白米のカロリー・糖質はどれくらい?ご飯一杯の正しい食事方法とは?
白米はカロリーを気にしその必要な栄養までも無視して抜いてしまう人も多いのではないでしょうか?一時話題になった低炭水化物ダイエットですが、正しい方法で行わないと身体に必要な栄養素が不足してしまいます。白米のカロリーを知ることで正しいダイエットが行えます。
目次
日本人なら知っておくべき「米」の話
日本人と白米の歴史
お米は日本の象徴といっても過言ではないほど日本の風景に馴染みがあります。稲穂のどれくらいの本数が茶碗一杯分のお米になると思いますか?その本数はなんと約40本分です。農家のみなさんが丹精込めて育てたお米をダイエット中だからと敬遠せずしっかり食べたいものです。
日本にあるお米の品種はどれくらい?
日本で品種登録されている米の種類はどれくらいあると思いますか?よく聞くところで「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」「あきたこまち」や最近よくCMなどでも耳にするようになった「ななつぼし」や「ゆめぴりか」など各地で開発されたお米も含め、現在日本にあるお米の種類はなんと400以上もあります。ほとんどのお米の元は「コシヒカリ」から品種改良されたものです。
精米で変わる「白米」のカロリーと栄養成分
白米は玄米を精米することで玄米から糠(ぬか)と胚芽を除去したもののことですが、実はこの排除した部分にお米の栄養がたくさん含まれているのです。では精米によってどれくらい栄養分やカロリーがちがってくるのでしょうか?
白米100gあたりのカロリーは168kcal、玄米100gあたりのカロリーは165kcalとなりなんと白米の方がカロリーでみると少し高めになります。意外ですが栄養をそぎおとした玄米の方がカロリーが低めでダイエットに向いている理由は、玄米の栄養分がダイエット効果を発揮しているからです。
精米機の選択ボタンで白米の栄養の量を自分好みに!
田園が近所にある地域の多くで農協やスーパーの駐車場、田んぼ脇の道路付近などに精米所があるのを見かけませんか?いったいどんな人が使っているのでしょう。精米所は持参した玄米を精米する機械が設置してあり、お金を入れれば好きなつきかた(玄米を精米することを「米をつく」といいます)を選択して玄米を精米することができます。ではどれくらいのつき方がいちばん良いのでしょうか?
精米機には「ぶつき」コースがあり、精米具合を選択できます。玄米にできるだけ近いのは写真の精米機では「3ぶ」です。また自宅に精米機があっても毎回茶碗一杯分だけというのは面倒ですが、週に2~3回分まとめてならスーパーで買うよりも酸化の少ない美味しいお米を食べることができます。精米のつき方を選んで、その日のおかずにあったお米をつくことができて便利です。
つきたてが一番美味しいといわれる理由は、精米後の米が空気に触れることで酸化しやすくなるからです。もともと米はぬかによって酸化から守られているため、そのぬかを取り除いてからすぐの酸化される前のお米が一番美味しいというのは当然の話です。
玄米は完全食ではない?注意して欲しい玄米の食べ方
玄米は健康に良いというイメージがありますが、実は食べ方をきちんと理解しておかないと体によくない物質が含まれているということはご存知でしょうか?白米よりカロリーの少ない玄米に置き換えるのであればまずは知っておくべきことがあります。
玄米に含まれる人体に悪影響を及ぼすと言われる成分「フィチン酸」とは?
「玄米を食べ続けると栄養が足りなくなって実は健康に悪い」というのを聞いたことはないでしょうか?その原因は玄米に含まれるフィチン酸とアブシジン酸という物質です。この成分は玄米が発芽すると減少または無毒化します。
上の写真左の玄米をつくと右側の白米になります。玄米に含まれるフィチン酸という成分は鉄分などのミネラルと結合して体の外に排出してしまう働きがり、食べ続けるとミネラル不足に陥り命に危険を及ぼすといわれていました。しかし近年の研究結果によればこのフィチン酸による血液中のミネラル濃度に影響はないことが科学的に証明されました。
玄米に含まれる人体に悪影響を及ぼすと言われる成分「アブシジン酸」とは?
アブシジン酸は玄米の発芽抑制因子で、種子(玄米)を乾燥から守る働きがあります。このアブシジン酸は人の体内で大量に活性酸素を発生させ、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアを傷つけ免疫力を低下させる作用があるといわれています。ちなみに発芽するとアブシジン酸は無毒化します。ほかにもまた残留農薬などの心配があることから玄米は食べ方に注意が必要なのです。
白米より玄米、それよりも発芽玄米!発芽玄米の栄養は?
