カースマルツゥとは?世界一食べたくないと言われるチーズを調査!

チーズは好きですか?加工食品の中でも長い歴史をもつチーズは、美容にも健康にも良いとされている乳製品です。今でこそ非常に身近な存在であるチーズですが、世界中に様々なチーズが存在する中、異彩を放つチーズも少なくありません。今回は、そんな異色のチーズの中でも、異色中の異色を放つチーズ、カースマルツゥを紹介します。カースマルツゥはイタリアの地方で今も食べられているチーズの一種です。果たして、どんなチーズなのでしょうか?

カースマルツゥとは?世界一食べたくないと言われるチーズを調査!のイメージ

目次

  1. 1カースマルツゥは日本にあるチーズとはかけ離れている?
  2. 2チーズの種類は様々
  3. 3世界のチーズは美味しいチーズだけではない
  4. 4カースマルツゥとは?
  5. 5カースマルツゥは食べる事が危険なチーズとして有名
  6. 6カースマルツゥは食べても安全なのか?
  7. 7カースマルツゥは食べる人を選ぶ
  8. 8カースマルツゥは発酵前と後では値段が違う
  9. 9カースマルツゥの美味しい食べ方
  10. 10カースマルツゥを一度試してみては?

カースマルツゥは日本にあるチーズとはかけ離れている?

私達の身近にあるチーズは美味しい!

チーズとは、牛や羊、山羊などから取れる乳から出来る、優秀な発酵食品です。乳に含まれる脂肪分を分離させて作るバターと違い、チーズの場合は乳酸菌を加えることによって、乳の発酵を促して脱水を施す事によって、濃厚な乳の香りを残した保存食品となるのです。

 

実はチーズは、人類が作った世界最古の発酵食品と言われています。一説には、紀元前6000年からすでに存在していたのではないかと言われており、大昔の遺跡からはチーズが作られていた痕跡が実際に残っているそうです。

 

ヨーロッパのポーランドが起源としているのではないかという説が有力なようですが、実際にはどこで作られ始めたのか、まだ分かっていないそうです。ただ言えるのは、私達人類がチーズという発酵食品を現代まで作り続けているという事です。近年では、色々な種類のチーズで溢れかえっています。

 

チーズの種類は大変多く、世界中で確認出来ているものだけでも、その数1000種類以上あります!チーズは大きく分けて、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分ける事が出来ます。あまりにも種類が多いので、専門販売をしているお店も大変多いです。

 

日本にチーズが伝わったのは実は飛鳥時代

大変意外な事に、日本とチーズの歴史は長く、飛鳥時代にはすでにチーズが日本に伝わっていました。当時はチーズの事を「蘇」と呼び、乳院寮という機関で、今とは違う製造方法で作られていたそうです。当時はまだ発酵技術が高くなかったため、蘇の製造方法は牛乳を煮詰めていくだけの単純なものでした。

 

製造に時間がかかる上に手間もかかったためなのか、最高級食品として神に捧げられたり、薬として使われていたそうです。動物性タンパク質が貴重だった時代、蘇を口に出来たのは天皇や貴族といった、位の高いものだけでした。上の画像のものは、おそらくこのようなものだったのではないかと、当時と似たような製法で作られたものです。

 

煮詰めた蘇を更に発酵させたものは「醍醐」と呼ばれ、これもまた高級品として扱われていたのですが、時代が移り変わるにつれて、乳牛は農耕や軍役に利用される頻度が多くなっていきました。ついには、蘇や醍醐は作られなくなり、この時代の日本にはチーズの文化は根付きませんでした。

 

チーズが日本に普及したのは1970年代

日本にチーズが普及したのは、チーズケーキブームがきっかけでした。過去に何度かチーズが日本で食べられていた事はあったようですが、当時の日本人の口に合わなかったのか、普及しなかったのです。ようやくチーズが普及し始めたのが1970年代の事で、チーズケーキが爆発的にブームになり、多くの女性誌に取り上げられるようになりました。

 

チーズケーキブームに乗っかる形で、数々のケーキ屋さんで様々な種類のチーズケーキを、次々と作り出していきました。ようやく、日本人はチーズの味に馴染んでいき、その後にはピザやティラミスといった、チーズをメインに使うアメリカの料理が次々にブームを巻き起こし、日本にようやくチーズが根付く事となりました。

 

現代ではデパートのチーズコーナーで多くのチーズが販売されているのが当たり前になっていますが、チーズが日本に根付くまでには相当な時間がかかったようです。今や、ナチュラルチーズやプロセスチーズをはじめとする様々なチーズが店頭に並んでいます。

 

チーズの種類は様々

ナチュラルチーズとは?

