ギアラ(赤センマイ)とハチノスは牛肉のどこの部位?味の特徴や食べ方など

ギアラとハチノスって?何だか分かりますか。怪獣の名前ではありません。牛は第一から第四までと長い胃を持っていますが、その牛肉の中で牛ホルモン肉と呼ばれる部位があります。第一胃から第四胃まで順に並べると、ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラとなります。その他に、ヤンと呼ばれる希少部位もあります。牛ホルモンの部位別の味や栄養価、あるいは焼き方や食べ方などの特徴を探って、詳しく紹介いたします。

ギアラ(赤センマイ)とハチノスは牛肉のどこの部位?味の特徴や食べ方などのイメージ

目次

  1. 1ギアラ(赤センマイ)とハチノスが肉のどこの部位か知ってる?
  2. 2ギアラの部位ついて知ろう
  3. 3ギアラの栄養
  4. 4ギアラの焼き方
  5. 5ギアラの食べ方
  6. 6ハチノスの部位について知ろう
  7. 7ハチノスの栄養
  8. 8ハチノスの焼き方
  9. 9ハチノスの食べ方
  10. 10ギアラやハチノス以外の牛ホルモン
  11. 11ギアラとハチノスなど牛肉の部位の違いを味わおう

ギアラ(赤センマイ)とハチノスが肉のどこの部位か知ってる?

「ギアラ」(赤センマイ)と「ハチノス」が肉のどこの部位か知っていますか?耳にしたことはあるけれど、さて?どこの部位かと問われると、答えにつまるのが大方の人ではないでしょうか。この記事では、そんなギアラやハチノスについて、詳しく探ってみるつもりです。

ご承知のように牛には胃が複数ありますが、ギアラやハチノスはその牛の胃の一部です。他にも、ミノやセンマイあるいはヤンなども牛の胃です。たくさんある牛の胃のうち、ギアラとハチノスを中心に部位や特徴、栄養素とか、焼き方や食べ方などにいたるまで、詳しく調べて解説していきます。

ここでは、牛肉の胃の一部位であるギアラやハチノスなどの総称として、牛ホルモンと呼びます。ホルモンというのは枝肉にたいする牛肉を仕分けする一呼称です。横隔膜の内側の部位の肉全体(いわゆる内臓肉)をホルモンと呼ぶのが正解です。

したがって、ホルモンには、胃だけではなく腸や肝臓、腎臓あるいはハラミなどまでが含まれるのが本当のところです。この記事では牛肉の胃に当たる各部位の総称として、牛ホルモンと呼ぶことをお断りしておきます。

ギアラの部位ついて知ろう

ギアラ(赤センマイ)が牛肉の複数ある胃のうちの、一部位であることは冒頭に述べました。牛には胃が四つある中で、ギアラは第4の胃にあたります。そんなギアラという部位の牛肉について、もう少し詳しく味や食感の特徴から栄養成分にいたるまでを解説していきます。

ギアラは第4の胃

牛には胃が4つあります。第1の胃が「ミノ」第2が「ハチノス」第3が「センマイ」、そして第4の胃が「ギアラ」です。別に、ハチノスとセンマイの間に「ヤン」という、ごくわずかな部位もあります。生物学的には、ギアラだけが本来の胃にあたります。第1~第3までは胃ではなく、本来の食道が変形し進化したものと考えられます。

ギアラは唯一胃液を分泌する消化器官ですが、他の部位は牛特有の「はんすう」という作業をする器官です。胃と食道との違いがギアラと他の胃の部位で、食感や味が異なる要因でもあります。ギアラの重量は、牛の全胃袋の7%程度にしかすぎません。ちなみに、牛の胃袋の重量構成比で言えば、80%という大部分はミノという部位になります。

ギアラというオドロオドロしい名前の由来はというと、定かではありませんが、終戦直後米軍基地で働いていた人の報酬(ギャランティ)代わりにギアラが充てられたことが始まりのようです。関西の方では偽の腹という意味で、偽腹(ギバラ)が訛って伝わったよいう説もありますが、こちらはちょっと疑わしい気もします。

味と食感の特徴

ギアラはほんのり赤身がかった色をしていて、他の胃と比べても表面に凹凸が少なくなめらかで、柔らかく噛み切りやすい特徴を備えています。脂肪も適度についていて、濃厚な甘みにつながっています。ギアラの味と食感の特徴は、焼き方や味付けなどの食べ方に、注文がつかない用途の広さにあります。

また、ギアラには赤ギアラと白ギアラの違いがあって、赤ギアラはコリコリとしたさっぱり感があるのに対して、白ギアラは肉厚で脂肪もたっぷりあり濃厚な味になります。白ギアラの方が極上の腸の部位に当たる牛ホルモンに似ていて、牛ホルモン好きにはこちらを好む人が多いようです。

