2018年08月23日公開
2024年07月31日更新
ダイエット中にお米を食べて痩せる方法とは?食べ方など紹介!
ダイエットにとって米は、まるで天使に忍び寄る悪魔のごとく言いふらされています。逆に、米は悪魔などではなく、正義の味方かと言えば、それも的を射ていません。この記事では、米の栄養価を冷静にみつめて、同じ炭水化物と一括りにされているものが、実は微妙に異なること、ダイエットに真に必要なものが何であって、米を食べて痩せることも十分に可能なことを、その食べ方もふくめて詳しく紹介していきます。
ダイエット中にお米を食べて痩せる方法とは?
出典: https://feely.jp
まず、確認しておかねばならないことは、偏向した考えを持たないことです。ダイエット中にお米を食べて痩せる方法は?と問われたら、答えはYESでもあり、NOでもあるわけです。つまり、お米をひたすら食べて痩せるかと言われれば、当然答えはNOであり、お米をひたすら食べなければ痩せるのかと言われれば、それもNOであるということです。米だけに全責任を負わせる考え方が、そう考えるご本人に害をもたらすのです。
米には米の、メリットもデメリットもあります。それを正しく把握して、米の食べ方を考えれば、自らのダイエットに活かすことができるはずです。日本人が何千年と食べ続けてきた米が、諸悪の根源であるはずがありません。そうであれば、米を食べて痩せる方法も当然あるはずです。米の食べ方に答えはあると思います。
ダイエット中にお米を食べても痩せるのかを詳しく解説!
お米が太るというのは間違い?
太ることの原因または主因が米である、というのなら、それは間違いです。肥満の原因は、高脂質の欧米化した食生活が主因である、と考えたほうがムリがありません。「欧米化した食生活」犯人説を科学的に立証できなくとも、「米」犯人説は十分に反駁し得ます。江戸時代、明治、大正、昭和と時代が下ってきて、米が中心の食生活であった時代と、昭和末期から平成にかけての肥満率を見れば一目瞭然です。米に罪はありません。
炭水化物は身体に大切なエネルギー源
しばらく前までは「炭水化物を極力摂らないようにしている」という台詞を、よく耳にしました。今では、摂らないようにしたいのは糖質のことであって、炭水化物から食物繊維を除いた成分です。炭水化物は大切なエネルギー源であって、特に脳の唯一のエネルギー源です。筋肉は余ればグリコーゲンとして炭水化物を蓄えることができますが、脳は蓄積ができないので、常なる補給が必要になります。
また、炭水化物に含まれる食物繊維はムダな存在ではけっしてありません。よく知られる便通や腸内環境の改善や発がん物質等の吸着排出作用、血糖値の急上昇を抑える効果、脂質異常抑制効果など、健康維持に欠かせないのです。
他の炭水化物に比べてお米はダイエット向き
米と他の炭水化物食品とのカロリー比較をしてみます。いずれも100g当りのカロリー量です。食パンは264kcal、米は168kcal、茹で中華麺は146kcal、茹でそばは132kcal、茹でうどんは106kcalと、なっています。米のカロリー自体は、全体のなかで中位にあります。ただ、食パンとの比較で言えば、米は腹持ちが良く、組み合わせるメニューが自然、和食となり、脂質との組み合わせが多くなるパンよりもダイエット向きです。
米がダイエットに向くかどうかは、その食べ方にかかっています。結論から言えば、旅館の朝飯のようなバランスで出されて、なお、ご飯を最後に食べるようにすれば、米は十分にダイエットに向きます。つまり、主菜や副菜の食物繊維を十分に摂ってから、主食の米を食べれば血糖値の急激な上昇を抑えることができます。そして、一緒に摂る主菜や副菜が低脂質なものであれば、ダイエットに十分に向いていると言えます。
お米は腸内環境を整える!