ナチュラルチーズは、乳を原料とし、乳酸菌や酵素の働きで発酵させて、固めたものになります。使う乳の種類や、乳酸菌、酵素の種類の違い、そして製造方法の違いによって、様々な種類のチーズを作り出す事が出来ます。

 

チーズが完成した後にも、含まれている乳酸菌が生きたまま残っているので、時間と共に熟成が進む程、味わいが変化していくという特徴があります。お酒を嗜む人や、チーズが大好きな人にオススメです。

 

プロセスチーズとは?

一方、プロセスチーズが原料として使っているのは、すでに完成しているナチュラルチーズです。1種類、または数種類のナチュラルチーズを加熱して溶かし、再び固めて完成となります。製造過程の中で、乳酸菌を殺菌したり、酵素を化学反応によって別のものへと変化させることによって、ナチュラルチーズよりも長期保存できるようになります。

 

長期保存が出来る事も利点となりますが、乳酸菌や酵素の働きが弱まる事により、熟成が進まなくなります。その結果、味が一定に保たれ、熟成されないためにクセの少ないチーズになるので、万人向けの味に仕上がるそうです。お弁当に入れたり、チーズが苦手な人でも比較的食べやすい味になっています。

 

今回紹介するカースマルツゥというチーズは、原料にペコリーノ・サルドというチーズを使用するので、プロセスチーズに分類されます。その製造方法は極めて特殊である上に、食べるのは危険という専門家もいます。おそらく気持ち悪くなる事が予想されるので、カースマルツゥの画像を見る時には、食事中は避けて下さい。

 

世界のチーズは美味しいチーズだけではない

発酵が進むと言うのは言い換えると?

発酵食品は、菌や酵素の働きを利用して、食品の味や栄養を倍増させたり、長期間保存出来るようにするといった、私達人間に良い効果をもたらしてくれる食品の事を指します。チーズをはじめとして、ヨーグルトや納豆、魚醤やアンチョビなども発酵食品に分類されます。

 

しかし、青カビチーズや白カビチーズと言ったものも存在しています。カビとは、世間一般的な認識としては、人間の身体に害を及ぼす可能性のあるものです。人によってはアレルギー反応や食中毒を起こす人もいるぐらいです。カビは、物体の腐敗によって成長してしまうものです。つまり、発酵も腐敗も物が「腐る」ことによって起きているのです。

 

それなのに、私達は発酵食品をよく食べています。それどころか、健康食品として知られている物も大変多いのも事実です。腐っている物を食べているのに健康を保てているのです。発酵と腐敗はどう違うのでしょうか?

 

発酵と腐敗は分解される物質によって違う

発酵が進む過程では、食品に含まれる糖質が菌によって分解されます。この菌は、乳酸菌や納豆菌など、人間に害をなさない菌であり、発酵が進む程、乳酸やアルコール、旨味成分などが生成されます。生成される物質もまた、人間に害をなすものではありません。

 

一方腐敗では、食品に含まれるタンパク質が分解されます。この時食品で繁殖している菌は、人間に対して毒性を持つものです。その菌によって生成される物質は、硫化水素やアンモニアです。所謂有毒ガスが発生してしまい、人間だけでなく色んな動物にも悪影響を及ぼす大変危険性の高い有毒ガスが発生してしまうのです。

 

糖質を分解した場合にも、稀に有毒ガスが発生する分解の仕方をしてしまう事があります。カビは、発生する条件が揃えば、人間にとって良いものにも悪いものにもなってしまうのです。ただ言えるのは、発酵は人間に有益な結果をもたらす、微生物による成分分解の結果という事です。

 

カースマルツゥとは?