牛ホルモン全体に言えることですが、ギアラも美味しく食べるためには、下処理が重要な要素になっています。ギアラの表面のヌメリを丁寧に落とし切ることで、臭みのない上品な甘みが出てきます。

ギアラの栄養

牛ホルモンとしてのギアラの栄養成分は、ギアラ100g当たりカロリーが329kcalです。肉類に中でも高い方と言えます。三大栄養素は、たんぱく質が11.1gで、脂質が30.0g、炭水化物は含みません。他の栄養素としては、ビタミン・ミネラルのうちビタミン12とkが、飛びぬけて豊富に含まれています。

脂質には一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれていて、コレステロールも牛レバー並みに高い数値となっています。

ギアラの焼き方

牛ホルモンである、ギアラの牛肉としての部位などの特徴をみてきました。そんなギアラを、どう美味しく食べるか?ギアラの焼き方や食べ方を紹介していきます。

ギアラの焼き方は、表面をしっかりと焼き上げる、ミディアムレアの焼き方がおすすめになります。表面に焦げ目ができて、ギアラ自体がぷっくらと膨らんできたら、焼き方はOKです。こうすることによって、ギアラの中の脂を落とさないで、濃厚な甘みを味わうことができる焼き方になります。

食べ方は、あくまでも個人の好みになりますが、逆に脂までしっかりと落とす焼き方で、ヘルシーに食べるのもアリです。

ギアラの食べ方

ギアラは牛ホルモンの中では、比較的に枝肉に近い食べ方ができる部位になります。味付けも醤油ダレ・味噌ダレ・塩ダレなど食べ方を選ぶことがありません。一口一口食べ比べる食べ方もおすすめです。胃だけではなく、腸までふくめた牛ホルモンの中で、ギアラは味や食感で一番の牛ホルモンと言えるかもしれません。

おつまみとしても、ビールはもちろんワインや日本酒などにも相性は良く、かなり融通が利くギアラです。

ハチノスの部位について知ろう

4つある牛肉の胃の部位の中で、第4の胃「ギアラ」につづいて第2の胃「ハチノス」を紹介していきます。ハチノスの部位から味や食感、あるいは栄養成分、ハチノスの焼き方や食べ方などにいたるまで詳しく紹介します。

ハチノスは第2の胃

牛肉の4つある胃のうち、第2番目の部位に当たる「ハチノス」は、全胃袋の重量比で5%ともっとも少ない部位になります。名前の由来は誰もが納得する、まさに蜂の巣のような、その形状になります。ハチノスは日本での焼肉以上に、イタリア料理の「トリッパ」や中華料理の「炒め物」などに利用されている、けっこう有名な食材です。

ハチノスを食べるには、酒などを使って長時間茹でるなどの、下処理に手間暇がかかるのが特徴でもあります。じっくりと煮込めばハラミのような柔らかい食感になります。けれども、下処理がめんどうなこともあって、一般の焼肉店では見かけることが少ない食材です。

ハチノスにはコラーゲンがたっぷりと含まれている上に、あっさりとした食べやすさが、見た目の印象以上に人気の秘密にちがいありません。

味と食感の特徴

しっかりと下処理された、ハチノスの味と食感の特徴は、臭みもなくあっさりとした風味で、モニュとした弾力があります。噛みしめると、なんとも表現のしようがない、独特の味わいを感じることができます。

下処理前のハチノスは黒いのですが、皮をきれいに剥ぎ取ると真っ白な表面になります。焼き肉店でメニューにあったのら、試しにぜひとも食べることをおすすめします。

ハチノスの栄養

牛肉の胃の部位である、ハチノスの栄養成分について紹介します。ハチノス100g当たりのカロリーは200kcalです。ギアラより大幅に低いカロリーになっています。三大栄養素は、たんぱく質が12.4gで、脂質が15.7g、炭水化物はやはりゼロです。ギアラと比べると、脂質が少ないのも特徴になっています。

ビタミン・ミネラルでは、ギアラ同様にビタミン12とKが豊富に含まれています。ミネラルでは亜鉛の豊富さが目立ちます。ホルモンとしては、ハチノスはそれほど高カロリーでも高脂質でもないと言えます。

ハチノスの焼き方

ギアラに次いで、ハチノスの焼き方や食べ方を紹介していきます。ハチノスは焼肉店ではあまりポピュラーなメニューではありませんが、味も食感も捨てがたい魅力をもっています。そんなハチノスの焼き方や食べ方を紹介します。

