2018年11月26日公開
2024年08月19日更新
恵方巻きの正しい食べ方は?7つのルールや由来など徹底解説!
節分の日に食べる恵方巻きには、食べ方があることを知っていますか?丸かぶりすることや、その年の恵方を向いて食べることなどはよく知られていますが、恵方巻きの食べ方には他にもルールがあるんです。そもそもいつ頃から恵方巻きが食べられるようになったのか、正しい食べ方とはどういうものなのか、など、恵方巻にまつわる7つのルールや由来を知ってから恵方巻きを食べて、節分に福を呼び込みましょう。
目次
恵方巻きの正しい食べ方やルールを詳しく知ろう!
節分が近づくと、スーパーやコンビニで「恵方巻き」の文字が躍ります。しっかり予約をして節分に備える方も、当日にその日の気分で選んで買う方も、材料を揃えておうちで手作りする方もあるでしょう。
毎年「今年の恵方は〇〇〇!」と言われますが、一体全体、恵方ってなぜ毎年変わるの?とか、切らずに丸かぶりするなんてどうして?とその食べ方に疑問を持ちながら恵方巻きを食べている、という方も多いのではないでしょうか。実は恵方巻きには「正しい食べ方」というのがあるのです。正しい食べ方のルールや、恵方巻きの由来を知って、節分の恵方巻きをもっと楽しんでみませんか?
恵方巻きについて由来などを詳しく解説
そもそも、恵方巻きが節分のメジャーな食べ物になってきたのは、割と最近のことです。いつから、どのようなきっかけで、恵方巻きが食べられるようになったのでしょうか。恵方巻きの食べ方の正しいルールや、その由来を詳しくみていきましょう。
恵方巻きの起源
恵方巻きの由来にはいろいろな説がありますが、江戸時代から明治時代の大阪の花街で芸妓さんたちが節分を祝って巻き寿司を食べていた、という説が有力です。その他には、大正時代の大阪の花街で節分にお新香の巻き寿司を食べたことが由来、という説もあります。節分の頃は香の物、つまりお漬物が出来上がる時期にあたり、初物のお新香を太巻き寿司にして食べることで縁起を担いだのです。
その他にも、節分の鬼退治のために鬼の金棒に見立てた恵方巻きを食べるとする説もあります。具材には青鬼に見立てたキュウリ、赤鬼に見立てた桜でんぶやニンジンなどを入れ、食べて鬼を退治するのだとも言われています。
恵方とは何?
恵方とは、その年の福を司る神様である歳徳神のおられる方向を言います。歳徳神のおられる方を向いて事を行うと叶うと考えられており、その方向を恵方と呼ぶのです。2019年の恵方は、東北東になります。恵方は年によって決まっており、西暦の下1桁を見ればその年の恵方が分かります。
6、3、8の年は…南南東。2、7の年は…北北西。4、9の年は…東北東。5、0の年は…西南西となります。よく見ると、恵方とは4種類しかないのです。
関東になく関西でのみ広まった習慣
「恵方巻きの起源」で紹介したように、恵方巻きは大阪の花街を起源として誕生しました。そのため、もともとは関西だけで恵方巻きの習慣が広まっていました。それが全国規模で広がっていったのには、わずかここ20年のことになります。全国的な広がりには、実は商業的な理由がありました。
恵方巻が全国に広まるきっかけは広島のセブンイレブン
今では節分の巻き寿司を普通に「恵方巻き」と呼びますが、「恵方巻き」が初めて登場したのは1989年のことでした。広島のセブンイレブンが節分の太巻き寿司に「恵方巻き」と名付けて販売を開始したのです。その後は徐々に販売エリアが拡大し、1998年には全国エリアで販売するようになりました。セブンイレブンの販売エリア拡大に伴って、日本中に恵方巻きを食べる習慣が広まっていったのです。
恵方巻を食べる時の7つのルールと食べ方を解説
恵方を向いて食べる
恵方巻きの食べ方ルールその1は、歳徳神のおられる方向=恵方を向いて食べる、です。恵方を向いて食べきることで願い事が叶うのです。恵方は毎年変わるので、その年の恵方を確かめてから食べ始めましょう。
願い事をしながら食べる
恵方巻きの食べ方ルールその2は、心の中で願い事をしながら恵方巻きを食べる、です。食べている間、静かに神様に願いをかけると願いが叶うと言われています。
黙って食べる
恵方巻きの食べ方ルールその3は、黙って食べる、です。おしゃべりしたり、声をあげたりしてはいけません。願い事に集中するために黙って食べるのだとか、途中で口を開くと運気が逃げてしまうからだと言われています。食事時に沈黙を強要されるのはかなり大変な時間になりますが、みんながこの苦行を乗り切ったらおしゃべり解禁です。楽しく食事を続けましょう。
一気に食べる
恵方巻きの食べ方ルールその4、途中で休憩したり他のおかずを食べたりせずに、一気に食べます。これはご利益を「一気にいただく」ために一気に食べるのだと言われています。食べ始めたら口を離さないように、汁物も恵方巻きを食べ終わってからとるようにするのが正式なようですが、大きな恵方巻きが喉に詰まりそうになったときには勿論頑張りすぎずに、飲み物を飲んでください!