健康を考えて玄米を食べるとなると「フィチン酸」や「アブシジン酸」の心配がついてきます。そこでおすすめなのが「発芽玄米」です。先にあったようにこの二つの成分は発芽すると消えてしまいます。発芽玄米とは玄米を発芽させたお米のことで、玄米より食べやすくなるうえ玄米より栄養価がさらにアップします。しかし発芽玄米は発芽して再び乾燥させてしまうと無毒化したアブシジン酸が再び活性化して危険と言われます。
発芽玄米を食べるなら発芽したてがベスト!
玄米をぬるま湯に漬け2日ほどで芽が出ます。この状態が一番栄養価が高い本当の発芽玄米になります。この状態の玄米を食べるために専用の炊飯器が販売されています。しかし玄米には残留農薬の危険性もありますからこのような食べ方をするなら無農薬かそれに近いものでなければ意味がありません。
つきたての美味しいお米が一番!
玄米や発芽玄米に比べると白米の栄養価は落ちます。しかし白米に栄養がないわけではありません。ダイエットをしたことがあるなら白米のカロリーは気にしたことがあるはずで、カロリーがあるということはなんの栄養価もないというわけではないということです。白米の栄養をきちんと見直すことで正しいダイエットを心がけましょう。では白米にはいったいどれくらいの栄養が含まれているのでしょうか?
白米に含まれる栄養は糖質・タンパク質・脂質のほかにもビタミンB1・B2・Eやカルシウム、鉄分やマグネシウムと亜鉛、そして食物繊維が含まれています。玄米に比べると少なくはなりますが、あとは一緒に食べるおかずでバランスを摂るようにします。
実はそんなに高くない?白米のカロリー
茶碗一杯の白米のご飯のカロリーは?
ダイエット中に敬遠されがちなご飯ですが、どれくらいのカロリーがあるのでしょう?ご飯100gあたりのカロリーは168kcalで、茶碗一杯(約150g)のカロリーでは252kclになります。ご飯の三大栄養素タンパク質は3.75g、脂質は0.45g、炭水化物は55.65gです。マクドナルドのハンバーガーが275kcalなので比較するとかなりカロリーがあるように感じますが、一緒に食べるもので合計のカロリーがちがってくるのはわかります。
主食とされる「炭水化物」とそのカロリー
ダイエットの敵ともいわれる炭水化物のなかでも特にダイエットをはじめると食事の中でも量を減らされるのが、ご飯・麺類・パンです。100gあたりのご飯小盛り一杯のカロリーが168kcalでしたが、材料にバターを使う食パンだとカロリーは264kcal、パスタのみで149kca、蕎麦が114kcal、そしてうどんが105kcalとなります。こうしてみるとご飯のカロリーは特別高いわけではないことがわかります。
ダイエットをしていて「炭水化物は糖質に変わる」と思っていませんか?そこで注目されるダイエットが糖質を制限するダイエットです。これは糖質に変わる炭水化物(ご飯などの主食になる食品)を食べないという食事制限をすれば痩せるという考え方から生まれたものです。しかしその結果体調を崩したり、挫折してリバウンドしてしまったりする原因となります。
そもそも「糖質」ってなに?
糖質は胃腸で吸収されて血液により全身に運ばれエネルギーとなったり、体内でブドウ糖に分解されて肝臓などに貯蔵されます。しかし糖質を過剰に摂取しすぎると血中のブドウ糖が急激に増えすい臓から大量のインスリンが分泌されて脂肪細胞にブドウ糖が運ばれ、これが中性脂肪となって太る原因になります。
糖質=砂糖=甘い=太るという連想をしてしまいいがちな糖質ですが、そもそも糖質とはなんでしょうか?ご飯などの炭水化物を口にいれよく噛んで食べると、やがて唾液と混ざり甘みが出てきます。この工程が炭水化物が糖質に変わるというイメージを生んでいます。しかし実はそうではなく、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせたもののことなのです。
食物繊維の働きとは?