前章で紹介したように、ハチノスにはしっかりと加熱による下処理が施されています。したがって、レアでも問題なく食べることができます。おすすめの焼き方は、表面をサッと炙ったらそれでOKです。むしろ、焼きすぎるとせっかくの柔らかさが台無しになって、ふたたび硬くなってしまいます。

ハチノスの食べ方

牛ホルモンのハチノスの食べ方を紹介します。ハチノスにからめる味付けは、焼肉一般の甘めなもみタレが一番のおすすめになりますが、好みで塩タレも十分にOKです。焼き方でも述べたように、焼きすぎはノーグッドになります。

おつまみとして食べる場合のアルコールには、定番のビールはもちろん、ワインなら白がおすすめで、焼酎や日本酒もさっぱり系ならばよいでしょう。ハチノスは焼肉店で一度は味わってみたい一品です。

ギアラやハチノス以外の牛ホルモン

これまで述べてきたようにギアラやハチノスは牛ホルモンですが、その他にも牛の胃である牛ホルモンがあります。第1の胃「ミノ」や第3の胃「センマイ」そして、第2の胃ミノと第3の胃センマイとの間にわずかな量だけ存在する「ヤン」です。ギアラやハチノス同様に、ミノやセンマイ、ヤンが、どんな牛ホルモンかを紹介していきます。

第1胃のミノ

牛ホルモンで第1胃のミノは、全胃袋の重量構成比でいえば、ほとんどの80%を占める量があります。牛の胃は、ほとんどがミノとも言えます。ボリュームたっぷりのミノは、肉厚で白い色をしています。ミノの特に分厚い部分は「上ミノ」あるいは「ミノサンド」と呼ばれています。

ミノは、他の胃の部位と比べても、もっとも歯ごたえがある部位で、コリコリとした食感とほのかな甘みがあります。ミノ自体にはっきりした味はないために、味噌ダレなどの濃い味付けで食べるのが一般的です。ミノの皮の表面には繊毛が密集しているので、皮を剥ぐことでこれを取り除きます。

ミノには包丁目が入れられていますが、これは硬いミノを食べやすくするためです。わずかに臭みがあるのが難点かもしれません。よく焼きのウエルダンがおすすめになります。

第3胃のセンマイ

牛ホルモンで第3胃のセンマイは、全胃袋の重量構成比でいうと、7%程度しかありません。センマイは内壁にいくつものひだが重なり、無数の突起があります。コリコリとした食感が特徴の牛ホルモンになります。黒い色をしていますが、これは丁寧に湯引きなどの下処理をして、皮を剥げば白い色を表します。

白センマイは、比較的に高級な焼肉店のメニューとしてあります。さっぱりとした味わいも特徴です。生センマイなどで、メニューが表示されていますが、基本的に生では食べられません。すべて一度茹でてあります。センマイそのものに味はなく、少しザラっとした舌触りと歯ごたえが特徴です。

低脂質低カロリーなヘルシー食材でもある、センマイは酢味噌やごまダレで食べるのが一般的ですが、焼肉として塩ダレや醤油ダレなどの、シンプルな味付けもおすすめになります。焼き方は、表面だけカリッと焼く、ミディアムレアが適しています。

希少部位のヤン

第2胃のハチノスとと第3胃のセンマイの間にある、あまり聞きなれないヤンという稀少部位について紹介します。ヤンはハチノスに付いているコブのような存在です。そのために、「ハチコブ」とも呼ばれたりしています。ヤンは牛1頭から数百グラムしか採れないような、超希少部位になります。

ホルモンについての下処理の重要さは、これまでにも再三述べましたが、ヤンに関しては下処理が決定的になります。鮮度が良くて、丁寧に上手く下処理されたヤンは、弾力のある食感と濃厚な脂の甘みや旨みが、アワビのような味わいをもたらしてくれます。

牛ホルモンを食べるのなら、一度でよいからヤンを食べる至福に巡り合いたいものです。和牛は枝肉も魅力ですが、このようにギアラやハチノス、ミノ、センマイに加えてヤンなどという超希少部位まであるのが、牛ホルモンの奥深さと言えます。

ギアラとハチノスなど牛肉の部位の違いを味わおう

牛の胃の部位である、牛ホルモンの中からギアラとハチノスを中心に、紹介解説してきました。ギアラやハチノスの部位や味と食感などの特徴、焼き方や食べ方あるいは栄養成分に至るまで、詳しく紹介してきました。また、ギアラやハチノスの他にも、牛ホルモンとしてミノやセンマイの他に、超希少部位のヤンという珍しい部位まで知りました。

牛肉は枝肉ばかりが牛肉ではない、ということと、ホルモンの中にも幾多の種類があり、中々の逸品も含まれていました。この記事を参考にして、ギアラやハチノスなど牛肉の部位の違いを味わおう!ではありませんか。

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