2019年02月21日公開
2024年09月04日更新
サルボウ貝と赤貝の違いとは?旬の時期・煮付けなどおすすめの食べ方も
サルボウ貝という名前の貝はあまりきいたことがありませんでした。サルボウ貝ってどんな貝でしょうか?見た目には赤貝に似ていますが、実はサルボウ貝と赤貝には違いがありました。またサルボウ貝の旬やおいしい食べ方について調査しました。赤貝と同様サルボウ貝も煮付けとしてもおいしく頂けます。又赤貝の缶詰の中にはサルボウ貝を使用することもあるようです。サルボウ貝の特徴や食べ方について紹介します。
サルボウ貝とは?
サルボウ貝の特徴
サルボウ貝は見た目には赤貝と間違えそうなほど似ています。しかし赤貝と比べると大きさが違います。成長したサルボウ貝でも6cmほどです。通常潮干狩りなどで目にするサルボウ貝は小さめなので獲らない方が多いようです。サルボウ貝の身の色は赤貝同様赤いオレンジ色です。この色はヘモグロビンによるものですが酒蒸し調理をすると汁が赤く染まってしまいます。
サルボウ貝は淡水と海水が混ざり合った地域に繁殖することが多いです。幼生期は藻のような物に張り付いて過ごします。成長して旬を迎えるころ砂地や沼にもぐって過ごします。ちなみにサルボウ貝の呼び名は各地域で異なります。東京都や千葉県ではサキアカ(裂き赤)、山梨県甲府あたりはコアカ、島根県や鳥取県の宍道湖から有明海などは赤貝と呼ばれています。
旬の時期
サルボウ貝の旬は11月ころから翌年の3月頃です。サルボウ貝は夏場に産卵期を迎えます。産卵期の前もおいしいですが、旬まっただ中の晩秋のサルボウ貝は格別です。殻は厚いのに案外もろくなっています。食べられる部位は大き目な足の部分、ひもと貝柱部分です。サルボウ貝は刺身やひものきゅうり巻きでも食べられています。旬時期の食べ方としてサルボウ貝のワタや余分な部分を取り除き、きれいに洗います。
サルボウ貝の足や貝柱を刺身にしてかいわれだいこんと和えると食感が抜群です。旬になる11月下旬からはサルボウ貝は砂かみが少なくなるので下処理が楽になります。旬のサルボウ貝は地元では刺身として食べられています。煮付けにしても硬くなりにくくおいしい味わいになります。
主な産地
サルボウ貝は東京湾をはじめ東海から有明海まで広い範囲で生息しています。サルボウ貝は水揚げされても地元で消費されたり加工されるので産地以外では刺身用に出回ることはあまりありません。三重県の海岸では潮干狩りで見つけられることもあります。鳥取県と島根県にまたがる中海では赤貝と呼ばれているサルボウ貝の産地です。
サルボウ貝の食べ方は東京湾内房や千葉などは佃煮として。また山陰の沿岸部の食べ方はサルボウ貝の炊き込みご飯です。さらに岡山県寄島周辺ではサルボウ貝の養殖もされています。ちなみにサルボウ貝の水揚げ量は佐賀県、福岡県、三重県が多いようです。
サルボウ貝と赤貝の違い
赤貝より小さい
サルボウ貝の大きさは通常3~4cmほど、大きく育っても6cmくらいの大きさです。貝の厚みは5cmほどになります。赤貝との違いは貝殻の大きさです。赤貝は10cmくらいの大きさに成長します。サルボウ貝は殻の縞模様が似ていて赤貝と見分けにくいのですが大きさがちがうことで貝を見分けることができます。
サルボウ貝は赤貝に比べると殻の色が白っぽいのが特徴です。サルボウ貝は赤貝に比べると小さいですが、食べ方は赤貝と同じように食べられます。
殻に入った溝の数が違う
サルボウ貝は殻の表面の縞模様の数が30本前後で、赤貝は40本以上の縞模様があります。ちなみに姿形がサルボウ貝に似ているサトウ貝がありますが、この貝の縞模様は38本ほどです。関東地方では赤貝のことを本玉と呼び、サトウ貝をばち玉と呼んでいます。
ばちとは場違いというの意味で呼ばれていました。赤貝に比べると味が劣ると言われているサルボウ貝やサトウ貝ですが、意外にも食べてみれば赤貝に劣らない美味しさがあります。
赤貝の缶詰の多くはサルボウ貝
一般的に赤貝の缶詰は120円程度ですが、大粒の赤貝缶詰は250円という値段のものもあります。さらに粒よりの赤貝だけを詰めた缶詰は400円ほどで売られています。この缶詰の赤貝は黒蜜としょうゆで煮詰めてあるのでまるでみたらし団子のようなたれの味です。赤貝の缶詰はふっくらとなるように調理しているのでご飯のお供や酒のおつまみにも最適です。
赤貝の缶詰と表示された缶詰でも使用材料の表示を見ると赤貝ではなくサルボウ貝と記載された缶詰も販売されています。缶の表示には(味付き赤貝)と記載されている商品は大部分サルボウ貝が使われています。赤貝に比べるとサルボウ貝は値段が安価なので赤貝の缶詰に使用されることもあります。
