納豆の栄養成分と効能は?効果を上げる食べ方や組み合わせを紹介!
身体にいいと言われる納豆ですが、実際にどんな栄養成分を含んでおり、どのような効能があるのか。栄養価とその身体にもたらす効果を詳しく解説していきます!納豆と一緒に食べると効果が増す食べ合わせや、NGな食べ合わせも紹介します。
目次
和食に欠かせない納豆は栄養がたっぷり
日本の食卓に欠かせない食べ物である納豆は、さまざまな栄養素がたっぷりと詰まっています。納豆の特徴とも言えるネバネバ成分も、病気を予防する効能がある栄養素の一つです。
身体に良いとされる納豆も、ネバネバや風味が苦手であまり食べない方もいるのではないでしょうか?ネバネバが気にならないおすすめの食べ方や、健康にいい納豆の効能について紹介します。
納豆に含まれる栄養素・ナットウキナーゼに注目
大豆から納豆を製造する過程で作られる「ナットウキナーゼ」という栄養素は、納豆にしか含まれていない独自の栄養素で、納豆がネバネバしている理由の成分でもあります。ナットウキナーゼは納豆菌によって作られる酵素の一つで「タンパク質分解酵素」という酵素に当てはまります。
ナットウキナーゼの血液をサラサラに保つ仕組み
このナットウキナーゼという成分には血液をサラサラに保つ、ナットウキナーゼの中でも最大の効能があります。この効能には、大きく分けて二つの働きがあります。一つ目は、血栓の原因であるフィブリンの働きを抑えて、血栓を予防する効果です。
二つ目は、血栓が出来てしまった際にそれを溶かす働きのある酵素を、活性化させる効果です。詳しく説明すると、ナットウキナーゼには同じくタンパク質分解酵素である「ウロキナーゼ」や「プラスミン」という酵素を活性化させたり、生成を促す力があります。
このウロキナーゼやプラスミンにも血栓を溶かす働きがあり、より血栓の予防や溶かす効果が期待できます。血栓を防ぐ効果は、エコノミー症候群の予防や、動脈硬化や心筋梗塞、脳こうそくなどの血管系の病気の予防のために役立ちます。
納豆には美容にもいい成分が豊富
ダイエットに必須な栄養素・タンパク質
筋肉を作るために必要な栄養素「タンパク質」は、納豆の原料である大豆に非常に多く含まれています。通常、タンパク質は肉や魚、乳製品など動物性の食品に多く含まれている栄養素ですが、大豆に含まれているタンパク質は植物性で、脂質をほとんど含んでおらず、効率よくタンパク質を摂取することができます。
脂質をあまり摂らずに、タンパク質が摂れる納豆は、ダイエット中の方は特に嬉しい食品ですよね。タンパク質には他にも、髪の毛をサラサラで健康な保つ効果や、皮膚、爪の健康にも効果があります。
エネルギー代謝を上げる栄養素・ビタミンB2
ビタミンB2は大豆にも含まれていますが、納豆にはその約2~4倍のビタミンB2が含まれています。発酵させ納豆にすることでビタミンの量も増える仕組みです。ビタミンB2には炭水化物や脂質、タンパク質の三大栄養素がエネルギーに変わる助けになる栄養素です。
三大栄養素のエネルギー代謝を促進するため、ダイエットにも適しています。
アンチエイジング効果・イソフラボン
イソフラボンは大豆に多く含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをすることで今、注目を浴びています。更年期障害や骨粗しょう症の予防効果などが期待されている栄養素です。
このイソフラボンには強い抗酸化作用があり、老化を防止するアンチエイジング効果があります。納豆を食べることでアンチエイジングにもなるとは、嬉しい効果ですよね。他にもイソフラボンの強い抗酸化作用には、コレステロール値の抑制や免疫力を高める効能などもあります。
まだまだある納豆の栄養素を紹介
栄養素レシチンは脳の働きを助ける
こちらで紹介する栄養素「レシチン」は、脳の栄養素と呼ばれており、受験生など勉強に力を入れたい方や、高齢者の方などにおすすめの栄養素です。レシチンにはアセチルコリンという記憶に関係した神経伝達物質の生成を促す作用があり、主に記憶力の向上に役立ったり、認知症を予防する効果があります。
レシチンは大豆や納豆の他にも、豆腐や豆乳、おからなど大豆製品に含まれています。
鉄分と一緒に摂りたい・貧血予防にモリブデン
モリブデンとは、ミネラルの一種の栄養素の一つです。モリブデンにはキサンチンオキシダーゼを助ける働きがあります。キサンチンオキシダーゼは肝臓などに存在しており、遺伝的な物ですが、このキサンチンオキシダーゼが欠乏すると腎不全などの病気を引き起こす可能性もあります。
モリブデンには鉄分の利用を促して貧血を予防する効果も期待されています。鉄分と一緒に摂ると、より貧血の予防になります。モリブデンは肝臓にある成分なのでレバーに含まれています。他にも枝豆など豆類に多く含まれており、中でも納豆は他の食品よりモリブデンの含有量がずば抜けて多いです。
中性脂肪やコレステロールに効く大豆サポニン
大豆サポニンは、大豆に含まれている苦み、渋みの成分で、コレステロール値の上昇を抑えて、中性脂肪や血圧を低下させる働きがあります。他にも、肝機能障害の改善やがん予防、抗酸化作用による老化防止などの効果があります。
動脈硬化を予防するポリアミン
細胞分裂に伴う遺伝子のコピーなどを行っているポリアミンは、細胞の再生や増殖に必要不可欠な成分です。このポリアミンには、動脈硬化の元となるLFA-1を抑える働きがあり、動脈硬化を予防することができます。
より栄養が豊富な納豆はどれ?