カースマルツゥが作られているのはサルデーニャ島

カースマルツゥは、イタリアのサルデーニャ島で作られている伝統的なチーズの一種です。サルデーニャ島は、イタリア半島の西方に位置するイタリア領の離島です。この島では、イタリア語ではなく、サルデーニャ語が公用語として使われているそうです。

 

カースマルツゥはサルデーニャ語です。その意味は、「腐ったチーズ」。すでに完成しているチーズにある要素を加え、更に発酵を進ませて作るプロセスチーズの一種です。しかし、カースマルツゥは、腐る過程がとても特殊なのです。果たして、カースマルツゥはどんなチーズなのでしょうか?

 

ネット上でカースマルツゥは、「絶対に検索してはいけない画像」と言われるほど、画像として残す事が困難な食べ物として紹介されています。カースマルツゥの画像を見る事を、覚悟しておいて下さい。画像を添付しているのはもう少し先ですが、心の準備はいいですか?

 

カースマルツゥに使うチーズはペコリーノ・サルド

カースマルツゥは、サルデーニャ産の別のチーズであるペコリーノ・サルドというチーズを使って作ります。ペコリーノ・サルドは、サルデーニャ原産の羊の乳を、熱を使わずに発酵させたハードタイプのナチュラルチーズです。熟成を促す事で、味が鋭く洗練されたものになっていくそうです。

 

このチーズを使って作る有名なものと言えば、ペスト・ジェノベーゼでしょう。使う材料はニンニクと松の実、バジルコの葉とエキストラバージンオリーブオイルと粗塩、そしてペコリーノ・サルドとイタリアを代表するチーズの一つであるパルミジャーノ・レッジャーノ。全ての材料をすり潰してペースト状にしたものを見た事がある人は多いでしょう。

 

深い緑色のソースに絡んだスパゲッティーを食べた事がある人も多い事でしょう。その料理に使われているジェノベーゼソース、そのソースにこそ、本来はペコリーノ・サルドが使われているのです。意外と、私達日本人にとっても身近な存在かもしれません。

 

ペコリーノ・サルドの発酵を更に促すために

カースマルツゥは、発酵を促すために欠かせないある工夫をペコリーノ・サルドに施します。チーズバエというハエの一種の事を、知っていますか?人間の食料に群がるハエは、主にチーズバエと呼ばれます。ここから先を読み進まれる方は、画像の閲覧注意です。

 

カースマルツゥを作るには、このチーズバエが欠かせません。実は、ペコリーノ・サルドを発酵させる過程で、チーズバエに意図的に卵を産ませるのです。ペコリーノ・サルドの中で産まれた幼虫、所謂ウジ虫は、チーズを食べて消化、排泄を繰り返します。

 

この行程で、チーズの中で発酵と脂肪の分解が進み、約3ヶ月ほどでカースマルツゥは完成します。ハードタイプのチーズだったはずのペコリーノ・サルドが、舌に載せるととろとろに溶けて消えてしまう程柔らかくなるのです。グロテスクな度合いが高い画像は載せられませんが、それでも怖いもの見たさに興味が湧いてきたのではありませんか?

 

カースマルツゥは食べる事が危険なチーズとして有名

カースマルツゥの上で飛び跳ねるウジ虫

チーズに住み着いているウジ虫は、身の危険を察知すると、15センチも飛び跳ねる事が出来るそうです。ウジ虫の体長は約8ミリ程度と、大変小さいのですが、食べる時には目を保護する事を推奨されています。ウジ虫の幼虫の画像がありますので、見たくない人は見ない事を強くオススメします。

 

俄かには信じ難い事ですが、本当にチーズの中で成長したウジ虫なのです。ウジ虫自体には味が無いそうです。イタリアではこのチーズの販売が禁止されているそうです。衛生的な問題と、食品安全性の疑問の声が多い事から、そのような処置が取られたのでしょう。

 

切れ目から溢れ出る大量のウジ虫

一度カースマルツゥにナイフを入れると、切れ目からウジ虫がうじゃうじゃと、まるで決壊した噴水のように噴き出てくるそうです。滅多にお目にかかれない光景かと思いますが、目に入りでもしたら一大事です。必ず自己責任で、カースマルツゥに接触する事を心掛けましょう。

 

カースマルツゥは食べても安全なのか?

