シロサバフグは美味しい庶民のフグ!見分け方・食べ方を紹介!
シロサバフグはサバフグ属に属するフグで、無毒で安く、食べやすいことから人気のあるフグの一種です。フグというと料亭などで食べる高級なフグを思い浮かべがちですが、スーパーなどに流通しているサバフグは価格が安く誰でも食べやすくなっています。無毒のシロサバフグによく似た外観のクロサバフグやドクサバフグには毒があり、食べる場合は注意が必要です。ここでは、シロサバフグとクロサバフグの見分け方や食べる場合の注意点、食べ方やおすすめレシピなどを紹介します。
シロサバフグは庶民のフグ
シロサバフグが庶民のフグと言われる理由
食の世界では、「フグ」というと高級魚というイメージが強く、料亭などで鍋物やてっさなどでいただくフグを思い浮かべることが多いと思います。そういったフグはトラフグやマフグなどの一種の高級魚であり、一般庶民向けに低価格で販売されているフグもあります。そのひとつがサバフグと呼ばれるフグで、一夜干しやむき身で販売されているのを見かけることがあります。
シロサバフグはサバフグ属に属するフグで、スーパーなどで流通されています。シロサバフグは無毒とされていますが似た見た目のクロサバフグは肝臓・卵巣・腸に毒を持つものがあります。筋肉や皮、精巣は無毒とされ、安価にスーパーなどで販売されているため庶民にも馴染み深いフグとされています。フグを食べることの多い山口や九州では刺身でもよく販売されているのだそうです。
シロサバフグの旬や生息地
シロサバフグは、太平洋側では北海道から九州、沖縄まで幅広く生息しています。日本海側では新潟県を北限とし、太平洋側と同じく九州、沖縄まで生息しています。離島や瀬戸内海などにも生息しているため、日本ではほぼ全国的に生息していると言っても過言ではないくらいに、生息域の広いフグであると言えます。海外では朝鮮半島南岸・西岸、台湾、中国東シナ海、タイランド湾、フィリピン諸島中部などで生息が確認されています。
シロサバフグの旬の時期は秋からは春にかけてです。小さなとげが背面頭部から胸びれの中間地点まであり。皮は厚みがありおいしくいただけますがこのとげの部分は取り除く必要があります。身は透明感のある白身で大変柔らかく、熱を通しても固く締まり過ぎず食べやすい魚です。後程紹介しますが、鍋物や煮つけ、一夜干し、刺身、唐揚げなど、味にクセがなくダシがおいしいので様々な調理方法で食べることができます。
シロサバフグの特徴
シロサバフグは体長が30㎝前後で、やや細長い形をしています。全体的に銀色で、体全体は黒みがありません。尾びれは湾入型か、弱く丸みを持っています。尾びれはやや黄色っぽく、下半分の色合いは灰色です。肉質が柔らかいため刺身には向いていませんが、フグ特有の上品な味の白身であることから鍋物や唐揚げ、一夜干しなどにして食べられることが多いです。また、部分的に有毒のクロサバフグよりも味が良いとされています。
毒性の強いトラフグやマフグは、フグ調理師免許を持った人しか調理できず、料亭などの専門店でしか食べることができません。しかしシロサバフグは免許を持った人が捌いたものがスーパーなどで手軽に買うことができ、家で唐揚げにしたり焼いて食べたりと簡単に食べることができます。スーパーで売られているフグの大多数がこのシロサバフグで、鮮度の落ちていそうなものは揚げ物にして食べるのがおすすめです。
シロサバフグに似たフグの見分け方と毒について
サバフグ属には有毒種と無毒種がある
サバフグはスズキ目フグ科サバフグ属に属しています。一般的にサバフグと呼ばれているのはシロサバフグのことで、このサバフグ属には21種類のフグが確認されています。そんなサバフグ属には体の一部に猛毒を有していたり、ドクサバフグなど体全体が有毒という有毒種もいれば全くの無毒種もいます。見た目が似ていることから自分で釣って食べる場合は最新の注意が必要です。ここでは、サバフグの見分け方について紹介します。
シロサバフグとクロサバフグの見分け方
シロサバフグとクロサバフグは非常に似たフグで、見分けのつきにくい魚です。市場では、その似たような見た目から混じって流通してしまうこともまれにあるそうです。一番わかりやすいのは、フグの尾びれに注意して見ることです。シロサバフグの尾びれは下端が白くなっているのに対し、クロサバフグの尾びれは両端が白くなっています。また、名前からも取れるようにクロサバフグはシロサバフグに比べ黒っぽいのも特徴です。
