お米の研ぎ方・回数の簡単な基本とは?やってはいけない研ぎ方とは?

私たち日本人が主食としている「お米」。家族のために朝・昼・夜のごはんのたびにお米を炊いている方もいれば、一人暮らしで自炊はしないけどお米だけは炊く、という方もいらっしゃるかもしれません。お米は毎日の食卓に欠かせない食べ物であり、私たちの食生活からお米を切り離すことはできません。そんなお米の正しい研ぎ方をご存知でしょうか?お米は研ぎ方ひとつで、炊きあがりのおいしさが変わるのです。意外と知らない、でも簡単なお米の研ぎ方の基本と、やってはいけない研ぎ方を紹介します。

お米の研ぎ方・回数の簡単な基本とは?やってはいけない研ぎ方とは?のイメージ

目次

  1. 1お米の研ぎ方の基本が知りたい!
  2. 2お米の基本の研ぎ方
  3. 3お米のやってはいけない研ぎ方
  4. 4お米を美味しく炊くコツ
  5. 5お米は研ぎ方一つで美味しさが変わる!

お米の研ぎ方の基本が知りたい!

私たち日本人が主食として口にしている「お米」。毎日3回の食事のたびに炊飯している方や、朝にまとめて炊飯する方、一度にまとめて炊飯して冷凍しておく方など、炊飯の頻度や量はそれぞれでしょうが、お米は毎日の食生活には欠かせない食べ物です。

お米の炊飯には、下準備が必要です。その工程が「研ぐ」ことです。通常のお米であれば、炊飯前に必ず研いでいると思います。お米をおいしく炊くために、お米の銘柄や品質、炊飯器にこだわりをもって選んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?自分好みのおいしいお米を追求するために、それらも大切なポイントです。しかし実は、お米の研ぎ方ひとつでも炊きあがったお米のおいしさが変わるのです。

お米の正しい研ぎ方をきちんと理解している、という方は意外と少ないかもしれません。しかし、その方法は非常に簡単です。毎日食べるお米をよりおいしくいただくために、研ぎ方の基本を理解していきましょう。

お米の基本の研ぎ方

お米を研ぐときはざるとボウルを使うと楽

まずは、お米を研ぐときに使う道具についてです。お米研ぎ専用のボウルも販売されていますが、一般的なボウル+ざるを使うと楽ちんです。ざるはボウルにぴったりおさまるサイズが良いでしょう。ボウルとざるを使用することで、お米を洗うときの水切りが非常に簡単になります。お米をこぼさないように注意する必要もなく、お米を無駄にすることなく研ぐことができます。

お米の研ぎ方手順①お米の量をはかる

道具を準備したら、お米の研ぎ方の手順にはいります。まずはお米の量をはかりましょう。計量カップを使うときは、計量カップでお米をすくってすりきり、表面を平らにならしてください。このとき、お米を計量カップに無理に詰め込む必要はありません。自然とカップにおさまる量で計量してください。

計量カップを使用せずお米の重量ではかるときには、1合=約150gで計量してください。ちなみにお米の計量カップは、1カップ=180mlとなっています。普段のお料理で使用する計量カップは1カップ=200mlですので、容量が違うことに注意してください。お米専用の計量カップがない場合は、使用する計量カップで一度150gのお米をはかり、1合でどのくらいの目盛りになるかを把握しておくと良いでしょう。

お米の研ぎ方手順②水を入れてすぐ捨てる

お米を計量したら、研ぐ作業にはいります。ここでお米をおいしく炊くための重要なポイントがあります。1番最初にボウルにいれた水は、お米をいれたらすぐに捨ててください。乾燥している状態のお米は、1番最初の水を最もよく吸収します。しかし最初はお米に付着した糠や不純物が水に混ざり、不味成分やニオイまでお米が吸収してしまうのです。これを防ぐために、1番最初にいれた水はざるを使ってすぐに捨てましょう。

お米の研ぎ方手順③円を描くように優しく研ぐ

水を切ったら、お米に水をいれていない状態で、大きく円を描くように優しく研ぎます。お米同士が軽く擦りあう程度に、15~20回ほど円を描くと良いでしょう。水を入れた状態だとお米同士が擦りあわないため、水を入れていない状態で研ぐのがポイントです。

お米の研ぎ方手順④水を注いで優しく混ぜる

水がない状態で軽く研いだら、再び水を注いで優しく混ぜます。水はお米全体がしっかり浸かる量をいれましょう。ここでも強く混ぜ過ぎず、優しく円を描くようにかき混ぜます。5回ほどかき混ぜたら、ざるを使って水を捨てます。

