卵一個のタンパク質の量と栄養は?黄身と白身のどちらが多い?
卵のタンパク質は量も多く良質です。卵1個にはタンパク質だけではなく脂質、ビタミン、ミネラルなどがバランスよく含まれていて、完全栄養食品といわれています。今回は卵のタンパク質の量や栄養素、黄身や白身のちがい、卵の魅力などをまとめてみました。
目次
卵のタンパク質を紹介!
日本は世界トップ3に入るほど卵消費量がとても高く、国民1人あたり年間約300個もの卵を食べています。(参照:IEC(国際鶏卵協議会)報告書)毎日、卵を使ったなにかしらの料理を食べているということが良く分かるデータです。
日本人の食事に欠かせない卵ですが、今回はスーパーなどで販売されている一般的な鶏卵のタンパク質の量や栄養、黄身と白身のタンパク質の違いなどについて紹介していきます。
卵にはどんな種類がある?
世界的にはカモ、ガチョウ、ダチョウ、アヒルなどの卵を食べる国もありますが、日本人が食べるのはスーパーなどで販売されているように鶏卵かうずら卵です。鶏卵にはニワトリの種類により卵の殻色が白か赤のちがいがあります。赤玉は白玉より値段も高い場合が多いので、栄養も高いと思われがちですが実は大差はないことが分かっています。
赤玉の方が白玉より値段が高いのは赤玉を産むニワトリの方がたくさんのエサを食べるので、その分コストがかかることによるそうです。値段や栄養が高い卵は放し飼いなどでストレスなく育ったニワトリやヨード、ビタミン、ミネラルなどが多い高価なエサで育ったニワトリが産む卵でブランド化されています。
卵のタンパク質はアミノ酸スコア100!
卵は毎日の食生活で欠かせない食材です。目玉焼き、オムレツ、スクランブルエッグ、卵焼き、ゆで卵など卵単体でもいろんな食べ方ができます。卵の魅力はいろんな料理に活かせることはもちろんですが、何よりも栄養素が素晴らしいといえます。
卵の栄養素で一番に思いつくのはタンパク質ではないでしょうか。タンパク質は約20種類のアミノ酸からできていて、そのうち9種類は必須アミノ酸(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)です。必須アミノ酸は体内でつくることができないので、食事から摂る必要があります。
卵のタンパク質には必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、量的にも質的にも優れているのです。卵がタンパク質の優等生であるのはアミノ酸スコアが100であることからも納得できます。アミノ酸スコアというのは食品の必須アミノ酸の含有比率を評価したもので、100に近いほど良質なタンパク質であるといえます。
卵1個のタンパク質の量と栄養素
卵が完全栄養食品といわれるのは、タンパク質の他にも脂質やビタミン、ミネラルなどがバランスよく豊富に含まれていているからです。卵1個のタンパク質の量や栄養素をみていきましょう。
卵の可食部100gあたりの栄養成分(参照:五訂日本食品標準成分表)は基本部分エネルギー151kcal、水分76.1g、タンパク質12.3g、脂質10.3g、炭水化物0.3g、灰分1gあります。水分を除くとタンパク質の量が一番多く、一般的な卵1個が60gだとするとタンパク質は7.38gの計算になります。
他の栄養成分としてミネラル(リン、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)やビタミン(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンなど)が含まれていて非常に栄養は豊富なことが分かります。
黄身に含まれるタンパク質の量は?
卵は黄身と白身を用途によって使い分けることができます。例えばどんぶりに生の黄身だけをのせたりケーキを作るときに白身を泡立ててメレンゲを立てたりします。分けて使う場合は黄身の方が用途も多いです。黄身の栄養素の量はどのくらいなのでしょうか。
卵の可食部100gあたりの栄養成分(参照:五訂日本食品標準成分表)、黄身はエネルギー387kcal、水分48.2g、タンパク質16.5g、脂質33.5g、炭水化物0.1g、灰分1.7gあります。一般的な卵1個が60gだとすると黄身部分は18gで、そのうちの黄身のタンパク質は2.97gの計算になります。黄身はタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどもバランスよく含まれているので栄養素が優れているといえます。
白身に含まれるタンパク質の量は?