シロサバフグやクロサバフグは無毒とされていますが、海域や季節により毒を有していることがありますので、自分で釣り上げて調理して食べる場合は自己責任となります。通常フグは、フグ毒のテトロドトキシンが含まれている餌を好み食べていますが、シロサバフグはこのテトロドトキシンが含まれている餌を食べないので体内に毒が蓄積されていないので、無毒という扱いになっています。
シロサバフグは昔から毒のないフグとして親しまれてきましたが、猛毒のドクサバフグの存在や、熱帯・亜熱帯地域の個体の問題から食べる部分が規制されています。安くておいしいシロサバフグは国産だけでなく、中国などからの輸入品も多くなっています。
ドクサバフグとの見分け方
サバフグ属にも有毒種と無毒種がありますが、その中で有毒な種類がドクサバフグです。シロサバフグと同じサバフグ類なので見分けがつきにくいですが、ドクサバフグは体全体に猛毒のあるフグなので注意が必要です。見分け方は、頭部のとげで判断することができます。シロサバフグにもとげはありますが、ドクサバフグは頭部から背びれまで小さなとげがあるのに対し、シロサバフグは胸びれあたりまでしかありません。
シロサバフグのおすすめの食べ方・レシピ
シロサバフグは、フグらしい透明感のある上品な白身です。シロサバフグに熱を加えて調理しても硬くなりにくいという特性から、鍋物にしたり味噌汁に入れたり、唐揚げや竜田揚げ、煮付けにして食べたりといろいろな食べ方が楽しめる魚です。ここからは、シロサバフグの食べ方や、おすすめレシピを紹介します。
上品なおいしいだしはまさに絶品「フグ鍋」
フグと言えばフグ鍋を想像する人もいることでしょう。フグから上品なおいしいダシが出て、他の具材もスープも、シメの雑炊も最後までおいしくいただけます。身体の芯から温まる「フグ鍋」のレシピを紹介します。
- シロサバフグ1パック
- 白菜1/4
- 豆腐1丁
- しめじ半パック
- だし昆布1枚
- 水適量
- その他お好みの具材適量
- 土鍋に水とだし昆布を入れて沸騰させます。
- シロサバフグと他の鍋の材料を土鍋に入れて蓋を閉め、柔らかくなるまで煮込みます。
- お好みでポン酢をかけていただきます。
サクサク衣をつけてメインやおつまみに「シロサバフグの唐揚げ」
サクッと香ばしいフグのおすすめの食べ方「シロサバフグの唐揚げ」のレシピを紹介します。片栗粉をまとわせることでカリッサクッとした軽い歯ごたえの衣に仕上がり、淡泊でありながら上品な白身の味を引き立たせてくれるレシピです。簡単にできるので、ぜひ作ってみてください。
- シロサバフグ6尾
- 酒大さじ3~4
- しょうゆ大さじ1
- おろし生姜小さじ1
- 片栗粉適量
- 揚げ油適量
- シロサバフグを流水で洗い、ぬめりや血合いを取り除きます。
- 包丁を使い、シロサバフグのヒレを付け根からそぎ取ります。
- ボウルに下処理をしたシロサバフグを入れ、酒、しょうゆ、おろし生姜を合わせて20分ほど置きます。
- ザルにあげて水気を拭き取り、片栗粉をまぶします。
- 170℃の油できつね色になるまで揚げます。
家でもできちゃう簡単おつまみ「フグの一夜干し」
スーパーで販売されている一夜干しは、実は家でも簡単に作ることができるおつまみにおすすめのレシピです。しっかり塩味で素材の味が引き立つ「フグの一夜干し」のレシピを紹介します。
- シロサバフグ3尾
- 水、塩適量(10%の塩水を作る)
- シロサバフグの身を三枚におろし、片身を二等分します。
- 10%の塩水に1~2時間漬け込みます。
- ザルにあげて水気をよく拭き取ります。
- 干し物ネットなどに入れ、夕方から朝まで干します。
- グリルやオーブンで焼いたら完成です。
シロサバフグで安く美味しく贅沢気分!
無毒で庶民に馴染みの深いシロサバフグについて紹介いたしました。フグを食べると聞くと、料亭などで食べるフグ鍋やてっさ等を想像しがちですが、実は近くのスーパーでも普通に販売されていて、家でも簡単に調理して食べることができます。スーパーなどで販売されているフグは安全ですが、もし自分で釣ったりもらったりして調理して食べる場合は、毒性がないかをしっかり見き分けることが非常に大切です。
ここでは、シロサバフグの特徴や味についてや、クロサバフグやドクサバフグとの見分け方、おすすめの食べ方などを紹介してきました。クロサバフグは体の一部に、ドクサバフグは体全体に毒を有しているので、少しでも見分け方に自信のない場合は食べるのをやめるか、調理士免許のある人に相談してから調理するようにしてください。毒がなければ非常においしい魚なので、お好みの食べ方で贅沢気分を味わってみてください。