手順③と④を2回繰り返そう

お米の研ぎ方手順の③と④を繰り返します。お米を洗いすぎるとおいしさの減少につながるため、手順③と④を2回繰り返せば十分です。

炊飯釜は平らな所に置いて水加減を調整

研いだお米を炊飯釜に移して、水を加えます。炊飯釜は平らな場所に置いて水加減を調製しましょう。基本は炊飯釜についている目盛りを参考に水を加えると良いでしょう。研ぐ前にお米の重量をはかった場合には、お米の重量の約1.5倍の水を加えましょう。

お米のやってはいけない研ぎ方

お米は強く洗わない

お米をおいしく研ぐための基本として、お米は必ず優しく洗うようにしてください。お米を強く研ぐと、お米の粒が割れてしまいます。米についた汚れや埃を取り除く程度で十分なので、優しく行ってください。
 

お米を押すように洗わない

昔はよく、お米を押すように洗う様子が見られました。しかし、これもお米が割れたり、炊きあがりがべたつく原因になってしまうためNGです。昔は精米技術が今ほど高くなく、お米の表面に残った糠を落とすために押すように洗っていました。しかし現在では精米技術が向上しているため、その必要はありません。

またお米の品種も昔よりやわらかいものが増えており、強く押すように洗うと傷つきやすくなっています。お米の粒を守るために、お米を優しくかき混ぜる程度にしましょう。

水は少し濁っているくらいでOK

お米の研ぎ方手順で、お米を洗う操作は2回繰り返すと説明しました。このときお米を洗った水は、白く濁っています。しかし水の濁りがなくなるまで水を替えると、米の栄養分まで捨ててしまうことになります。そのため、水は少し濁っているくらいで問題ありません。
 

お米はお湯で洗ってはいけない

お米を洗うときは、お湯ではなく水を使うことが基本です。洗うときにお湯を使うと吸水力が高まり、糠の臭みまで吸収してしまいます。さらに、お湯を使用してお米の吸水力が高まることでお米が急激に水分を吸収し、お米が割れる原因になります。せっかく基本の研ぎ方を実践しても、お湯を使用してお米が割れてしまっては効果が半減してしまいます。

またお湯が熱すぎるとお米の表面だけが先に加熱されてしまい、炊飯したときに加熱ムラが乗じることもあります。「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」といわれるように、お米を炊くときにははじめにちょろちょろとした弱火で加熱することが基本とされています。

これはお米の加熱ムラを防ぐとともに、お米を炊飯しはじめてから徐々に水の温度が上昇することでお米の旨味が引き出されるためです。お米を研ぐときからお湯を使用してしまうと、お米の旨味が引き出されにくくなってしまうのです。

このように、お湯と使用すると炊きあがりのごはんのおいしさに大きく影響してしまいます。そのため、お米を研ぐときには必ず水を使用してください。

炊飯釜でお米を洗わない

冒頭で、お米を研ぐときの道具としてボウルとざるを紹介しました。お米を洗うときに、最初から炊飯釜で洗っているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし炊飯釜で直接お米を研ぐと、お米が擦りあわされ炊飯釜が傷む原因になってしまいます。お米の水切りの便利さの面からみても、ボウル+ざるを使用することをおすすめします。

お米を美味しく炊くコツ

先にボウルに水をためてからお米を洗おう

お米に水をいれるときには、十分な水を溜めたボウルにお米をいれたざるをいれると良いでしょう。お米を入れたざる+ボウルに蛇口から水をいれていくと、お米の吸水にムラが生じます。さらにお米全体が水に浸かるまでに時間がかかるため、捨てるべき最初の水をお米が吸収してしまいます。ボウルに水をためてからざるごとお米をいれることで、お米の吸水が均一になります。さらにざるごと持ち上げることで一気にお米の水切りができます。

お米研ぎは手早くしよう

お米の研ぎ方の基本として、最初に水を入れてから研ぎ終わるまでの手順は手早く行いましょう。一度お米に水をいれると、その瞬間からお米はどんどん水を吸収しはじめます。お米を洗っているときの水には、炊きあがりのお米のおいしさに影響する不味成分などが溶出しています。それらの成分をお米に吸収させないために、お米を手早く研ぐことが大切です。このためにも、お米を研ぐときにボウルとざるを重ねて使うことがおすすめです。

新米は少しだけ水を減らすとおいしい

新米を使って炊飯するときには、お米を研いだあとに加える水の量を少し減らすとおいしく炊きあがります。お米は貯蔵中に少しずつ水分が失われていきます。そのため、新米は貯蔵したお米に比べて水分量が多くなっています。新米を炊くときに少しだけ水の量を減らすことで、お米がやわらかくなりすぎず、粒の立ったおいしいごはんに炊きあがるのです。