日本人が食べる米の、一番のメリットといってよいかもしれない点は、消化吸収が遅いことで大腸の奥まで食物繊維が届くことです。これは米に限らず、穀物由来の食物繊維に共通する特徴でもあります。人の小腸から大腸にかけては、膨大な腸内細菌が生息する腸内フローラがあります。米などの食物繊維をエサとして食べることでこれらの善玉菌が腸内フローラで繁殖し、いわゆる腸内環境が整えられることにつながる訳です。
お米は他の栄養素と一緒に摂取しやすい
ダイエットに一番必要なのは、よく言われるカロリーではなく、5大栄養素と呼ばれるものをバランスよく摂取することに尽きます。米の糖質を気にするあまり、米を食べない糖質制限を続ければ、同時に筋肉量も減るためにカロリーを消費しにくい、太りやすい体質を作ることになってしまいます。つまり、カロリーに限らず、何か1点だけを極端に変えても、望む成果は得られないということです。ダイエットにはバランスが大事なのです。
バランスのよい栄養素を摂取するのに、主食としての米は、まことにバランスのとれた和食のディレクター的存在です。米に欠ける脂質は、蛋白質も含む肉や魚といった主菜で補い、ビタミンやミネラル、食物繊維は、サラダや煮野菜などの副菜で補い、発酵大豆製品である味噌は、具沢山な味噌汁として飲めば、植物性蛋白と食物繊維が豊富に摂れます。むろん、米自体にも脂質以外の栄養素がすべて含まれていることもお忘れなく。
糖質制限ダイエットが陥る危険な誤り!
炭水化物を摂らない、糖質を制限する、米を食べない、といったダイエットをしている人が、陥りやすいワナがあります。炭水化物を摂取しないことで、たしかに痩せることはあります。体重計に乗った時に、いくらかでも数字が落ちていると、ダイエットに成功した!正しかったのだ!と思います。けれども、重要なポイントは、ここで減ったのは体脂肪ではないことです。これが危険な誤りなのです。
体重計が示している、数字の減少が何によるのかを見極めなければなりません。炭水化物を抜いた時に、まず最初に人の体から減るのは筋肉や水分です。この勘違いが、筋肉減少によるリバウンドに襲われて、帳消しどころか、さらに「太った!」という予期しない結果に、結びつくことにもなるのです。また、筋肉や水分の減少は、肌の乾燥や代謝機能の低下も招きます。ダイエットどころか健康の心配も出てくるわけです。
ダイエットにお米を食べると腹持ちがいい!
ダイエットにとって、腹持ちが良いことのメリットは、間食に走らないことにあります。腹持ちが良いこと自体が、ダイエットに良いわけではありません。栄養素的にいうと、脂質や蛋白質、食物繊維が腹持ちの良い食品といことになります。米も腹持ちが良いことは間違いありません。朝食や昼食に腹持ちの良い米を、蛋白質性の食品とともに食べることで、間食を避けられ、ダイエットにつながるわけです。
お米だけを食べて痩せるというのは間違い!
ダイエットにとって米は敵という考え方と、米だけを食べて痩せるという考え方はイコールです。どちらも偏っているという点で、誤っています。これは、米に限ったことではありません。小難しい言い方を許してもらえるのなら、それは教条主義です。初めのほうの章で述べたように、ダイエットに米というものを活かすのなら、その食べ方を考えるべきです。何と食べるか、どう食べるかという食べ方についてこの後、紹介していきます。
ダイエット中のお米のおすすめの食べ方を紹介
ダイエット中にお米を食べるなら順番に気を付けよう
ダイエットにとって重要なのは、食べ方だと述べました。その食べ方のなかで、何を食べるか、どう食べるかとも言いました。どう食べるかについて、ここで紹介します。下のフォトにあるように配膳するのが、ダイエットのための食事としては正しいと思います。どういうことかと言いますと、ご飯が向こう側に並べられています。一般的には、ご飯は手前に並べられるのが多いはずです。これがこれから述べることに意外と大事なのです。
ダイエットに良い食べ方は、ご飯を最後にすることです。一番の目的は、血糖値の急上昇を避けるためです。炭水化物である煮物や漬物を食べて、主菜の蛋白質を摂り、植物性蛋白質と食物繊維の味噌汁を飲みながら、ご飯を食べるのがベストになります。米にも蛋白質は含まれています。この米と大豆を一緒に摂ることで、肉に匹敵する蛋白質に変わります。カロリーよりも血糖値の急上昇が肥満をまねくのです。
炊き立てよりも冷ご飯がおすすめ!
米に含まれているでんぷんは、常温状態では固まった状態です。ご飯のように炊き上げると、加熱されることででんぷんの結合が解かれて吸収されやすくなります。ご飯が冷めてくると、再度でんぷんは結合し「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」に変わります。レジスタントスターチは、人の体内で食物繊維のような働きをするため、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。
また、レジスタントスターチは、腸内において善玉菌を増やす効果もあり、食物繊維としてユニークな機能を持っています。前の章で、ご飯を最後に食べることを勧めましたが、この意味でも熱々ご飯ではなく、冷めた状態のご飯を積極的に食べるべきだと思います。ご飯食べ方ひとつが、あなたを痩せるダイエットに導くでしょう。したがって、米をおにぎりという形で食べるのは、ダイエットに叶った食べ方と言えます。
1食当たりの量にも注意!
