ローレルとローリエの違いは何?月桂樹とは?使い方や効果を解説!
ローレルとローリエの違いに戸惑ったことはありませんか?レシピ本や料理番組などで時折材料の一つとして紹介されますが、ローレルとローリエは一体何が違うのでしょうか?また、月桂樹としてレシピに出てくることもありますが、これもまた異なるハーブなのでしょうか?さらに同じような見た目のベイリーフとの違いは?その効果や保存方法はもちろん、スパイス以外の使い方などについて、謎に包まれたローレルとローリエを紹介します。
目次
ローレルとローリエどちらを買えばいい?
一般的なスーパーでもローレルとローリエの両方が売られていることが多くあります。同じような見た目の葉っぱなのに異なる名前を持つローレルとローリエですが、その違いとは一体何なのでしょうか?
ローレルとローリエの違い
まずは、最も気になるローレルとローリエの違いについて説明します。いったい何が違うのか、そこには驚きの事実がありました。
意味
ローレルとローリエは、どちらも月桂樹という木の葉っぱを乾かしたもの、という同じ意味の外国の言葉です。
ローレルは何語?
ローレルというのはスペイン語です。スペイン語で月桂樹の葉っぱを乾かしたもののことをローレルと言います。
ローリエは何語?
一方、ローリエというのはフランス語です。こちらも同じく、フランス語で月桂樹の葉っぱを乾かしたもののことをローリエと言います。
ローレルとローリエは同じ
実はローレルとローリエは、どちらも月桂樹の葉っぱを乾かしたもので、同じもののことを指します。つまり、ローレルとローリエは呼び名は違いますが、同じスパイスのことです。ちなみに、同じような見た目のベイリーフという葉もありますが、これはまた異なるものです。
見分け方
ローレルとローリエは同じものなので、スーパーでどちらを買っても同じ中身です。一般のスーパーでは、大手スパイス会社2社の製品が売られていることが多いですが、一方がローレル、もう一方がローレルと表記して販売しています。どちらも月桂樹の葉っぱを乾燥させた同じスパイスです。
月桂樹とは?
西洋名ではローレルやローリエと呼ばれますが、日本では古来から月桂樹とよばれてきました。その月桂樹とは、一体どのような木なのでしょうか?その歴史についても紹介します。
木の種類
月桂樹はクスノキ科で常緑の中高木です。地中海沿岸が原産地ですが、日本の気候でもよく育ちます。とても生育が旺盛な樹木で、多少日当たりが悪くても育つうえ、背も高いので目隠しになるため、日本では庭植えとしても人気です。
歴史
月桂樹はギリシャ時代やローマ時代から、聖なる木として神聖化されていた樹木です。古代ギリシャでは、月桂樹の若い枝を編んで冠にし、勝利と栄光のシンボルとして使用していたそうです。
ローレル/ローリエの効果
ローレル/ローリエを使うことで、一体どのような効果が得られるのでしょうか?実は料理の味を良くするだけではなく、健康にも効果的なスパイスであることが分かりました。
臭み消し
ローレル/ローリエの効果で一般的に知られているのは、肉や魚の臭みを消してくれることです。ポトフなどの煮込み料理を作る時はローレル/ローリエと一緒に煮込むことで肉の臭みが軽減されます。
食欲増進
ローレル/ローリエの主成分はシネオールという成分です。そのシオネールは、食物の消化を助ける効果があるとされています。消化がよくなることで胃腸にかかる負担を減らすので、元気がないときの食欲増進にもつながります。
胃腸の働きを助ける
ローレル/ローリエには弱ってしまった内臓、特に胃腸や肝臓、腎臓の働きを活発に戻す効果があります。胃腸が元気になることで、胃もたれや胃痛の軽減にも効果が期待できます。
鎮痛効果
ローレル/ローリエは、古くから痛みを抑えるためにも使われてきました。葉に含まれるピネンやサピネンといった成分には、傷みをやわらげる効果があると言われています。特にリウマチや関節痛などの痛みを抑えるために使われてきたそうです。
アンチエイジング効果
ローレル/ローリエにはアンチエイジングの美容効果もあります。オイリー肌の悩みであるニキビの軽減や、髪に使えばフケの予防にもなります。自然由来のものなので、安心してアンチエイジングケアができます。
ローレル/ローリエの料理での使い方
ここからは、ローレル/ローリエの料理での使い方を紹介します。ローレル/ローリエを使うことで、ぐっと本格的な料理になります。ぜひチェックしてみてください。
ホールとパウダーの使い分け
