾燥したそのままの状態で袋売りされることも多く、吸い物や味噌汁の具としても良く使われます。

香り

本物の青のりと比べるとあおさの香りはやや落ちます。そのためもあって値段も下がるのです。ただしあおさの香りの特徴として熱に強いことがあげられます。そのため佃煮やトッピングにしても香りが飛びにくく使いやすい食材でもあるのです。

Thumbあおさとは?海苔・青のりとの違い6選と確実な見分け方も紹介! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

青のりの美味しい食べ方

青のりというと普段はお好み焼きや焼きそばなどのトッピングとして使うことがほとんどではないでしょうか?ですが本来のその味はトッピングだけではもったいない深い味わいを楽しむことができるのです。本物だからこそ味わいたいおすすめの食べ方を紹介します。

青のりの選び方

その魅力ある味わいを存分に堪能するのであれば天然ものの天日干し加工されたものが一番おすすめです。緑が鮮やかで香りの良いものを選ぶようにするのがコツです。すでに粉砕された粉状のものも良いですが、すじ状のそのままの状態で袋詰めされて売っているものもあるのでそちらもぜひ一度試してみるのもおすすめです。

ごはんと食べる

天然ものの優良品を手に入れたらぜひ試して欲しい食べ方が、シンプルにフライパンなどで軽く炙っただけご飯に乗せる食べ方です。のり本来の香りと風味をストレートで感じることができます。おかゆや雑炊にしても口いっぱいに磯の香りが広がっていつもと違う最高の1杯になるでしょう。もちろん佃煮にしてもご飯と良く合い楽しめます。

お茶漬けにする

ご飯にただ乗せるだけでは物足らないという人はお茶漬けにしても良いでしょう。軽く炙ったのりを手で適当な大きさにちぎってから散らせば豊かな香りが一杯に広がります。お茶の香りとはまた違うのりならではの香りを楽しめるいつもと違った1杯になることでしょう。

天ぷら

てんぷらは青のり業者でもおすすめする最高の食べ方のひとつです。のりに衣を薄くつけてサッと揚げるだけでさくさくの天ぷらが出来上がります。おすすめは天つゆよりも塩で食べることです。さくっとした軽い歯ごたえと口いっぱいに広がる磯の香りが絶品の天ぷらの豊かな風味が楽しめます。お酒のつまみとしても最高のおすすめの一品です。

卵焼きに入れる

卵焼きに刻んだのりを入れてものりの鮮やかな緑色が映えてきれいな一品になるでしょう。特にお弁当用にするなら彩りとしても最高です。いつものように溶いた卵にのりを足すだけなので特にいつもと違う手間もかかりません。もちろんいつもの食卓に加えても卵の黄色とのりの緑がきれいな挿し色になるおすすめの一品です。

トッピングに使う

高品質ののりの緑の鮮やかさを活かしてトッピングに使ってもおすすめです。ワカメご飯ならぬのりご飯として混ぜご飯にしてみたり、和風パスタやサラダのドレッシングを始めとした洋食系の料理にも良く合います。もともと良く合うお好み焼きや焼きそばのトッピングはもちろん、納豆やとろろに混ぜてもいつもと一味違った味が楽しめます。

青のりの栄養成分と効果効能

青のりには海藻ならではの豊富な栄養が含まれています。海藻も緑黄色野菜に含まれるだけあってひとつの葉野菜でもあるのです。さらに海水由来のミネラルも豊富に含んでいます。青のりに含まれる豊富な栄養成分とその効果効能を紹介します。

ビタミンB1・B2

母子

ビタミンB群はエネルギーの供給や老廃物の代謝に補酵素として作用するため、不足するとエネルギーの循環が悪くなり疲れやすくなってしまいます。ビタミンB1は糖質の分解を助けてエネルギーに変える補酵素であり、脳を始めとした中枢神経や末梢神経を正常に保つ働きもある非常に重要な栄養成分です。

