2018年12月04日公開
2024年08月21日更新
『千とせ』の大阪名物「肉吸い」とは?発祥の地・本店を徹底紹介!
大阪のソウルフードと言えば何を思いつきますか?やはりすぐに思いつくのは、お好み焼きか、たこ焼きかと思います。他には何かないのかな?と思っている人は、ぜひ、「千とせ」という店の「肉吸い」を食べてみて下さい。粉もののように全国的に認知されていませんが、正真正銘の大阪のソウルフードです。この記事では、「肉吸い」がどんな料理なのか以外にも、発祥の店「千とせ本店」の場所ツウ通な食べ方を紹介したいと思います。
千とせの名物「肉吸い」とはどんな料理?
肉吸いはうどんナシの肉うどん?
「肉吸い」と聞いても、どんな料理なのか思いつかない人が多いと思いますが、写真を見ると分かる人もいると思います。ですが、「肉うどん」の事なのかと思った人は間違っています。「肉吸い」は「肉うどん」のうどん無しバージョンの事を言います。また、主食から汁物になったのかと思いきや、それも違うようです。
主食と思われる事が多いお好み焼きをおかずに、白いご飯を食べる事が出来る大阪ならではで、「肉吸い」もお好み焼きと同様、白いご飯のおかずのようです。実際、「千とせ」でも「肉吸い」とご飯のセットで食べてる人が多いようです。千とせでは鰹節やうるめから取った出汁を使った関西風のつゆに、薄切りした牛肉と、その下に隠れるように半熟卵が入っていて、刻んだ青ネギがトッピングされています。
肉吸いの由来は?
「千とせ」は、そもそも、肉うどんの美味しいうどん屋さんで、今でも肉うどんを提供しています。「肉吸い」は、最初からあったメニューではないのです。ではどうして、肉うどんからうどんを抜いた「肉吸い」が生れたのかは意外な理由からです。
吉本新喜劇の「花紀京」、という俳優が二日酔いで「千とせ」を訪れます。二日酔いだけど、何かお腹に入れたくて、軽い物がいいから、では「肉うどんのうどん抜きで」とリクエストし、店主もそれに応じたそうです。うどん屋さんでうどん抜きをリクエストするのもビックリですが、それに応じた店主もスゴイと思います。こうして、今では店で一番人気の「肉吸い」は生まれたそうです。
肉吸い発祥の千とせとはどんなお店?
千とせは地元で愛される名店
「千とせ本店」は、食い倒れの町大阪で半世紀以上、府民の胃袋を満たしてきた、うどん屋さんです。今の千とせの店主で3代目になります。道頓堀にある大きなカニの看板や、新世界にあるフグの提灯のような、目立つ看板は特になく、どちらかといえば質素な感じの店構えです。
ただ、店の入り口には、沖縄の書道家である、浪人善隆さんが書いた「肉うどん肉吸い」と「千とせ」というインパクトのある暖簾がかかっています。店内にも暖簾と同じような書が1つ飾られていますが、それ以外はいたってシンプルです。座席は全部で18席で、4人掛けのテーブルが3卓と6人掛けのテーブルが1卓あるだけの小さな店なので相席は当たり前です。
また、メニューもシンプルで、肉吸いと豆腐入り肉吸いが、肉うどん、卵かけごはんと普通のご飯が小と大の2サイズあり、あとは生卵のみです。行列も出来る店なので、通り過ぎてしまう事はまずなく、遠くからでも見えるくらいの行列が出来ていれば、そこがお店です。
千とせ本店の場所や営業時間は?
「千とせ本店」は、大阪のミナミ、裏難波と言われる場所にあります。最寄り駅は2駅あり、一番近い駅は南海電鉄の難波駅になり徒歩3分です。次に近いのは、大阪メトロ御堂筋線のなんば駅になり、徒歩5分です。どちらの駅からも、他県から来た人は足を踏み入れるのに躊躇しそうなディープな街を通り抜けて行きます。もし迷ったら地元の人で「千とせ」を知らない人はいない。というくらい有名な店なので聞いてみるといいそうです。
営業時間は10時30分から14時30分と短いうえに、売り切れて店を早々に閉める事もあるそうです。また、ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれた「千とせ本店」は、休日ともなると開店前から外国の方もたくさん並び、一種、観光地化している時もあるそうです。休日ともなると、10時前で既に30人い以上並んでいる事もあるそうです。
絶対に食べたい人は、まだ開店まで時間があるし全然並んでないから余裕だから、近くで時間を潰そう。なんて軽く思わずに、誰一人並んでいなくても真っ先に並ぶ事をオススメします。少しくらい並んでいても、店に入って食事が出てくるのに5分程度ですし、食べるのにもそこまで時間のかかるものでもなく回転率は早い方なので並ぶ事をオススメします。
千とせで大阪名物「肉吸い」を食べよう
千とせの肉吸いはどんな味?
