2019年01月06日公開
2024年08月27日更新
数の子の栄養とカロリーを紹介!ダイエット・健康に効果的な成分とは?
お正月にはかかせない数の子は、実は栄養成分豊富な健康食品です。他の魚の卵に比べ様々な効能や効果があり、カロリーも低いのでダイエットにもぴったりです。卵に多く含まれているプリン体も数の子には少なく、EPAやDHAなどの栄養成分も豊富に含まれており、肥満予防や内臓脂肪対策にも役立つダイエット食品でもあります。もちろん食べても美味しくて、味付けも好みにより変化できるまさに万能食品です。今回は数の子の栄養や効能、カロリー、肥満や内臓脂肪予防に役立つ健康・ダイエット食品としての効果についても紹介します。
目次
数の子のカロリーや栄養価はどうなってるか知りたい!
おせち料理の定番である数の子は一見すると高カロリーの食品に見えますが、実はプリン体の含有量も少なく、肥満や内臓脂肪の改善の効能があるダイエット食品でもあります。栄養価も高く、カロリーも低いので、健康食品としても効果的です。おせち料理として以外でも様々な味付けにも対応できる万能食品です。今回は数の子のカロリーや栄養価、おすすめの味付け方法なども紹介します。
数の子はどんな食べ物?
おせち料理に当たり前のように登場する数の子ですが、いったいどんな食べ物なんでしょうか?数の子について紹介します。
数の子はにしんの卵巣
そもそも数の子は、従来にしんのことを「カドイワシ」と呼んでいた頃の名残で、「かど(イワシ)の子」が訛って数の子となったようです。にしんの卵巣を乾燥もしくは塩漬けさせたものを一般的に数の子と呼びます。現在、日本でのにしんの漁獲量が激減し高価格となったため、現在ではそのほとんどがロシア、カナダ、アラスカからニシンおよび数の子を輸入しています。
数の子はおせち料理の常連
数の子は縁起の良い食べ物としておせち料理によく使用されています。数の子はにしんの卵巣の中に約5万から10万もの卵が含まれており、数の多い子とされ、子孫繁栄の縁起物として正月料理の常連となっています。また、室町時代には京都の宮中や、幕府にも献上されており、権力の象徴とされていたこともあります。また地域を問わずおめでたい時に食べられていた食品です。
数の子のカロリーや含まれている栄養成分
数の子は卵の加工食品ですが、驚くほど低カロリーで高濃度の栄養成分が含まれている健康食品です。そのため沢山食べても内臓脂肪となりにくいのでダイエット食品としても有用です。数の子のカロリーや含まれている栄養成分などについて説明します。
数の子は低カロリー
数の子は他の卵同様に高カロリーと思われていますが、数の子1本約10gのカロリーはわずか9kcalと少なく、同じ魚卵であるいくらのカロリーは10gで27kcalと数の子の約3倍もあります。たらこのカロリーは10gで14kcalといくらに比べてカロリーは低めですが、数の子と比べると若干高くなっています。ちなみに最もカロリーが高いのがからすみで10gあたりのカロリーは42kcalとなっています。
数の子に含まれる嬉しい栄養成分
数の子は天然のサプリメントと呼ばれるくらい豊富で良質な栄養成分が含まれていますが、意外と痛風の原因となると言われているプリン体の含有量が少ない食品です。おおまかには水分を除く82%の成分がたんぱく質で、14%が脂質となっております。その他さまざまな成分が含まれています。
具体的には、数の子100gあたりたんぱく質25.2g、脂質6.7g、炭水化物0.2g、ナトリウム320mg、カリウム210g、カルシウム50mg、マグネシウム34mg、リン140mg、鉄1.2mg、亜鉛2.3mg、銅0.07mgなどが含まれており、ビタミンA,D,E,k,B1,B2,B6,B12,葉酸、パンテトン酸、コレステロール、ビタミンC、食物繊維なども豊富に含まれています。
数の子のダイエットや健康に効果的な成分
数の子は魚卵の中でもカロリーが低く、栄養価が高いので効率よくダイエットするのに適した食品です。内臓脂肪を抑えたり、肥満を防止する効能があるだけでなく、特に卵に多く含まれているプリン体もあまり含まれていないので、通風を患っている人も遠慮なく食べることができます。さらに味付けによっては、数の子の栄養の効能が変わってくるので興味深い食品です。
それぞれの栄養成分をみると、青魚に多いと言われている肥満予防や内臓脂肪に効果的なEPA・DHAが豊富に含まれています。コレステロールも鶏卵の3分の2以下しか含まれず、体脂肪を燃焼する効能のあるリパーゼも豊富に含有されており、ダイエット効果も抜群です。さらに、目の健康に有効なルテインも豊富に含まれており、まさに万能食品と言えるでしょう。
EPA・DHAが肥満予防や内臓脂肪に効果的
数の子に豊富に含まれている成分の一つにEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキタエン酸)があります。EPAとDHAは多価不飽和脂肪酸の一つで、秋刀魚やイワシなど主に青魚に多く含まれています。EPAとDHAは体内では合成することができない必須脂肪酸の一つで、食べ物からでしか摂取することができません。そのため、EPAやDHAは意識して食べ物から摂取する必要があります。
