生ハムは「生」じゃない?生ハムとハム/プロシュートの違いとは?
生ハムを食べたことありますか?皆さんは生ハムと普通のハム、プロシュートの違いを知っていますか?原料の豚肉を燻製して作られている生ハムですが、生ハムの原産の国や世界三大生ハムと呼ばれる種類の生ハムも存在しています。今回の記事ではそんな生ハムの違いや世界三大生ハムの種類、熟成された生ハムの食べ方やおすすめの生ハムレシピについても紹介しているので、生ハムを食べる際の参考にしてください。
目次
生ハムは「生」ではない?
レストランやスーパーなどでも見かけることがある生ハムですが、生ハムは「生」のハムではないことを知っていますか?生ハムの原料は豚肉を使っており、豚肉を低温で燻製し、湯煮をしないハム、または燻製せずに乾燥させたハムを指します。
生ハム自体は紀元前3500年には存在したとされており、中国ではもっと昔から存在していた保存食となっています。
しかし、日本での歴史は浅く、幕末にオランダから長崎に伝来したものの、その作り方が伝わったのは1917年以降となっています。
生ハムとはどんなハム?
最初に生ハムの特徴について紹介していきます。生ハムという言葉聞いたことあるけど、どんな食材かわからないという人も多いのではないでしょうか?まずは生ハムについて知っておきましょう。
長期熟成されたハム
生ハムを一言で表すと長期熟成させたハムとなります。肉類を口にする場合は殺菌処理をする必要があり、通常は加熱で殺菌処理を行いますが、生ハムは塩分を強くして塩漬けにすることで殺菌処理を行っています。
さらに2~3年長期熟成させて乾燥させる過程で菌を死滅させています。長期熟成をさせることでボイルが必要のない状態を作り出しています。
始まりは保存食
生ハムは実は保存食として作られたのが始まりとなっています。長期熟成しているため、通常のボイルしたハムよりも保存期間が長いです。
中国では紀元前から長期間保存できる食料として熟成させた生ハムが作られており、非常に歴史のある食料ともいえます。冷暗所で乾燥させながらも長い時間をかけて熟成される生ハムは熟成の過程ですでに保存期間に入っているといってもいいでしょう。
生ハムと普通のハムとの違い
生ハムの製造方法と生ハムの特徴について紹介してきましたが、続いては生ハムと普通のハムの違いについて紹介していきます。
生ハムと通常のハムの製造過程の違いや原料の違い、生ハムと通常のハムの味の違いについても紹介していきます。
生ハムの製造工程ではボイルしない
最初に紹介する生ハムと通常のハムの違いは、その製造工程です。通常のハムの製造工程は原料の豚肉を塩漬けにして、ケーシングしタコ糸で縛ります。その後燻製してボイルで茹で、冷やして完成します。
一方生ハムにボイル工程は存在せず、燻製も通常のハムよりも低い温度で1~3週間ほどかけて行われています。生ハムと通常のハムの製造工程で大きな違いはボイルをしているかどうかです。
原料はもも肉のみ
生ハムと通常のハムは原料にも違いがあります。通常のハムはもも肉をメインにしていますが、他にも様々な部位が使われています。名前もロースハム、ボンレスハム、プレスハムなど多くの種類があります。
これらに対して生ハムは基本的にもも肉のみを原料にして作られています。また、保存性を上げるために調味料は塩のみが使われています。
生ハムと普通のハムとの味の違い
最後に生ハムと通常のハムの味の違いについて見てみましょう。生ハムの原料は基本的にもも肉となっていますが、その他に調味料も塩のみが使用されています。
生ハムの味は塩分が濃い目で通常のハムと比べてもしょっぱい味わいとなっています。そのため、生ハムは果物と一緒に食べるなど特殊な食べ方も存在しており、コース料理ではオードブルに向いている食材といえるでしょう。
生ハムとプロシュートの違いは燻製?
生ハムと通常のハムの違いについて紹介してきましたが、続いては生ハムとプロシュートの違いについて紹介していきます。
プロシュートという名前は聞いたことあるけど、どういうふうに作られているのかわからない、生ハムとの違いがわからないという人も多いのではないでしょうか?
日本でプロシュートと言えば?
一般的に日本でプロシュートと呼ばれている生ハムは燻製されていないものを指しています。プロシュートは限りなく生に近いハムとなっています。
プロシュートは熟成に1~2年ほどかけるのが特徴で、皮つきのまま塩漬けにするため、塩分が低くまろやかな味わいの生ハムとなっています。
プロシュートのイタリア語の意味
日本でプロシュートは燻製されていない生ハムのことを指しますが、プロシュートのイタリア語の意味はなんでしょうか?
イタリアでは加熱しないもの(生ハム)のことは「プロシュット・クルード」、加熱処理をした生ハムのことは「プロシュット・コット」と呼ばれています。そして、「プロシュート」とはイタリア語で「とても乾いた物」という意味があります。
世界三大生ハムの種類
日本では燻製されていないイタリア原産の生ハムのものは「プロシュート」と呼ばれていますが、生ハムの種類はどのくらいあるのでしょうか?