またビタミンB2は主に脂質の代謝に関わる補酵素であり、体内で過酸化脂質ができるのを防ぐ働きもあります。細胞の再生を促して健康な皮膚や髪を作り成長を促すビタミンでもあり、成長期の子供や女性の美容には欠かせない栄養成分でもあるのです。

タンパク質

青のりは100g中にタンパク質を18gも含む高タンパク食品でもあります。確かに乾燥したのりを100gも食べるのは大変ですが、栄養補給に優れた食品であることには変わりありません。タンパク質は人にとって身体を作るのに欠かせない栄養成分でありエネルギー源でもあるのです。

タンパク質は筋肉はもちろん皮膚や髪を作るのにも必要不可欠です。健康上も美容上も積極的に取りたい栄養素でもあるのです。もともとのり類には良質のタンパク質が含まれています。青のりも例外ではないため毎日の食事に積極的に取り入れたい食材なのです。

カリウム

カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスをとることで細胞を正常に保つ働きをしています。また神経細胞の情報伝達を助けたり心臓や筋肉機能を調節したりします。さらにカリウムは腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制して尿での排泄を促すため、血圧を下げる栄養素としても有名です。

また細胞の浸透圧を維持調整するために体内の水分調節も行います。そのため体内の余分な水分を排出することでむくみの改善にもつながるのです。万病の素ともいえる高血圧の改善にも美容のためのむくみ改善にも効果的な食材でもあるのです。

マグネシウム

ランニングマシンで走っている

マグネシウムはその50%~60%が骨に存在する骨の構成成分であり、また骨以外のさまざまな細胞内で約300種類の酵素の反応にかかわる重要なミネラルでもあります。エネルギーを作り出す働きに深く関与するミネラルでもあり、栄養素の合成や分解の過程や遺伝子からの情報を形にしたり神経伝達にも関係しています。

この他にもカルシウムと連動して筋収縮の制御に関わったり血管を拡張して血圧を下げる効果もあるのです。また血小板が血管内で固まって血栓を作りにくくするなど生命維持に欠かせないミネラルのひとつであり、欠乏すると骨から補われるため骨粗しょう症の原因にもなってしまうのです。

カルシウム

体内にあるカルシウムの99%は骨や歯にあります。残りの1%が血液などの体液の中や筋肉などの組織にあって、怪我をしたときに出血を止める働きの他に神経伝達に関わることで筋肉の収縮や神経の興奮を抑える作用があります。カルシウムは生命の維持に重要な働きをしていることから不足すると骨から補われます。

女性の場合は特に閉経後に骨から流出するカルシウムの量が骨の再形成の際に補われる量を上回るため、骨粗しょう症になりやすい理由になっています。青のりは骨の健康のためにも必要なカルシウムを補えるため、さまざまな料理に取り入れて積極的に摂っていきたい食材なのです

βカロテン

βカロテンとはカロテノイドという色素の一種であると同時に、最も多く植物中に存在する脂溶性色素でもあります。βカロテンは体内でビタミンAに変換することで皮膚や粘膜を丈夫にしたり、免疫力を強化することでガンの予防にも効果があるだけでなく、視力を維持して夜盲症などの目の病気を予防する効果もあります。

βカロテンは抗酸化作用もあるため活性酸素を除去することで、アンチエイジング効果を始めさまざまな健康効果も期待できます。ビタミンAに変換される栄養素には動物性食品に含まれるレチノールがありますが、カロテノイドはレチノールと違い必要な量だけビタミンAに変換されるため過剰症の心配がないのも優れた点なのです。

Thumbあおさの栄養と効果効能まとめ!美味しい食べ方や青のりとの違いは? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

青のりを料理にプラスしてみよう

普段私たちが手にしている青のりの多くは代用品であるあおさです。ですがそんな代用品とは違い本物はさまざまな食べ方でその風味を存分に楽しめる優れた食材でもあります。時には本物の青のりを購入してみてその風味を食卓に取り入れてみませんか?いつもの料理が一味違ったものとして大いに楽しむことができるはずです!

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