カメノテの食べ方!美味しい出汁とおすすめ料理を紹介!
カメノテは、独特の見た目の貝殻と上品な味わいの出汁が特徴の珍味です。では、そもそもカメノテとは一体何なのでしょうか?そこで今回は、カメノテについて詳しく紹介したいと思います。カメノテの旬の時期や値段などを知って、美味しいカメノテを堪能しましょう。正しい食べ方や身の取り方、美味しいレシピもまとめています。カメノテをもらったはいいけれど、どう調理すればいいのかわからない、という方は必見です。
カメノテは見た目に反して美味しいと評価されている
カメノテという食材を知っていますか?名前は聞いたことがあるけれど、どんな食材なのかはわからないという方は多いと思います。カメノテは、独特な見た目で嫌厭されがちな食材ですが、味はとても美味しいと評判です。また、カメノテを食べるのであれば、旬の時期や値段についても知っておきましょう。ここでは、カメノテの情報を紹介したいと思います。
カメノテは亀ではなく「貝」
カメノテという名前ですが、その正体は貝によく似た甲殻類。海辺の岩肌などに生息しており、独特の形をした硬い貝殻を持つ固着動物です。見た目が亀の手に似ていることからカメノテと名付けられたと言われています。日本ではあまり馴染みのないカメノテですが、スペインでは高級食材として扱われています。
カメノテと見た目と味わい
カメノテの見た目は他の貝類や甲殻類とは全くの別物です。先端は鋭い爪のような形をした三角形の貝殻に覆われており、柄の部分は黒い鱗のような貝殻に包まれています。生き物の手を切り取ったような見た目をしています。そのため、初めてカメノテを見る方はその見た目に衝撃を受けることも多いと思います。
カメノテの味ですが、凶暴な見た目からは考えられないほど上品で奥深い味わいと評判です。エビやカニに似た風味が魅力で、美味しい出汁が出るので、さまざまな料理で使われています。また、カメノテの貝殻を取り除くと、ぷりぷりとした食感が美味しい身も楽しむことが出来ます。
カメノテの旬について
カメノテが美味しい旬の時期は、5月上旬から8月下旬頃の暖かい時期です。カメノテは6月下旬から産卵を行いますが、5月上旬頃になると、産卵に向けて身に栄養を蓄え始めます。そのため、旬の時期は産卵の時期より少し早まります。旬の時期のカメノテは、味が濃厚で美味しいと言われています。
カメノテの値段や食中毒について
スーパーなどではあまり見かけることがないカメノテですが、一般家庭向けに販売されているのでしょうか?カメノテは水産加工店の通販などで購入することが出来ます。値段は1キロあたり3,000円から4,000円程度です。少し高めの値段設定ですが、産地で消費されることが多く、市場にあまり出回らないためです。近年は収穫量が減ってきており、値段は上昇傾向にあります。
カメノテを食べる前に知っておきたいのが、食中毒の危険性。カメノテが捕食したプランクトンの中に有害なものが混ざっていた場合、貝毒による食中毒を起こす可能性があります。現在のところカメノテによる食中毒は確認されていませんが、頭痛や下痢などの症状が出た場合は速やかに病院で診察を受けましょう。また、カメノテは甲殻類なので、エビやカニのアレルギーがある方は食べるのを控えた方がいいでしょう。
カメノテの食べ方が気になる!
カメノテを見てみると、一体どこを食べればよいのかと疑問に思う方は少なくありません。いざカメノテを食べるときに困らないように、事前に覚えておきましょう。また、カメノテからは美味しい出汁をとることが出来ます。簡単な身の取り方と合わせて紹介したいと思います。
カメノテの下処理方法
カメノテは岩肌に付着している貝なので、泥や砂、海藻などがついている場合があります。そのため、調理する前によく洗い流すことが重要です。ボウルにカメノテを入れて、水でしっかりと洗います。水が汚れてきたら取り換えましょう。数回繰り返して、水が汚れなくなったら下処理の終了です。このとき、カメノテの鋭い貝殻で手を怪我する恐れがあるため、慎重に取り扱いましょう。
ザルにあけて熱々をつまもう!