無洗米は少しだけ水を増やすとおいしい

新米とは逆に、無洗米を使用するときには加える水の量をほんの少しだけ増やすと、おいしいごはんが炊きあがります。無洗米は通常のお米と違い、洗う必要がありません。通常のお米を洗うときにはその過程ですでに少量の水を吸収しますが、無洗米ではその分の水が少なくなってしまうのです。

お米を洗う過程で吸収する水の量は、お米の重量の約10%といわれています。そのため無洗米を使用するときには、お米2合(約300g)の場合で分量の水に20~30mlほど水を増やすと良いでしょう。少量ではありますが、お米は水の温度や量によって炊き上がりに差が生じます。炊飯釜に無洗米用の水の目盛りがある場合には、その目盛りに従って水を加えれば大丈夫です。

寒い日の米研ぎには「米とぎ棒」を使おう

お米の研ぎ方として、お湯を使わず水を使用することを説明しました。しかし、寒い冬に冷たいお水を使うのは少々つらいと感じることもあります。そんなときには、「米とぎ棒」を使用することをおすすめします。米とぎ棒は、お米を研ぐときに使用するアイテムで、手でお米を混ぜる代わりに米とぎ棒を使います。

これを使用することで冷たい水に手をつけることなくお米を研ぐことができるため、寒い日でもお湯を使わず楽にお米を研ぐことができます。また、手荒れのあるときにも活躍してくれるアイテムです。100円ショップなどで手軽に購入できるため、お米の研ぐときの冷たいお水にお悩みの方はぜひ探してみてください。

米とぎ棒ではなく普通の泡立て器などで代用しようとすると、泡立て器の棒が細すぎてうまくお米をかき混ぜられなかったり、お米が欠ける場合もあります。混ぜるためのアイテムを使用する場合は、代用せずに米とぎ棒を使用することをおすすめします。また米とぎ棒がない場合には、ゴム手袋などを着用するだけでも手荒れや水の冷たさから守ってくれます。ただし、清潔なゴム手袋を使用するようにしましょう。

お米に十分吸水させよう

お米を研ぎ終わったら、分量の水を加えて炊飯します。このとき、炊飯しはじめる前に時間をおき、お米に十分に水を吸収させましょう。お米の内部まで水を吸収させることで、加熱しはじめたときの加熱ムラをなくしおいしく炊き上げることができます。

水の温度が低いほど吸収に時間がかかります。そのため夏場では30分、冬場では1時間ほど水につけておくと良いでしょう。なお、お米を水につけて時間をおけばおくほど良いかというと、そうでもありません。夏場で30分、冬場で1時間以上長くお米を水につけたとしても、それ以降は水の吸収量がそれほど増加することはありません。

それ以上水につけておくことが悪いことではありませんが、あえて長時間つけておく必要はないので、夏場の30分、冬場の1時間という時間を目安にしてください。

とはいえ、お米を水につけておく時間がない場合も考えられます。そんなときにも時短目的でお湯を使用することはしないでください。水を使用して時間を置かなくとも、お米を炊き上げることはできます。時間がない中でもよりおいしくお米を炊き上げたい場合には、使用する水の温度を35~38℃くらいのぬるいお湯を使用すると良いでしょう。

ちなみに、炊き込みごはんなどごはんに味付けをして炊飯する場合にも、お米の吸水に関するポイントがあります。お米に吸収させる水に調味料が加わると、塩分濃度などの関係でお米への水の吸収が遅くなります。そのため炊き込みごはんを作る際には、通常より長めに時間をおいて吸水させるか、加熱をはじめる直前に調味料を加えると良いでしょう。

吸収させる水はキレイな水を使おう

お米に吸収させる水は、キレイなお水を使いましょう。研ぎ終わったあとに加える水を水道水から浄水やミネラルウォーターに変えると、雑味が減りおいしく炊きあがります。またお米を研ぐときに最初に入れる水もよく吸収するため、このときにも浄水やミネラルウォーターを使うことをおすすめします。

お米は研ぎ方一つで美味しさが変わる!

お米をおいしく炊き上げるためのお米の研ぎ方の基本を紹介しました。お米をおいしく炊き上げるためには、性能の良い炊飯器を選んだり、品質の良いお米を選ぶこともひとつの手段です。しかし、炊飯器を買い替えたり高いお米を購入しなくても、普段のお米の研ぎ方を見直すことで、より一層おいしいごはんに炊き上げることができるのです。

お米の基本の研ぎ方は、ひと昔まで常識とされていた研ぎ方からは変化していて、「知らなかった」、「実践できていなかった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?お米の研ぎ方は非常に簡単で、便利な道具やアイテムを選んで使用すれば、より簡単に行うことができます。毎日口にするお米だからこそ、基本の研ぎ方をマスターしておいしくお米をいただきましょう。

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