ローレル/ローリエはホールとパウダーの2種類があります。パウダーは苦味が強く、臭みを消す効果も強いので、内臓系など特に臭みの強いものに使用します。パウダーを直接、肉にこすりつけるようにして臭みを消すこともあります。また他のスパイスとブレンドするときもパウダーが便利です。
肉・魚料理
肉や魚料理に使うことが多いローレル/ローリエですが、臭みが強い肉などにはパウダーを、そうでもない肉や魚には乾燥させた葉を使います。生の葉よりも乾燥させた葉の方が、芳香が際立っているので臭み消しに有効です。
煮込み料理
煮込み料理にローレル/ローリエを使う場合は、煮込み始めから入れます。入れっぱなしにしておくと苦味がでてしまうので、煮込んだあとは取り出しておくことがポイントです。
マリネ・ピクルス
マリネの香り付けとしてもローレル/ローリエは使えます。ローズマリーなどと一緒に1日マリネ液に漬け込めば、しっかりと香り付けできます。また、ローレル/ローリエは防腐剤としての効果もあるため、西洋では古くから酢漬けやピクルスなどに入れるそうです。
ローレル/ローリエのスパイス以外の使い方
ローレル/ローリエは料理する時にスパイスとして使うだけでなく、他にも色々な使い方ができます。戸棚に使いきれていないローレル/ローリエが余っていれば、ぜひ試してみてください。
ブーケガルニ
ブーケガルニとは、スパイスなどを花束のように束ねたものです。フランス料理の定番として使われていて、ブイヨンを作る時に臭み消しとして加えて使います。ローレル/ローリエの他に、パセリやセロリを束ねてブーケガルニうを作ることが多いようです。
ハーブオイル
オリーブオイルの中にローレル/ローリエやローズマリー、ニンニクなどを加えてハーブオイルを作ることもできます。ハーブオイルを作っておけば、野菜を炒める時に使ったり、ドレッシングなどにも使えて風味付けに便利です。
入浴剤
ローレル/ローリエは、入浴剤として使えば疲労回復効果も得られます。森林の中にいるような爽快な香りを楽しむことができるので、リラックス効果も得られます。数枚のローレル/ローリエの葉を細かく切って、お茶パックなどに入れてお湯に入れるとよいでしょう。
防虫剤
ローレル/ローリエには防虫や抗菌作用もあるので、古くから虫除けのために米びつの中に入れるなどして利用されています。
ローレル/ローリエの保存方法
ローレル/ローリエは、日本ではあまり利用頻度が高いスパイスではありません。すぐに使いきれない場合のために、正しい保存方法を知っておくと便利です。
基本はパッケージ通り
ローレル/ローリエをスーパーなどで購入すると、大抵の場合はパッケージに保存方法が記載されています。まずはよく確認しましょう。
冷暗所
ローレル/ローリエは紫外線に当たると色が変色してきます。きれいな色を保つために冷暗所での保存方法がおすすめです。
湿気のないところ
ローレル/ローリエは湿気を嫌います。カビの原因にもなってしまうので、湿気のない場所での保存方法がポイントです。
瓶詰めで保存する方法
長持ちさせるために密閉容器に入れる保存方法がおすすめです。一緒に乾燥剤も入れておきましょう。さらに冷蔵庫で保管すれば、より長持ちする保存方法になります。
ローレル/ローリエとベイリーフの違い
同じような見た目で間違いやすいベイリーフとは、どのようなものなのでしょうか?その違いを紹介します。
原産国
ローレル/ローリエは地中海沿岸が原産ですが、ベイリーフはインドが原産の樹木です。そのため、ベイリーフはインド料理によく使われています。
原料
ローレル/ローリエとクスノキ科であるところまでは同じですが、ベイリーフはニッケイ属という種類の樹木です。葉の葉脈を見れば違いが分かりますが、ローレル/ローリエとベイリーフは同じだと勘違いしている方も多いようです。
味
ベイリーフはインド料理によく使われるスパイスです。基本的に香り付けとして使うものなので、味はあまりありません。
香り
ベイリーフの香りは、ローレル/ローリエよりも軽い程度です。よりスッキリとした香りと評されることも多いようです。
効能
ベイリーフの香りはローレル/ローリエよりも弱いため、防虫効果なども弱いとされています。料理に使うときは、ローレル/ローリエの代わりにベイリーフを使うと味が変わってしまうので注意が必要です。ベイリーフの代わりにローレル/ローリエを使ってもあまり変わりはないようです。
ローレルとローリエは同じものだった!
ローレルとローリエは、どちらも定着しているスパイスの名前ですが、実は同じもののことでした。ただしベイリーフは違う種類の葉なので、間違えないように注意が必要です。ローレル/ローリエの使い方は様々なので、ぜひ日常生活の中で使いこなしてください。