「千とせ」の「肉吸い」は鰹節で出汁を取り、砂糖と醤油で味付けされ、やや甘めな関西風のつゆの味です。器の底まで見えるような澄んだつゆなので、一見あっさり薄味そうな感じがしますが、中に牛肉が入る事によって牛肉から出る肉の旨味や脂が溶け出し、見た目以上にしっかりとした味ですがしつこくない味です。そこにシャキシャキとした青ネギがアクセントになっています。
うどんが入る余地がないくらい肉がたっぷりな「千とせ」の「肉吸い」は、決して高価な物は入っていなくて、むしろ家庭にもよくある材料で作られています。食べた人の感想としても、家で作る事が出来そう。という人もいれば、ここでしか食べる事が出来ない味。と言っている人どちらもいます。老舗の店なので、何か隠し味があるのかもしれない。と調べてみましたが、隠し味どころか、情報ライブミヤネ屋でレシピを公開しています。
秘伝のレシピとして公開していますが、テレビで公開した時点で秘伝ではなくなっています。そのレシピは、牛バラ肉・青ネギ・卵、出汁を作る為に鰹節と薄口醤油・砂糖だけです。鰹節がとても高価な物なのかもしれないし、もしかしたら牛バラ肉だけど、そもそも高級な牛肉なのかもしれないです。ただ、値段と昔から地元の人に愛され続けてきた店。という事を考えると、そう効果な物を使っているとは思えないです。
肉吸いのおすすめの食べ方は?
先ほども触れましたが、肉吸いは見た目は汁物ですが立派なおかずですので、食べ方としては、ご飯も一緒に食べて成り立ちます。「肉吸い」650円にご飯です。メニューには小玉210円・大玉240円という卵かけごはんと、小160円・大190円の普通のご飯があります。卵かけごはんにはオリジナルの醤油があるそうですが、すぐ横には大阪らしく「村上ジョージの特選ギャグしょうゆうこと」が置いてあるそうです。
卵かけごはんで食べるのも美味しい食べ方ですが、「肉吸い」の中にも隠れるように卵が入っているので、卵を2個食べる事になります。また、ツウな人の食べ方は普通のご飯を頼み、「肉吸い」の中に入っているトロトロな半熟卵を乗せ、絶品の出汁をご飯にまとい食べるそうです。
豆腐入りの肉吸いもおすすめ
「千とせ」に行くのならば、やはり最初は王道の「肉吸い」と卵かけごはんで食べるのが、イチオシな食べ方です。ツウな食べ方は先ほど触れたように、普通のご飯に「肉吸い」の中の卵をかけて食べますが、更にツウな食べ方は「豆腐入り肉吸い」を食べます。アツアツのご飯の上に、出汁の染み込んだ豆腐を乗せて食べるのも美味しいそうです。
普通の「肉吸い」も「豆腐入り肉吸い」も、ごくごく普通な具材を使っているのだけれど、何故か一度たべたらやみつきになる人が多いようです。
千とせは本店以外に店舗はある?
「千とせ本店」に行ったら、既に売り切れて閉まっていた。という場合でも諦める事はないです。すぐ近くのなんばグランド花月の1階に、もう1店舗出来たのです。それが「千とせべっかん」です。こちらは、4代目が営業しています。本店よりインパクトはないのですが、同じ書道家さんに書いてもらった暖簾がかかっていて、書も入り口横に飾ってあります。
平成24年4月にオープンしたという「千とせべっかん」は、営業時間が「千とせ本店」と違い長く、11時から20時までとなっています。また違う点がもう一つありメニューが本店よりも多いようです。うどんも、肉うどん以外にも、きつねうどんや梅とじうどんなど数種類あり、丼ものも親子丼や他人丼などがあります。またビールも飲む事が出来ます。
ただし、売り切れ次第終了という点は、本店と変わらないので注意が必要です。また、なんばグランド花月に店がある事から、度々芸人さんも食べにくるそうなので、もしかしたら会えるかもしれないです。
大阪に来たら千とせで肉吸いを食べよう!
「肉吸い」の美味しさや、おすすめの食べ方を紹介しました。あなたも「肉吸い」を食べたくなったのではないでしょうか?明石家さんまさんやダウンタウンが、うどん屋なのにうどんを出さない店として宣伝し、吉本芸人の間では「千とせ」に行けば売れる。という都市伝説もあるそうです。信じるか信じないかはあなた次第ですが、美味しさは信じでも大丈夫です。大阪に行った時には、ぜひ「肉吸い」を食べてみて下さい。