卵を黄身と白身に分けて使う場合、白身は捨てがちかもしれませんが白身にも優れた栄養が含まれているので、捨てるのはもったいないですね。卵の黄身と白身で含まれる栄養素の量はどのぐらいの違いがあるのでしょうか。
卵の可食部100gあたりの栄養成分(参照:五訂日本食品標準成分表)、白身はエネルギー47kcal、水分88.4g、タンパク質10.5g、脂質0g、炭水化物0.4g、灰分0.7gあります。一般的な卵1個が60gだとすると白身部分は42gで、そのうちの白身のタンパク質は4.41gの計算になります。
白身は黄身より少しだけタンパク質を多めに含んでおり、脂質は見事に0gです。カロリーが気になるときや食事制限で脂質を摂りたくないときなどは白身のみを食べるという方法も選択できます。
卵のタンパク質の摂り過ぎによる影響は?
卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素をバランスよく含む優れた食材なので、積極的に摂りたい食材です。だからといって、食べ過ぎは身体によくないこともあります。卵のタンパク質を過剰摂取したときにはどんな影響が考えられるのでしょうか。
これは卵に限らないと思いますが、一般的にタンパク質を摂りすぎると腎臓に負担がかかります。腎臓は血液をろ過して老廃物を排泄させる役割がある重要な臓器です。タンパク質は体内で代謝分解されて必要のないものは窒素化合物になりますが、その量が多いと腎臓が疲弊してしまいます。
卵は1日何個まで食べていいの?
卵の過剰摂取はタンパク質だけではなくてコレステロール量による病気やカロリーが気になるという方もいらっしゃるかもしれません。以前は卵のコレステロールの摂り過ぎで動脈硬化や脳卒中などの疾患に影響があると言われていましたが、現在は関連性がないと結論づけられています。
一般的な卵1個が60gだとするとカロリーは90.6kcalの計算になります。そんなに高くないので、ダイエットしている方でも気にならないカロリーです。むしろ、必要な栄養素を卵から摂ることで病気の予防に活かしていきたいですね。卵の制限数は決まっていないので、健康な方なら卵を1日2個以上食べても問題ないのではないでしょうか。
卵のタンパク質を筋トレ後に利用しよう
良質なタンパク質を含む食材は卵以外にも肉・魚・大豆などがありますが、卵はゆで卵にすると持ち運びにも便利だし、とにかく手軽に食べられるのがいいですよね。筋肉はタンパク質をもとに作られているので、筋トレ後に良質なタンパク質を食べると効率よく筋肉をつけることができます。
筋トレ後に合成されたサプリメントやプロテインを飲んで筋肉をつけるのも1つの方法だと思いますが、筋肉をつくるためにはタンパク質だけではなく脂質やビタミン・ミネラルも必要です。卵のタンパク質は必須アミノ酸を含む良質なタンパク質なうえに脂質やビタミン・ミネラルすべてがバランスよく含まれているので、トレーニング効果をアップさせる食材ともいえます。
卵のタンパク質を理解して正しく摂取しよう!
卵のタンパク質や栄養について紹介しました。卵のタンパク質はアミノ酸スコアが100であることから良質なのが分かります。また、量も多く卵1個に含まれるタンパク質の量は一般的な卵1個が60gだとすると7.38gで黄身は2.97g、白身は4.41gの計算になります。
卵はタンパク質だけではなくて脂質、ミネラル、ビタミンなどの栄養素をバランスよく含む完全栄養食品なので、人間が生きていく上で必要な栄養素を摂るにはとても優れた食材です。病気などで食事制限がなければ、積極的に摂取していくようにしましょう。