納豆にも種類があった
同じ納豆でも粒納豆とひきわり納豆という物があり、製造工程の違いで、含まれる栄養素の量も変わってきます。粒納豆は「大豆を水に浸し、煮て、納豆菌をかけ発酵させる」のですが、ひきわり納豆は「大豆をひき割り、皮を取り除き、水に浸し、煮て、納豆菌をかけ発酵させる」という風に作業工程が少し多いです。
ひきわり納豆は、発酵させる前に大豆を細かく割り、皮を取り除いてから発酵させるので、ただ粒納豆を細かくしているだけではありません。
ひきわり納豆は味や風味が格別
ひきわり納豆は皮が取り除かれている分、煮る過程での熱の通りが早く、発酵にかかる時間も短縮できます。これによって、粒納豆とは味や風味が少し異なっているようです。ひきわり納豆は粒同士の空間が大きく、納豆のうま味をより多く感じることができます。そして何より、皮がないので食感がなめらかで上品です。
気になる栄養の差は?
粒納豆とひきわり納豆には、それぞれ抜きんでて多い栄養素が違います。粒納豆は「カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB2」が、ひきわり納豆では「カリウム、リン、ビタミンB1、ビタミンE、ビタミンK」がそれぞれの納豆より多く含まれているようです。
特に差があるのはビタミンKで、ビタミンKは骨の健康を保つので骨粗しょう症が心配な高齢者の方に摂っていただきたい栄養素です。そしてひきわり納豆には皮がない分食物繊維が少なめです。しかし、皮のない分消化によく、胃腸の負担も少ないです。
納豆と組み合わせてより効果を発揮する食材
王道のごはんと納豆
定番で相性のいいお米と納豆を組み合わた食べ方です。大豆とお米には補足効果があり、一緒に摂ることでたんぱく質の栄養価が高まります。朝食と言えばこれ!という組み合わせなので、お米と納豆の組み合わせた食べ方は、自然と取り入れることができます。
お米・納豆と組み合わる食べ方では「味噌汁」も一緒に食べたい一品です。味噌汁は納豆のネバネバを緩和させる効果があり、ネバネバのついたお箸で味噌汁をかき混ぜるようにすると、ネバネバが緩和され食べやすくなりますよ。
便秘に効果的なキムチ・オリーブオイルと納豆
納豆とキムチまでは聞いたことがある方も多いかと思いますが、オリーブオイルと一緒に摂る食べ方は意外な組み合わせですよね。まずはキムチと納豆の組み合わせから紹介します。キムチに含まれている乳酸菌と、納豆の成分であるナットウキナーゼを一緒に摂ることで、便秘解消に効果を発揮します。手巻き寿司感覚で、焼き海苔でお米、キムチ、かき混ぜた納豆を巻く食べ方は、手間が掛からずおすすめです。
そして、オリーブオイルの成分である「オレイン酸」と納豆の相性も良く、血液の流れを促進させ、骨を丈夫にし、便秘解消に効果があります。オリーブオイルと納豆の組み合わせは、混ぜて食べると意外に美味くいただけます。一度試してみてはいかがでしょうか?
納豆とはNGな食べ合わせも
実は納豆と一緒に摂るとNGな食べ方になってしまう食材があります。それは卵白です。どうして卵白と一緒に食べるとNGなのかと言うと、卵白に含まれているアビジンという成分が納豆のビオチンというという成分と結合してしまい、吸収を阻害することがあるからです。卵と納豆を混ぜて食べる時は、卵黄にとどめておきたいですね。
そして納豆は加熱調理も、栄養効果を得るためにはNGです。納豆に含まれているナットウキナーゼは熱に弱く、70度以上の加熱はよくありません。納豆を使った料理は美味しいですが、やはりそのまま食べた方が栄養価を保てるのでおすすめです。
納豆を食べて健康になろう
納豆の効能や、栄養価を引き上げる食べ合わせの紹介はいかがでしたか?卵白や加熱調理がNGとは意外でした。納豆には色々な効能があるので、正しい知識を身につけ美味しくいただきましょう。