丸ごと一本食べる
恵方巻きの食べ方ルールその5、1本を切ったりせずに、丸ごと1本を食べます。巻き寿司を途中で切るとご利益も途切れてしまうため、と言うのが理由のようです。太い恵方巻きを丸ごと1本食べるのは結構なボリュームがありますが、切ってしまっては普通の巻き寿司になってしまうので、年に一度のこととして頑張っていただきましょう。
笑いながら食べる
恵方巻きの食べ方ルールその6は、ずっと笑いながら食べる、です。これは万物は木・火・土・金・水の5つ元素から成り立つとする五行思想からきており、春が来るのに障害となる金気(こんじん)を滅ぼすために火気である「笑い」が必要(火剋金)とする考え方に基づきます。また、「笑う門には福来る」の言葉もあります。笑いながら恵方巻を食べて、福を取り込みましょう。
さっきは「黙って食べる」というルールがあり、今度は「笑いながら食べる」というルールが出てきました。一度に両方をやるなんてちょっと無理があるような気もしますが、「しゃべらないけれど笑顔で食べる」ようにすればいいのだと解釈できます。
夜に食べる
恵方巻きの食べ方ルールその7は、夜に食べる、です。鬼が来る夜に豆をまき、邪気を追い払った後で、福を呼び込む恵方巻きを食べるのが一般的とされています。また、恵方巻きは節分を祝うものですが、節分とは立春の前日、つまり旧暦では大晦日に当たる日になりますので、家族そろっての夜の食事に恵方巻きを食べるのがよいでしょう。
ただ、夜は仕事の都合があるという方や、いろいろな事情のある方は、節分の日なら朝や昼でも大丈夫ともいわれています。7つの食べ方のルールがありますが、無理せずにできる範囲で恵方巻きを楽しめばよさそうです。
恵方巻の具材などについて
恵方巻の具材は7種類が基本
恵方巻きの具材にはいろいろなものがありますが、一般的には7種類の具材が使われます。7というのは七福神にちなんだ数字で、七福神を参拝することで「7つの災難が除かれて7つの幸福を授かる」と言われます。つまり、恵方巻きには七福神にちなんだ7つの具材を使うことによって、太巻き寿司に福を巻き込み、商売繁盛や無病息災を願う、との縁起を担いでいます。
恵方巻の具材にはどんなものが使われている?
七福神にあやかった7種類の具材を使うのが一般的な恵方巻きですが、特にこの具材が入るのが正しいという決まりはありません。どうやら7種類であればよいとされているようで、いろいろの具材の組み合わせで恵方巻が作られています。
しかし、どんな具材でもよいとはいえ、やはり縁起の良いとされる具材が使われることが多い様子です。しいたけ、うなぎ、アナゴ、かんぴょう、海老、だし巻き、でんぶ、きゅうり、などがよく使われます。茶、黄、緑、赤と彩りよく、味のバランスもよいように組み合わせれば大丈夫ということになりそうです。
子どもが喜ぶような具材も登場!
サーモン、マグロ、ツナ、シシャモ卵、レタス、カニカマ、ハムなど、普段から子どもが大好きな具材を使って、子どもが喜ぶ恵方巻きにすると食べやすいですね。また、子どもや年配の方には太巻き1本は大きすぎるので、はじめからサイズを半分にしたり、少し細目に作ったりすると、食べやすくなります。
恵方巻きのレシピを検索すると、海苔の替わりに薄焼き卵で巻いたオムライス恵方巻きや、肉巻き恵方巻きといった変わり種もたくさん見つかります。子どもにも食べやすい恵方巻きを用意して、みんなと一緒に1本丸ごと食べれた!という体験をさせてあげると、楽しい節分になりそうです。
ちょっと変わったスイーツなどの恵方巻きも登場!
最近では恵方巻きがすっかり定着したためか、巻き寿司以外にもバラエティ豊かな恵方巻きが登場しています。トルティーヤやクレープも「巻きもの」ですので、恵方巻きがわりに食べられることがあります。イカスミを使って海苔のように真っ黒に焼いたスポンジを使ったロールケーキなら、節分の日の楽しいデザートとしてぴったりです。でも、さすがにこれを1本丸ごと食べるのはあまりおすすめできません。
恵方巻の正しい食べ方やルールを守って運気を呼び込もう!
恵方巻きの正しい食べ方やルール、由来を紹介してきました。まとめると、恵方巻きを「節分の日の夜に、恵方を向いて、願い事をしながら、黙って、笑顔で、一気に、丸ごと食べる」ことで願いが叶い、福を呼ぶ、ということになります。2019年の恵方は東北東です。恵方巻きを美味しくいただいて、福を呼び込みましょう。