食物繊維には果物などに含まれるペクチンなどの水溶性食物繊維と、小麦ふすまなどに含まれるセルロースのように水に溶けない不溶性のものがあります。特に水溶性食物繊維を多く含む食品は、納豆・オクラ・海藻類・大根・ごぼう・大豆・梅干などどれもよく見かける日本人には親しみやすい食材ばかりです。
糖質は過剰摂取することがダイエットの妨げにつながりますが、同じ炭水化物である食物繊維はどうでしょう?食物繊維は根菜や果物に多く含まれていて人の消化酵素では消化できない成分ですが、お通じによい働きがあったり心筋梗塞の予防にもつながるため、1日約25g以上の摂取が必要とされています。
食べ合わせでカロリーや栄養分を上手にコントロール
茶碗一杯のご飯のカロリーを効率よく消費するには?
いくら楽をして痩せたいと言ってもやはり何もしないで食べるだけではダイエットにはなりません。しかしダイエットのために朝食を抜いたり、野菜だけを食べるといった偏った食事のとり方をすると返って太ります。せっかくダイエットするのなら毎食茶碗一杯のご飯をきちんと食べて美しく太りにくい体を目指したいものです。そこでまず正しい食事の仕方が重要になってきます。
白米を食べてきれいに痩せる!ご飯一杯の正しい食べ方とは?
ダイエットをはじめると1日の食事回数や量を減らしたり、野菜だけを食べる人が多くいます。しかし一日三食決まった時間にきちんと食べれていれば、無理な食事制限は必要ありません。そのためには正しい食べ順で食べることが大切です。まず食物繊維(野菜)、次にタンパク質(お肉や魚、豆腐・納豆など)、そして炭水化物(ご飯や麺など)の順番で食べます。そしてバランスのよい低カロリーな食事なら和食がおすすめです。
ダイエット中の正しい白米の食べ方
食事方法も重要!それはよく噛んで食べること
食事は時間をかけてゆっくりたくさん噛んで食べるで脳が刺激され、満腹中枢が働きます。そして正しい食べ順で先に食べた食物繊維(水溶性)は胃の中でゲル状になり後から入ってきた食物を包み込むことで糖質が吸収されるスピードが遅くなり血糖値の上昇を穏やかにします。結果脂質の吸収も抑えられダイエットに効果を発揮します。そしてゆっくり食べることで茶碗一杯のご飯でも満腹感が得られるようになります。
ご飯を冷まして食べてカロリーダウン!
茶碗一杯食べてもカロリー半分!冷や飯のひみつ
ご飯は温かい方がおいしいのですが、実はダイエットには冷ご飯が向いています。それはご飯のデンプンが冷めることによってレジスタントスターチと呼ばれる難消化性のデンプンに変化するからです。このレジスタントスターチは小腸では吸収されず大腸まで届き腸内を洗浄してくれることからダイエットに向いていることがわかり注目を集めています。
白米にプラスして栄養アップのおすすめ食材
お米のコーナーに並ぶ白米の栄養をアップさせる食材とは?
スーパーのお米のコーナーに行くとお米にプラスして栄養価を高くするアイテムが多数販売されています。どれくらいの種類があるのか、一度立ち寄って見てください。ビタミンEをアップさせるものや食物繊維を増やすもの、白米にはない栄養素を一緒に摂取できるお米と一緒に炊く穀物など多くの商品があることがわかります。
雑穀は近年の健康ブームで再び注目されており、食物繊維やビタミンBが豊富な「大麦」や鉄分の多い「きび」、白米と比べカルシウムが32倍で骨粗しょう症の予防に効果的な「アマランサス」、古代米の一種でアントシアニンを含む「黒米」などがあります。また一度に多くの栄養が補える雑穀はおすすめです。
白米に混ぜて炊くだけで栄養や食物繊維がアップする胚芽押麦はおすすめ!
胚芽押麦や押麦、ビタバレーを聞いたことはありませんか?お米のコーナーに行くと雑穀類と一緒に並んでいるのをよく見かけます。では麦を足すことでどれくらいの栄養分がアップするでしょう?麦には食物繊維が多く含まれていて白米に比べるとなんと約20倍も多く、胚芽押麦にはビタミンEも含まれているスグレモノです。食感は少しごわごわしますが、白米に少量混ぜて炊けばおいしくいただくことができます。
ポンと入れるだけで栄養をプラス!