続いては世界三大生ハムと呼ばれている生ハムについて紹介していきます。世界三大生ハムの種類と原産となっている国も一緒に見てみましょう。
イタリア原産のプロシュート・ディ・パルマ
最初に紹介する世界三大生ハムの種類の1つはイタリアが原産の「プロシュート・ディ・パルマ」です。別名「パルマハム」とも呼ばれており、イタリアのパルマ近郊で作られている世界三大生ハムの1種類となっています。
薄くスライスしたパルマはイタリアの過程では子供の離乳食から消化の弱いお年寄りまで安心して食べることができる生ハムとして長年愛され続けています。
前菜やおつまみ、サンドイッチなどに使われており、スライスするだけで時間帯を問わずに使うことができることもあり、イタリアのお母さんたちが重宝している食材でもあります。
スペイン原産のハモン・セラーノ
次に紹介する世界三大生ハムの種類の1つはスペインが原産の「ハモン・セラーノ」です。ハモンは熟成したハムのことを指し、セラーノや山のという意味があります。
ハモン・セラーノは鮮やかなピンク色の生ハムで柔らかい食感と塩味が特徴的な生ハムとなっています。薄くスライスしてメロンなどの果物と一緒に食べる他、煮込み料理などの食材としても広く用いられています。
中国原産の金華ハム
次に紹介する世界三大生ハムの種類の1つは中国が原産の「金華ハム」です。金華ハムは中国の浙江省の金華地区が原産のハムとなっており、上記の2つと並んで世界三大ハムの1種類となっています。
金華ハムは食肉加工食品としてはかなり水分が少ないのが特徴となっています。金華豚はスープなどに使われることが多く、燻製して生ハムにしても非常に美味しい食材です。
生ハムの美味しい食べ方
生ハムの種類やそれぞれの特徴について紹介してきましたが、続いては生ハムの美味しい食べ方について紹介していきます。
シンプルにそのままいただく
最初に紹介する、生ハムでおすすめの美味しい食べ方はシンプルにそのまま食べることです。生ハムは塩漬けにして長時間燻製させた料理となっています。
そのため、塩味が強くそのままでもおつまみなどにすることができます。そのまま食べることで生ハムのシンプルな味を思う存分に感じることが可能です。
フルーツと組み合わせる
次に紹介する、生ハムでおすすめの美味しい食べ方はフルーツと組み合わせることです。生ハムは塩分が強く、果物と組み合わせても美味しく食べることができる珍しい肉料理となっています。
生ハムと相性がいい果物としてメロンが挙げられますが、他にも桃や梨、イチジクといった果物とも非常に相性がいいです。
冷製料理として
次に紹介する、生ハムでおすすめの美味しい食べ方は冷製料理として食べることです。冷製料理とは作ってから冷たくして提供する西洋料理で、コールドビーフ、ゼリー寄せなどの料理がそれらにあたります。
加熱を必要としない生ハムも冷製料理には向いており、様々な野菜などと組み合わせた料理が非常に美味しいです。
パスタやピザのアクセントに
最後に紹介する、生ハムでおすすめの美味しい食べ方はパスタやピザのアクセントにして食べることです。生ハムはパスタやピザとの相性もよく、アクセントなどによく利用されています。
生ハムのおすすめレシピ
最後に生ハムを使ったおすすめのレシピについて紹介していきます。生ハムを使ったレシピは多く存在しており、相性のいい食材もたくさんあります。生ハムを使ったレシピを覚えて、家で作ってみてはどうでしょうか?
マッシュルームの生ハム詰め
出典: http://iewine.jp
- マッシュルーム1パック
- 生ハム2枚
- にんにく小1片
- オリーブオイル大さじ2
- 塩コショウ少々
- お好みのハーブ少々
- マッシュルームの汚れを落として芯をくりぬきます。耐熱の商機に並べて塩コショウを振ります。
- 芯と生ハム、にんにくをみじん切りにしてオリーブオイルを少々入れて混ぜます。
- 2をくりぬいたマッシュルームに詰めて、上からオリーブオイルをたらし、オーブンで7から8分焼いたら完成です。
生ハムを使ったおすすめのレシピは「マッシュルームの生ハム詰め」です。芯をくりぬいたマッシュルームにニンニクと生ハムを詰めて焼いた料理となっており、ワインとの相性も抜群です。
生ハムの種類を参考に食べ比べてみてはいかが?
生ハムの特徴や通常のハムとの違い、生ハムの種類について紹介してきましたが、どうだったでしょうか?生ハムは歴史も古く、昔から保存食として愛され続けた食料となっています。
今では生ハムを使ったレシピも多く存在しており、ワインのつまみやパスタのアクセントなどにも使われることが多く、ぜひ家でも生ハムを使ったレシピに挑戦してみはどうでしょうか?