ダイエットに良い1食のご飯の量は、100g~150gです。けれども、理想的には限りなく100g(168kcal)に近づけるべきでしょう。減った分は、野菜などで補うのがよいと思います。1汁3菜の定食スタイルも、痩せるための食べ方としておすすめです。評判のタニタ食堂の5つのルールというものがあります。1.1汁3菜、2.野菜たっぷり、3.噛みごたえを残す、4.塩分3g以下、5.ご飯は100g、というものです。
タニタのルールは、たいへん理にかなっています。特に、噛みごたえを残すというのは、ダイエットのために有効な方法の一つと言えます。いずれにしても、1食のご飯は100gに抑えることが痩せるダイエットには必要です。
ダイエット中に食べるお米の種類は玄米がおすすめ!
米の特徴は、シンプルなことです。稲を脱穀して精米したら、水を加えて加熱するだけで出来上がります。なんといっても加工が少ないことです。これに対して、たとえば小麦系はまず粉にして、パンにしろ麺にしろ工場で作る加工食品です。加工という工程は、否応なく余計なものが入り込む可能性があるということでもあります。同じ意味合いで、精白米よりも玄米のほうが栄養素的にみても、よりダイエットに向くと考えられます。
小麦でも米でも、「白い炭水化物」と言われている精製されたものより、「茶色い炭水化物」と言われる精製されていないもののほうが、一般的に栄養価も高く肥満や動脈硬化のリスクも低いことが報告されています。米においても、精製米ではなく、玄米や胚芽米、雑穀米のほうが食物繊維やビタミン、ミネラルがより豊富で、ダイエット向きなことも確かなことです。
よく噛んで食べるようにしよう!
米は他の炭水化物食材と比較して、咀嚼がより必要な食材であります。これは、デメリットではなく、ダイエット面から考えるとメリットなのです。パンはフワフワとした食感で、ほとんど噛むことを必用としません。麺類に至っては、ツルツルと飲み込んでさえいます。この咀嚼するかしないかが、ダイエットに大事なのです。咀嚼はカロリー消費を増やすことで、太りにくい体にします。同じカロリーを摂っても差異がそこに表われます。
咀嚼回数が多いことで、食べ物が唾液と混ざる確率が増えて胃に送られるために、胃の負担も減り、消化吸収効率も上がり、腸内環境も良化します。
就寝3時間前までに食べ終わるようにしよう
食べ物はどんなに栄養価が優れていても、どれほどダイエットに良いものでも、食べたものが胃に残った状態で眠りに入ると、エネルギー消費は行われず脂肪として蓄積されることになります。しかも、胃は眠ることなく働く臓器ですから、眠りは浅くなり成長ホルモンは分泌されにくくなるなど、脂肪燃焼効果や疲労回復効果が得られにくい状態になります。そういうことから、理想的には、夕食は就寝3時間前までに終えることです。
お米の蛋白質を馬鹿にしてはならない!
米にはいくらかの多寡はあっても、脂質以外の栄養素はすべてあります。蛋白質もその一つです。蛋白質と言えば肉類がその代表になります。しかし、日本人にとって蛋白質摂取源の第1位は、肉ではなく予想外の穀物由来なのです。実際に、肉に含まれる蛋白質は単位重量当たりでみると米よりは、間違いなく多いのです。けれども、1日に肉を食べるよりもご飯を食べる日本人には、その頻度がまるで違います。
その結果、トータル的に穀物由来の食べ物から蛋白質を摂取することは、日本人にとって不思議でもなんでもありません。前にも触れましたが、米と大豆を一緒に摂ると栄養的価値が上がることで、肉レベルの蛋白質に変わることもあるのです。
ダイエットにお米を取り入れてみよう!
どうですか?米はダイエットにとって敵でしたか、味方でしたか。米に限らず食材はいろいろな側面をもっています。米のもつダイエットに活かせる要素を、十分に理解して痩せる方法を模索してください。なんといっも大切なことは、米をどのように食べるか、米を何と一緒に食べるかに尽きると思います。つまり、食べ方の問題になるのです。そのあたりを理解していただいて、あなたのダイエットに米を取り入れてみてください!