ずいぶん前からお米のコーナーで見かけるようになった「お釜にポン」は、白米にポンと入れて一緒に炊くだけで味を変えずに一日分のビタミンEを簡単に摂ることができます。ビタミンEは抗酸化作用により動脈硬化や生活習慣病などの予防に効果があります。
ほかにも多数!ご飯と一緒に炊くだけで栄養をプラスするアイテム
この他にもたくさん炊飯器にお米といっしょに入れて炊くだけで栄養をアップさせる商品があります。一度ゆっくりお米のコーナーで探してみてはいかがでしょうか?
白米を食べてきちんとカロリーダウンする方法
いつものお米と一緒に炊いてご飯を増量!
米1合は洗米し1合分の水加減で準備しておき、そこに1パックのしらたきを、軽く水ですすいで水を切り、耐熱皿に入れてレンジで2分程加熱し、みじん切りにして米に加えて軽く混ぜ一緒に炊飯器で炊きます
ダイエットで注目されたえのきの栄養まで一緒に食べてヘルシーなご飯
白米にえのきをプラスして炊けばヘルシーでボリュームのあるえのきご飯が作れます。この時えのきを切ったあと一度冷凍させることでえのきのダイエット成分を増加させることができるので挑戦してみてください。
こんにゃく米でおいしく増量!一気にカロリーダウン
マンナンヒカリが有名なこんにゃくをお米の形に成形して作られたこんにゃく米は、その名のとおりこんにゃくをご飯と一緒に炊くことでほとんど味を変えずご飯の量を減らすことができます。どれくらいの割合で使うかというと、なんと2合に1合分のこんにゃく米を入れてしまいます。しかしほとんど気づくことなく食べられるのでついつい食べ過ぎてしまいがちな方にはおすすめしたい商品です。
根菜の量で増量!カロリーダウンなのに栄養たっぷり!お腹も満足
根菜の炊き込みご飯はレンコンや大根、ごぼうなど食物繊維豊富な根菜をご飯に入れて作ります。根菜は歯ごたえがあるのが特徴でしっかり噛んで食べることができるので、ついついご飯を早く飲み込んでしまう人には挑戦してほしいメニューです。根菜は味が染み込みにくいので先に鍋で軽く炊いて味付けをしてから炊く前に加えます。ボリュームが出るので食べごたえもありダイエットには最適です。
ご飯を美味しく食べるために大切な上手な炊き方と保存方法は?
お米をおいしく食べるためには炊き方や保存方法も重要です。みなさんはお米の保存や炊き方をどれくらい知っていますか?
お米は「とぐ」から「すすぐ」時代へ
乾燥したお米は水を一気に吸水しようとします。そのため最初に入れる水はミネラルウォーターがおすすめです。しかしこの水は軽く一混ぜしたら手早く捨てるようにします。二度目の洗いは水道水で軽く混ぜ捨てます。もう一度洗い水を切ります。現在の精米機は技術が優れているので「とぐ」必要はありません。あくまでも「軽くすすぐ」で十分です。最後に目盛分のミネラルウォーター(軟水)を入れます。
しっかり吸水させるために浸水させる工程は重要!
今の炊飯器は浸水時間がなくても美味しく炊けます。なかには浸水時間も炊飯時間に含まれている機種もあります。お米は最低でも1時間は浸水させたほうがもちもちの美味しいご飯になります。2時間で100%吸水しますが、それ以上おくと米の表面の澱粉が流出しベタベタした食感になってしまうので注意しましょう。
正しい保存方法で米の劣化を防げます!
お米の保存場所でいちばん多いのが流し台の下ではないでしょうか?お米は低温低湿で保存することが美味しさを保つ方法です。流しの下は一見日が当たらない涼しいイメージがありますが、お湯を流したりすることで流しの下は暖かく、また湿度も多い場所なのでお米を保存する場所には向いていません。
またお米は密閉した状態で低温の場所がおすすめですが、洗ってよく乾かしたペットボトルにいれて蓋を閉め密閉した状態で冷蔵庫で保存するのが最適です。ペットボトルなら横に倒しても保存できる上、密閉でき臭い移りも防ぎます。
【まとめ】白米のカロリーや栄養をきちんと理解して正しいダイエットを!
白米は日本人とは切っても切り離せない歴史と食文化があります。そして日本食はお米との相性や総合的なカロリー・栄養も効率よく食べられる世界からも注目される、バランスの良いメニューがそろっています。
ダイエット中でも茶碗一杯のお米は毎日きちんと食べて健康的な食生活を送れば、自然とカロリーも抑えることができ美しくダイエットすることができます。無理な食事制限でストレスをためずおいしく食べて健康的な美しさを目指しましょう!