サルボウ貝の選び方と食べ方
サルボウ貝の選び方
サルボウ貝の選び方としてまずは殻がふっくらしているもの、重みがあるもの、殻の縞模様がしっかりしているものを選びましょう。むき身の場合は身を叩いてみるともっこりとするものできれいな赤色であることが選ぶポイントです。サルボウ貝はへたってくるとだらしなく口をあけます。口がしっかり閉じているものを選びましょう。少々口を開けていてもすぐに閉じる貝は鮮度がいいです。
購入したら冷蔵庫で保存して3日くらいで消費しましょう。長期保存をする場合はラップにくるんで密閉してフリーザー袋に入れて冷凍しましょう。サルボウ貝を密閉して冷凍すれば冷蔵保存とは違い1ヶ月ほど保存することができます。剥き身になっているサルボウ貝の選び方はパチッとはじいたときに貝の身が盛り上がるようなものを選びましょう。
煮付けや佃煮におすすめ
サルボウ貝おすすめの食べ方は煮付けによく合います。サルボウ貝がないと正月が来ないといわれるほどサルボウ貝が名物になっている地域もあります。場所によってはサルボウ貝のことを赤貝ということもあるようです。境港ではサルボウ貝の煮付けといったら貝殻付きで煮ます。殻付き煮付けがお皿に盛沢山で食卓に並びます。家族全員が貝を開けてサルボウ貝の煮付けを食べるのです。
- サルボウ貝適量
- A濃口醤油適量
- A酒好みの量
- 砂糖少々
- Aの量は2:1の割合にします。
- 砂糖を加えたら火にかけます。
- 沸騰したらサルボウ貝を殻付きのまま入れて煮付けます。
- 貝が口を開けたらできあがりです。煮すぎないようにしましょう。
サルボウ貝のおつまみにもオススメのレシピ
お酒と相性抜群「サルボウ貝の煮つけ」
- サルボウ貝(赤貝)500g
- A醤油30㏄
- A薄口醤油30㏄
- Aみりん70㏄
- A酒50㏄
- A水300㏄
- Aこぶの粉末だし小さじ1
- A鰹の粉末だし小さじ1
- A砂糖小さじ1
- サルボウ貝は殻同士を合わせてきれいに洗って水気を切ります。
- 鍋にAの調味料すべてを入れて煮立たせます。
- 沸騰した煮汁の中にサルボウ貝を入れて数分煮付けます。
- 灰汁がでてきたらすくいながら中火で15分前後に詰めます。
- 灰汁が出なくなればできあがりです。
バターの風味が美味しい「サルボウ貝バター」
- 殻がついたサルボウ貝400gくらい
- バター大さじ1
- 酒か白ワイン好みの量
- にんにく1かけ
- 塩コショウ適宜
- トッピング用の細葱少々
- 貝はよく洗っておきます。
- 熱したフライパンにバターを入れて細かく切ったにんにくをいれて弱火で炒めます。
- そこへ貝をいれて酒を振りかけながら炒めます。
- 蓋をして貝が開いたら塩コショウで味をととのえねぎを散らしてできあがりです。
ワインと共に「サルボウ貝とスナップエンドウのワイン蒸し」
- サルボウ貝適量
- オリーブオイル適当に
- にんにくお好み量
- 白ワイン適量
- 塩コショウ少々
- サルボウ貝は流水できれいに洗っておきます。
- にんにくをみじん切りしてスナップエンドウは筋を取り除きます。
- 鍋に水を入れて塩少々でスナップエンドウを固めにゆでます。
- フライパンにオリーブオイルを注ぎにんにくを入れて炒めます。
- サルボウ貝を加えて炒めます。
- 白ワインを貝がひたひたになるくらい注いてそこにスナップエンドウも一緒に入れて煮ます。
- 蓋をして強火で蒸し煮にします。
- 貝の蓋が空いたら火を止めます。
めんつゆで簡単味付け「サルボウ貝の炊き込みご飯」
- 米3合
- サルボウ貝30個
- A油揚げ2枚
- Aしいたけ2枚
- Aしょうが1かけ
- Bめんつゆ適量
- B赤酒少々
- 葉ねぎ少々
- 洗った米を釜に入れます。
- そこへBの調味料を混ぜ合わせます。
- 水を釜の3合の線まで入れます。
- サルボウ貝とAの具材を混ぜ合わせます。
- 炊飯器のスイッチを入れて炊きあがりを待ちます。
- 茶碗に盛ったら葉ねぎを散らしてできあ
サルボウ貝を食べてみよう
出典: http://csi.or.tv
サルボウ貝という名前は聞きなれていなかったのですが、サルボウ貝の特徴や食べ方を知ると一度は食べてみたいと思います。サルボウ貝は赤貝と似ているように見えますが身の大きさが違いました。それでも赤貝同様缶詰や佃煮としても多くの人に食されています。サルボウ貝の佃煮も食べてみたいですが、赤貝のように刺身もおいしいということがわかりましたので自分でもサルボウ貝を調理してみたいと思います。