大きめの鍋にしっかりと洗ったカメノテを入れます。そこに、貝殻に被る程度の水と塩小さじ1を入れ、火にかけます。途中でアクが出てきたら丁寧に取り除いてください。完全に沸騰したあと、さらに10分程度茹で、カメノテを取り出し、ザルにあけて水気を切ります。茹で汁にはカメノテの美味しい出汁がたっぷりと出ているので、捨てずに料理に活用しましょう。
カメノテの身の取り方
カメノテの食べ方で難しいと思われがちなのが身の取り方です。身の取り方を覚えて美味しいカメノテを堪能しましょう。身の取り方は、カメノテの爪のような部分を持ち、皮膚のような部分を破ります。すると、中からピンク色の身が出てきます。ピンク色の身以外に、エラのような部分もありますが、これは美味しいものではないので取り外しましょう。
カメノテの出汁たっぷりおすすめ料理レシピ
塩茹でも充分美味しい食べ方ですが、さまざまな料理にアレンジしてみませんか?ここでは、カメノテを一層美味しく食べるための食べ方を紹介したいと思います。手間いらずで、自宅で簡単に作ることが出来るレシピなので、ぜひ試してみてください。
出汁と旨みがたっぷり「カメノテの味噌汁」
カメノテの出汁と旨味を味わいたいのであれば、味噌汁にする食べ方がおすすめです。そのまま火にかけるだけでカメノテから美味しい出汁がたっぷりと出るので、通常の味噌汁に必要な出汁取りは必要ありません。カメノテの他に使う食材は安価な値段で購入することが出来るのも嬉しいポイントです。海の幸の香り高い、美味しい味噌汁を作ることが出来ます。材料は3人分です。
- 亀の手200グラム
- 水4カップ
- 味噌大さじ2
- ネギ適量
- カメノテは水でしっかりと洗って汚れを落とします。ネギは小口切りにします。
- 鍋にカメノテ、水を入れて火にかけます。アクが出たら取り除きます。
- 完全に沸騰してからさらに10分ほど加熱し、火を止めます。
- 味噌を溶き入れて完成です。
ふっくら仕上がるお酒のあて「カメノテの酒蒸し」
シンプルな酒蒸しは、カメノテ本来の旨味を味わう食べ方と言えるでしょう。生姜やネギを使用しているので、貝類独特の臭みも感じずに、美味しい酒蒸しを作ることが出来ます。カメノテの他に使う材料は、スーパーなどで手頃な値段で販売されています。身は先ほど紹介した取り方で取り出しましょう。材料は2人分です。
- カメノテ250グラム
- 生姜1片
- 長ネギ(青い部分)3本
- 酒2カップ
- 塩小さじ1/2
- カメノテは水でしっかりと洗って汚れを落とします。
- 生姜は皮を剥いて千切りにします。
- 鍋に材料を全て入れて、中火で加熱します。
- 煮立ったら蓋をして、さらに5分程度火にかけて蒸します。
- 長ネギを取り除き、器に盛って完成です。
出汁も無駄にしない「カメノテの炊き込みご飯」
炊き込みご飯は、カメノテの出汁を一滴も無駄にしない食べ方です。ご飯にカメノテの出汁がたっぷりと吸収され、一口食べると口の中でカメノテの旨味が広がります。カメノテとご飯さえあれば簡単に作ることが出来るので、値段がかからないのも嬉しいものです。身の取り方は先ほど紹介した取り方を参考にしてください。材料は4人分です。
- 米3合
- カメノテ100グラム
- 塩小さじ1/2
- 醤油大さじ3
- 酒大さじ2
- みりん大さじ2
- 米は研ぎ、ザルにあげておきます。
- カメノテは水でしっかりと洗って汚れを落とします。
- 鍋にカメノテを入れて、貝殻が被る程度の水、塩を入れて3分程度茹でます。
- カメノテを取り出し、貝殻を外します。
- 炊飯ジャーに米を移し、カメノテ、醤油、酒、みりんを入れます。
- 指定の目盛りまでカメノテの茹で汁を入れ、炊飯します。
- 炊飯が終わったら、全体を混ぜ合わせて完成です。
カメノテの風味が活かした「カメノテのボンゴレビアンコ風」
カメノテはご飯だけでなく、パスタとの相性も抜群です。ボンゴレビアンコと言えばあさりですが、今回はあさりの代わりにカメノテを使って、おしゃれなパスタを作ってみましょう。カメノテの出汁とにんにくの香りであっという間に完食してしまう美味しさです。ランチとしてはもちろんのこと、日本酒や白ワインともよく合う一品です。材料は2人分です。
- パスタ180グラム
- カメノテ100グラム
- たまねぎ1/4個
- ミニトマト8個
- にんにく1片
- オリーブオイル小さじ2
- 水3カップ
- 日本酒1/4カップ
- 塩少々
- 乾燥バジル少々
- カメノテは水でしっかりと洗って汚れを落とします。
- たまねぎはみじん切りに、ミニトマトは2等分にします。にんにくはスライスします。
- 鍋にオリーブオイルをひき、にんにくを炒めます。
- 香りが出てきたらたまねぎを加え、たまねぎが透き通ったらカメノテを加えます。
- 水、日本酒、塩を加えて煮立たせ、アクが出てきたら丁寧に取り除きます。
- トマトと乾燥バジルを加えて5分ほど煮込み、ソースを作ります。
- 別の鍋に湯を沸かして塩を加え、パスタを表記通りの時間で茹で、茹で上がったらザルにあげて水気を切ります。
- 器にパスタを盛り、上からソースをたっぷりとかけて完成です。
カメノテの出汁を活かして絶品料理!
いかがでしたか?今回は、カメノテの特徴や食べ方、美味しいおすすめレシピを紹介しました。カメノテからとれた出汁を料理に使うと、数段ランクアップした味わいになります。手に取るには少し勇気が必要な見た目のカメノテですが、その美味しさにやみつきになること間違いなしです。カメノテをいただく機会があれば、チャレンジしてみるといいかもしれません。