食品安全問題の提起による販売制限

見た目にも、発酵なのか腐敗なのか、何とも言えない状態までに発酵が進んでいるカースマルツゥ。ウジ虫が巣食っている事により、通常の発酵スピードよりも格段に進み具合が速いため、発酵を通り越して腐敗まで進んでしまっているのではないかという俗説が囁かれています。

 

今回の調査では、実際に亡くなった人がいるという情報はありませんでしたが、腸内に寄生する可能性が比較的高い事から、カースマルツゥを食ベて人体に害を及ぼす危険性は非常に高いです。世界の至る所で販売が禁止にされているようなので、手に入れる事が困難な事は人間にとって良い事なのかもしれません。

 

カースマルツゥは本当に安全に食べられるものなのか?

カールマルツゥを生んだ地元のサルジニア人が言うには、まだ生きているウジ虫がチーズ内に存在しているならば、まだ腐敗はしていない証拠であるようです。ウジ虫自体、腐敗したものに寄生すると言うのが、世間一般的な認識であるが故に、疑問視される問題点であるでしょう。

 

イタリアでも販売が禁止されているはずなのですが、カースマルツゥを生んだ現地では販売禁止規制が、あまり徹底されていないようで、販売している様子を見る事が出来るそうです。もし、販売しているところを目撃したら、貴方なら買いますか?

 

カースマルツゥは食べる人を選ぶ

カースマルツゥはウジ虫入りの大変危険なチーズ

生きたウジ虫が入っているチーズなので、重篤なアレルギー反応を起こす人や、生きたウジ虫が腸内寄生して、吐き気、嘔吐、重度の下痢などの症状を引き起こしてしまう事もあるようです。発酵を通り越して、腐敗の一歩手前まで進んでしまっている状態と見て取れるそのチーズを好んで食べる人もいるそうです。

 

大半の人達にとってこのチーズは、有害となり得るものだと判断する事が出来るでしょう。しかし、それだけ危険を伴うチーズなのに、このチーズが好きでたまらないという人もいるそうです。

 

カースマルツゥは発酵前と後では値段が違う

あまり出回っていないからこそ原料の3倍近い値段の高級品

イタリア政府が販売を禁止しているカースマルツゥですが、原産地であるサルデーニャ島では、未だに闇市などで販売されているようです。それ故に、出回っている数が圧倒的に少ないため、大変な高値で取引されているようで、原材料として使われているペコリーノ・サルドよりも3倍近い値段がつけられているそうです。

 

カースマルツゥの美味しい食べ方

極限まで高まった酸味の強い辛口のチーズに合うのは?

辛口だがクリーム状になったチーズは、刺激と言っても差し支えない程の強い酸味があるそうです。ウジ虫が着いたまま食べる人もいれば、出来るだけ取り除いて食べる人もいるようで、赤ワインとの相性が抜群に良いと言われているようです。重厚な赤ワインと一緒に食べると、強いアルコールによる殺菌効果も少しは期待できるかもしれません。

 

カールマルツゥの一般的な食べ方は、サルデーニャの伝統的な平パン、パーネ・カラザウにクリームのように挟んで食べるそうです。パーネ・カラザウは、パン生地をクレープのように薄い円状にして焼き上げたもので、ピタのように中に空洞ができます。

 

食べ方としては、中の空洞に好きなおかずを挟んだり、または皿のように上におかずを載せて食べるのも美味しいようです。水やワインなどで湿らせて、柔らかくしてから食べるのもまた美味しいそうです。カールマルツゥだけを食べるのに抵抗がある人は、パーネ・カラザウと一緒に食べる方が、パンの味も楽しめて良いのではないでしょうか?

 

カースマルツゥを一度試してみては?

ウジ虫入りの発酵が更に進んだチーズは、正に画像で見るのも無残な形をしていると言っても過言ではないでしょう。イタリア政府が販売を規制するほど危ないと認識されているチーズが、私達日本人のお目にかかる事は、興味を持つ事が無ければ、まず一生無いでしょう。

 

いくつかの画像を記事では添付していますが、気持ち悪くなってはいけないので、画像を長時間見る事はオススメしません。本当に興味のある人だけ、もう1度見てみてはいかがでしょう。

 

また、現地に行って食べてみたい!という、勇敢な人がもしいらっしゃるなら、全て自己責任で未知への体験を果たされる事を約束して下さい。カースマルツゥは正しく、「腐ったチーズ」でした。是非にとは言いませんが、もし本当に興味が湧いたのなら、再度自身で入念な調査を行った上で、安全な食べ方を実施してみてはいかがでしょうか?

 

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