EPAやDHAは、動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞などの成人病を予防してくれるという効能を持っています。EPAとDHAは、「血液をサラサラにする」効果を持っており、体内のコレステロールの合成を抑え、不要なコレステロールを体外に排出するという役割を持っています。そのため、成人病の原因となる内臓脂肪の蓄積を抑え、肥満の予防に効果的です。
さらにEPAとDHAは、血管内の血栓を作りにくくし、善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減少してくれる働きを持っています。そのため、EPAやDHAを多量に摂取すると万病の元と言われている動脈硬化を防ぐという大きな効能があります。その他、「学習機能の向上」や「ガンやアレルギーの発生を抑える」という重要な効能を持っています。
そんな効果的なEPAとDHAですが、実は秋刀魚やイワシなどの青魚より数の子の方が多く含まれています。総脂肪酸量に対するEPA・DHAの割合として秋刀魚が約13%、イワシが約25%に対し、数の子は約30%も含まれています。最近の研究では、数の子を毎日食べたとしても血中のコレステロール値が増えるどころか、むしろ減ることが示唆されており、肥満予防にもってこいの食品だと言えます。
リパーゼが体脂肪を燃焼する効果
数の子に多く含まれているDHA・EPAの作用の一つとして人の脂肪の消化酵素であるリパーゼの活性を高めてくれる働きがあります。リパーゼは膵臓から分泌され中性脂肪を分解し血中に戻す働きがあります。この作用が肥満・内臓脂肪蓄積予防に重要で、数の子を食べるとコレステロールの分解進むので、ダイエットにはとても効果的な食品と言えます。
ルテインが目を健康に保つのに効果的
数の子中の油の中にサプリメントでもおなじみのコエンザイムとルティンが含まれています。コエンザイムはビタミンEとともに抗酸化作用に優れ、活性酸素の生成を防止し、細胞が酸化してしまわないように守っています。生活習慣病である心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、動脈硬化から身を守り、脂肪燃焼効果、ダイエット効果もあると期待されている成分です。
ルティンは、カルテノイドと呼ばれる色素成分の一種で人体では目の重要な器官である網膜や水晶体に多く含まれています。ルティンも抗酸化作用を持っており、紫外線などの刺激で生成される活性酸素の発生を抑え、特に目を様々な障害から守る働きをしています。生活の要である目を健康に保つ重要な役割を担っています。数の子100g中にルティンが約0.64mg含まれています。
数の子はプリン体が少ない?
一般的に魚卵にはプリン体が多く含まれており、痛風で悩まれている人は食べるのを敬遠しがちですが、数の子は他の魚卵と比べてプリン体の含有量が少ないことで有名です。例えばたらこでは100g中に含まれるプリン体の量は約120.7mg、明太子にはプリン体が100g中に約159.3mg含まれています。魚卵ではないですがイサキの白子にはプリン体が300mg以上含まれており、魚介類にはプリン体が多く含まれていることがわかります。
しかし、数の子にはプリン体が100g中にわずか21.9mgしか含まれておらず、プリン体の少ない食品とされています。日本痛風・核酸代謝学会が発表している「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると食事療法としてプリン体の摂取量を一日400mgまでに抑えることを推奨しています。一日数の子4~5本までならプリン体の摂取量は基準以内に抑えられると思います。
数の子の効能は味付けで変わる?
数の子の豊富な栄養成分を効果的に摂取するために味付け方法は重要です。例えばルティンの効果を高めるには緑黄色野菜や亜鉛を多く含む食品と一緒に食べることで効果が上昇します。おすすめの味付け方法としては松前漬けです。松前漬けには昆布などの海藻が豊富に使われているのでルティンの効能を高めることができます。
また、おすすめの味付け方法としてわさび漬けもあります。わさび漬けにすると炭水化物や食物繊維、ビタミンB6も豊富に含まれているので、EPAやDHAと連携してより血圧上昇を防ぐ効果が期待できるでしょう。但し数の子自体そのまま食べると塩分は高めなので、調理する前に塩抜きをして塩分を摂り過ぎないように工夫しましょう。
数の子を上手に取り入れて体を健康に保とう
数の子はおせち料理には欠かせない縁起よい食べ物ですが、栄養成分豊富でカロリーも少ない健康食品でもあります。豊富なEPA・DHA、コエンザイムやルティンなど生活習慣病を予防し、活性酸素も抑えてくれる働きがあります。お正月以外でも数の子を健康食品として捉え、日々の食生活に上手に取り入れていきましょう。